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第6章*聖女の派遣と新婚旅行
69*魔術大会
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【魔術大会当日】
コロシアムには大勢の市民が魔術披露を見ようと詰めかけています。
「あそこに座っているのがアデライト王国の王子様でしょう。素敵ね~」
「第二王子様は先日港町でお妃さまと歩いているのを見掛けたぞ」
「ああ、めちゃくちゃ綺麗で可愛い奥方だったな」
観客席はそんな話題も含め盛り上がっておりました。
貴賓席の中央にはサミュエル皇帝、右隣に聖女マリーとデオドール、皇帝の左隣にバージルとアンナが座りそれを挟む形で大公が二手に分かれ座っています。
司会の者から各領の魔術師が紹介されるとコロシアム中に歓声が響き渡ります。
いよいよ術の披露が始まりました。
「自分が一番得意とする術をアリアの魔術師から順番に披露してもらいます。尚、観客の皆さまの前には見えませんが防護壁が張られているので安心して観覧下さい」
この防護壁は安全を考え前もってアンナが張って置いた結界である。
一番最初はアリア領のエルネスト。
彼は風魔法で竜巻を操り披露しました。
浮かび上がった術式にナリスに掛けられていた術式の癖はなかった。
予め術式が一致した時には隣に座る皇帝に分かるように小さく咳ばらいをすることになっている、
エルネストに対しバージルからその合図は無かった。
二番手はダルク領ジョルジュ。
彼は土魔法を披露します。
突然コロシアムの地面が砂漠に変わり術式が浮かび上がります。そこへ魔力を送ると大きな蟻地獄が出現し砂漠の砂を飲み込んでいきました。
その時に浮かび上がった術式を見てバージルが
『これだ!』と思わず心の中で声を上げ咳ばらいをしました。
「こほ、ん」
「ダルクか」
サミュエルが声を押さえながらバージルに確認を取ります。
「ええ、あの魔術師はナリス様の身体を蝕む術を掛けた者です」
大公たちに聞こえないように小声で伝えるとサミュエルは後ろに待機していた側近に耳打ちをしました。
バージルは念話でアンナにも伝えます。
《一人見つけた。一番最後に解術をしたヤツだ。あと一人術に加え悪意の魔法迄かけたヤツを見つければ》
《多分次のデアトロスだと思います。さっきから異様な気を出しているんですよ。たぶん召喚獣も持っているみたいとドロップが言っています》
《そうか》
三番手デアトロス領セルゲイ。
彼は火魔法を披露する。
予め用意させていた的を設置させ炎の塊を次々に命中させてゆく。まぁこれは火魔法を扱うものなら誰しもができる事だ。だが百メートルも先の的となるとよほど魔力が強くないと届かない。
次の大技を見せる為に詠唱すると術式が浮かび上がって来る。
その術式を解読し始めたバージルが念話の中で叫んだ。
《アンナの云う通りコイツだ!》
《やっぱり!》
「ごほっ」と咳払いをしたのちまた小声で
「デアトロスが本命です」と皇帝に告げた。
「了承した」
急いでサミュエルにも報告する。
愛する妻ナリスを苦しめていた術を掛けた男を彼は拳を握り締め見下ろしている。直ぐにでも捕えてしまいたいのを必死に堪えていた。
術師が魔力を送り始めると火柱が上がりそこから四方八方へ炎塊が放たれてゆく。
予め観客の前には透明の防御壁が張られているので心配はないが、目の前に迫って来る炎の塊に観客たちが悲鳴をあげた。
火柱は徐々に小さくなっていき彼の掌へと戻り消え最後はロウソクの炎のようになって消えた。
何事も無かったように静まり返ったコロシアムで残り二人の魔術披露が続けて行われる。
予想通りドルチェは勿論のことマーカスの術師にも彼らの術式に同じ癖と悪意は存在していなかった。
観客の興奮が覚めない中、司会者の声が響き渡ります。
「五人の魔術披露が終了いたしました。これから帝国魔術師を選ぶための協議に入ります」
皇帝と参謀、そしてデオドールたちアデライト組は別室と下がって行きました。
皇帝は別室に行く途中護衛の者に小さな声で皇妃を貴賓席の控えで待機させるように伝え、四人の大公を競技場の中央に魔術師と共に並ばせ待たせよと指示をする。
「ダルクとデアトロスで間違いないな」
サミュエルが重い口を開く。
