54 / 60
最終章
3/ 希望
しおりを挟む
竜のお山から王都へ帰ってきて暫くの時が過ぎた。
リディアの月のものが終わったので、精霊の秘薬を飲みにトラフィスの元へ向かう。
「ここだけの話、竜の秘薬は飲み辛かったの。でも、精霊様の秘薬はスプーン一杯だけど飲み易いし爽やかな柑橘系の香りがするから好きよ」
「そうでございますか。きっと長く飲まれる物なので精霊様が飲み易くしてくださったのかもしれませんね」
笑顔で答えるリールーにリディアもこくりと頷いて微笑み返す。
「私の寿命もレニーに合わせられるらしいけど……例えばよ、レニーが最長で三百歳まで生きるとして、あと二百七十四年よ。私も同じだけ生きることになるでしょう?知っている人は誰もいなくなってしまうわ」
リディアはレニーと一緒にそれだけ長く生きるという事の意味を考えていた。
自分たちに黒竜の子が出来なければ、弟王子のサミュエルに作って貰い養子に迎えることになる。
そしてその子に王位を譲り、その子の子が成人を迎えたら自分たちはそれを見届け竜山へ行く。
それでもまだ、隠居し余生を生きる時間の方が長いのだ。
どれだけの人を見送らなければならないのだろうか……そして自分たちの最後を見送ってくれるのは野生の竜たちしかいないのだ。
「リディア様」
「ん、なに?」
「朗報がございます」
「えっ?」
「私の存在をお忘れですか?」
「リールーの?」
「はい、私はハーフエルフでございます」
「えっ、ああ、うん。もちろん知っているわよ」
リディアはリールーの言わんとしている事に気付かず首をかしげる。
「私の父はエルフです。いつまでも容姿が変わらないので年齢を聞いた時『あー、何歳だったかな?覚えてないけど、もう何代も国王が変わるのは見てきているよ』と答えたのです。まだまだ生きると思われます。母は人族なので私はそこまでとは思いますが、竜族の寿命よりは長いと確信している次第でございます」
「えっ、ということは周りの人たちがいなくなってもリールーは……
リールーはまだいるのね。私と一緒にいてくれるのね!」
「はい、殿下がお許しくださる限りお傍で仕えさせていただきます」
「うれしいわ、うれしいわリールー。ありがとう!」
リディアは彼女の手を取り涙ぐんだ。
レニーは番の私ともちろんずっと一緒にいてくれるのは分かっている。でもそれ以外に一緒にいてくれる人がいるなんて思ってみなかった。
一人ではないと知り、心の底から安堵するリディアであった。
◇◆◇
診察室で精霊の秘薬を飲んだリディアに、トラフィスが寝台に行くよう指示をする。
「妖精妃殿、魔力を流し器の成長を確認いたしますぞ」
「はい。お願いします、先生」
寝台の上に仰向けになったリディアのおなかに手を当て、トラフィスが魔力を流し器の確認をしていく。
じっと目を瞑り魔力の流れで下腹部の中を探る。
「おお、もう半分以上器が出来ておりますな。やはり精霊殿の秘薬は人族である妖精妃殿の体に合っているのでしょう。まだ小さな器ですが少しずレオ殿の魔力も感じられます」
「まぁ、本当ですか!」
「私は医者ですぞ、真の事しか申しません」
そう言いながらトラフィスは声を上げて笑った。
――ああ、もう少ししたら器が出来るのね。二人の子を授かる準備が整うんだわ。
早くレニーにも知らせてあげたい。
自分の下腹部を摩りながらリディアは一刻も早くレオナルドの元へ駆けていきたいと思った。
「リディア様、廊下は走ってはなりません!」
リールーの控えめな声がレオナルドの執務室に向かう廊下に響く。
ドレスのスカートを摘み上げながら廊下を小走りに駆けていく妖精妃の姿に居合わせた者たちが目を見開いて驚き、慌てて頭を下げる。
その後をリールーとドラフトが追いかけていく。
周り者たちは何事かと思いながら下げた頭を元に戻すと、頬を紅潮させ走り去るリディアの姿を呆然と見送っていたのだった。
「レニー、聞いて!」
いきなり部屋に入って来たリディアに驚き、椅子から立ち上がったレオナルドの胸に愛しい番が飛び込んできた。
「どうしたのだ、リディ?」
ぎゅっと抱き付いたリディアは顔だけ上に向け、涙目でレオナルドのアイスブルーの瞳を見つめる。
「私の番の瞳に涙を浮かばせるとは、何事だ!?」
レオナルドは愛しい妻の大きな瞳から零れ落ちた涙を親指で拭い眉を顰める。
「レニー、聞いて、これはうれし涙よ」
「うれし涙?」
「ええ、今ね。トラフィス先生のところへ行ってきたの。そしたらね、器が半分以上出来ているって!」
リディアの報告に険しい顔をしていたレナルドの表情が見る見るうちに柔らかくなっていくのを、部屋にいたファビアンは見て安堵し、開け放れたままの扉から廊下に出て静かに閉じる。
