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第2章*王子とアンナ
8急展開です!②
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「ジュリアンナ・オレガノ、私は貴女に婚約を申し込む」
「「えぇぇぇーーーーー!!!」」
ガタン。ギギィ。アンナとビオラが同時に立ち上がる。
「何をそんなに驚く?」
バージルも立ち上がりアンナの両肩に手を置き不思議そうに覗き込みました。
「コ、コンヤク。。。?」
「殿下、気が早すぎます!」さすがのビオラも慌てている。
少し離れているところに立っていたダニエルはデビューの日にバージルからアンナに対する思いを聞いていた為驚きはしなかった。
「よく考えてごらん。平民でも稀に魔力が強いと神殿か修道院で一生を過ごさなければならないんだよ。君は貴族だからそんな事は無いけれど、万が一君の力が知られることになってその上精霊の加護まで受けているとなるとわが国だけではなく他国でも君を利用しようとする者が出てくるに違いない。私の婚約者になればそう云う者達から王の名にかけて守ることが出来る」
真剣な面差しで話すバージルの顔をきょとんと見つめるアンナ。
「アンナの力がバレなきゃ良いんじゃない?」
ビオラの言葉にアンナもバージルの顔を見つめたまま、うんうんと頷きます。
「これからアンナが社交界などいろんな場所へと出て行けばいつ私のような魔力持ちと会うか分からない、そういった事から君を守ることが出来るのなら・・・」
バージルはフッと小さく息を吐くと肩に置いた手をアンナの後頭部と背中にまわし優しく抱きしめ耳元で囁くように
「それに、こうして触れて抱きしめることが出来るのはアンナしかいないんだ。だから私の婚約者といや、恋人になって欲しい」
婚約者・・・恋人?ど、ど、どうしよう・・・心臓が破裂しそうです!
「可愛いねアンナ。耳まで赤ってる」
そんな色っぽいお顔と声で言われたら。。。もうダメで・・・す・・。
目が覚めると見慣れた天井が目に映った。
私の部屋だ。
昨日の出来事が蘇る。
バージル殿下に呼ばれ庭園で昼食を取った。
↓
魔力量の話からビオラが精霊だとばれてしまった(これは私のせいだけど)
↓
そのあと突然私を守る為に婚約を申し込まれて・・・
↓
抱きしめられて・・・
うわぁー。どうしよう。。。顔が熱いわ。
「まぁアンナちゃん目が覚めたのね。赤い顔をして熱があるのかしら。でも気が付いてくれて本当に良かったわ」
私の手を握り母が涙ぐんでいます。
「そんな、大げさな。。。」
「何を言ってるの。王宮の馬車で送られて帰ってきたと思ったら殿下にお姫様抱っこされて降りて来たのよ、そのままこの部屋まで運んで下さって。驚かない訳ないじゃない」
「げっ、そんな事になっていたなんて」
自分でもまた赤面し体中が熱くなるのが分かった。
「その上、気を失ってなかなか戻ってこないから・・・またあの時の様に眠ったまま目が覚めないんじゃないかって・・・」
母の潤んでいた瞳に溜まっていた涙が零れ落ちてきた。
自分が六歳の時に高熱を出しそのまま意識不明で一年間眠ったままだった事と重ね合わせたのだろう。
「母さま心配を掛けてごめんなさい。私は大丈夫よ」
「ええ、ええ。その笑顔を見て安心したわ。ビオラ、旦那様にも知らせてきて頂戴」
「畏まりました」
ビオラが頭を下げて部屋から出て行くと母はいつもの少し悪女ぽい笑みを浮かべる。
「殿下に婚約を申し込まれたそうね」
「・・・」
ガタン!ドアが勢いよく開き父が入って来ました。
「アンナ~心配したよ~。ああ、良かった。もう大丈夫なのかい?」
「はい、何とも」
父は母の横に座るともう一度立ち上がり私の頭を撫でてから額にキスをした。
「アンナこの部屋を見回してごらん」
天井と母の顔しか見ていなかった私は上半身を起こしぐるりと部屋を見回した。
「まさかこれって・・・」
部屋中に飾られたとんでもない数の花々。
「そのまさかだよ。今朝バージル殿下からの使いで届いた。正式な婚約の申し込みも添えられてあった。
昨日アンナが殿下に抱えられて帰宅した時、私は仕事で留守にしていたんだ。マリアンヌから事情を聴いて腰を抜かしそうになったぞ。まさかダンスを踊った翌日に求婚されるなんて信じられん」
ご立腹の父。
「あら、あなただって初めて会った夜会で求婚して来たじゃないですか」
