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閑話*Ⅲ
猫耳の少女
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それから一週間後。
リディアの希望が通り孤児院への慰問が叶った。
馬車の中には王妃アメリアと侍女と従者。
向かいの席にはレオナルドとその膝の上にリディア、両脇にリールーとドラフトが座っていた。
自分ひとりレオナルドの膝の上にいるのが居たたまれないリディアであったが、周りは気にも留めていない様子で、普通に会話をしている。
「リディちゃんが公務に出てくれるって聞いて嬉しかったのよ♪」
義母でもある王妃アメリアは超ご機嫌である。
「はい、番である妃は本当はあまり人前に出ないと聞いております。ですが、私は人族です。完全な引き籠りは耐えられません」
リディアは過剰なまでのレオナルドの愛情を切実に訴えた。
「そうよね~、先代の王妃は竜妃だったから、先祖返りの王のお気持ちに添うことが出来たけど、人族には元々番という概念がないものね。竜の愛情は重たすぎるのも良く分かるわ」
アメリアは申し訳なさそうにリディアを慰め、その後キッとした目でリディアの肩越しに他人事のような顔をしているレオナルドを睨みつけた。
「母上、だからこうしてリディの気持ちを尊重しているではありませんか」
「ま、それはそうだけど。これからは多少社交の場に出て貰うわよ、いいわね?」
「社交の内容を見極めて、リディを出しても良いと私が納得したらですね。もちろん一人では出せません」
「レニーったら、ホントに過保護」
レオナルドはぷくりと頬を膨らませるリディアの頬を撫でる。
「仕方ないであろう?私の大事な番だ。以前のように私のいない所で毒を盛られるなどの危害を加えられたらと思うと……私の心臓はいくつあっても足りなくなる」
レオナルドはリディアの肩に額を付け切なそうに言った。
それを言われてはリディアも返す言葉がなかった。
アメリアとリールーはそんなレオナルドの姿を見て、大きくため息を吐くのであった。
そんな一行を乗せた馬車は、王都の外れにある孤児院へと到着した。
今日は子供たちに汚されても良いように王家の三人も割とラフな服装をしている。
全員が馬車を降りると子供たちが駆け寄って来る。
「王妃様ー♪」
可愛いトラ獣人の男の子がアメリアに抱き付いて来た。
王妃もまた「元気にしてたかしら」と男の子を抱き上げ頬ずりをしている。
その光景にリディアは驚いていた。
オーレア王国でも母や姉たちの慰問について行っていたが、馬車が到着すると子供たちはきちんと並び、声を揃えて挨拶をしていた。
もちろんその後は自由にふれあいながら遊んでいたのだが。
子供らしい仕草を受けて入れている王妃の姿に竜族の愛情の深さを感じ、偏見のないこの国に来て本当に良かったとリディアは思った。
獣人の子供たちは本当に可愛かった。
最初は自分たちの様に見た目で分かる特徴がないリディアを見て戸惑いを隠せないでいた子供たちも、直ぐにリディアに慣れ纏わりつくように寄って来た。
「ねえ、お姉さんは何でお耳としっぽが無いの?」
「ふふ、私は人族だからよ。みんなみたいに可愛いお耳もしっぽも無くてとても残念だわ」
「ふーん、お耳が欲しかったんだ」
フサフサの尻尾を揺らしながらキツネ族の男の子が自分の耳を撫でている。
「ならこれ貸してあげる」
「えっ?」
猫族の少女がそう言いながらリディアの頭に何かを乗せた。
手で触ってみるとそれは毛皮の手ざわりがする耳の付いたカチューシャだった。
着けてくれた少女を見る。
猫である少女の頭には耳は無い。
「わたしもね、お耳が無いの。あったけど切られちゃったの。だから院長先生が作ってくれたの。お姉さん似合うよ、可愛い」
