土人形のコリンズ男爵は愛しの大魔導師様を幸せにしたいのだけれど。

梅村香子

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21話

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「お尻の奥もかわいい……」
「ぁ……ぅ……」

自分でも見たことのない場所が、弟の視線にさらされている。
羞恥と、求められる悦びと――
それらがぐしゃぐしゃに混ざり合って、エリオットの性器を熱くする。

「兄さん……っ!」

割れ目の奥をうように見つめていたアーノルドが、我慢できないとでも言うように、顔を尻に埋めてきた。

「ひゃぁっ……っんんっ!」

尻たぶを大胆に揉まれながら頬ずりをされ、谷間に鼻を押しつけられる。

「お尻、すべすべ……」

弟の鼻先が割れ目を上下して、荒い吐息が谷間を湿らせて……。
激しい愛撫に腰をわななかせていると、アーノルドが谷底をねっとりと舐めてきた。

「アーニー……っ。そんなとこっ……んあぁ……」

尻全体を行き交う手と舌に、たまらずシーツをぎゅっと握りしめる。
体の下には、再び勃起している自身の欲望。
弟に尻を舐められながら興奮している淫らな自分に、エリオットは紺碧の瞳を潤ませた。

「ここ……舐めるとヒクヒクする……」

アーノルドは可愛らしい尻の奥で息をひそめていたつぼみを、目を輝かせながら凝視する。
唾液にまみれて、いやらしく収縮している後孔。

「あ、ああ……っ」

熱い息を吹きかけられて、エリオットはまろやかな双丘を震わせた。

「そんなに近くで見ないで……」
「俺、兄さんのかわいいところは、全て目に焼きつけたいんだ。それに、もっと舐めたい……」
「やぁっ……ぁっ、アーニー……っ」

つぼみの皺を一つ一つなぞるように、アーノルドは舌を擦りつけてきて――
いやらしい舌の動きに、快感が背筋を駆けあがっていく。

「兄さん……。中もいいよね……?」

弟の舌先が、濡れた孔にぐっと突き立てられたかと思うと、少しずつ体内に挿入はいってきた。

「そ、そんなっ……だ、だめだよ……ぅあぁっっ……」

思わず身をよじるが、大きな手が尻をしっかりと押さえていて、少しも動けない。

「あ、ぁっ……ああ……っ」

徐々に徐々に――
弟の舌が、奥へと侵入してくる。

「兄さんの中……熱くて柔らかいね。唾液が止まらなくなるよ……」
「……ぁぁ……アーニーっ、アーニー……っ!」

馴染ませるように、ゆっくりと舌を抜き差しされて、少しずつ違和感や圧迫感が遠くなる。
代わりに芽生えたのは、欲望を撫でまわされるような、心地よい快楽。
エリオットは、その気持ちよさに囚われて、いやらしく腰を揺らした。

「とろとろだね……」

唾液に濡れてほころぶ桃色の蕾を見つめながら、アーノルドは舌を引き抜いた。
甘い刺激が消えて、寂しそうにしている孔に、今度は指をそっと挿入する。

「んんぁっ……っ。アーニーっ。ゆ、ゆびが……っ」
「奥まで触らせて……。ゆっくり慣らしていくから……」
「ひゃっ……ぁう……」

返事をする間もなく、じっくりと感触を味わうように、長い指が体内でうごめく。

「すごいね。指がどんどん入っていくよ……」
「あ、ああ……」

小刻みに擦られ、入り口から奥まで何度も指が往復する。
いつしか挿入される指の数が増えて、中を優しく引っかかれる度に、心地いい感覚が大きくなっていく。
尻の中を触られて気持ちよくなるなんて、恥ずかしいにもほどがある。
けれど、弟の舌や指から与えられる快感にはあらがえず、エリオットはまろい双丘を揺らしながら、絶え間ない愛撫に溺れていった。

