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第一章末っ子王女の婚姻
10/離宮?後宮?それって。
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※本日2回目の投稿です。キリが良いので夜にもう1話投稿いたします。
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サザーランドへ向かう馬車の中。
リディアは彼の膝の上で、遠くなっていくオーレア城を見つめていた。
「大丈夫か?リディ。こんな急に連れて来てしまって悪かった」
レオナルドが窓の外を見つめているリディアに、申し訳なさそうに告げる。
「ううん、いいの。ちゃんとお別れもしてきたし。竜王国へ行くのも楽しみよ」
「そうか、そう言って貰えて嬉しいよ」
「私、ちゃんと受け入れてもらえるのか、そっちの方が心配です」
「大丈夫だよ。私の番なら国中が歓迎してくれる」
膝の上で不安げに話すリディアを、優しく抱き締めるレオナルド。
「いやぁー、先触れは届いているから、今ごろ城では大騒ぎで歓迎の準備をしていると思うよ。それどころか祝いの酒盛りを始めてるかもしれない」
向かい合って座っているサミュエルが国の様子を思い浮かべ笑った。
「楽しそうですね、サミー様」
「そりゃそうさ、こんなに可愛い姉上が出来たんだから」
「姉上って、おかしくありませんか?確かにお兄様であるレオナルド様の妃になるのだから、姉上になるのだけれど。サミュエル殿下は二十二才で年上ですし、見た目六才児の私ですよ!?」
リディアの言葉に「えっ?」と言った表情で彼女を見ていたサミュエルが、急に笑い出した。
「あはは、兄上。やはりこの見た目と会話のギャップ!堪りませんね。
ふふ、そう言われてしまうと……そうですね、リディア妃と呼ばせてもらいますか」
そう言いながらお腹を抱えて笑うサミュエルに、リディアは納得がいかない。
「可愛いだろう、私の番は」
レオナルドがリディアの頬に口づける。
「ええ、本当に。私の子供にしたいぐらいですよ」
「そんな事は許さん!」
レオナルドがリディアの頭を撫でようと、サミュエルが伸ばしてきた手を思いっきり振り払う。
何か喜劇でも見ているようである。
「それよりも兄上。兄上に番が見つからなければ、自分が妃にと狙っていた離宮の姫たちは悔しがりますね」
――えっ!離宮の姫たち?――
膝の上から上目使いでレオナルドの顔を見るリディア。
「どう思われようが、最初から私は彼女らを相手にしていなかった筈だ。番が見つかれば諦めるだろう」
「だとしても一波乱ありますよ。ちゃんとお守りしてあげて下さいね」
「当然だ。離宮も無くす」
「レニー様……離宮って?」
「ああ、番が見つからないなら竜族の姫を娶れと、勝手に作られて集められた姫たちがいるのだ」
迷惑そうに言い放つレオナルド。
「そ、そうなのね。何人ぐらいいるの?」
「リディア妃、兄上の離宮には竜姫が十五名いますよ。俗にいう後宮みたいなものかな」
「そ、そんなに……えっ、後宮?」
「安心しろ、リディ。渡ったのはそれぞれ一度きりだ。子も出来ておらん。帰ったら直ぐに解散させる」
「いや、兄上。そう簡単にはいかないと思うよ」
――ちょっと待って、渡ったのはそれぞれ一回きりって。十五人?えっ、えーーー!――
あらためて、レオナルドが大人の男性なのだと自覚したリディアは、自分の身体を見て溜息を吐く。いつ戻るかも知れないこの体。経験豊富なレオナルドが、夫婦の役目を果たせない自分で、満足できるのだろうかと不安になってきたのだ。
それを察したレオナルドが、後ろから抱えていたリディアの体を、横向きに変えた。
「私の番は何か余計な心配をしているようだな。安心しろ、私はリディを妃に迎えたら浮気などしない。離宮にも、今まで通り渡るつもりもない」
「でも、その……私は夜のお務めができません」
「そんな事は気にしなくていい。務めが出来なくともリディアが欲しいとお義父上に願ったのだからな」
「それでレニー様は大丈夫なの?」
「大丈夫だ、その代わり私の傍から離れる事を許さない。そして、目一杯甘やかすことを許して欲しい」
――ちゅっーー
リップ音を立てて唇にキスをされ、慌てて口を押えたリディア。
「レ、レニー様ーーー!」
真っ赤になるリディアにレオナルドが笑いながら言う。
「もし、リディの体が元に戻ったら、これだけでは終わらんから覚悟しておけ」
にやりと笑うレオナルドにリディアは身震いをしてしまう。
――ずっとこのままの体でも良いかも――
「そのくらいで真っ赤になるなんて、やっぱり可愛い。でも帰ったらこんなの四六時中だからね。覚悟して置いた方が良いよ」
「うそっ、人前でも?」
「ええ、番に関しては関係ないし、当然のことだからね」
「……」
「なんだ、私の愛でるということはこういう事も含めてだぞ」
