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本編
第20話 『これからは……』 ②
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「やぁ、モニカ。おはよう」
「お、おはようございます……」
ルーサーさんが横に退くと、アイザイア様が私の目の前に現れました。その表情はいつも通りであり、とてもではないが昨日私に見せた表情は気のせいだったのではないか、と思ってしまいます。それに、私は心をホッと撫でおろしました。もしかしたら、昨日のアイザイア様は疲れがたまっていたから、あんなことをおっしゃったのかもしれない。いつものアイザイア様に、戻ってくださっているのかもしれない。そう、思いました。
「……突然で悪いんだけれど、二人きりで話がしたいんだ。……廊下に、出てきてくれる? いくら婚約者とはいえ、二人きりで部屋にいるのはダメだからね。もちろん、ルーサーとヴィニーには会話が聞こえない程度の距離にいてもらうから」
ですが、その提案は普段のアイザイア様がおっしゃることではありませんでした。普段ならばルーサーさんとヴィニーを側に控えさせながら、お部屋で会話をすることが多いというのに。だから、ヴィニーもそのつもりで応接セットを準備していたのでしょう。
ヴィニーと私は顔を見合わせて考える。その様子を見て、今度はルーサーさんが声をかけてきました。
「何でも、これからのことに関するとても重要なことだそうで……。朝早くから申し訳ないとは思っておりますが、どうかご了承していただけませんでしょうか?」
その言葉を聞くと、ヴィニーは静かに頷きました。どうやら、やはり王宮の使用人の中でルーサーさんの言葉というのは、とても絶大な力を持っているようです。私は勝手に了承したヴィニーを心の奥底で恨みながら、ゆっくりと立ち上がりアイザイア様についていきました。廊下で立ち話など、私は滅多なことではしません。それも、婚約者であるアイザイア様となど、もっとないです。だからこそ、普段ならば好奇心からワクワクしていたでしょう。まぁ、今その余裕は微塵もないのですが。
ルーサーさんとヴィニーが会話が聞こえない程度の距離に移動すると、アイザイア様は私ににこりと笑いかけてくださいました。その表情は……昨日のことを思い出させてしまい、私の背筋が震える。ですが、それを悟らせないようにと私は必死に笑みを浮かべました。ひきつった、笑みを。
「……今日はね、モニカとこれからのことでとても大切なお話があるからやって来たんだよ。……昨日のこととか、俺にとってはとても大切なことだから」
「……昨日の、こと……」
「うん、貴族の子息と話していたことについて」
そのことは、誤解なのです。私はそう思いながらも、言葉を発することはしませんでした。人間の怒りというものは、時間が経てば自然と鎮まるものなのです。だからこそ、私はアイザイア様の怒りが早く鎮まることを祈っておりました。予想外だったのは、ここまで早くアイザイア様が私を訪ねてきたということでしょうか。
「昨日のことで、俺、確信したんだ。このままモニカを野放しにしていたらダメだって。だから……これからの行動に、制限をつけようと思うんだ」
「……行動に、制限……」
それは、一体どういうことなのでしょうか? そう思う私を他所に、アイザイア様は様々な条件を出してこられました。その内容は多岐にわたり、異性と二人きりでお話をするのはダメだということから、家庭教師でさえも男性はダメだ、ということ。さらには、従者もアイザイア様が認めた男性以外はダメだ、ということなどです。
ですが、そのことに関して、私は全く納得が出来ませんでした。どうして……そこまで、私の行動を制限されなければならないのでしょうか?
その気持ちは、私の小さな反抗心でした。私は十代後半。自由に強く憧れる年頃なのです。だからこそ、自然と自由をを求めてしまう。だから……その束縛に、不満しか持てませんでした。
「……私、そう言うのは受け入れられません」
それは、私が初めてアイザイア様を拒絶した出来事でした。
「お、おはようございます……」
ルーサーさんが横に退くと、アイザイア様が私の目の前に現れました。その表情はいつも通りであり、とてもではないが昨日私に見せた表情は気のせいだったのではないか、と思ってしまいます。それに、私は心をホッと撫でおろしました。もしかしたら、昨日のアイザイア様は疲れがたまっていたから、あんなことをおっしゃったのかもしれない。いつものアイザイア様に、戻ってくださっているのかもしれない。そう、思いました。
「……突然で悪いんだけれど、二人きりで話がしたいんだ。……廊下に、出てきてくれる? いくら婚約者とはいえ、二人きりで部屋にいるのはダメだからね。もちろん、ルーサーとヴィニーには会話が聞こえない程度の距離にいてもらうから」
ですが、その提案は普段のアイザイア様がおっしゃることではありませんでした。普段ならばルーサーさんとヴィニーを側に控えさせながら、お部屋で会話をすることが多いというのに。だから、ヴィニーもそのつもりで応接セットを準備していたのでしょう。
ヴィニーと私は顔を見合わせて考える。その様子を見て、今度はルーサーさんが声をかけてきました。
「何でも、これからのことに関するとても重要なことだそうで……。朝早くから申し訳ないとは思っておりますが、どうかご了承していただけませんでしょうか?」
その言葉を聞くと、ヴィニーは静かに頷きました。どうやら、やはり王宮の使用人の中でルーサーさんの言葉というのは、とても絶大な力を持っているようです。私は勝手に了承したヴィニーを心の奥底で恨みながら、ゆっくりと立ち上がりアイザイア様についていきました。廊下で立ち話など、私は滅多なことではしません。それも、婚約者であるアイザイア様となど、もっとないです。だからこそ、普段ならば好奇心からワクワクしていたでしょう。まぁ、今その余裕は微塵もないのですが。
ルーサーさんとヴィニーが会話が聞こえない程度の距離に移動すると、アイザイア様は私ににこりと笑いかけてくださいました。その表情は……昨日のことを思い出させてしまい、私の背筋が震える。ですが、それを悟らせないようにと私は必死に笑みを浮かべました。ひきつった、笑みを。
「……今日はね、モニカとこれからのことでとても大切なお話があるからやって来たんだよ。……昨日のこととか、俺にとってはとても大切なことだから」
「……昨日の、こと……」
「うん、貴族の子息と話していたことについて」
そのことは、誤解なのです。私はそう思いながらも、言葉を発することはしませんでした。人間の怒りというものは、時間が経てば自然と鎮まるものなのです。だからこそ、私はアイザイア様の怒りが早く鎮まることを祈っておりました。予想外だったのは、ここまで早くアイザイア様が私を訪ねてきたということでしょうか。
「昨日のことで、俺、確信したんだ。このままモニカを野放しにしていたらダメだって。だから……これからの行動に、制限をつけようと思うんだ」
「……行動に、制限……」
それは、一体どういうことなのでしょうか? そう思う私を他所に、アイザイア様は様々な条件を出してこられました。その内容は多岐にわたり、異性と二人きりでお話をするのはダメだということから、家庭教師でさえも男性はダメだ、ということ。さらには、従者もアイザイア様が認めた男性以外はダメだ、ということなどです。
ですが、そのことに関して、私は全く納得が出来ませんでした。どうして……そこまで、私の行動を制限されなければならないのでしょうか?
その気持ちは、私の小さな反抗心でした。私は十代後半。自由に強く憧れる年頃なのです。だからこそ、自然と自由をを求めてしまう。だから……その束縛に、不満しか持てませんでした。
「……私、そう言うのは受け入れられません」
それは、私が初めてアイザイア様を拒絶した出来事でした。
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