廊下には侍女のリールーと護衛のドラフトが待機していた。
三人は何も語らずお互いに微笑み合う。
「そうか器が、半分ほど出来ているのか」
「ええ、そうなの。レニーの魔力も私の体の中にしっかりと感じると先生が」
「ああ、リディ。ありがとう、こんなに嬉しいことは無いよ」
レオナルドは自分との子を成す事を望み、準備が出来つつあることをこれ程嬉しそうに知らせに来てくれたリディアがいつも以上に愛おしく感じてしまい、顔中に口づけを落としていく。
「この分だと思ったよりも早く、セルジオ様とレニア様にひ孫を見せてあげられるかもしれないわ」
竜の山で祖父と祖母から聞いた言葉がずっとリディアの胸の中に残っているのだろう。
二人には長く生きて貰いたいし、レニーとの子供も見て欲しいと心から願っていたのだった。
「あはは、リディは気が早いな。器が出来それが満たされるまでまだまだ時間が掛かるぞ」
「分かってるわ。でも、お二人はもう少ししたら自ら生を終えようとなさっていたのよ。でも私たちの子供を見たいと言ってくれたんですもの」
「ああ、そうだったな。ひ孫を背に乗せたいとも爺様は言っていたな」
「ええ、そうよ」
「そうか、なら私ももっと励まなければならないな」
「えっ?」
「えって、器を作るためには私の魔力と精が不可欠であろう?」
「それはそうなんだけど、うっ……」
おもむろにレオナルドに唇を奪われ、一瞬息が止まる。
「月のものが終わってトラフィスのところへ行ってきたのであろう?ならもう執務はやめてリディと寝台で睦み合いたい」
「そ、それは……でもまだ外は明るい……し」
しどろもどろになるリディアを見てレオナルドは苦笑する。
「夫婦が愛し合うのに昼も夜も関係ないぞ、リディ」
「で、でも。ほら、ちゃんとお仕事しないとファビも困っちゃうでしょう?」
「ファビなどどうでも良いが、くくくっ、では今は少しだけリディを堪能するとして夜は覚悟して置く事だな」
「…………」
レオナルドはリディアを抱き上げるとそのままソファの上にどかりと腰を下ろし、室内を遮音する結界を張る。
暫くの間何度も口づけを交わす。
結果、きわどい所まで弄ばれてしまったリディアであった。
**********
※次回の更新は火曜日の夜になります。
リディアの月のものが終わったので、精霊の秘薬を飲みにトラフィスの元へ向かう。
「ここだけの話、竜の秘薬は飲み辛かったの。でも、精霊様の秘薬はスプーン一杯だけど飲み易いし爽やかな柑橘系の香りがするから好きよ」
「そうでございますか。きっと長く飲まれる物なので精霊様が飲み易くしてくださったのかもしれませんね」
笑顔で答えるリールーにリディアもこくりと頷いて微笑み返す。
「私の寿命もレニーに合わせられるらしいけど……例えばよ、レニーが最長で三百歳まで生きるとして、あと二百七十四年よ。私も同じだけ生きることになるでしょう?知っている人は誰もいなくなってしまうわ」
リディアはレニーと一緒にそれだけ長く生きるという事の意味を考えていた。
自分たちに黒竜の子が出来なければ、弟王子のサミュエルに作って貰い養子に迎えることになる。
そしてその子に王位を譲り、その子の子が成人を迎えたら自分たちはそれを見届け竜山へ行く。
それでもまだ、隠居し余生を生きる時間の方が長いのだ。
どれだけの人を見送らなければならないのだろうか……そして自分たちの最後を見送ってくれるのは野生の竜たちしかいないのだ。
「リディア様」
「ん、なに?」
「朗報がございます」
「えっ?」
「私の存在をお忘れですか?」
「リールーの?」
「はい、私はハーフエルフでございます」
「えっ、ああ、うん。もちろん知っているわよ」
リディアはリールーの言わんとしている事に気付かず首をかしげる。
「私の父はエルフです。いつまでも容姿が変わらないので年齢を聞いた時『あー、何歳だったかな?覚えてないけど、もう何代も国王が変わるのは見てきているよ』と答えたのです。まだまだ生きると思われます。母は人族なので私はそこまでとは思いますが、竜族の寿命よりは長いと確信している次第でございます」
「えっ、ということは周りの人たちがいなくなってもリールーは……
リールーはまだいるのね。私と一緒にいてくれるのね!」
「はい、殿下がお許しくださる限りお傍で仕えさせていただきます」
「うれしいわ、うれしいわリールー。ありがとう!」
リディアは彼女の手を取り涙ぐんだ。
レニーは番の私ともちろんずっと一緒にいてくれるのは分かっている。でもそれ以外に一緒にいてくれる人がいるなんて思ってみなかった。
一人ではないと知り、心の底から安堵するリディアであった。
◇◆◇
診察室で精霊の秘薬を飲んだリディアに、トラフィスが寝台に行くよう指示をする。