「それは、君に一目惚れして誰かにとられる前にと。。。あっいや、我々と王族はちがうだろう、そう簡単にはいかない」
母はいつも通り平然としている。
「殿下もそうだったんじゃない?デオドール殿下も仰っていたじゃないの。以前弟殿下がダンスをしたお相手がのぼせて倒れてしまってから誰も誘うなんてことは無かったと。だからアンナに一目惚れしたんじゃないかって」
「そうは仰っていたがまさか・・・
王家に申し込まれて断る事は許されない。しかしアンナの気持ちはどうなるんだ?まだ成人もしていないんだよ」
二人してどうなの?と私の顔を見てくるので居たたまれない気持ちになる。
ハッキリ言ってバージル殿下は相当なイケメンだ。会場の女性たちもうっとりするくらいだった。そんな殿下の横に立つなんて考えられないけれど・・・
でも、殿下の話にも少し同情してしまうところもあったりする。相手が魔力酔いして倒れてしまうほど魔力が強すぎるのだ。
(あっ、ちなみに私は魔力酔いをして倒れた訳ではないとだけ言っておく)
このままでは恋人を作ってお付き合いする事も敵わないなんてお気の毒だと思うけど・・・。
私を守りたいと言ってくれたのは本当だろうし。正式に申し込まれたのであればと覚悟を決めて両親に向き直る。
「婚約のお話しお受けいたします」
「アンナ良いのかい?それで」
「はい、でもその前に聞いて頂きたい事があります」
私はバージル様に内緒にしてと頼んでいた自分の持つ魔力の事を両親に話した。
「君が我々家族よりも強い魔力持っている事は承知の上だがほんの少し上回る程度ではないの?」
「はい」
「どのくらい?」
「城を一つぶっ壊すそれ以上の」
「・・・・・・・・」
「そ、それを殿下が見えたと」
「殿下も私と同じくらいの魔力持ちです」
「なんて事だ。アンナは目覚めから変わったとは思っていた。勉強にしても運動にしてもずば抜けていたからね。変なものを発明して魔法で動かしたり数えられないくらいだったが」
「そうね、美貌は私たち二人から受け継いだのだけはハッキリしてますけど」
相変わらず自己中な母です。
「それでですね、殿下はわたしの力を悪用されない為に王家として守って下さると。それにはご自分との婚約が手っ取り早いと申されて」
「でも魔力だけなら大ぴらにしない限り分からないだろう?」
「実は魔力だけでなく他にも色々とありまして」
「他にも?何があると云うんだよ~」
ビオラの事は内緒にしておこうと思った。でも殿下の事は話さなくてならない。
魔力酔いが私には起こらない事を説明する。
「まぁ、そんな事が。やっぱりあの日、殿下と出会ったのは運命だったのよアンナちゃん。絶対にアナタが悪用云々よりも殿下はそっちがメインよ。もうきっと手放して貰えないわ」
母は少女漫画でも読んでいるかのように目を輝かせている。
「コレはもうどうしようもないな」
その横で肩を落とす父が絶望に打ちひしがれているのが分かってしまい申し訳ない気持ちで一杯になりました。
「「えぇぇぇーーーーー!!!」」
ガタン。ギギィ。アンナとビオラが同時に立ち上がる。
「何をそんなに驚く?」
バージルも立ち上がりアンナの両肩に手を置き不思議そうに覗き込みました。
「コ、コンヤク。。。?」
「殿下、気が早すぎます!」さすがのビオラも慌てている。
少し離れているところに立っていたダニエルはデビューの日にバージルからアンナに対する思いを聞いていた為驚きはしなかった。
「よく考えてごらん。平民でも稀に魔力が強いと神殿か修道院で一生を過ごさなければならないんだよ。君は貴族だからそんな事は無いけれど、万が一君の力が知られることになってその上精霊の加護まで受けているとなるとわが国だけではなく他国でも君を利用しようとする者が出てくるに違いない。私の婚約者になればそう云う者達から王の名にかけて守ることが出来る」
真剣な面差しで話すバージルの顔をきょとんと見つめるアンナ。
「アンナの力がバレなきゃ良いんじゃない?」
ビオラの言葉にアンナもバージルの顔を見つめたまま、うんうんと頷きます。
「これからアンナが社交界などいろんな場所へと出て行けばいつ私のような魔力持ちと会うか分からない、そういった事から君を守ることが出来るのなら・・・」
バージルはフッと小さく息を吐くと肩に置いた手をアンナの後頭部と背中にまわし優しく抱きしめ耳元で囁くように
「それに、こうして触れて抱きしめることが出来るのはアンナしかいないんだ。だから私の婚約者といや、恋人になって欲しい」
婚約者・・・恋人?ど、ど、どうしよう・・・心臓が破裂しそうです!
