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1-1 事の始まり
1-4
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1月5日 17:05
5時間ほど経ったが未だ電力は復旧していない。冬なので17:00も過ぎれば外は真っ暗だ。停電の為街灯なども点いていないので本当に暗い。
今は居間にキャンプ用のランタンを出して光源を確保している。2階から外を見ればちらちらと光が灯っている家もあるだろうとおもったが、見える範囲では一切明かりが無い。少しはランタンとか持っている人はいそうなものだけどな?
冷蔵庫の中身は明るい内に屋外に出した。外の方が寒いし、温くなってきた冷蔵庫よりはましだろう。
しかし暖房も点いていてないんだよな、家の中とはいえそろそろ冷えてきた。
息子達は居間で布団を被ってスマホをいじっている。充電出来ないって言ってるだろうが、まったく。ジルもハウスの中で丸くなって寝ている。遥(妻)は・・・・まだ帰ってこないか。いつも5時過ぎだからそろそろだろうけど。
つーか今気付いたが、ウチIHヒーターだから夕飯作れねーじゃん! ご飯炊けないし! いつ復旧するんだよ?やばい、気付いたら急激に腹が減ってきた。今日昼飯食って無いしな。コンビニで何か買って来るか? それとも発電機か?でも遥が何か買って来るかもしれないな・・・・・・。んー、買って来たら買って来たで明日の昼にでも食べればいいか。
水に関しては井戸水だから大丈夫だ。今もドボドボ湧いてるし。流石は天然湧き水。水量が気に入らなくて業者に80m位掘っって貰ったからな。お湯はアウトドア用のガスコンロがあるからいいとして・・・今日はカップラーメンだな、停電で料理できないし電子レンジも使えないし。
「おーい、コンビニに夕飯買いにいくぞー。電気無いからカップラーメンだけど」
「はーい」と一樹(次男)
「適当に買ってきてー」と一馬(長男)
「あ、おれも適当に買って来て!」言い直すな一樹
・・・・こいつら、俺はパシリじゃねーぞ。まあいい、ついでにジルの散歩に行くか。
「ジルー、散歩行くぞー」
・・・・・・熟睡してるのか? ハウスを覗き込み声を掛ける。
「おいジル、散歩行くぞ」
・・・・・・顔だけこちらに向けてハウスから出て来ない。
「散歩行かないのか? 今行かなきゃ行かないぞ?」
・・・・・・まぁ外は寒いからな、行きたくないならいいや。
「わかった、寝てなー」
ジルも行きたがらないので結局一人でLEDライトを持ってコンビニに向かう。
しかし真っ暗だ。明かりがある家は一切無い。暗い家はすぐに復旧すると思って明るい内に準備しなかったんだろうな。それとも寒いから閉め切っているだけか? 静かだし、やることないから寝てるのか?
あー寒い・・・・停電でコンビニ営業してるのかな?営業してたとしてもレジ打てるのか?自動ドア開くのか?遥は何時頃帰ってくるのか?信号も点いていないみたいだから事故らなければいいけど。なんかジルの元気が無かったな。両側を塀に囲まれた真っ暗な裏道を歩きながらそんな事を考えていると、
ズズズズン――
また地震だ、昼間のよりも随分でかい。それに長い、立っていられない。これヤバくないか? 地面に四つん這いになる。ビキビキ?メキメキ?両側の塀から変な音がする! そう言えば地震の時はブロック塀とかの傍にいたら倒壊して危ないんだっけ?
立ち上がり前へと走り出す、が立っていられない程の揺れの中走れるはずも無く、2歩目にして転倒。
痛って――! 左膝と左手擦った! ライトは数m先に飛んでった! 這いずりながらライトを拾い、残り10m位を前へと進む。後ろからガゴガゴと音がする。あちこちでガラスが割れる音もしている。ヤバい、マジで壁が倒れてる。
ほうほうの体で通りから抜けて後ろを見ると・・・・うん、二度と塀に囲まれた道幅の狭い道は通らない。そう決心できる光景だった。
数秒? 数十秒? 数分は無いだろうがやっと地震が収まった。
左手と膝が痛い。ライトで膝を照らすとジーンズ破けてんよ! 血も出てんよ! 手のひらもズル剥けだよ!! 逃げてる時はアドレナリン出てたんだろうけど、落ち付いたらスゲー痛え!! ふざけんなアスファルト!!
ぶつぶつと文句を言いながら到着したコンビニは真っ暗で営業していなかった・・・・。
痛む手と足を引きずりながら帰路に着く。ん? 何か向こうの空が明るいな、向こうは電力戻ったのか? 何で紫っぽい光なのかは解らないがやっとか・・・・復旧するならもうちょっと待ってれば良かったな。こんな痛い思いもしなくて済んだしな。
しかし痛ってーなーちくしょう、膝が凄い腫れてる感じがする。歩けるから折れてはいないだろうが・・・・何だよさっきの地震はよ。塀が倒壊するとか震災レベルじゃねー・・・・の・・か・・?