猫族の少女は笑顔をリディアに向けた。
「この子は隣国で奴隷として繋がれていたところを助けられたのです。性奴隷とする為に番が見つけられないように耳を切り落とされたのです」
後ろから院長が小さな声で説明する。
リディアは無意識に少女の頭に手を伸ばし、根元に少しだけ残る耳を優しく撫でてから、小さな体を抱きしめた。
「そう、お耳が切られて悲しかったね、辛かったね」
そう言いながら涙を零した。
「うん、痛かったけどもう大丈夫よ。ここはみんな優しいの。ぶつ人もいないからアーリはしあわせなの」
アーリはそう言いながら小さな手でリディアの涙を拭ってくれた。
リディアとアーリが微笑み合っていると突然大きな何かに包まれる。
振り向くとレオナルドが二人合わせて抱きしめてくれていた。
「レニー、苦しいわ」
泣き笑いをしながらリディアがレオナルドを窘める。
「あは、竜のお兄ちゃんもお耳が無いね」
「そうだな、私は竜だから耳と尾が無い」
見た目は人族と一緒だとレオナルドは声を上げて笑った。
「リディちゃん、猫耳が良く似合うわ~♪今度作って貰いましょう!」
「お義母様ったら」
リディアが猫耳カチューシャをアーリに返そうと頭から外した。
何も分からないまま着けられたので気付かなったが、どう見てもアーリの色とは違う。アーリはサミュエルの番であるオディーヌと同じシャム系猫族なのにつけ耳の色は空色だった。不思議に思い振り返ると院長が微笑んでいる。
――ああ、院長先生の毛で作ってあげたのね。
そうか、そうか、なら……
「院長先生、私もカチューシャを作ってあげて良いでしょうか?」
「えっ、妖精妃様がですが?」
「はい、アーリの色に合ったお耳を作ってあげたいのです」
「ええ、本当でございますか!今ここには同じ種の猫族がいないので、私の毛で作ったのです。もしお願い出来たらアーリがどれ程喜ぶか」
「はい、毛の持ち主に確認してからとなりますが。多分、いえ、絶対に大丈夫です!」
リディアはオディーヌの顔を思い浮かべ、絶対に協力してくれる筈と確信していたのであった。
その後みんなで鬼ごっこをして……
リディアはへとへとになっていたが、王妃アメリアの体力は半端なかった。
子供を両脇に抱え院庭を走り回っている姿は、後数年で六十歳になると思えない。流石竜族である。
レオナルドも腕に縋る子供たちを手加減しながらブンブンと振り回している。子供たちも運動神経は抜群で振り落とされる事なく声を上げて喜んでいた。ドラフトは細い枝でチャンバラごっこをしている。
そんな彼らをリールーと共にリディアはベンチに座りぼんやりと眺めているのであった。
日が暮れる前に慰問の一行は孤児院を後にした。
次回来るときにはアーリに耳付きカチューシャを持って来られるかな?
リディアはアーリの喜ぶ顔を思い浮かべながらクスリと笑う。
「子供たちは辛い思いをたくさんして来たというのにみんな素直で」
「そうね、この子達のような子を増やさないようにあたくし達も頑張らなければならないわ」
「そうですね、私もお手伝いがしたいです」
「ありがとう、リディちゃん」
アメリアはリディアの両手を優しく包み込んで目を細めた。
「ところであなた達のお子はどうなの?あのお部屋を使ったのよね、やっと本当の番になれたのでしょう?」
「母上、この様な場所でおやめ下さい」
「あら~みんな知ってるもの。ねっ?」
澄まして言うアメリアが侍女や侍従の顔を見まわすと、当然とばかりに頷く。
――恥かし過ぎますぅ……
リディアが真っ赤になって俯くと、レオナルドがその小さな体を抱きしめてきた。
「これから器が出来るように励みますので、ご安心ください」
――レニー、励みますって!そんな事宣言しないで下さい!