「可愛いねアンナ。耳まで赤ってる」
そんな色っぽいお顔と声で言われたら。。。もうダメで・・・す・・。
目が覚めると見慣れた天井が目に映った。
私の部屋だ。
昨日の出来事が蘇る。
バージル殿下に呼ばれ庭園で昼食を取った。
↓
魔力量の話からビオラが精霊だとばれてしまった(これは私のせいだけど)
↓
そのあと突然私を守る為に婚約を申し込まれて・・・
↓
抱きしめられて・・・
うわぁー。どうしよう。。。顔が熱いわ。
「まぁアンナちゃん目が覚めたのね。赤い顔をして熱があるのかしら。でも気が付いてくれて本当に良かったわ」
私の手を握り母が涙ぐんでいます。
「そんな、大げさな。。。」
「何を言ってるの。王宮の馬車で送られて帰ってきたと思ったら殿下にお姫様抱っこされて降りて来たのよ、そのままこの部屋まで運んで下さって。驚かない訳ないじゃない」
「げっ、そんな事になっていたなんて」
自分でもまた赤面し体中が熱くなるのが分かった。
「その上、気を失ってなかなか戻ってこないから・・・またあの時の様に眠ったまま目が覚めないんじゃないかって・・・」
母の潤んでいた瞳に溜まっていた涙が零れ落ちてきた。
自分が六歳の時に高熱を出しそのまま意識不明で一年間眠ったままだった事と重ね合わせたのだろう。
「母さま心配を掛けてごめんなさい。私は大丈夫よ」
「ええ、ええ。その笑顔を見て安心したわ。ビオラ、旦那様にも知らせてきて頂戴」
「畏まりました」
ビオラが頭を下げて部屋から出て行くと母はいつもの少し悪女ぽい笑みを浮かべる。
「殿下に婚約を申し込まれたそうね」
「・・・」
ガタン!ドアが勢いよく開き父が入って来ました。
「アンナ~心配したよ~。ああ、良かった。もう大丈夫なのかい?」
「はい、何とも」
父は母の横に座るともう一度立ち上がり私の頭を撫でてから額にキスをした。
「アンナこの部屋を見回してごらん」
天井と母の顔しか見ていなかった私は上半身を起こしぐるりと部屋を見回した。
「まさかこれって・・・」
部屋中に飾られたとんでもない数の花々。
「そのまさかだよ。今朝バージル殿下からの使いで届いた。正式な婚約の申し込みも添えられてあった。
昨日アンナが殿下に抱えられて帰宅した時、私は仕事で留守にしていたんだ。マリアンヌから事情を聴いて腰を抜かしそうになったぞ。まさかダンスを踊った翌日に求婚されるなんて信じられん」
ご立腹の父。
「あら、あなただって初めて会った夜会で求婚して来たじゃないですか」
「それは、君に一目惚れして誰かにとられる前にと。。。あっいや、我々と王族はちがうだろう、そう簡単にはいかない」
母はいつも通り平然としている。
「殿下もそうだったんじゃない?デオドール殿下も仰っていたじゃないの。以前弟殿下がダンスをしたお相手がのぼせて倒れてしまってから誰も誘うなんてことは無かったと。だからアンナに一目惚れしたんじゃないかって」
「そうは仰っていたがまさか・・・
王家に申し込まれて断る事は許されない。しかしアンナの気持ちはどうなるんだ?まだ成人もしていないんだよ」
二人してどうなの?と私の顔を見てくるので居たたまれない気持ちになる。
ハッキリ言ってバージル殿下は相当なイケメンだ。会場の女性たちもうっとりするくらいだった。そんな殿下の横に立つなんて考えられないけれど・・・
でも、殿下の話にも少し同情してしまうところもあったりする。相手が魔力酔いして倒れてしまうほど魔力が強すぎるのだ。
(あっ、ちなみに私は魔力酔いをして倒れた訳ではないとだけ言っておく)
このままでは恋人を作ってお付き合いする事も敵わないなんてお気の毒だと思うけど・・・。
私を守りたいと言ってくれたのは本当だろうし。正式に申し込まれたのであればと覚悟を決めて両親に向き直る。
「婚約のお話しお受けいたします」
「アンナ良いのかい?それで」
「はい、でもその前に聞いて頂きたい事があります」
私はバージル様に内緒にしてと頼んでいた自分の持つ魔力の事を両親に話した。
「君が我々家族よりも強い魔力持っている事は承知の上だがほんの少し上回る程度ではないの?」
「はい」
「どのくらい?」
「城を一つぶっ壊すそれ以上の」
「・・・・・・・・」
「そ、それを殿下が見えたと」
「殿下も私と同じくらいの魔力持ちです」
「なんて事だ。アンナは目覚めから変わったとは思っていた。勉強にしても運動にしてもずば抜けていたからね。変なものを発明して魔法で動かしたり数えられないくらいだったが」
「そうね、美貌は私たち二人から受け継いだのだけはハッキリしてますけど」
相変わらず自己中な母です。
「それでですね、殿下はわたしの力を悪用されない為に王家として守って下さると。それにはご自分との婚約が手っ取り早いと申されて」
「でも魔力だけなら大ぴらにしない限り分からないだろう?」
「実は魔力だけでなく他にも色々とありまして」
「他にも?何があると云うんだよ~」
ビオラの事は内緒にしておこうと思った。でも殿下の事は話さなくてならない。
魔力酔いが私には起こらない事を説明する。
「まぁ、そんな事が。やっぱりあの日、殿下と出会ったのは運命だったのよアンナちゃん。絶対にアナタが悪用云々よりも殿下はそっちがメインよ。もうきっと手放して貰えないわ」
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