「妖精妃殿、魔力を流し器の成長を確認いたしますぞ」
「はい。お願いします、先生」
寝台の上に仰向けになったリディアのおなかに手を当て、トラフィスが魔力を流し器の確認をしていく。
じっと目を瞑り魔力の流れで下腹部の中を探る。
「おお、もう半分以上器が出来ておりますな。やはり精霊殿の秘薬は人族である妖精妃殿の体に合っているのでしょう。まだ小さな器ですが少しずレオ殿の魔力も感じられます」
「まぁ、本当ですか!」
「私は医者ですぞ、真の事しか申しません」
そう言いながらトラフィスは声を上げて笑った。
――ああ、もう少ししたら器が出来るのね。二人の子を授かる準備が整うんだわ。
早くレニーにも知らせてあげたい。
自分の下腹部を摩りながらリディアは一刻も早くレオナルドの元へ駆けていきたいと思った。
「リディア様、廊下は走ってはなりません!」
リールーの控えめな声がレオナルドの執務室に向かう廊下に響く。
ドレスのスカートを摘み上げながら廊下を小走りに駆けていく妖精妃の姿に居合わせた者たちが目を見開いて驚き、慌てて頭を下げる。
その後をリールーとドラフトが追いかけていく。
周り者たちは何事かと思いながら下げた頭を元に戻すと、頬を紅潮させ走り去るリディアの姿を呆然と見送っていたのだった。
「レニー、聞いて!」
いきなり部屋に入って来たリディアに驚き、椅子から立ち上がったレオナルドの胸に愛しい番が飛び込んできた。
「どうしたのだ、リディ?」
ぎゅっと抱き付いたリディアは顔だけ上に向け、涙目でレオナルドのアイスブルーの瞳を見つめる。
「私の番の瞳に涙を浮かばせるとは、何事だ!?」
レオナルドは愛しい妻の大きな瞳から零れ落ちた涙を親指で拭い眉を顰める。
「レニー、聞いて、これはうれし涙よ」
「うれし涙?」
「ええ、今ね。トラフィス先生のところへ行ってきたの。そしたらね、器が半分以上出来ているって!」
リディアの報告に険しい顔をしていたレナルドの表情が見る見るうちに柔らかくなっていくのを、部屋にいたファビアンは見て安堵し、開け放れたままの扉から廊下に出て静かに閉じる。
廊下には侍女のリールーと護衛のドラフトが待機していた。
三人は何も語らずお互いに微笑み合う。
「そうか器が、半分ほど出来ているのか」
「ええ、そうなの。レニーの魔力も私の体の中にしっかりと感じると先生が」
「ああ、リディ。ありがとう、こんなに嬉しいことは無いよ」
レオナルドは自分との子を成す事を望み、準備が出来つつあることをこれ程嬉しそうに知らせに来てくれたリディアがいつも以上に愛おしく感じてしまい、顔中に口づけを落としていく。
「この分だと思ったよりも早く、セルジオ様とレニア様にひ孫を見せてあげられるかもしれないわ」
竜の山で祖父と祖母から聞いた言葉がずっとリディアの胸の中に残っているのだろう。
二人には長く生きて貰いたいし、レニーとの子供も見て欲しいと心から願っていたのだった。
「あはは、リディは気が早いな。器が出来それが満たされるまでまだまだ時間が掛かるぞ」
「分かってるわ。でも、お二人はもう少ししたら自ら生を終えようとなさっていたのよ。でも私たちの子供を見たいと言ってくれたんですもの」
「ああ、そうだったな。ひ孫を背に乗せたいとも爺様は言っていたな」
「ええ、そうよ」
「そうか、なら私ももっと励まなければならないな」
「えっ?」
「えって、器を作るためには私の魔力と精が不可欠であろう?」
「それはそうなんだけど、うっ……」
おもむろにレオナルドに唇を奪われ、一瞬息が止まる。
「月のものが終わってトラフィスのところへ行ってきたのであろう?ならもう執務はやめてリディと寝台で睦み合いたい」
「そ、それは……でもまだ外は明るい……し」
しどろもどろになるリディアを見てレオナルドは苦笑する。
「夫婦が愛し合うのに昼も夜も関係ないぞ、リディ」
「で、でも。ほら、ちゃんとお仕事しないとファビも困っちゃうでしょう?」
「ファビなどどうでも良いが、くくくっ、では今は少しだけリディを堪能するとして夜は覚悟して置く事だな」
「…………」
レオナルドはリディアを抱き上げるとそのままソファの上にどかりと腰を下ろし、室内を遮音する結界を張る。
暫くの間何度も口づけを交わす。
結果、きわどい所まで弄ばれてしまったリディアであった。
**********
※次回の更新は火曜日の夜になります。
1
お気に入りに追加
3,173
あなたにおすすめの小説
離婚した彼女は死ぬことにした
まとば 蒼
恋愛
2日に1回更新(希望)です。
-----------------
事故で命を落とす瞬間、政略結婚で結ばれた夫のアルバートを愛していたことに気づいたエレノア。
もう一度彼との結婚生活をやり直したいと願うと、四年前に巻き戻っていた。