「ええ、術の癖をハッキリと確認いたしましたので間違い御座いません」
バージルの言葉を聞いて机の上に置いた拳に力がこもった。
「分かった、まずはその二組を残し後は下がらせよう。それから順に罪を暴くとする」
「はっ!」
その場にいる全員が背筋を伸ばした。
貴賓席に皇帝たちが戻って来るとまた歓声が沸き上がった。
「皆素晴らしい魔術を披露してくれたことに感謝する。まずはダルク領カルバン・エンデと魔術師ジョルジュ。そしてデアトロス領ロイ・シャービスと魔術師セルゲイ一歩前へ。後の者は遠路遥々ご苦労であった。城にて労いの席を設けてあるゆえゆっくりと過ごされるとよい。では下がってくれたまえ」
呼ばれた二組がそれぞれ前に出るとアリアとマーカスの大公と魔術師、ドルチェの魔術師は一礼をして競技場の外へと下がって行った。
「さて先にカルバン・モルト大公、お主は素晴らしい魔術師を我に紹介してくれた。礼を言う」
「有難きお言葉。この術師ジョルジュは必ずや皇帝のお役に立ちましょうぞ」
―――ふふふ、これで貴方の命はもう私のこの手の中に握ったようなものだ
カルバンは敗戦の恨みからサミュエルの弱みを握りじわじわと皇妃ナリスを苦しめいつかは帝国を自分のものにしようと目論んでいた。
「魔術師ジョルジュ、土魔法の蟻地獄は見事であった。あれなら城の一つも簡単に飲み込めるな」
「たぶん出来ると存じます」
「うむ、お主は魔術医師も兼ねていると聞いたが」
「はい、そうで御座います」
「サミュエル皇帝、このジョルジュは医療に精通しております故、寝たきりとなっておられる奥方様の病も治すことが出来るやもしれませんぞ」
カルバン大公が得意気に口を挟んできたのを見てサミュエルは怒りがこみあげて来る。
「なるほど。妻の病をとな。なら何故、そんな優秀な魔術医師をもっと早く我の元に連れて来なかったのだ」
「そ、それは、信用して下さるか分からなかったものですから」
「そうか、残念だ。少しばかり遅すぎた・・・」
サミュエルは肩を落とし悲し気な演技をして見せる。
―――今皇帝は遅すぎたと確かに言った。サミュエルの様子からもしかしたら皇妃はもうこの世にいないのかも知れない。
カルバンはそう考えていました。
隣に控えていたデアトロス領の二人も同じことを考え口元に小さく厭らしい笑みを浮かべた。
「次にロイ・シャービス大公。お主の所のセルゲイも見事であった。あれ程の火魔法を使えるものもそう多くはいない。ぜひ傍に置きたいものよな」
「有難きお言葉。セルゲイはまだ若いですが頭の切れる我が領でも高位の魔術師でございます。帝国魔術師とはセルゲイの為の役職だと私は思っております」
「そうか、どちらも捨て難くこの観衆の前で我は決断せねばならい。四名ともまずは跪き頭を垂れ私の話を聞くが良い」
「はっ」
大公と魔術師たちはその場に跪いて頭を垂れた。
「カルバン、其方に聞きたい。内外で皇妃が病に伏せているのは周知の上だが私は妻が寝たきりであるとは一度も言った事ないぞ。何故お主はそう言い切ったのだ」
「そ、それは噂で」
「シャービスお主はどうじゃ」
「わ、私は重篤な状態であると聞いております」
二人は地面を見つめたまま質問に答えていく。
「噂とは恐ろしいものだな。事実皇妃は殆ど寝たきりに近い状態であった。それも只の病ではなく悪意を持った術によってな」
四人の肩がびくりと反応した。
するといつの間にか兵士達が四人後ろに並んで立っている。
「この者たちを拘束せよ!」
コロシアムに響き渡る低い声で皇帝が兵士に告げる。
後ろに控える兵士たちがあっという間に四人を拘束し縛り上げるとあちらこちらからざわめきが起きてきて客席は騒然としてきました。
「何をする!一体どう云う事だ!!!」
口々に喚き立てる四人に皇帝が静かに告げた。
「お主たちの掛けた魔術で妻は心を病み体の自由を失い床に伏せる事となったのだ。身に覚えがないとは言わせんぞ!」
『何だって皇妃様が病に伏せられたのはこいつらの所為なのか!』
『なんて酷いことをしやがる』
客席の民衆から次々に罵声が浴びせられる。
「何を証拠に我らが術を掛けたというのだ!」
「知りたいか、ならば教えよう。愛する妻に掛けられていた術はアデライトの聖女様たちのお陰で解術された。その術からお主等の策が露見したのだ」
「「えっ!」」
大公と術師が顔を上げ同時に声を上げた。
