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第三章
13/ 素直過ぎる番に萌える
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※今回は短いです。
******************
肌を合わせて満ち足りた時を過ごした二人。
王宮の夫婦の寝室を使ったのには訳があった。
翌日自分はどうしても抜けることが出来ない政務があったからだ。
早朝からリディアを一人り妖精宮に残していく訳にはいかない。
魔力に耐性が出来てきたとはいえ初めての営みで魔力が多く含まれた精を受けたのだ。体調を壊すかもしれないという不安もあった。
否、決して無理はさせていない。一回で終わらせたのだから自分はかなり自重したつもりだ。
自分が部屋を出てからはリールーとミルミルにリディアの世話は頼んである。万が一、彼女の身体に異変が起きた時には王宮にいて貰った方がわたしも主治医のトラフィスも駆けつけ易いと思ったからだった。
しかし、それは杞憂に終わった。
政務から執務室に戻ったレオナルドはもう一仕事終えてから、リディアの元へ様子を見に行こうと思っていた。
ところが、昼を過ぎた頃、ケロッとした顔で彼女の方からドラフトを従え執務室にやって来たのだ。
部屋にいたファビアンが気を遣い隣の部屋に移動していく。
ドラフトを部屋の外で控えさせ一人入ってきたリディア。
「リディ、体は大丈夫なのか?」
心配そうに小さな体を抱きしめるレオナルド。
「うん、起きた時は体中の関節が痛かったけれど、ゆっくりお湯に浸かってリールーとミルミルにマッサージをして貰ったら、ほらこの通り元気よ」
「はー、本当か?無理をしてくれるな」
レオナルドは愛しい番であるリディアの額に口づけを落とした。
「ただね……」
「ん、どうした?」
「うん……まだこの中にレニーの大きなソレが入っている感じで」
「くっ」
頬を染めながら自分の下腹部を摩るリディアに、レオナルドは彼女を抱きしめながら天井を仰いだ。
「だからね、歩き方が変な気が……」
「ああ、もうよい。それ以上言うな。私が恥ずかしくなる」
レオナルドはリディアの言葉を遮り今度は目を手で覆った。
――っ、リディアが、私のリディが何という事を……こんな可愛い唇からそんな言葉が。
この時レオナルドはここへ来れないくらい抱き潰して置けばよかったと思った。
だが、リディアは素直に感じている事を言っただけなのに、何故レオナルドが赤くなっているのかが分からないでいたのだった。
ようやく落ち着きを取り戻し、二人がソファに座った頃合いを見てファビアンがお茶の仕度をしてくれた。
彼はお茶を二人の前に出すと、レオナルドと目を合わせないように視線をそらし含み笑いを浮かべている。
その様子を見て、先ほどの二人の会話が聞こえていたに違いないとレオナルドは思った。
――無垢すぎるリディだからとはいえ……あのような告白をファビに聞かれてしまうとは。
しかし、あれは大人の私でも恥ずかしかったが、嬉しくもあった。
リディはどれだけ私を喜ばせてくれるのだ。
今夜も我慢出来そうにない。
ファビアンに「このお茶美味しいわ」と笑顔を見せながら可愛くお茶を飲むリディア。
そんな彼女を見ながら昨夜のリディアの甘く切なそうに喘ぐ声を思い出し、不埒な思いを抱くレオナルドでありました。
**********
※第三章終了となり閑話を挟んで最終章に突入いたします。
※次の更新は明日の夜になります。
他所にも書いておりますが、頭の中で最終話は完結済みとなっているのですが、そこまでに至る部分がまだ文字に出来ず(汗)ストックはあと三話、それも確認作業をしながらしております。
その先はちょっとゆっくり更新になりそうですが、ラストスパートに向けて頑張っていきたいと思っておりますので、暖かい目で見てやって下さるとうれしいです_(._.)_
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肌を合わせて満ち足りた時を過ごした二人。
王宮の夫婦の寝室を使ったのには訳があった。
翌日自分はどうしても抜けることが出来ない政務があったからだ。
早朝からリディアを一人り妖精宮に残していく訳にはいかない。
魔力に耐性が出来てきたとはいえ初めての営みで魔力が多く含まれた精を受けたのだ。体調を壊すかもしれないという不安もあった。
否、決して無理はさせていない。一回で終わらせたのだから自分はかなり自重したつもりだ。
自分が部屋を出てからはリールーとミルミルにリディアの世話は頼んである。万が一、彼女の身体に異変が起きた時には王宮にいて貰った方がわたしも主治医のトラフィスも駆けつけ易いと思ったからだった。
しかし、それは杞憂に終わった。
政務から執務室に戻ったレオナルドはもう一仕事終えてから、リディアの元へ様子を見に行こうと思っていた。
ところが、昼を過ぎた頃、ケロッとした顔で彼女の方からドラフトを従え執務室にやって来たのだ。
部屋にいたファビアンが気を遣い隣の部屋に移動していく。
ドラフトを部屋の外で控えさせ一人入ってきたリディア。
「リディ、体は大丈夫なのか?」
心配そうに小さな体を抱きしめるレオナルド。
「うん、起きた時は体中の関節が痛かったけれど、ゆっくりお湯に浸かってリールーとミルミルにマッサージをして貰ったら、ほらこの通り元気よ」
「はー、本当か?無理をしてくれるな」
レオナルドは愛しい番であるリディアの額に口づけを落とした。
「ただね……」
「ん、どうした?」
「うん……まだこの中にレニーの大きなソレが入っている感じで」
「くっ」
頬を染めながら自分の下腹部を摩るリディアに、レオナルドは彼女を抱きしめながら天井を仰いだ。
「だからね、歩き方が変な気が……」
「ああ、もうよい。それ以上言うな。私が恥ずかしくなる」
レオナルドはリディアの言葉を遮り今度は目を手で覆った。
――っ、リディアが、私のリディが何という事を……こんな可愛い唇からそんな言葉が。
この時レオナルドはここへ来れないくらい抱き潰して置けばよかったと思った。
だが、リディアは素直に感じている事を言っただけなのに、何故レオナルドが赤くなっているのかが分からないでいたのだった。
ようやく落ち着きを取り戻し、二人がソファに座った頃合いを見てファビアンがお茶の仕度をしてくれた。
彼はお茶を二人の前に出すと、レオナルドと目を合わせないように視線をそらし含み笑いを浮かべている。
その様子を見て、先ほどの二人の会話が聞こえていたに違いないとレオナルドは思った。
――無垢すぎるリディだからとはいえ……あのような告白をファビに聞かれてしまうとは。
しかし、あれは大人の私でも恥ずかしかったが、嬉しくもあった。
リディはどれだけ私を喜ばせてくれるのだ。
今夜も我慢出来そうにない。
ファビアンに「このお茶美味しいわ」と笑顔を見せながら可愛くお茶を飲むリディア。
そんな彼女を見ながら昨夜のリディアの甘く切なそうに喘ぐ声を思い出し、不埒な思いを抱くレオナルドでありました。
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※第三章終了となり閑話を挟んで最終章に突入いたします。
※次の更新は明日の夜になります。
他所にも書いておりますが、頭の中で最終話は完結済みとなっているのですが、そこまでに至る部分がまだ文字に出来ず(汗)ストックはあと三話、それも確認作業をしながらしております。
その先はちょっとゆっくり更新になりそうですが、ラストスパートに向けて頑張っていきたいと思っておりますので、暖かい目で見てやって下さるとうれしいです_(._.)_
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