今度こそ彼に相応しい妻になりたいと、これまでの臆病な自分を脱ぎ捨て奮闘するエレノア。しかし、
「前にも言ったけど、君は妻としての役目を果たさなくていいんだよ」
返ってくるのは拒絶を含んだ鉄壁の笑みと、表面的で義務的な優しさ。
それでも夫に想いを捧げ続けていたある日のこと、アルバートの大事にしている弟妹が原因不明の体調不良に襲われた。
神官から、二人の体調不良はエレノアの体内に宿る瘴気が原因だと告げられる。
大切な人を守るために離婚して彼らから離れることをエレノアは決意するが──。
-----------------
とあるコンテストに応募するためにひっそり書いていた作品ですが、最近ダレてきたので公開してみることにしました。
まだまだ荒くて調整が必要な話ですが、どんなに些細な内容でも反応を頂けると大変励みになります。
書きながら色々修正していくので、読み返したら若干展開が変わってたりするかもしれません。
作風が好みじゃない場合は回れ右をして自衛をお願いいたします。

【完結】これでよろしいかしら?
ここ
恋愛
ルイーザはただの平民だった。
大人になったら、幼馴染のライトと結婚し、畑を耕し、子どもを育てる。
そんな未来が当たり前だった。
しかし、ルイーザは普通ではなかった。
あまりの魅力に貴族の養女となり、
領主の花嫁になることに。
しかし、そこで止まらないのが、
ルイーザの運命なのだった。

ただの新米騎士なのに、竜王陛下から妃として所望されています
柳葉うら
恋愛
北の砦で新米騎士をしているウェンディの相棒は美しい雄の黒竜のオブシディアン。
領主のアデルバートから譲り受けたその竜はウェンディを主人として認めておらず、背中に乗せてくれない。
しかしある日、砦に現れた刺客からオブシディアンを守ったウェンディは、武器に使われていた毒で生死を彷徨う。
幸にも目覚めたウェンディの前に現れたのは――竜王を名乗る美丈夫だった。
「命をかけ、勇気を振り絞って助けてくれたあなたを妃として迎える」
「お、畏れ多いので結構です!」
「それではあなたの忠実なしもべとして仕えよう」
「もっと重い提案がきた?!」
果たしてウェンディは竜王の求婚を断れるだろうか(※断れません。溺愛されて押されます)。
さくっとお読みいただけますと嬉しいです。
君は僕の番じゃないから
椎名さえら
恋愛
男女に番がいる、番同士は否応なしに惹かれ合う世界。
「君は僕の番じゃないから」
エリーゼは隣人のアーヴィンが子供の頃から好きだったが
エリーゼは彼の番ではなかったため、フラれてしまった。
すると
「君こそ俺の番だ!」と突然接近してくる
イケメンが登場してーーー!?
___________________________
動機。
暗い話を書くと反動で明るい話が書きたくなります
なので明るい話になります←
深く考えて読む話ではありません
※マーク編:3話+エピローグ
※超絶短編です
※さくっと読めるはず
※番の設定はゆるゆるです
※世界観としては割と近代チック
※ルーカス編思ったより明るくなかったごめんなさい
※マーク編は明るいです
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。
石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。
雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。
一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。
ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。
その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。
愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。

[完結]間違えた国王〜のお陰で幸せライフ送れます。
キャロル
恋愛
国の駒として隣国の王と婚姻する事にになったマリアンヌ王女、王族に生まれたからにはいつかはこんな日が来ると覚悟はしていたが、その相手は獣人……番至上主義の…あの獣人……待てよ、これは逆にラッキーかもしれない。
離宮でスローライフ送れるのでは?うまく行けば…離縁、
窮屈な身分から解放され自由な生活目指して突き進む、美貌と能力だけチートなトンデモ王女の物語
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる