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最終章
78*ただいまです。
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何だかんだとデオドール達から五日遅れで王都に入ったバージル達は護衛も付けずに帰って来たので王城の裏口からこっそりと城内に入って行きます。
王宮内では国王陛下と王妃に出迎えられ帝国での活躍を労われました。
でも・・・晩餐を共にしながら一番先に出た話がアンナの勇者コスチュームのことだなんて(汗)
「アンナちゃん、わたくしも見たかったですわ。まだその衣装はあるのでしょう?是非来て見せて下さいな」
王妃が目を輝かせながらアンナに迫って来ます。
「儂も見たいぞ」
「母上も父上もやめて下さい!アレは封印します!」
バージルが血相を変えて言うものですからデオドールが
「自分だけこっそりまた着せて見ようとしてるのだな」
と揶揄います。
「お義兄様、私はアレ気に入ってるのです。もし王都で魔術大会が開かれたらアレを着て参加しちゃいますわ」
嬉しそうに言うアンナ。
「いいね、それ。父上魔術大会をやりましょう」
「おおそうだなデオドール。術師たちの向上にも繋がるやもしれん」
「そうですわね」
「魔術大会は結構ですがアンナは参加させませんのであしからず」
「父上、術師たちの中には女性もいます。皆の希望を聞いて制服の様なもの作ったら如何でしょう?」
「そうだな。うん、そうしよう」
ぷいっと子供の様に顔を背けるバージルを三人は無視して会話はどんどん進んでいくのでした。
「あっ、そうですわ。何やら変わった鉄鍋とかを持ち帰ったようですけど、また新しいお料理が食べられるのかしら?」
王妃様に言われて思い出しました。
パエリア鍋を買って来たんだった。
「はい、港町で漁師さんに食べられているお料理を作ろうと思いまして」
「漁師料理か。エスメラルダの王女の時は儂だけアンナの料理が食べられなかったからのう。是非とも今度は儂も呼んで欲しい」
「陛下、勿論です!」
アンナの返事を聞いて国王陛下が少しむくれます。
「陛下?」
「アンナよ、デオドールの事は先ほど『お義兄様』と呼んでおったのに儂の事は陛下で『お義父様』とは呼んでくれぬのか・・・」
「まぁ陛下ったら」
王妃がクスリと笑いました。
えっ、あぁぁ、どうしよう。国王陛下をお義父さまと呼ぶなんて―――。
でもそうよね、わたしは王家に嫁いだんだもん。
バージルのお嫁さんは陛下の娘ですものね。
王妃がいじける国王を見て笑うのを見てアンナは緊張しながら
「次は、お、お義父さまも必ずお呼びします」
と頬を染めながら恥ずかしそうに答えました。それを聞いて眉を下げ嬉しさを隠しきれない顔をする国王陛下。
「なんですか父上、そのデレッとした顔は!
アンナにそんな恥ずかしそうな可愛い顔をさせるなんて、父上にパエリアは食べさせませんからね!」
「「「はい?」」」
三人がバージルのことを同時にみると
「ぷっ」「ぐふっ!」と背後から聞こえてきて振り向くと食堂にいたメイドや給仕の者が思わず吹き出し「申し訳ありません」と慌てて頭を下げました。
「はい、食事は終わりました。アンナ部屋に戻るぞ」
アンナの手を引き無理やり食堂を出てゆくバージル。
「お義父さま、お義母さま、お義兄さま~ごめんなさーい」
廊下からアンナの声が遠ざかっていくのを行くのを聞きながら両陛下とデオドールはヤキモチ妬きなバージルに苦笑したのでした。
◆
自室に戻ったバージルとアンナ。
「半月ぶりの我が家って感じだな」
「ええ、やっぱり落ち着きますね」
ってバージルの膝の上で落ち着くなんて言っちゃいましたよ。。。
「僕のここはアンナの定位置だからね」
嬉しそうに髪や頬に唇と落としていくバージル。
「アンナと結婚して半年だけど毎日が幸せだよ。お嫁に来てくれてありがとう」
改めて言われてしまうと何だかじーんと来てしまいます。
「私の方こそ前世持ちの変わった娘を貰ってくれてありがとうございます」
バージルに抱き付き私から軽く何度かちゅっ、ちゅっと口づけると、ほらやっぱり。
アンナからのキスには真っ赤になってしまう旦那様なのです。
「ああ、そんなに可愛い事してきて・・・」
そしてそのまま寝台まで運ばれてしまう。
「やっぱりこのベッドが一番落ち着くな」
「早く赤ちゃんが出来ると良いですね」
「それは天の授かりものだけど僕はまだもう少しアンナを独り占めしたい。元々魔力の強い男は子が授かり難いと言われているんだ」
「そうなの?初めて知りました。でも、いつかきっと授かりますよ」