震災レベル? 不味い、子供達は家だ! 倒壊はして無いだろうが・・急がないと! って痛って―――!! 膝痛い! 走れない! あーもう! 片足でピョンピョンしながら出来る限り速く家に戻った。
家に着いた。真冬なのに汗だくだ、この調子じゃ今日は風呂に入れなそうなのに。鍵を開けて家に入る。
「大丈夫か!?」
・・・・・・返事が無い。おいおい何かに潰されたりして無いだろうな? 壁掛けの液晶TVとか落ちて無いよな? ぴょこぴょこしながら部屋に入ると・・・・・・チッ、布団に包まって二人してグーグー寝てやがりますよ。あの揺れの中寝ていらっしゃったのですか!! 時計を見るとPM17:40 ちょっとイラッとしたので
「うぉい!!」と大声で起こした。
「あ、おかえりー、ご飯何?」だってさ・・・・もーいーや、疲れた。
今あった事を説明し、
「お前達は大丈夫か?何もなかったか?」
「んー大丈夫、すぐに庭に出たし問題無―し」
「問題無いならいいや、俺手と足洗って来るから工場まで行って、奥のプラのコンテナのどれかにライトと乾パン 入ってるから持ってきておいてよ。コンビニ閉まってたから夕飯は乾パンな。」
「「はーい」」
「暗いから気を付けろよ! もし地震が来たら急いで外に出ろよ! 工具が飛んで来るぞ!」
「「はいはーい」」
・・・・本当に解ってんのかよ・・・・
あー、バーベキュー用のコンロ出すから一緒に行くか。ライト渡したから薬も出せないし。
後を追うと工場の中でゴソゴソやっている。
「あったかー?」
「乾パンは見つけて、今ライト探してる」
「ライトはそっちの蓋が緑の箱だよ。蓋が赤いのは食料類だよ」
「了解―」
すぐにライトも見つかったようだ。一本受け取り、
「あとその緑の箱と、そうそれ、横の黒い缶、そう、それも持って来てよ。お湯沸かすかもしれないから。じゃあ 先戻って薬探してるな」
「はいはーい」
後は任せて先に家に戻る。膝が痛い。手も痛い。部屋に戻るとランタンが部屋を照らしている・・・・わざわざ後を追うこと無かったな・・・・バカみて―・・・・発電機回すかな・・・・
5時間ほど経ったが未だ電力は復旧していない。冬なので17:00も過ぎれば外は真っ暗だ。停電の為街灯なども点いていないので本当に暗い。
今は居間にキャンプ用のランタンを出して光源を確保している。2階から外を見ればちらちらと光が灯っている家もあるだろうとおもったが、見える範囲では一切明かりが無い。少しはランタンとか持っている人はいそうなものだけどな?
冷蔵庫の中身は明るい内に屋外に出した。外の方が寒いし、温くなってきた冷蔵庫よりはましだろう。
しかし暖房も点いていてないんだよな、家の中とはいえそろそろ冷えてきた。
息子達は居間で布団を被ってスマホをいじっている。充電出来ないって言ってるだろうが、まったく。ジルもハウスの中で丸くなって寝ている。遥(妻)は・・・・まだ帰ってこないか。いつも5時過ぎだからそろそろだろうけど。
つーか今気付いたが、ウチIHヒーターだから夕飯作れねーじゃん! ご飯炊けないし! いつ復旧するんだよ?やばい、気付いたら急激に腹が減ってきた。今日昼飯食って無いしな。コンビニで何か買って来るか? それとも発電機か?でも遥が何か買って来るかもしれないな・・・・・・。んー、買って来たら買って来たで明日の昼にでも食べればいいか。
水に関しては井戸水だから大丈夫だ。今もドボドボ湧いてるし。流石は天然湧き水。水量が気に入らなくて業者に80m位掘っって貰ったからな。お湯はアウトドア用のガスコンロがあるからいいとして・・・今日はカップラーメンだな、停電で料理できないし電子レンジも使えないし。
「おーい、コンビニに夕飯買いにいくぞー。電気無いからカップラーメンだけど」
「はーい」と一樹(次男)
「適当に買ってきてー」と一馬(長男)
「あ、おれも適当に買って来て!」言い直すな一樹
・・・・こいつら、俺はパシリじゃねーぞ。まあいい、ついでにジルの散歩に行くか。
「ジルー、散歩行くぞー」
・・・・・・熟睡してるのか? ハウスを覗き込み声を掛ける。
「おいジル、散歩行くぞ」
・・・・・・顔だけこちらに向けてハウスから出て来ない。
「散歩行かないのか? 今行かなきゃ行かないぞ?」
・・・・・・まぁ外は寒いからな、行きたくないならいいや。
「わかった、寝てなー」
ジルも行きたがらないので結局一人でLEDライトを持ってコンビニに向かう。
しかし真っ暗だ。明かりがある家は一切無い。暗い家はすぐに復旧すると思って明るい内に準備しなかったんだろうな。それとも寒いから閉め切っているだけか? 静かだし、やることないから寝てるのか?