「……兄さん、知ってる? お尻の中に、すごく気持ちよくなれるところがあるんだって」
「ん、ん……?」
「探してみようね……」

快楽で意識がけぶる中、何やらアーノルドが優しく声をかけてくる。
よく分からないまま頷くと、長い指が中を大胆にまさぐりはじめた。

「あっ、んん……アーニーっ……ぁぁっ!」

内壁をこそぐように擦り上げられ、弟の指を後孔全体で締めつけてしまう。

「かわいい……。指を一生懸命ぎゅってして……。気持ちいいとこはここかな?」

指先が奥を擦る。

「それとも、こっち?」

今度は、入り口辺りをぐりぐりと撫でられる。

「……ゆび……もう、動かさないでっ……」

三本の指でこれでもかと擦られて、エリオットは髪を振り乱した。
枕に顔を埋めると、アーノルドの匂いがして、頭がおかしくなりそうだ。

「あ……ここだけ少し弾力があるね……」
「……っ! やぁっ、そこっ……だめっ……っ」

体内を探る指先が、とある一点をかすめて、エリオットの腰が跳ねた。
反射的に逃げ出したくなるほどの快感が、下肢を直撃する。

「見つけた……」

アーノルドは宝物を前にした子供のように、無邪気な微笑みを浮かべると、快楽のツボに狙いを定めた。

「ああぁっ! アーニーっ、アーニー……っぁ、そこばっかり、むりっ……ひゃっ、おねがっ……こすらないでっ……」

攻撃的に思えるほどの刺激に、エリオットは悲鳴のような声をあげる。
執拗に快楽のツボを摩擦してくる指を拒もうとするが、アーノルドは嬉しそうな顔で、一層強くいじってきて――

「やっ、ぁぁっ! か、からだっ、おかしくなるからぁっ……!」

許容量を超えた快感に、意識が朦朧もうろうとする。
エリオットは弟の名を呼びながら、白い尻を振りたてた。

「いっぱい気持ちよくなってるね……最高にかわいいよ……」

そう言って、アーノルドは快楽に震える尻たぶを片手で揉みしだく。

「ね、兄さん……。俺の指で、もう一回射精して……」
「……だ、だめっ……ぁんんっ……ゆび、ぬいてっ……ぬいてぇっ」

これ以上は、とてもではないが耐えられない。
しかし、弟の指は容赦なく、更なる快感を与えてくる。

「……ごめんね。俺、兄さんがもっと気持ちよくなるところを見たいんだ」

複数の指先でツボを小刻みに擦り上げられて、目の前に火花が散る。
強烈な淫楽がエリオットの体に襲いかかり、全てが絶頂に飲み込まれた。

「アーニーっっ……! んんぅっっ~~~~~~~!!!!!」

枕にしがみついて、シーツを足で蹴りながら。
エリオットは痙攣けいれんしたように尻を震わせて、半ば強制的に二度目の吐精を迎えた。

「……お尻をいじられて射精する兄さん、きれい……かわいい……」

後孔で指をしゃぶりつくしながら快感を極める兄の艶姿に、弟は興奮して目をふちを赤くする。

「っ……はぁっ、はぁっ……アーニー……」
「兄さん、兄さん……俺も気持ちよくなっていい?」
「ん、ぇ……?」
「ここに……俺のを入れたい……」

挿入されたままの指をぐにぐにと動かされて、エリオットは軽く息をつめた。
男同士で体を重ねる時には後孔で……というのは、何となく知ってはいるが……。

――あ、そうか……。アーニーは最初から――……

ここまで考えて、エリオットは弟の心の内に気づいた。
舌と指でたっぷりと尻の中をかき回したのは、二人で交わるため。
この部屋に移動した時には、きっと体を重ねるつもりだったのだろう。

「……だめ……?」

尻を優しく撫でながら聞いてくるアーノルド。
指でも、恐ろしいほど気持ちよかったのだ。
アーノルドのものを受け入れて、中をいっぱい擦られたら……。
自分の体はどうなってしまうのか。
全てを飲み込む濃厚な快感は怖い。怖いけど――

