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新しい年に
第39話 福屋にて。
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元旦をゆっくりと過ごし今日は福屋さんへご挨拶に行く予定になっています。
『昼飯は食って来るな』という松ちゃんの指示で昼前に貴史の部屋を出ました。
「あらためてとなるとどうしても緊張するな」と珍しく貴史が気弱になっている。
福屋では松ちゃんを頭に女将の春子、長男の幹也、そして大阪に転勤になっている結婚している次男の達也が今回は単身で帰省し、香織が貴史を連れて来るのを今かと待ち構えているのですから。
「大丈夫よ、みんな明るくて気兼ねない人達だから」
「そりゃ、君は実家だからそういうけれど、松ちゃん以外初対面ですからね。息子さん達も僕と年が変わらないんでしょう?」
「うん、幹也兄さんが貴史さんより2つ上で42、あっ、厄年?それと達也兄さんが3つ違いだったから貴史さんの1つ下ね。あら、今思い出したけど、あたしってブラコンだったのかもしれない。初恋は幹兄だったから」
香織は懐かしそうに笑っている。
「えっ、そうなの?長男の幹也さんですか。。。初恋」
顔色が少し変わった貴史を見て
「あ、あ、でも小1の頃の話だから」
香織は貴史の独占欲の強さを思い出し慌てて言い訳をしたのでした。
「あけましておめでとうございます」
玄関に迎えに出た松ちゃんに新年の挨拶をすると
「挨拶なんか座ってからでいい。早く上がれ」と急かされる。
「おーい、みんな香が来たぞ」とどかどかと廊下を客間へと向かっていった。
台所から出て来た女将さんに「春子ママ~」と抱き付く香織。
「初めまして須藤です」
「まぁ、素敵なイケメン、どうぞ入ってお座りになって下さいな」
春子は香織に抱き付かれたまま、ヨシヨシと背中を摩っている。
「お邪魔します」客間に通され座る。
「香ちゃん近いのに顔を見せに来ないんだから。よっちゃんばかり会っていてずるいわ。でも元気そうで良かった」
「ごめんなさい」
叔母の前では香織も子供の様になるなと貴史は微笑ましく見ていた。
(因みによっちゃんとは松ちゃんの事である)
そこへ2階から降りてきた兄弟を松ちゃんが長男の幹也と次男の達也だと紹介して全員が席に座った。
「初めまして、須藤貴史です。香織さんと結婚を前提にお付き合いさせて頂いております」
と頭を下げた。
「貴ちゃん、家族には俺から話してある。みんな喜んでいるよ」
「松山さん」
「がはは、照れるじゃねえか。いつもみたいに松ちゃんで良いよ」
大声で笑う旦那に春子がこらっと膝を叩き、まずは新年を祝いをしましょうと促すと全員グラスを持った。
「明けましておめでとう。今年も『福』を授かる様みんな精進して1年を過ごそう。乾杯」
テーブルの上には豪華なお節などがずらっと並んでいた。
「さあ、食べて食べて。今年は香ちゃんが居なかったから幹也に手伝わせたの。だから味の保証はしないけど」
「手伝わせておいてそりゃないよ、母さん」笑いながら幹也が言うのを聞いて
「これ全部手作りなんですか?」
お節料理を眺めながら貴史が春子に聞いた。
「そうよ。当り前じゃない。香織も小さい頃から手伝わせたから全部ひとりで出来るわよ」
貴史は香織の顔を見て凄いなと感心する。
「須藤家のお正月はどういう風なの?」
春子の質問に少し戸惑いながら
「子供の頃は殆ど年末から海外で過ごしてました。中学からはホテルでのパーティーでしたから家でこうして食べることが無かったのですごく新鮮な感じがします」
香織を含め松山家全員が驚いている。
「ほら少し話しただろう、貴ちゃんの亡くなったご両親は社長さんだったって」
「ああ、そんな事を聞いたような気がする」
松ちゃんの言葉に幹也が考えるしぐさをしていると能天気な達也が
「香、お前セレブじゃん」
と前に松ちゃんが言ったのと同じことを言う。
『ああ、達兄はやっぱりおじさんに似なんだわ』と苦笑する香織でした。
香織は話を元に戻し春子に向かって
「春子ママ今回はお節作りを手伝いに来れなくてごめんなさい」と謝る。
「何言ってるのよ、こんな素敵な彼氏が出来たんだからそっち優先でいいのよ。香ちゃんより、うちの長男よ。全く結婚のけの字も出て来やしない。幹也早くお嫁さん貰ってあたしをよっちゃんみたいに隠居させて」
「こっちにとばっちりが来たな」
幹也がバツ悪そうにしている横で達也は全く気にせず黒豆をつまみながら
「あー、やっぱりうちの黒豆は美味いな・福屋のが一番だ」
やっぱり能天気です。
「当たり前だ、うちのはどこにも負けないからな。それにおれは隠居はしてねえぞ」
