47 / 111
第4章*隣国の王女
32解決策?
しおりを挟む
デオドール専用のハーブティーに『魅了』の魔法が掛けられていたことから、ユリの花事件も王女フェリーシアの仕業であると結論付けられる。
話を聞いていたバージルは信じられないという顔をしてアンナの顔を見つめています。
「兄上に魔法をかけたお茶を飲ませて魅了させていたという事か」
「そんな事許されないだろう」
ダニエルも怒りをあらわにしてテーブルに拳を叩きつけました。
「徐々に効くように仕掛ける事で自然にデオドール様が王女様の事を好きになったと思わせるつもりだったのだと思います。そう考えると昨日の私を呼びつけ『殿下もまんざらではない』と言ってきたのも私にそう思い込ませようとしたのだと思いますし」
「なるほど、しかしそこまでして兄上に気に入られなればならない理由はなんだ?」
「それは、、、王女様が『デオドール様と恋をしたい』と仰っていたとジル様に報告したままだと思います。お国に帰れば隣国の王に後妻として嫁がされるかもしれないと。もし、殿下が王女を欲しいと言えばそれは阻止できると思われたのではないでしょうか」
「それが目的か・・・気の毒だとは思うがそれも王族としての定めでもあるからな」
「ええ、王女様もそれは自覚されていました。たぶんデオドール様が外交でエスメラルダへ行ってなければそのまま隣国へ嫁がれていたんだと思います」
「そうね、王女は言われるままに政略結婚する気だったのにデオドールに出逢って気持ちが変わってしまったのね」
ビオラも納得したように腕組みをして頷いた。
整理してみる。
ユリの香りの呼び水は場内の者に王女に対して好意的に思わせる効果を持っていた。魔力が強いアンナとバージル、それとたぶんではあるが聖女であるマリーにはそれが効かなかった。が、デオドールは勿論、彼の取り巻き令嬢たちには効果があった。だからデオドールは王女に対し嫌悪感が無くなり好意さえ持つようになる。令嬢たちもまた同じように悪口を言わなくなり好意的に思うようになった。
そして次は個人的にデオドールに魔法をかけたお茶を飲ませ徐々に気持ちを動かしていったのだ。
「ん-。でもこのお茶から摂取する量でそこまでデオドールの気持ちを動かせる気がしないんだけど」
先ほどのお茶の成分から見た魅了の量はごく少なめであったのを思い出しビオラが首を傾げる。
アンナはふと思い出した。
「ねぇ、デオドール様から香って来るハーブの香りも関係があるんじゃないかしら?」
「ああ、アンナはそれも気にしていたよな」
「ええ、ラベンダーが含まれているのは確かなの、それとカモミール?」
「そうね、それだとリラックスや安眠効果ね。寝る前にそれに近いものを飲ませられているのかしら?でも翌日それが匂うことは無いと思うわ」
「・・・アロマオイルとかポプリはどう?」
アンナは学生の時友人から北海道のお土産でラベンダーのポプリを貰ったことを思い出した。
「アンナ、それよ!ポプリにも魔法を掛けて寝る時に枕元に置けば安眠できて魔法も掛かり易くなるわよ」
女性二人の会話についていけないバージルとダニエルです。
「魔法なら解毒できるわよね。ビオラは魅了の解毒薬を作ってくれる?」
「アイアイサー」
時々出て来るビオラの承諾の返事は何故アイアイサーなのか、未だに分からないアンナではあるが何百年も生きていると何処から聞いたことがるのだろうと思う事にした。
「ジル様、デオドール様に報告にいきますか?それかビオラの解毒薬を待って分からないように服用させるとか・・・」
バジルは暫く考えていた。
ここで兄に報告しても魅了の魔法が効いて来ている今、彼女を疑うことが出来ないかもしれない。仮に我々の事を信じたとしたら自分が騙されていたことに憤慨して王女に詰める寄る可能性もある。
国が関与している可能性は無いと思われる。と云うより王女の個人的な思いから侍女であるリンダと二人で起こした行動だと思われるからだ。だったら兄には言わず解毒してしまえば良い事だ。ビオラの作った解毒薬が効けば自然と王女への思いも覚める訳だからな。