「……」
「諦めましょう、姉上」
「もうっ!サミー様ったら……あっ、今思ったんだけど」
「次は何だい、リディ?」
「私、言葉使いはどうしたら良いの?見た目通り子供っぽい方が良いのかしら?」
「私はどちらでも構わない。幼い姿とはいえ、王女なのだから少し生意気ぐらいでも構わないぞ」
「一応リディア王女の事情は父上に知らせてあるけど、知っているのは両親と上層部の僅かな者だけだと思う。離宮の姫たちの事もあるからなー。最初は子供っぽくしていた方が無難かもしれないよ」
「うむ。子どもならということもあるか」
「分かりました。池で初めてレニー様に会った時みたいな感じでいきます」
「ああ、子供の癖にちょっと生意気で。アレも可愛かった」
「ああ、もう兄上、デレデレしないで下さいよ。兎に角、じゃぁそれでいきましょう」
「はーい、サミーさま」
幼児らしく愛らしい声色でサミュエルに微笑むリディア。
「うっ、兄上。これは反則です……」
「まずい、これはまずいかもしれん。サミュエル」
リディアの仕草を見て悶える兄弟。
竜族は己が強い分、基本小さく可愛いものが好きなのだ。
「いやでも、この方が摩擦が少なくなります。リディア妃のファンが多ければ、多いほど安全ですからね」
顔を赤くして口元を手で押さえながら、サミュエルが言う。
「確かにそうだが、皆にこの笑顔を向けると思うと俺が許せなくなりそうだ……」
「うっ、お気持ちはお察ししますが、王宮内の平和のためですよ」
「……理解した」
「離宮のお姉さま方はそんなに怖いの? 私、大丈夫?」
「あっ、リディア殿。多少の嫉妬はあると思うけど、兄上とイチャイチャしていれば、自ずと分かります。彼女たちは自分で見て諦めない限り、去って行きませんからね。動物の本能なのです」
「多少の妬みって、虐めとか……」
「心配するな。私の傍にいれば手出しは出来ない」
平然として言うレオナルドだが、リディアはまた不安を抱えてしまう事になる。
「レニーの嘘つき!竜王国はみんな歓迎してくれるって言ったのに!」
頬を膨らませ、そっぽを向くリディアに慌ててご機嫌を取ろうとするレオナルド。
「可愛いリディ、機嫌を直しておくれ」
「知らないもん!」
膝の上でバタバタと手足をばたつかせ可愛く抗議する幼児リディアの姿に、オロオロする兄と、悶絶する弟。
この姿は近い内に王城内でも見られることになり、屈強な竜人たちもまた悶絶する事となる。
そんなやりとりを隅の席で聞きながら、密かに微笑んでいたリールー。
そして、リディアに害を成す獣女たちがいた場合は自分が駆除をすると、心に誓うのでありました。
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サザーランドへ向かう馬車の中。
リディアは彼の膝の上で、遠くなっていくオーレア城を見つめていた。
「大丈夫か?リディ。こんな急に連れて来てしまって悪かった」
レオナルドが窓の外を見つめているリディアに、申し訳なさそうに告げる。
「ううん、いいの。ちゃんとお別れもしてきたし。竜王国へ行くのも楽しみよ」
「そうか、そう言って貰えて嬉しいよ」
「私、ちゃんと受け入れてもらえるのか、そっちの方が心配です」
「大丈夫だよ。私の番なら国中が歓迎してくれる」
膝の上で不安げに話すリディアを、優しく抱き締めるレオナルド。
「いやぁー、先触れは届いているから、今ごろ城では大騒ぎで歓迎の準備をしていると思うよ。それどころか祝いの酒盛りを始めてるかもしれない」
向かい合って座っているサミュエルが国の様子を思い浮かべ笑った。
「楽しそうですね、サミー様」
「そりゃそうさ、こんなに可愛い姉上が出来たんだから」
「姉上って、おかしくありませんか?確かにお兄様であるレオナルド様の妃になるのだから、姉上になるのだけれど。サミュエル殿下は二十二才で年上ですし、見た目六才児の私ですよ!?」
リディアの言葉に「えっ?」と言った表情で彼女を見ていたサミュエルが、急に笑い出した。
「あはは、兄上。やはりこの見た目と会話のギャップ!堪りませんね。
ふふ、そう言われてしまうと……そうですね、リディア妃と呼ばせてもらいますか」
そう言いながらお腹を抱えて笑うサミュエルに、リディアは納得がいかない。
「可愛いだろう、私の番は」
レオナルドがリディアの頬に口づける。
「ええ、本当に。私の子供にしたいぐらいですよ」
「そんな事は許さん!」
レオナルドがリディアの頭を撫でようと、サミュエルが伸ばしてきた手を思いっきり振り払う。
何か喜劇でも見ているようである。
「それよりも兄上。兄上に番が見つからなければ、自分が妃にと狙っていた離宮の姫たちは悔しがりますね」
――えっ!離宮の姫たち?――
膝の上から上目使いでレオナルドの顔を見るリディア。
「どう思われようが、最初から私は彼女らを相手にしていなかった筈だ。番が見つかれば諦めるだろう」