あー寒い・・・・停電でコンビニ営業してるのかな?営業してたとしてもレジ打てるのか?自動ドア開くのか?遥は何時頃帰ってくるのか?信号も点いていないみたいだから事故らなければいいけど。なんかジルの元気が無かったな。両側を塀に囲まれた真っ暗な裏道を歩きながらそんな事を考えていると、
ズズズズン――
また地震だ、昼間のよりも随分でかい。それに長い、立っていられない。これヤバくないか? 地面に四つん這いになる。ビキビキ?メキメキ?両側の塀から変な音がする! そう言えば地震の時はブロック塀とかの傍にいたら倒壊して危ないんだっけ?
立ち上がり前へと走り出す、が立っていられない程の揺れの中走れるはずも無く、2歩目にして転倒。
痛って――! 左膝と左手擦った! ライトは数m先に飛んでった! 這いずりながらライトを拾い、残り10m位を前へと進む。後ろからガゴガゴと音がする。あちこちでガラスが割れる音もしている。ヤバい、マジで壁が倒れてる。
ほうほうの体で通りから抜けて後ろを見ると・・・・うん、二度と塀に囲まれた道幅の狭い道は通らない。そう決心できる光景だった。
数秒? 数十秒? 数分は無いだろうがやっと地震が収まった。
左手と膝が痛い。ライトで膝を照らすとジーンズ破けてんよ! 血も出てんよ! 手のひらもズル剥けだよ!! 逃げてる時はアドレナリン出てたんだろうけど、落ち付いたらスゲー痛え!! ふざけんなアスファルト!!
ぶつぶつと文句を言いながら到着したコンビニは真っ暗で営業していなかった・・・・。
痛む手と足を引きずりながら帰路に着く。ん? 何か向こうの空が明るいな、向こうは電力戻ったのか? 何で紫っぽい光なのかは解らないがやっとか・・・・復旧するならもうちょっと待ってれば良かったな。こんな痛い思いもしなくて済んだしな。
しかし痛ってーなーちくしょう、膝が凄い腫れてる感じがする。歩けるから折れてはいないだろうが・・・・何だよさっきの地震はよ。塀が倒壊するとか震災レベルじゃねー・・・・の・・か・・?
震災レベル? 不味い、子供達は家だ! 倒壊はして無いだろうが・・急がないと! って痛って―――!! 膝痛い! 走れない! あーもう! 片足でピョンピョンしながら出来る限り速く家に戻った。
家に着いた。真冬なのに汗だくだ、この調子じゃ今日は風呂に入れなそうなのに。鍵を開けて家に入る。
「大丈夫か!?」
・・・・・・返事が無い。おいおい何かに潰されたりして無いだろうな? 壁掛けの液晶TVとか落ちて無いよな? ぴょこぴょこしながら部屋に入ると・・・・・・チッ、布団に包まって二人してグーグー寝てやがりますよ。あの揺れの中寝ていらっしゃったのですか!! 時計を見るとPM17:40 ちょっとイラッとしたので
「うぉい!!」と大声で起こした。
「あ、おかえりー、ご飯何?」だってさ・・・・もーいーや、疲れた。
今あった事を説明し、
「お前達は大丈夫か?何もなかったか?」
「んー大丈夫、すぐに庭に出たし問題無―し」
「問題無いならいいや、俺手と足洗って来るから工場まで行って、奥のプラのコンテナのどれかにライトと乾パン 入ってるから持ってきておいてよ。コンビニ閉まってたから夕飯は乾パンな。」
「「はーい」」
「暗いから気を付けろよ! もし地震が来たら急いで外に出ろよ! 工具が飛んで来るぞ!」
「「はいはーい」」
・・・・本当に解ってんのかよ・・・・
あー、バーベキュー用のコンロ出すから一緒に行くか。ライト渡したから薬も出せないし。
後を追うと工場の中でゴソゴソやっている。
「あったかー?」
「乾パンは見つけて、今ライト探してる」
「ライトはそっちの蓋が緑の箱だよ。蓋が赤いのは食料類だよ」
「了解―」
すぐにライトも見つかったようだ。一本受け取り、
「あとその緑の箱と、そうそれ、横の黒い缶、そう、それも持って来てよ。お湯沸かすかもしれないから。じゃあ 先戻って薬探してるな」
「はいはーい」
後は任せて先に家に戻る。膝が痛い。手も痛い。部屋に戻るとランタンが部屋を照らしている・・・・わざわざ後を追うこと無かったな・・・・バカみて―・・・・発電機回すかな・・・・
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