レオナルドの言葉にアメリアは満足気に何度も頷いていた。
その夜、初めての公務で疲れているリディアに、器を作る為だと言いながらレオナルドが迫ったのは言うまでもない。
**********
※次からは最終章。
更新は夜7時ちょい過ぎとなります。
リディアの希望が通り孤児院への慰問が叶った。
馬車の中には王妃アメリアと侍女と従者。
向かいの席にはレオナルドとその膝の上にリディア、両脇にリールーとドラフトが座っていた。
自分ひとりレオナルドの膝の上にいるのが居たたまれないリディアであったが、周りは気にも留めていない様子で、普通に会話をしている。
「リディちゃんが公務に出てくれるって聞いて嬉しかったのよ♪」
義母でもある王妃アメリアは超ご機嫌である。
「はい、番である妃は本当はあまり人前に出ないと聞いております。ですが、私は人族です。完全な引き籠りは耐えられません」
リディアは過剰なまでのレオナルドの愛情を切実に訴えた。
「そうよね~、先代の王妃は竜妃だったから、先祖返りの王のお気持ちに添うことが出来たけど、人族には元々番という概念がないものね。竜の愛情は重たすぎるのも良く分かるわ」
アメリアは申し訳なさそうにリディアを慰め、その後キッとした目でリディアの肩越しに他人事のような顔をしているレオナルドを睨みつけた。
「母上、だからこうしてリディの気持ちを尊重しているではありませんか」
「ま、それはそうだけど。これからは多少社交の場に出て貰うわよ、いいわね?」
「社交の内容を見極めて、リディを出しても良いと私が納得したらですね。もちろん一人では出せません」
「レニーったら、ホントに過保護」
レオナルドはぷくりと頬を膨らませるリディアの頬を撫でる。
「仕方ないであろう?私の大事な番だ。以前のように私のいない所で毒を盛られるなどの危害を加えられたらと思うと……私の心臓はいくつあっても足りなくなる」
レオナルドはリディアの肩に額を付け切なそうに言った。
それを言われてはリディアも返す言葉がなかった。
アメリアとリールーはそんなレオナルドの姿を見て、大きくため息を吐くのであった。
そんな一行を乗せた馬車は、王都の外れにある孤児院へと到着した。
今日は子供たちに汚されても良いように王家の三人も割とラフな服装をしている。
全員が馬車を降りると子供たちが駆け寄って来る。
「王妃様ー♪」
可愛いトラ獣人の男の子がアメリアに抱き付いて来た。
王妃もまた「元気にしてたかしら」と男の子を抱き上げ頬ずりをしている。
その光景にリディアは驚いていた。
オーレア王国でも母や姉たちの慰問について行っていたが、馬車が到着すると子供たちはきちんと並び、声を揃えて挨拶をしていた。
もちろんその後は自由にふれあいながら遊んでいたのだが。
子供らしい仕草を受けて入れている王妃の姿に竜族の愛情の深さを感じ、偏見のないこの国に来て本当に良かったとリディアは思った。
獣人の子供たちは本当に可愛かった。
最初は自分たちの様に見た目で分かる特徴がないリディアを見て戸惑いを隠せないでいた子供たちも、直ぐにリディアに慣れ纏わりつくように寄って来た。
「ねえ、お姉さんは何でお耳としっぽが無いの?」
「ふふ、私は人族だからよ。みんなみたいに可愛いお耳もしっぽも無くてとても残念だわ」
「ふーん、お耳が欲しかったんだ」
フサフサの尻尾を揺らしながらキツネ族の男の子が自分の耳を撫でている。
「ならこれ貸してあげる」
「えっ?」
猫族の少女がそう言いながらリディアの頭に何かを乗せた。
手で触ってみるとそれは毛皮の手ざわりがする耳の付いたカチューシャだった。
着けてくれた少女を見る。
猫である少女の頭には耳は無い。
「わたしもね、お耳が無いの。あったけど切られちゃったの。だから院長先生が作ってくれたの。お姉さん似合うよ、可愛い」
猫族の少女は笑顔をリディアに向けた。