「だとしても一波乱ありますよ。ちゃんとお守りしてあげて下さいね」
「当然だ。離宮も無くす」
「レニー様……離宮って?」
「ああ、番が見つからないなら竜族の姫を娶れと、勝手に作られて集められた姫たちがいるのだ」
迷惑そうに言い放つレオナルド。
「そ、そうなのね。何人ぐらいいるの?」
「リディア妃、兄上の離宮には竜姫が十五名いますよ。俗にいう後宮みたいなものかな」
「そ、そんなに……えっ、後宮?」
「安心しろ、リディ。渡ったのはそれぞれ一度きりだ。子も出来ておらん。帰ったら直ぐに解散させる」
「いや、兄上。そう簡単にはいかないと思うよ」
――ちょっと待って、渡ったのはそれぞれ一回きりって。十五人?えっ、えーーー!――
あらためて、レオナルドが大人の男性なのだと自覚したリディアは、自分の身体を見て溜息を吐く。いつ戻るかも知れないこの体。経験豊富なレオナルドが、夫婦の役目を果たせない自分で、満足できるのだろうかと不安になってきたのだ。
それを察したレオナルドが、後ろから抱えていたリディアの体を、横向きに変えた。
「私の番は何か余計な心配をしているようだな。安心しろ、私はリディを妃に迎えたら浮気などしない。離宮にも、今まで通り渡るつもりもない」
「でも、その……私は夜のお務めができません」
「そんな事は気にしなくていい。務めが出来なくともリディアが欲しいとお義父上に願ったのだからな」
「それでレニー様は大丈夫なの?」
「大丈夫だ、その代わり私の傍から離れる事を許さない。そして、目一杯甘やかすことを許して欲しい」
――ちゅっーー
リップ音を立てて唇にキスをされ、慌てて口を押えたリディア。
「レ、レニー様ーーー!」
真っ赤になるリディアにレオナルドが笑いながら言う。
「もし、リディの体が元に戻ったら、これだけでは終わらんから覚悟しておけ」
にやりと笑うレオナルドにリディアは身震いをしてしまう。
――ずっとこのままの体でも良いかも――
「そのくらいで真っ赤になるなんて、やっぱり可愛い。でも帰ったらこんなの四六時中だからね。覚悟して置いた方が良いよ」
「うそっ、人前でも?」
「ええ、番に関しては関係ないし、当然のことだからね」
「……」
「なんだ、私の愛でるということはこういう事も含めてだぞ」
「……」
「諦めましょう、姉上」
「もうっ!サミー様ったら……あっ、今思ったんだけど」
「次は何だい、リディ?」
「私、言葉使いはどうしたら良いの?見た目通り子供っぽい方が良いのかしら?」
「私はどちらでも構わない。幼い姿とはいえ、王女なのだから少し生意気ぐらいでも構わないぞ」
「一応リディア王女の事情は父上に知らせてあるけど、知っているのは両親と上層部の僅かな者だけだと思う。離宮の姫たちの事もあるからなー。最初は子供っぽくしていた方が無難かもしれないよ」
「うむ。子どもならということもあるか」
「分かりました。池で初めてレニー様に会った時みたいな感じでいきます」
「ああ、子供の癖にちょっと生意気で。アレも可愛かった」
「ああ、もう兄上、デレデレしないで下さいよ。兎に角、じゃぁそれでいきましょう」
「はーい、サミーさま」
幼児らしく愛らしい声色でサミュエルに微笑むリディア。
「うっ、兄上。これは反則です……」
「まずい、これはまずいかもしれん。サミュエル」
リディアの仕草を見て悶える兄弟。
竜族は己が強い分、基本小さく可愛いものが好きなのだ。
「いやでも、この方が摩擦が少なくなります。リディア妃のファンが多ければ、多いほど安全ですからね」
顔を赤くして口元を手で押さえながら、サミュエルが言う。
「確かにそうだが、皆にこの笑顔を向けると思うと俺が許せなくなりそうだ……」
「うっ、お気持ちはお察ししますが、王宮内の平和のためですよ」
「……理解した」
「離宮のお姉さま方はそんなに怖いの? 私、大丈夫?」
「あっ、リディア殿。多少の嫉妬はあると思うけど、兄上とイチャイチャしていれば、自ずと分かります。彼女たちは自分で見て諦めない限り、去って行きませんからね。動物の本能なのです」
「多少の妬みって、虐めとか……」
「心配するな。私の傍にいれば手出しは出来ない」
平然として言うレオナルドだが、リディアはまた不安を抱えてしまう事になる。
「レニーの嘘つき!竜王国はみんな歓迎してくれるって言ったのに!」
頬を膨らませ、そっぽを向くリディアに慌ててご機嫌を取ろうとするレオナルド。
「可愛いリディ、機嫌を直しておくれ」
「知らないもん!」
膝の上でバタバタと手足をばたつかせ可愛く抗議する幼児リディアの姿に、オロオロする兄と、悶絶する弟。
この姿は近い内に王城内でも見られることになり、屈強な竜人たちもまた悶絶する事となる。
そんなやりとりを隅の席で聞きながら、密かに微笑んでいたリールー。
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