アンナが微笑むと深い口づけをして思う存分アンナを愛でるバージル。
翌日の昼過ぎまで二人は部屋から出て来る事はありませんでした。
王宮内では国王陛下と王妃に出迎えられ帝国での活躍を労われました。
でも・・・晩餐を共にしながら一番先に出た話がアンナの勇者コスチュームのことだなんて(汗)
「アンナちゃん、わたくしも見たかったですわ。まだその衣装はあるのでしょう?是非来て見せて下さいな」
王妃が目を輝かせながらアンナに迫って来ます。
「儂も見たいぞ」
「母上も父上もやめて下さい!アレは封印します!」
バージルが血相を変えて言うものですからデオドールが
「自分だけこっそりまた着せて見ようとしてるのだな」
と揶揄います。
「お義兄様、私はアレ気に入ってるのです。もし王都で魔術大会が開かれたらアレを着て参加しちゃいますわ」
嬉しそうに言うアンナ。
「いいね、それ。父上魔術大会をやりましょう」
「おおそうだなデオドール。術師たちの向上にも繋がるやもしれん」
「そうですわね」
「魔術大会は結構ですがアンナは参加させませんのであしからず」
「父上、術師たちの中には女性もいます。皆の希望を聞いて制服の様なもの作ったら如何でしょう?」
「そうだな。うん、そうしよう」
ぷいっと子供の様に顔を背けるバージルを三人は無視して会話はどんどん進んでいくのでした。
「あっ、そうですわ。何やら変わった鉄鍋とかを持ち帰ったようですけど、また新しいお料理が食べられるのかしら?」
王妃様に言われて思い出しました。
パエリア鍋を買って来たんだった。
「はい、港町で漁師さんに食べられているお料理を作ろうと思いまして」
「漁師料理か。エスメラルダの王女の時は儂だけアンナの料理が食べられなかったからのう。是非とも今度は儂も呼んで欲しい」
「陛下、勿論です!」
アンナの返事を聞いて国王陛下が少しむくれます。
「陛下?」
「アンナよ、デオドールの事は先ほど『お義兄様』と呼んでおったのに儂の事は陛下で『お義父様』とは呼んでくれぬのか・・・」
「まぁ陛下ったら」
王妃がクスリと笑いました。
えっ、あぁぁ、どうしよう。国王陛下をお義父さまと呼ぶなんて―――。
でもそうよね、わたしは王家に嫁いだんだもん。
バージルのお嫁さんは陛下の娘ですものね。
王妃がいじける国王を見て笑うのを見てアンナは緊張しながら
「次は、お、お義父さまも必ずお呼びします」
と頬を染めながら恥ずかしそうに答えました。それを聞いて眉を下げ嬉しさを隠しきれない顔をする国王陛下。
「なんですか父上、そのデレッとした顔は!
アンナにそんな恥ずかしそうな可愛い顔をさせるなんて、父上にパエリアは食べさせませんからね!」
「「「はい?」」」
三人がバージルのことを同時にみると
「ぷっ」「ぐふっ!」と背後から聞こえてきて振り向くと食堂にいたメイドや給仕の者が思わず吹き出し「申し訳ありません」と慌てて頭を下げました。
「はい、食事は終わりました。アンナ部屋に戻るぞ」
アンナの手を引き無理やり食堂を出てゆくバージル。
「お義父さま、お義母さま、お義兄さま~ごめんなさーい」
廊下からアンナの声が遠ざかっていくのを行くのを聞きながら両陛下とデオドールはヤキモチ妬きなバージルに苦笑したのでした。
◆
自室に戻ったバージルとアンナ。
「半月ぶりの我が家って感じだな」
「ええ、やっぱり落ち着きますね」
ってバージルの膝の上で落ち着くなんて言っちゃいましたよ。。。
「僕のここはアンナの定位置だからね」
嬉しそうに髪や頬に唇と落としていくバージル。
「アンナと結婚して半年だけど毎日が幸せだよ。お嫁に来てくれてありがとう」
改めて言われてしまうと何だかじーんと来てしまいます。
「私の方こそ前世持ちの変わった娘を貰ってくれてありがとうございます」
バージルに抱き付き私から軽く何度かちゅっ、ちゅっと口づけると、ほらやっぱり。
アンナからのキスには真っ赤になってしまう旦那様なのです。
「ああ、そんなに可愛い事してきて・・・」
そしてそのまま寝台まで運ばれてしまう。
「やっぱりこのベッドが一番落ち着くな」
「早く赤ちゃんが出来ると良いですね」
「それは天の授かりものだけど僕はまだもう少しアンナを独り占めしたい。元々魔力の強い男は子が授かり難いと言われているんだ」
「そうなの?初めて知りました。でも、いつかきっと授かりますよ」
アンナが微笑むと深い口づけをして思う存分アンナを愛でるバージル。
翌日の昼過ぎまで二人は部屋から出て来る事はありませんでした。
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