「解術されただと?」
「ナリス」
サミュエルの呼びかけに貴賓席のカーテンの向こうから小さいけれど力強い声で「はい」と返事が聞こえ侍女二人に支えながら皇妃ナリスティアが自分の足で歩いて入って来ました。
一年ぶりに公の場に姿を現した皇妃の姿を見てコロシアム中が歓喜に満ちる。
コロシアムには大勢の市民が魔術披露を見ようと詰めかけています。
「あそこに座っているのがアデライト王国の王子様でしょう。素敵ね~」
「第二王子様は先日港町でお妃さまと歩いているのを見掛けたぞ」
「ああ、めちゃくちゃ綺麗で可愛い奥方だったな」
観客席はそんな話題も含め盛り上がっておりました。
貴賓席の中央にはサミュエル皇帝、右隣に聖女マリーとデオドール、皇帝の左隣にバージルとアンナが座りそれを挟む形で大公が二手に分かれ座っています。
司会の者から各領の魔術師が紹介されるとコロシアム中に歓声が響き渡ります。
いよいよ術の披露が始まりました。
「自分が一番得意とする術をアリアの魔術師から順番に披露してもらいます。尚、観客の皆さまの前には見えませんが防護壁が張られているので安心して観覧下さい」
この防護壁は安全を考え前もってアンナが張って置いた結界である。
一番最初はアリア領のエルネスト。
彼は風魔法で竜巻を操り披露しました。
浮かび上がった術式にナリスに掛けられていた術式の癖はなかった。
予め術式が一致した時には隣に座る皇帝に分かるように小さく咳ばらいをすることになっている、
エルネストに対しバージルからその合図は無かった。
二番手はダルク領ジョルジュ。
彼は土魔法を披露します。
突然コロシアムの地面が砂漠に変わり術式が浮かび上がります。そこへ魔力を送ると大きな蟻地獄が出現し砂漠の砂を飲み込んでいきました。
その時に浮かび上がった術式を見てバージルが
『これだ!』と思わず心の中で声を上げ咳ばらいをしました。
「こほ、ん」
「ダルクか」
サミュエルが声を押さえながらバージルに確認を取ります。
「ええ、あの魔術師はナリス様の身体を蝕む術を掛けた者です」
大公たちに聞こえないように小声で伝えるとサミュエルは後ろに待機していた側近に耳打ちをしました。
バージルは念話でアンナにも伝えます。
《一人見つけた。一番最後に解術をしたヤツだ。あと一人術に加え悪意の魔法迄かけたヤツを見つければ》
《多分次のデアトロスだと思います。さっきから異様な気を出しているんですよ。たぶん召喚獣も持っているみたいとドロップが言っています》
《そうか》
三番手デアトロス領セルゲイ。
彼は火魔法を披露する。
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《やっぱり!》
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「了承した」
急いでサミュエルにも報告する。
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術師が魔力を送り始めると火柱が上がりそこから四方八方へ炎塊が放たれてゆく。
予め観客の前には透明の防御壁が張られているので心配はないが、目の前に迫って来る炎の塊に観客たちが悲鳴をあげた。
火柱は徐々に小さくなっていき彼の掌へと戻り消え最後はロウソクの炎のようになって消えた。
何事も無かったように静まり返ったコロシアムで残り二人の魔術披露が続けて行われる。
予想通りドルチェは勿論のことマーカスの術師にも彼らの術式に同じ癖と悪意は存在していなかった。
観客の興奮が覚めない中、司会者の声が響き渡ります。
「五人の魔術披露が終了いたしました。これから帝国魔術師を選ぶための協議に入ります」
皇帝と参謀、そしてデオドールたちアデライト組は別室と下がって行きました。
皇帝は別室に行く途中護衛の者に小さな声で皇妃を貴賓席の控えで待機させるように伝え、四人の大公を競技場の中央に魔術師と共に並ばせ待たせよと指示をする。
「ダルクとデアトロスで間違いないな」
サミュエルが重い口を開く。
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バージルの言葉を聞いて机の上に置いた拳に力がこもった。
「分かった、まずはその二組を残し後は下がらせよう。それから順に罪を暴くとする」
