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踏み出した先にあるもの

第35話 自由過ぎます貴史さん①

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「おはよう」

「ん、もう起きてたの?何時ですか?」

「まだ7時だよ、ちょっと一服してた」

「もう起きます?朝ごはんの支度しますけど」

「今日はゆっくりブランチにしようって夕べ君が言ったでしょう。まだこうしていたい」

そう言って身体の下に腕を滑り込ませ片手で後ろから香織を抱きしめる。

「疲れてたのかなーワイン飲んで酔ったみたい。ソファで寝ちゃったの運んでくれたんですね、ありがとうございます」

「そうだよ、キスしたらそのまま寝落ちって・・・クリスマスの夜に俺は寂しい思いをしたんだから責任取ってもらおうかな」

後ろから覆い被さるように手を伸ばし煙草を消すと首筋辺りに唇を這わせてから「カプッ」噛みつかれ香織はビックリして振り返る。

「貴史さんはいつから吸血鬼になったの?」

「ん-ーーーー、たった今。夕べ食べられなかった分これから香織の全てを吸い尽くします」

「えーーーー。」

香織に有無を言わさず、着ているものを脱がせ始めるとあちらこちらにキスマークを付け始めた。

「ちょっ、朝ですよ、朝!ドラキュラは夜行性でしょっ」

「突然変異です」

「シャワーも浴びてないんだからダメですって!」

貴史は聞く耳を持たずショーツに手を伸ばすと後ろからお尻の割れ目をなぞり秘めた部分に中指を滑らせた。

「あんっ」

思わず漏らした香織の声に

「その声好き。もっと聞かせて」耳元で囁きき耳朶を甘噛みすると
「いっぱい愛してあげる」と本格始動を始めてしまった。

スイッチが入ってしまった貴史はもう止められないと香織は諦め、午前中はベッドの中で過ごす羽目となりました。


◆◆◆

午後になって二人で買い物をして店へ向かった。
日曜日なので貴史は休みだがSARAは営業日なのだから仕方ない。
自転車の前と後ろに荷物を積んで貴史が押してくれている。

「貴史さん、明日はお仕事だから帰りますよね?」

「どうしようかな。まだ香織と離れ難いからこっちに泊まろうかな」

「着替えは置いてあるから心配ないけど・・・」

「ん、何?帰って欲しいのかな?」

「そう言う事ではなくて・・・」

「何だか歯切れが悪いね。香織が嫌なら寂しく帰りますけど?」

そう言われてしまってはどうしようもない。
「わたしはただ、うちの狭いベッドで寝るのは貴史さんが疲れるんじゃないかと思って。自分のお部屋でゆっくり休まれた方が・・・」

「そんなこと。僕は狭いぶん香織にくっついていられるから嬉しいですけど」
そう言って笑う。

「あっ、でももうすぐ香織の心配も無くなるからね」

「えっ、どういう意味?」

「まだ内緒。今晩分かるから」
じらすように言うとすいすいと大股で自転車を押して先に行ってしまった。

「あっ、待ってー、気になるぅ。。。」

「ないしょー」

「ずるーい」


香織は小走りで貴史を追いかけて行った。



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