――……アーニーと一つになりたい……。体の奥で、愛する人を感じてみたい――……

「……アーニー……」

エリオットは枕から顔を離して、弟の方へ振り返った。

「いいよ……。僕も、アーニーの全部が……ほしい……」

小さな声で応えると、漆黒の瞳が歓喜に輝く。

「兄さんっ。嬉しい……。一緒に気持ちよくなろうね」

そう言って、アーノルドは、うつ伏せになっているエリオットの腰を、ゆっくりと持ち上げた。

「膝をついて、お尻をこっちに向けて」
「う、うん……」

弟に尻を差し出すような体勢に、今更ながら羞恥がわく。
少々ためらいながら膝をつくと、大きな手に双丘を割り開かれ、谷間に熱くて硬いものが押し当てられるのを感じた。

――あ……アーニーの……っ。

後孔にアーノルドのたけった欲望が擦りつけられて、エリオットは身体を震わせる。

「兄さん、入れるね……」
「っあぁ……ん……っ……ぅぅ」

ほぐされて色づいたつぼみに、限界まであおられた起立が、少しずつ挿入される。
指とは比べものにならない大きさに、エリオットは切なげに眉根を寄せた。

「ぁ……アーニー……っああ……」
「……っ……痛くない?」

シーツを握りしめて、小さく頷く。
体内を押し広げられる圧迫感に下肢がわななくが、痛みはない。

「っ兄さんの中……すごく柔らかくて……締めつけてくるね……」
「ん、んんぅ……っっ」
「俺のが、飲み込まれていくよ……」

孔のふちをめいっぱい広げて、起立を咥え込んでいく兄の柔尻。
アーノルドは、淫らな結びつきを熱く見つめながら、圧倒的な快感と幸福感に腰をとろかせた。

「……ひゃ……はぁぅっ……あ、ああぁ……っぁ」

エリオットは、背をしならせて、挿入の圧力に耐えていく。
奥へ奥へと突き進んでくる、アーノルドの大きな起立。
粘膜がゆっくりと擦れ合う初めての感触に、じんじんと体内が熱く脈打った。

「……もう少しで、全部入るよ」
「ぁっ……お、おくまで……んん……」

もどかしいぐらいの時間をかけて、弟の起立がみっちりと中を満たした。

「……兄さんの中、入れただけで搾り取られそう……っ」

ギンギンに興奮しきった自身をぴったりと包み込んで、いやらしく脈動する兄の体内。
アーノルドは、強烈な雄の衝動を懸命にこらえる。

「ぁっ……熱くて、いっぱい……あぅぅっ……はぁっ」
「に、兄さんっ……そんなにぎゅっとされると――っ」
「あ、んっ……だって、アーニーの、おっきいから……」

まるで喜ぶかのように――
尻の中がアーノルドに絡みついているのが分かるが、エリオットには止めようもなく。

「……っきもちよすぎて、動かしたら出るよ……」

想像以上の甘く溶けるような心地に、アーノルドは早くも陥落しそうになったが、こんなに早く果てるなんて情けないことはしたくない。
この美しくも淫らで可憐な兄の体を、とことんまで味わいつくさねば――
アーノルドは、エリオットの細い腰をつかむと、ぬかるみをかき分けるように、抽挿ちゅうそうを始めた。