「はっ!」
その場にいる全員が背筋を伸ばした。
貴賓席に皇帝たちが戻って来るとまた歓声が沸き上がった。
「皆素晴らしい魔術を披露してくれたことに感謝する。まずはダルク領カルバン・エンデと魔術師ジョルジュ。そしてデアトロス領ロイ・シャービスと魔術師セルゲイ一歩前へ。後の者は遠路遥々ご苦労であった。城にて労いの席を設けてあるゆえゆっくりと過ごされるとよい。では下がってくれたまえ」
呼ばれた二組がそれぞれ前に出るとアリアとマーカスの大公と魔術師、ドルチェの魔術師は一礼をして競技場の外へと下がって行った。
「さて先にカルバン・モルト大公、お主は素晴らしい魔術師を我に紹介してくれた。礼を言う」
「有難きお言葉。この術師ジョルジュは必ずや皇帝のお役に立ちましょうぞ」
―――ふふふ、これで貴方の命はもう私のこの手の中に握ったようなものだ
カルバンは敗戦の恨みからサミュエルの弱みを握りじわじわと皇妃ナリスを苦しめいつかは帝国を自分のものにしようと目論んでいた。
「魔術師ジョルジュ、土魔法の蟻地獄は見事であった。あれなら城の一つも簡単に飲み込めるな」
「たぶん出来ると存じます」
「うむ、お主は魔術医師も兼ねていると聞いたが」
「はい、そうで御座います」
「サミュエル皇帝、このジョルジュは医療に精通しております故、寝たきりとなっておられる奥方様の病も治すことが出来るやもしれませんぞ」
カルバン大公が得意気に口を挟んできたのを見てサミュエルは怒りがこみあげて来る。
「なるほど。妻の病をとな。なら何故、そんな優秀な魔術医師をもっと早く我の元に連れて来なかったのだ」
「そ、それは、信用して下さるか分からなかったものですから」
「そうか、残念だ。少しばかり遅すぎた・・・」
サミュエルは肩を落とし悲し気な演技をして見せる。
―――今皇帝は遅すぎたと確かに言った。サミュエルの様子からもしかしたら皇妃はもうこの世にいないのかも知れない。
カルバンはそう考えていました。
隣に控えていたデアトロス領の二人も同じことを考え口元に小さく厭らしい笑みを浮かべた。
「次にロイ・シャービス大公。お主の所のセルゲイも見事であった。あれ程の火魔法を使えるものもそう多くはいない。ぜひ傍に置きたいものよな」
「有難きお言葉。セルゲイはまだ若いですが頭の切れる我が領でも高位の魔術師でございます。帝国魔術師とはセルゲイの為の役職だと私は思っております」
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「そ、それは噂で」
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「わ、私は重篤な状態であると聞いております」
二人は地面を見つめたまま質問に答えていく。
「噂とは恐ろしいものだな。事実皇妃は殆ど寝たきりに近い状態であった。それも只の病ではなく悪意を持った術によってな」
四人の肩がびくりと反応した。
するといつの間にか兵士達が四人後ろに並んで立っている。
「この者たちを拘束せよ!」
コロシアムに響き渡る低い声で皇帝が兵士に告げる。
後ろに控える兵士たちがあっという間に四人を拘束し縛り上げるとあちらこちらからざわめきが起きてきて客席は騒然としてきました。
「何をする!一体どう云う事だ!!!」
口々に喚き立てる四人に皇帝が静かに告げた。
「お主たちの掛けた魔術で妻は心を病み体の自由を失い床に伏せる事となったのだ。身に覚えがないとは言わせんぞ!」
『何だって皇妃様が病に伏せられたのはこいつらの所為なのか!』
『なんて酷いことをしやがる』
客席の民衆から次々に罵声が浴びせられる。
「何を証拠に我らが術を掛けたというのだ!」
「知りたいか、ならば教えよう。愛する妻に掛けられていた術はアデライトの聖女様たちのお陰で解術された。その術からお主等の策が露見したのだ」
「「えっ!」」
大公と術師が顔を上げ同時に声を上げた。
「解術されただと?」
「ナリス」
サミュエルの呼びかけに貴賓席のカーテンの向こうから小さいけれど力強い声で「はい」と返事が聞こえ侍女二人に支えながら皇妃ナリスティアが自分の足で歩いて入って来ました。
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