「何言ってるの、毎日ふらふらして夜は香ちゃんところでしょうよ」
そんな夫婦の会話をよそに幹也が愛おしそうに香織にいった。
「香織良かったな、結婚する気になってくれて俺は本当に嬉しいよ」
「ありがとう幹兄」
半分涙目で言う幹也を見て香織も涙ぐむ。
「兄貴の香織に対する可愛がり方は普通じゃなかったからな、親父じゃないけど娘を嫁に出すくらいの気持ちか、それとも恋人を取られたってとこか?」
貴史の眉がピクリと動く。
「あはは。達兄だってあたしが可哀相って友達と遊ぶの時もいつも一緒に連れて行ってくれたじゃない」
「香はめっちゃ可愛くて友達に人気があったからな。俺の妹だって自慢してたわ」
「えへへ。」
「須藤さん」
昔話しで和やかな中、幹也が貴史に向き直り
「香は両親にとって大事な娘であり俺たちにとっても大切な妹です。悲しい事も辛い事も経験しています。その度に家族で支えて来たつもりです。これからは須藤さんにその役をお譲りします。香織を幸せにしてやってください、お願いします」
幹也の香織を思う気持ちがひしひしと伝わり貴史も崩していた足を直し
「こちらにお邪魔して家族という言葉の意味を実感しました。私は兄妹もなく両親は多忙で大人ばかりという中で育ち家族の温かみを知りません。今ではその両親さえ居りません。香織さんと皆さんを見ていて羨ましく思いました。家族の絆がこれほど強く優しいものだと思い知りました。こんな私ですが。皆さんの愛情を超えるつもりで香織さんを支えていきたいと思っています」
貴史の言葉を聞いて松山家全員が涙した。
幹兄は貴史の手を握りありがとうと何回も頭を下げた。
「貴ちゃん、籍を入れるのはまだ先と言っていたけどよ、今日からおまえさんもうちの家族だ。仲良くやろうや」
松ちゃんの言葉に高史は「ありがとうございます」と震える声で答えたのでした。
「義明おじさん、春子おばさん、幹也兄さん、達也兄さん、こんなあたしをいつも暖かく見舞ってくれてありがとうござます。 母が死んで一人ぼっちになって。。。この家に呼んでくれた時、本当に嬉しかった。養女にと言ってくれたのに生意気な中学生のあたしは変な拘りがあって断ってしまいました。それでも優しく本当の娘として接しくれて感謝しています。これからは家族を知らない貴史さんにその温かさを教えてあげられたらと思います」
うんうん、みんなが頷く。
こうして貴史も松山家の一員と認められた日となりました。
『昼飯は食って来るな』という松ちゃんの指示で昼前に貴史の部屋を出ました。
「あらためてとなるとどうしても緊張するな」と珍しく貴史が気弱になっている。
福屋では松ちゃんを頭に女将の春子、長男の幹也、そして大阪に転勤になっている結婚している次男の達也が今回は単身で帰省し、香織が貴史を連れて来るのを今かと待ち構えているのですから。
「大丈夫よ、みんな明るくて気兼ねない人達だから」
「そりゃ、君は実家だからそういうけれど、松ちゃん以外初対面ですからね。息子さん達も僕と年が変わらないんでしょう?」
「うん、幹也兄さんが貴史さんより2つ上で42、あっ、厄年?それと達也兄さんが3つ違いだったから貴史さんの1つ下ね。あら、今思い出したけど、あたしってブラコンだったのかもしれない。初恋は幹兄だったから」
香織は懐かしそうに笑っている。
「えっ、そうなの?長男の幹也さんですか。。。初恋」
顔色が少し変わった貴史を見て
「あ、あ、でも小1の頃の話だから」
香織は貴史の独占欲の強さを思い出し慌てて言い訳をしたのでした。
「あけましておめでとうございます」
玄関に迎えに出た松ちゃんに新年の挨拶をすると
「挨拶なんか座ってからでいい。早く上がれ」と急かされる。
「おーい、みんな香が来たぞ」とどかどかと廊下を客間へと向かっていった。
台所から出て来た女将さんに「春子ママ~」と抱き付く香織。
「初めまして須藤です」
「まぁ、素敵なイケメン、どうぞ入ってお座りになって下さいな」
春子は香織に抱き付かれたまま、ヨシヨシと背中を摩っている。
「お邪魔します」客間に通され座る。
「香ちゃん近いのに顔を見せに来ないんだから。よっちゃんばかり会っていてずるいわ。でも元気そうで良かった」
「ごめんなさい」
叔母の前では香織も子供の様になるなと貴史は微笑ましく見ていた。
(因みによっちゃんとは松ちゃんの事である)
そこへ2階から降りてきた兄弟を松ちゃんが長男の幹也と次男の達也だと紹介して全員が席に座った。
「初めまして、須藤貴史です。香織さんと結婚を前提にお付き合いさせて頂いております」
と頭を下げた。
「貴ちゃん、家族には俺から話してある。みんな喜んでいるよ」
「松山さん」