「はぁっ……ああっ……ぜんぶ、こすれて……」

太くて大きなものが少し動くたびに、中を根こそぎ持っていかれそうな刺激が、身体を駆け巡る。

「っ……兄さん、兄さん……っ」

少しずつ、少しずつ――
アーノルドの息が荒くなり、抜き差しが激しくなっていく。

「あっ、ぁん………アーニー…っ」

浅いところから奥まで、えぐるように摩擦されて、エリオットは柔尻をわななかせる。
気づけば圧迫感さえも快感の一部となり、腰の奥が燃えるように熱くなっていた。

「きもちいい……兄さん、きもちいいね……っ」
「うん、うん……っ」

大胆に、小刻みに。
アーノルドは夢中になって腰を振る。

「兄さんの、好きなところも――」

そう言って、弟は快楽のツボを容赦なく擦ってきた。
カリ首で集中的にえぐられて、エリオットは弾けたように嬌声をあげる。

「ひゃっ! ぅぅっ……そ、そこは……いいからぁっ……っっ!」

一方的に与えられる強烈な快感に、目の前が明滅する。

「お尻の中、どんどんトロけていくね……」
「あ、ああっ……アーニーっ、アーニーっ……!」
「感じてる兄さん、きれい……」

兄の乱れた姿を一心に見つめながら、弟は柔尻の奥の奥まで起立を埋め込んでいく。

「アーニーっ、だめ、だめっ……きもちよすぎて……んあぁっ」
「俺もだよ……っ」

猛烈な射精の欲求をこらえて、下肢に力を込めるアーノルド。

「兄さん……っ。出したいけど、出したくない……っ」

かすれた声で悩ましい欲望を吐露すると、弟は兄の尻から自身を引き抜いた。

「キス……キスしようっ」

エリオットは、口づけをねだる弟に体を反転させられる。
仰向けになって対面したアーノルドの顔は、淫欲に染まって、匂いたつほどの雄の色香を放っていた。

「兄さんっ」
「ん……ぁっ……ああぁ……っ!」

両足を持ち上げられると、一息に奥まで貫かれる。
そして、上体を倒してきたアーノルドは、エリオットの唇にかぶりついてきた。

「ふぁっ……んん……っ」

唇をすすられ、舌を吸われて。
唾液を奪われながら、激しく起立を抜き差しされる。
夢中になって、弟の体に手足をからめると、より一層交わりが深くなった。

「……兄さん、分かる? 俺たち、心も体も魔力も、全部一つになってるよ」
「ぁ……」

隙間なく愛されて、満たされた心と体。
胸の奥に意識を向けると、アーノルドの強大な魔力を感じる。

「……アーニーと……ぜんぶ、一つ……」

愛する人と全てが一つになっている、とてつもない喜び――
胸がいっぱいになって、涙が溢れてくる。

「こんなに気持ちよくて幸せで……。俺が見てる都合のいい夢じゃないよね? 覚めたりしないよね?」
「……覚めないよ。アーニーが、人生をかけて取り戻してくれた、現実だから……」

弟を強く強く抱きしめると、体内にある起立が興奮に震えているのが、鮮烈に感じられた。

「兄さん……っ。俺のこと、弟にしてくれて……愛してくれて、ありがとう……」
「アーニー……」
「兄さんは俺の全てだから。愛してる、愛してる、兄さん……っ」

愛を告げながら、強く抜き差しを繰り返される。

「あ、ああっ……はぁっ……アーニー、僕も……愛してる。ずっと、ずっと一緒にいようね……っ」
「うん……ずっと……っ」

悲劇的な事故が起こった十五年前。
誰もが、コリンズ家は当主と共に永遠に凍りついたと信じて疑わなかった。
けれど、アーノルドは世界の常識を塗り替えてまで、エリオットを救ってくれた。

――アーニーが諦めずに、僕を愛し続けてくれたから――……

溶けるはずのなかった氷の中から生還して、今は弟の腕の中。
愛される幸福と深く繋がる快感に、エリオットは共鳴している胸の奥を熱くさせる。

「……アーニーっ……。二人で、もっと気持ちよくなろう……っ」
「兄さん……っ」

甘く見つめ合い、ひたすらに互いを求め合う。
性器が勃ち上がる余裕もないほどの快感が押し寄せ、エリオットは弟にしがみついて、淫欲の頂上に登りつめていく。
何もかもが消えて、世界が二人だけになったように感じて――

「……アーニー……アーニーっ……ぁんんっ……ああぁっ……っ~~~~~~!!!」

思考が飛んで、身体が強烈な快楽に支配される。
アーノルドの大きな愛情を感じながら、エリオットは絶頂を迎えた。

「……っ……にいさん……っ」

強すぎる快感に、激しく脈動する兄の体内。
起立をいやらしく締めつけられたアーノルドは、耐えに耐えた欲望を、とうとう柔尻の最奥に放出した。

「……ぁぁっ。アーニーのがっ……いっぱい……」

愛欲のあかしを体の中に感じて、エリオットは身体を震わせる。

「兄さん、兄さん……」

アーノルドは荒い呼吸を繰り返して、兄の体内に精液を塗り込めるように腰を動かす。

「頭がおかしくなるほど、すごく気持ちよかった……。俺、兄さんの中から出たくない……」

射精したばかりだというのに。
アーノルドの起立は、エリオットの体内で熱を宿して硬いままだった。

「もっとしたい……。兄さんと、いっぱい気持ちよくなりたい……」

アーノルドの切ない声に、エリオットの胸は甘く弾む。
精魂尽き果てるまで愛し合えたら、どれだけ幸せだろうか。

「アーニー……。僕も――」

広い胸に抱きつくと、再度いやらしい律動が始まった。

「兄さん……好き……大好き……」

隙間なく身体を重ねて。
欲望を全てさらけ出して。

「僕も……十五年前から、ずっとアーニーが大好きだよ……」

身も心も魔力も――
あらゆるものを一つにして、互いをむさぼる交わりに、兄弟で溺れていく。

「……アーニーも……服を脱いで……」
「兄さんが脱がしてくれる……?」
「……いいよ……」

魔法省の研究棟の奥深く。
兄を取り戻すべく、弟が長い月日を積み重ねた部屋の中で……。
深く熱く愛し合う兄弟は、時間を忘れて、愛欲にまみれた体をからませ続けたのだった。
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