バージルは自分が責任を持つ覚悟でアンナに告げた。
「兄上には言わないで置く。ビオラ早急に解毒薬を頼む」
「任せて置いて。これからすぐに薬草と材料を集めに行ってくるわ。でも作るのはアンナよ」
「えっ、あたし?」
「そう、私は魔女じゃないから直接は作れないわ。材料が揃ったら後はアンナに作り方と解毒の呪文を教えるからね」
「そういえばアンナの癒しの力では解毒できないのか?」
もっともな質問がバージルの口から出た。
「アンナの大っ、、、、聖女の癒しの力は毒薬で苦しむ者には使えるけれど自分本位の娯楽や快楽の為に人の心を変えた事には使えない。だから恋だの愛だのには使えないの!」
「そ、そうなのか。聖女の力とはそういうものなのか。理解した」
「分かったならあたしは行くわ。エスメラルダにしかない物もあるからね。明日の昼までは戻るわ」
「よろしくね、ビオラ」
ビオラは敬礼をして光とともに消えて行きました。
「さて我々はどうしたものかな」
「そうね、お昼にデオドール様にお会いした時、私たちの言葉で自分の気持ちに気付いてしまわれたでしょう?毎日お昼前にお花を届けに行ってるらしいのよね。魔法の効果も出始めているみたいだし、まさかとは思うけど夜に王女様のお部屋を訪問なんてこと・・・」
バージルとダニエルがぎょっとした顔をする。
「まさか恋心が募って夜這いとかあるまいな」
「バージルだって毎夜お嬢の所へ行ってるだろうが。媚薬ではないが、惚れた女に会いに行くという事は無いとは言えないぞ。既成事実を作られたどうしようもない。」
ダニエルの言葉にアンナが真っ赤になった。
「わ、わたしはアンナと話をしているだけだ。やましい事はしていない!」
バージルも顔を赤らめ目的が違うと否定する。
「添い寝なんかしちゃってるお前が良く言うよ」
これには反論出来ないバージルでした。
「と、とにかく兄上の行動を監視しなくては。ダニエル今夜は兄上と飲んで部屋から出さないようにするぞ」
「えっ、俺も?」
「当たり前だ。アンナ済まない、今夜は添い寝もできない。寂しいだろうが我慢してくれ!」
「あっ、は・・・・・・い?」
アンナはバージルの勢いに押され返事をしてしまう。
「バージル、馬鹿かお前。そんな事わざわざお嬢に言うか?ていうか自分が寂しいだけだろう」
「煩いダニエル!」
二人の会話に呆気にとられるアンナです。
バージルは勢いよくアンナに近寄りぎゅっと抱きしめると額にキスをしダニエルの事を睨み付けながら
「いくぞ、ダニエル」
と声をあげスタスタと出口に向かっていってしまった。
暫し呆然とするアンナとダニエル。
「あーあ、ガキみたいな奴が相手でお嬢も苦労するね。アレでお嬢より五つも年上なんだぜ」
そう言いながらアンナの頭を撫でてバージルの後を追いかけていきました。
外で待っていたアンナの護衛がバージルが勢いよく出て来て何事かと驚いている姿を見てダニエルは
「心配ないからね。ジュリアンナ嬢を部屋まで頼むよ」
と声を掛けて去って行ったのでした。
話を聞いていたバージルは信じられないという顔をしてアンナの顔を見つめています。
「兄上に魔法をかけたお茶を飲ませて魅了させていたという事か」
「そんな事許されないだろう」
ダニエルも怒りをあらわにしてテーブルに拳を叩きつけました。
「徐々に効くように仕掛ける事で自然にデオドール様が王女様の事を好きになったと思わせるつもりだったのだと思います。そう考えると昨日の私を呼びつけ『殿下もまんざらではない』と言ってきたのも私にそう思い込ませようとしたのだと思いますし」
「なるほど、しかしそこまでして兄上に気に入られなればならない理由はなんだ?」
「それは、、、王女様が『デオドール様と恋をしたい』と仰っていたとジル様に報告したままだと思います。お国に帰れば隣国の王に後妻として嫁がされるかもしれないと。もし、殿下が王女を欲しいと言えばそれは阻止できると思われたのではないでしょうか」
「それが目的か・・・気の毒だとは思うがそれも王族としての定めでもあるからな」
