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箱の中身
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「これなんだ?」
彼が取り出してきたのは、部室の隅にあった小さな箱。大掃除をしている時に見つけたそうだ。
「…箱?」
「いや、そういうことじゃなくて。これ、何か入ってるのか?」
机に置き、埃を払う。随分経っているのか、箱は汚れていて文字が霞んでいて読めなかった。
「なぁ、開けてみるか?」
「うーん…どうだろ。先生に聞いてみないと分からない。」
「えーどうせ先生なんて、もういないんじゃじゃねぇの?」
「そ…それもそうか…。」
彼に押されてしまい結局開けることにした。
怖いものでも入っていなければいいのだが…。
「せーのっ」
「お、開いた開いた。」
箱を開いた瞬間に埃が舞う。咳払いをしながら仲を覗き込む。
「ゲホッケホッ…な、何かあった?」
「…写真と手紙だ。」
「写真…?手紙…?」
落ち着いて彼の方を見ると、まじまじと写真を見ている。そんなに面白いものでも写っているのだろうか。
自分は、机に置かれた手紙を見つけるとそれを開いて読んでみた。
「…この手紙を■んでくれたあなたへ。この手紙を■んでいるということは、も■そちらに私はいないの■しょう。■しかった思い出、頑張■た思い出…色々■ります。その■■をカメラに写しましたそ■他…」
文章が掠れていてあまり読めない。
時間と共に消されてしまったのだろうか。キレイな字でこれは…万年筆というのだろうか、所々インクの切れている字もあった。
「そっちの手紙は何て書いてあった?」
「…よく読めない。そっちの写真は?」
「何か人が走ったりしてるのと…何かこっち向いて笑ってる。」
「何だそれ。そんなことやってて楽しいのかな…」
ため息をつき、手紙と写真を箱の中にまた戻す。
そして、元あった場所へとまた置こうとする。
「どうせなら、俺らの写真入れとこうぜ!」
「一枚くらいならいいよ。」
記念…残しておきたいのか、
箱の中を再度開け、自分たちが撮った写真を入れる。
「これで良しっ!」
「…そろそろ行こうか。」
「そうだな。ここにいてもつまんないし。」
そうして。二人は部室を後にする。扉をガタンっと閉めると、○○部室と書かれた看板が落ちる。
随分色褪せていた。
「次、どこいく?」
「とりあえず、どこか寝床を探そう。眠たい…」
二人は歩きだす。薄暗い廊下の中を。もう誰もいなくなった世界を。二人きりで。その表情はまるで、あの写真に写っていた少女達の笑顔の様に笑っていた。
ーFin
彼が取り出してきたのは、部室の隅にあった小さな箱。大掃除をしている時に見つけたそうだ。
「…箱?」
「いや、そういうことじゃなくて。これ、何か入ってるのか?」
机に置き、埃を払う。随分経っているのか、箱は汚れていて文字が霞んでいて読めなかった。
「なぁ、開けてみるか?」
「うーん…どうだろ。先生に聞いてみないと分からない。」
「えーどうせ先生なんて、もういないんじゃじゃねぇの?」
「そ…それもそうか…。」
彼に押されてしまい結局開けることにした。
怖いものでも入っていなければいいのだが…。
「せーのっ」
「お、開いた開いた。」
箱を開いた瞬間に埃が舞う。咳払いをしながら仲を覗き込む。
「ゲホッケホッ…な、何かあった?」
「…写真と手紙だ。」
「写真…?手紙…?」
落ち着いて彼の方を見ると、まじまじと写真を見ている。そんなに面白いものでも写っているのだろうか。
自分は、机に置かれた手紙を見つけるとそれを開いて読んでみた。
「…この手紙を■んでくれたあなたへ。この手紙を■んでいるということは、も■そちらに私はいないの■しょう。■しかった思い出、頑張■た思い出…色々■ります。その■■をカメラに写しましたそ■他…」
文章が掠れていてあまり読めない。
時間と共に消されてしまったのだろうか。キレイな字でこれは…万年筆というのだろうか、所々インクの切れている字もあった。
「そっちの手紙は何て書いてあった?」
「…よく読めない。そっちの写真は?」
「何か人が走ったりしてるのと…何かこっち向いて笑ってる。」
「何だそれ。そんなことやってて楽しいのかな…」
ため息をつき、手紙と写真を箱の中にまた戻す。
そして、元あった場所へとまた置こうとする。
「どうせなら、俺らの写真入れとこうぜ!」
「一枚くらいならいいよ。」
記念…残しておきたいのか、
箱の中を再度開け、自分たちが撮った写真を入れる。
「これで良しっ!」
「…そろそろ行こうか。」
「そうだな。ここにいてもつまんないし。」
そうして。二人は部室を後にする。扉をガタンっと閉めると、○○部室と書かれた看板が落ちる。
随分色褪せていた。
「次、どこいく?」
「とりあえず、どこか寝床を探そう。眠たい…」
二人は歩きだす。薄暗い廊下の中を。もう誰もいなくなった世界を。二人きりで。その表情はまるで、あの写真に写っていた少女達の笑顔の様に笑っていた。
ーFin
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