「この子は隣国で奴隷として繋がれていたところを助けられたのです。性奴隷とする為に番が見つけられないように耳を切り落とされたのです」
後ろから院長が小さな声で説明する。
リディアは無意識に少女の頭に手を伸ばし、根元に少しだけ残る耳を優しく撫でてから、小さな体を抱きしめた。
「そう、お耳が切られて悲しかったね、辛かったね」
そう言いながら涙を零した。
「うん、痛かったけどもう大丈夫よ。ここはみんな優しいの。ぶつ人もいないからアーリはしあわせなの」
アーリはそう言いながら小さな手でリディアの涙を拭ってくれた。
リディアとアーリが微笑み合っていると突然大きな何かに包まれる。
振り向くとレオナルドが二人合わせて抱きしめてくれていた。
「レニー、苦しいわ」
泣き笑いをしながらリディアがレオナルドを窘める。
「あは、竜のお兄ちゃんもお耳が無いね」
「そうだな、私は竜だから耳と尾が無い」
見た目は人族と一緒だとレオナルドは声を上げて笑った。
「リディちゃん、猫耳が良く似合うわ~♪今度作って貰いましょう!」
「お義母様ったら」
リディアが猫耳カチューシャをアーリに返そうと頭から外した。
何も分からないまま着けられたので気付かなったが、どう見てもアーリの色とは違う。アーリはサミュエルの番であるオディーヌと同じシャム系猫族なのにつけ耳の色は空色だった。不思議に思い振り返ると院長が微笑んでいる。
――ああ、院長先生の毛で作ってあげたのね。
そうか、そうか、なら……
「院長先生、私もカチューシャを作ってあげて良いでしょうか?」
「えっ、妖精妃様がですが?」
「はい、アーリの色に合ったお耳を作ってあげたいのです」
「ええ、本当でございますか!今ここには同じ種の猫族がいないので、私の毛で作ったのです。もしお願い出来たらアーリがどれ程喜ぶか」
「はい、毛の持ち主に確認してからとなりますが。多分、いえ、絶対に大丈夫です!」
リディアはオディーヌの顔を思い浮かべ、絶対に協力してくれる筈と確信していたのであった。
その後みんなで鬼ごっこをして……
リディアはへとへとになっていたが、王妃アメリアの体力は半端なかった。
子供を両脇に抱え院庭を走り回っている姿は、後数年で六十歳になると思えない。流石竜族である。
レオナルドも腕に縋る子供たちを手加減しながらブンブンと振り回している。子供たちも運動神経は抜群で振り落とされる事なく声を上げて喜んでいた。ドラフトは細い枝でチャンバラごっこをしている。
そんな彼らをリールーと共にリディアはベンチに座りぼんやりと眺めているのであった。
日が暮れる前に慰問の一行は孤児院を後にした。
次回来るときにはアーリに耳付きカチューシャを持って来られるかな?
リディアはアーリの喜ぶ顔を思い浮かべながらクスリと笑う。
「子供たちは辛い思いをたくさんして来たというのにみんな素直で」
「そうね、この子達のような子を増やさないようにあたくし達も頑張らなければならないわ」
「そうですね、私もお手伝いがしたいです」
「ありがとう、リディちゃん」
アメリアはリディアの両手を優しく包み込んで目を細めた。
「ところであなた達のお子はどうなの?あのお部屋を使ったのよね、やっと本当の番になれたのでしょう?」
「母上、この様な場所でおやめ下さい」
「あら~みんな知ってるもの。ねっ?」
澄まして言うアメリアが侍女や侍従の顔を見まわすと、当然とばかりに頷く。
――恥かし過ぎますぅ……
リディアが真っ赤になって俯くと、レオナルドがその小さな体を抱きしめてきた。
「これから器が出来るように励みますので、ご安心ください」
――レニー、励みますって!そんな事宣言しないで下さい!
レオナルドの言葉にアメリアは満足気に何度も頷いていた。
その夜、初めての公務で疲れているリディアに、器を作る為だと言いながらレオナルドが迫ったのは言うまでもない。
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