「ええ、王女様もそれは自覚されていました。たぶんデオドール様が外交でエスメラルダへ行ってなければそのまま隣国へ嫁がれていたんだと思います」
「そうね、王女は言われるままに政略結婚する気だったのにデオドールに出逢って気持ちが変わってしまったのね」
ビオラも納得したように腕組みをして頷いた。
整理してみる。
ユリの香りの呼び水は場内の者に王女に対して好意的に思わせる効果を持っていた。魔力が強いアンナとバージル、それとたぶんではあるが聖女であるマリーにはそれが効かなかった。が、デオドールは勿論、彼の取り巻き令嬢たちには効果があった。だからデオドールは王女に対し嫌悪感が無くなり好意さえ持つようになる。令嬢たちもまた同じように悪口を言わなくなり好意的に思うようになった。
そして次は個人的にデオドールに魔法をかけたお茶を飲ませ徐々に気持ちを動かしていったのだ。
「ん-。でもこのお茶から摂取する量でそこまでデオドールの気持ちを動かせる気がしないんだけど」
先ほどのお茶の成分から見た魅了の量はごく少なめであったのを思い出しビオラが首を傾げる。
アンナはふと思い出した。
「ねぇ、デオドール様から香って来るハーブの香りも関係があるんじゃないかしら?」
「ああ、アンナはそれも気にしていたよな」
「ええ、ラベンダーが含まれているのは確かなの、それとカモミール?」
「そうね、それだとリラックスや安眠効果ね。寝る前にそれに近いものを飲ませられているのかしら?でも翌日それが匂うことは無いと思うわ」
「・・・アロマオイルとかポプリはどう?」
アンナは学生の時友人から北海道のお土産でラベンダーのポプリを貰ったことを思い出した。
「アンナ、それよ!ポプリにも魔法を掛けて寝る時に枕元に置けば安眠できて魔法も掛かり易くなるわよ」
女性二人の会話についていけないバージルとダニエルです。
「魔法なら解毒できるわよね。ビオラは魅了の解毒薬を作ってくれる?」
「アイアイサー」
時々出て来るビオラの承諾の返事は何故アイアイサーなのか、未だに分からないアンナではあるが何百年も生きていると何処から聞いたことがるのだろうと思う事にした。
「ジル様、デオドール様に報告にいきますか?それかビオラの解毒薬を待って分からないように服用させるとか・・・」
バジルは暫く考えていた。
ここで兄に報告しても魅了の魔法が効いて来ている今、彼女を疑うことが出来ないかもしれない。仮に我々の事を信じたとしたら自分が騙されていたことに憤慨して王女に詰める寄る可能性もある。
国が関与している可能性は無いと思われる。と云うより王女の個人的な思いから侍女であるリンダと二人で起こした行動だと思われるからだ。だったら兄には言わず解毒してしまえば良い事だ。ビオラの作った解毒薬が効けば自然と王女への思いも覚める訳だからな。
バージルは自分が責任を持つ覚悟でアンナに告げた。
「兄上には言わないで置く。ビオラ早急に解毒薬を頼む」
「任せて置いて。これからすぐに薬草と材料を集めに行ってくるわ。でも作るのはアンナよ」
「えっ、あたし?」
「そう、私は魔女じゃないから直接は作れないわ。材料が揃ったら後はアンナに作り方と解毒の呪文を教えるからね」
「そういえばアンナの癒しの力では解毒できないのか?」
もっともな質問がバージルの口から出た。
「アンナの大っ、、、、聖女の癒しの力は毒薬で苦しむ者には使えるけれど自分本位の娯楽や快楽の為に人の心を変えた事には使えない。だから恋だの愛だのには使えないの!」
「そ、そうなのか。聖女の力とはそういうものなのか。理解した」
「分かったならあたしは行くわ。エスメラルダにしかない物もあるからね。明日の昼までは戻るわ」
「よろしくね、ビオラ」
ビオラは敬礼をして光とともに消えて行きました。
「さて我々はどうしたものかな」
「そうね、お昼にデオドール様にお会いした時、私たちの言葉で自分の気持ちに気付いてしまわれたでしょう?毎日お昼前にお花を届けに行ってるらしいのよね。魔法の効果も出始めているみたいだし、まさかとは思うけど夜に王女様のお部屋を訪問なんてこと・・・」