「がはは、照れるじゃねえか。いつもみたいに松ちゃんで良いよ」
大声で笑う旦那に春子がこらっと膝を叩き、まずは新年を祝いをしましょうと促すと全員グラスを持った。
「明けましておめでとう。今年も『福』を授かる様みんな精進して1年を過ごそう。乾杯」
テーブルの上には豪華なお節などがずらっと並んでいた。
「さあ、食べて食べて。今年は香ちゃんが居なかったから幹也に手伝わせたの。だから味の保証はしないけど」
「手伝わせておいてそりゃないよ、母さん」笑いながら幹也が言うのを聞いて
「これ全部手作りなんですか?」
お節料理を眺めながら貴史が春子に聞いた。
「そうよ。当り前じゃない。香織も小さい頃から手伝わせたから全部ひとりで出来るわよ」
貴史は香織の顔を見て凄いなと感心する。
「須藤家のお正月はどういう風なの?」
春子の質問に少し戸惑いながら
「子供の頃は殆ど年末から海外で過ごしてました。中学からはホテルでのパーティーでしたから家でこうして食べることが無かったのですごく新鮮な感じがします」
香織を含め松山家全員が驚いている。
「ほら少し話しただろう、貴ちゃんの亡くなったご両親は社長さんだったって」
「ああ、そんな事を聞いたような気がする」
松ちゃんの言葉に幹也が考えるしぐさをしていると能天気な達也が
「香、お前セレブじゃん」
と前に松ちゃんが言ったのと同じことを言う。
『ああ、達兄はやっぱりおじさんに似なんだわ』と苦笑する香織でした。
香織は話を元に戻し春子に向かって
「春子ママ今回はお節作りを手伝いに来れなくてごめんなさい」と謝る。
「何言ってるのよ、こんな素敵な彼氏が出来たんだからそっち優先でいいのよ。香ちゃんより、うちの長男よ。全く結婚のけの字も出て来やしない。幹也早くお嫁さん貰ってあたしをよっちゃんみたいに隠居させて」
「こっちにとばっちりが来たな」
幹也がバツ悪そうにしている横で達也は全く気にせず黒豆をつまみながら
「あー、やっぱりうちの黒豆は美味いな・福屋のが一番だ」
やっぱり能天気です。
「当たり前だ、うちのはどこにも負けないからな。それにおれは隠居はしてねえぞ」
「何言ってるの、毎日ふらふらして夜は香ちゃんところでしょうよ」
そんな夫婦の会話をよそに幹也が愛おしそうに香織にいった。
「香織良かったな、結婚する気になってくれて俺は本当に嬉しいよ」
「ありがとう幹兄」
半分涙目で言う幹也を見て香織も涙ぐむ。
「兄貴の香織に対する可愛がり方は普通じゃなかったからな、親父じゃないけど娘を嫁に出すくらいの気持ちか、それとも恋人を取られたってとこか?」
貴史の眉がピクリと動く。
「あはは。達兄だってあたしが可哀相って友達と遊ぶの時もいつも一緒に連れて行ってくれたじゃない」
「香はめっちゃ可愛くて友達に人気があったからな。俺の妹だって自慢してたわ」
「えへへ。」
「須藤さん」
昔話しで和やかな中、幹也が貴史に向き直り
「香は両親にとって大事な娘であり俺たちにとっても大切な妹です。悲しい事も辛い事も経験しています。その度に家族で支えて来たつもりです。これからは須藤さんにその役をお譲りします。香織を幸せにしてやってください、お願いします」
幹也の香織を思う気持ちがひしひしと伝わり貴史も崩していた足を直し
「こちらにお邪魔して家族という言葉の意味を実感しました。私は兄妹もなく両親は多忙で大人ばかりという中で育ち家族の温かみを知りません。今ではその両親さえ居りません。香織さんと皆さんを見ていて羨ましく思いました。家族の絆がこれほど強く優しいものだと思い知りました。こんな私ですが。皆さんの愛情を超えるつもりで香織さんを支えていきたいと思っています」
貴史の言葉を聞いて松山家全員が涙した。
幹兄は貴史の手を握りありがとうと何回も頭を下げた。
「貴ちゃん、籍を入れるのはまだ先と言っていたけどよ、今日からおまえさんもうちの家族だ。仲良くやろうや」
松ちゃんの言葉に高史は「ありがとうございます」と震える声で答えたのでした。
「義明おじさん、春子おばさん、幹也兄さん、達也兄さん、こんなあたしをいつも暖かく見舞ってくれてありがとうござます。 母が死んで一人ぼっちになって。。。この家に呼んでくれた時、本当に嬉しかった。養女にと言ってくれたのに生意気な中学生のあたしは変な拘りがあって断ってしまいました。それでも優しく本当の娘として接しくれて感謝しています。これからは家族を知らない貴史さんにその温かさを教えてあげられたらと思います」
うんうん、みんなが頷く。
こうして貴史も松山家の一員と認められた日となりました。
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