バージルとダニエルがぎょっとした顔をする。
「まさか恋心が募って夜這いとかあるまいな」
「バージルだって毎夜お嬢の所へ行ってるだろうが。媚薬ではないが、惚れた女に会いに行くという事は無いとは言えないぞ。既成事実を作られたどうしようもない。」
ダニエルの言葉にアンナが真っ赤になった。
「わ、わたしはアンナと話をしているだけだ。やましい事はしていない!」
バージルも顔を赤らめ目的が違うと否定する。
「添い寝なんかしちゃってるお前が良く言うよ」
これには反論出来ないバージルでした。
「と、とにかく兄上の行動を監視しなくては。ダニエル今夜は兄上と飲んで部屋から出さないようにするぞ」
「えっ、俺も?」
「当たり前だ。アンナ済まない、今夜は添い寝もできない。寂しいだろうが我慢してくれ!」
「あっ、は・・・・・・い?」
アンナはバージルの勢いに押され返事をしてしまう。
「バージル、馬鹿かお前。そんな事わざわざお嬢に言うか?ていうか自分が寂しいだけだろう」
「煩いダニエル!」
二人の会話に呆気にとられるアンナです。
バージルは勢いよくアンナに近寄りぎゅっと抱きしめると額にキスをしダニエルの事を睨み付けながら
「いくぞ、ダニエル」
と声をあげスタスタと出口に向かっていってしまった。
暫し呆然とするアンナとダニエル。
「あーあ、ガキみたいな奴が相手でお嬢も苦労するね。アレでお嬢より五つも年上なんだぜ」
そう言いながらアンナの頭を撫でてバージルの後を追いかけていきました。
外で待っていたアンナの護衛がバージルが勢いよく出て来て何事かと驚いている姿を見てダニエルは
「心配ないからね。ジュリアンナ嬢を部屋まで頼むよ」
と声を掛けて去って行ったのでした。
0
お気に入りに追加
269
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
皇帝の番~2度目の人生謳歌します!~
saku
恋愛
竜人族が治める国で、生まれたルミエールは前世の記憶を持っていた。
前世では、一国の姫として生まれた。両親に愛されずに育った。
国が戦で負けた後、敵だった竜人に自分の番だと言われ。遠く離れたこの国へと連れてこられ、婚約したのだ……。
自分に優しく接してくれる婚約者を、直ぐに大好きになった。その婚約者は、竜人族が治めている帝国の皇帝だった。
幸せな日々が続くと思っていたある日、婚約者である皇帝と一人の令嬢との密会を噂で知ってしまい、裏切られた悲しさでどんどんと痩せ細り死んでしまった……。
自分が死んでしまった後、婚約者である皇帝は何十年もの間深い眠りについていると知った。
前世の記憶を持っているルミエールが、皇帝が眠っている王都に足を踏み入れた時、止まっていた歯車が動き出す……。
※小説家になろう様でも公開しています
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
捨てられた王妃は情熱王子に攫われて
きぬがやあきら
恋愛
厳しい外交、敵対勢力の鎮圧――あなたと共に歩む未来の為に手を取り頑張って来て、やっと王位継承をしたと思ったら、祝賀の夜に他の女の元へ通うフィリップを目撃するエミリア。
貴方と共に国の繁栄を願って来たのに。即位が叶ったらポイなのですか?
猛烈な抗議と共に実家へ帰ると啖呵を切った直後、エミリアは隣国ヴァルデリアの王子に攫われてしまう。ヴァルデリア王子の、エドワードは影のある容姿に似合わず、強い情熱を秘めていた。私を愛しているって、本当ですか? でも、もうわたくしは誰の愛も信じたくないのです。
疑心暗鬼のエミリアに、エドワードは誠心誠意向に向き合い、愛を得ようと少しずつ寄り添う。一方でエミリアの失踪により国政が立ち行かなくなるヴォルティア王国。フィリップは自分の功績がエミリアの内助であると思い知り――
ざまあ系の物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる