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31話
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都市当局の事務会館は、今日も早朝から多くの人が出入りしていた。
当局職員や各ギルドの職人はもちろんのこと、高位の貴族から個人商店の使いの者まで。
商業都市の特色を現すかのように、あらゆる身分の人間が、へだてなく行き交っている。
そんな忙しない会館の中。玄関ホールに一番近い応接間の扉が、大きな音をたてながら開いた。
常にない勢いに周囲の者たちが視線を向けると、部屋の中から、冷たい表情をした第三王子が、騎士と侍従をつれて姿を現した。
「殿下っ。どうか……どうか、もう一度ご再考を……っ」
王子の背中に追いすがるように、室内から切迫した声がする。
足早に去ろうとしていた王子が面倒そうにふり返ると、廊下へ一人の男が飛び出してきた。
ソレル商会ラオネス支店長のリヴィオ・ソレル。
彼の王子に対する尋常ならざる様子に、辺りが静まり返った。
「……しつこいのは嫌いだって言ったよね? 何度言われても、僕は撤回するつもりはないよ」
「弟は……マリウスはボネリーで、どれだけ辛い思いをしていることか……。兄として、簡単に引き下がるわけにはまいりません」
切実に訴えかけるリヴィオに、王子は苛立ちを隠さずにため息をつく。
「ボネリー行き程度ですませてあげたんだから、感謝してほしいぐらいだけどね」
「かの地が、地上の地獄と呼ばれていることは、ご存知でいらっしゃるはずです。マリウスは誠心誠意、殿下にお仕えしておりました。第三王子殿下は三国一の素晴らしい御方だと心酔して、それは懸命に……。それなのに、このような仕打ちは――」
「兵士の分際で、僕のすることに、あれこれ口出しするのが誠意ある行動なの? 思い出しただけでも不愉快だ」
王子は表情を険しくする。
「だいたい、商家出身の身分で、僕の護衛になれたことだけでも幸運だと思わない? ボネリーで上手くいけば騎士になれるんだし、文句を言われる筋合いはないよ」
「マリウスが望んで、かの地へ向かったのであれば、こちらとて何も申しません。しかし――」
「うるっさいなぁ! 再考なんてしないって言ってるの!」
どんどん怒りをあらわにしていく王子に、周囲の者たちは気をもみながら視線を向けている。
最悪なことになる前に仲裁をするべきかと思いつつも、王子の前に出ていく勇気も身分もなく。
誰もが不安な面持ちで見ていることしかできなかった。
「先のご視察の件では、荷崩れを起こした子供とその家族を、不問になさったと耳にしております……」
「それは、彼らに悪意はないからだよ。当然でしょ」
「マリウスには、悪意があったとおっしゃるのですかっ」
リヴィオが声を荒くしながら王子と距離を詰めようとすると、厳しい表情を浮かべた専属騎士が、二人の間に立ちはだかる。
騎士に威嚇され、商人は怯んで足を引いた。
「兵士が王子に対して分をわきまえないって、悪だと思わない?」
「そこまでマリウスを拒絶なさるのならば、なぜ高位の接遇教育を受けていない平民を、重用なさったのですかっ!」
血のにじむような声が玄関ホールに響いたと同時に、場の雰囲気が一瞬にして変化した。
「テオ? そんなところで何をしてるの?」
外出先から帰ってきた領主のクロードが、廊下で揉めている弟に声をかけながらホールを横断する。
ラオネスで第三王子を抑えることのできる唯一の人物の登場に、周囲の空気がわずかに緩む。
「兄上~!」
ふり返って、兄の姿を見るやいなや、弟王子は表情を一変させた。
「聞いてくださいよ~」
甘えた声で兄に駆けよると、これみよがしに縋りつく。
「この商人が、僕の命令を撤回しろと言ってくるんですよ!」
「命令?」
「王都で専属衛兵が出過ぎたことばかりするので、性根を鍛え直させようと、ボネリー行きを命じたのです。それが不当だと、僕に文句をぶつけてきて」
「文句ではありません。あまりに理不尽な成り行きで、弟が地上の地獄へと送られて――」
「はぁっ!? 理不尽っ!? 僕に対して、よくもそんなことをっ」
「テオ、落ち着いて」
リヴィオに噛みつかんばかりに荒ぶる弟を、兄が抱きよせて落ち着かせる。
「テオは命令を撤回する気は全くないの?」
「ありませんよ。絶対にっ」
弟の即答を聞いて、兄は商人に憐みを含んだ視線を向ける。
「兄弟を思う気持ちは理解できるが、テオドールにその気がないなら、私にも手出しはできない。兵士の身分ならば尚更だ。諦めてくれ」
「しかしっ、弟は――」
「それに、王族が命令を撤回するのは、基本的にありえないことだ」
「そんな……」
領主の最終通告に、リヴィオは力なく膝をつく。
「ソレル殿。どうぞ早急にお帰りください」
希望を絶たれた商人に、侍従が容赦なく言い放つ。
「兄上~。お腹がすきました。一緒に食事をしましょうよっ。僕、ロブスターが食べたいなぁ」
「すぐに手配させようね」
「ふふっ。嬉しい!」
満面の笑みを浮かべた弟王子が、兄王子を引っ張って、会館の奥へと去っていく。
騎士と侍従は、塞ぎ込む商人を冷たく一瞥すると、兄弟王子たちの後に続いていった。
「マリウス……」
周囲の視線を独り占めにしているリヴィオは、小さく弟の名を呟いて、深く深く項垂れるのだった。
それから『第三王子とソレル商会の確執』の話は、瞬く間にラオネス中を駆け巡った。
謹慎中に専属衛兵をしていたソレル家の四男を、第三王子は散々重用しておきながら、些細なことで激怒して、ボネリー送りにしたという。
理不尽な仕打ちに、ソレル商会は何度も異議の申し立てを行ったが、全く相手にされなかった。
そして、すっかり美しくなった弟を溺愛している領主も、ろくに取り合うことはなく。
ソレル家の四男は、今も苦役に等しい鍛錬を強いられているらしい。
なんと非道な話だろうか。
ラオネスの人々は、総じて眉をひそめた。
痩せて大層な美青年になり、性格も穏やかになったと言われている第三王子だが、横暴でわがままな性根は変わっていないのだ。
肥満体から大きく減量できたのも、その四男のおかけだったようなのに。
王子とはいえ、恩を仇で返すとはこのことか。
ラオネスで消えかけていた数多の悪評も、再び人々の口の端にのぼることとなり、第三王子の噂が、そこかしこで盛りあがっていった。
そんな中、商人のごく一部の者たちの間で、とんでもない話が流れていた。
『ソレル商会のリヴィオが、第三王子を害そうとしている』
どうやら、兄弟王子の周辺で続く嫌がらせに、便乗しようとしているようだった。
理不尽なわがままに耐えながら懸命に仕えていた弟を、地上の地獄に追いやった憎い王子。
奴の苦しむ姿を見ないと、どうしても気がすまない。
ソレル家の長男は綿密な計画を立てて、水面下で静かに協力者を募りはじめていた。
~おまけ~
「エヴァン……僕は悪い王子なんだよ。理不尽で冷淡な権力者なんだ!」
「……決して、そのようには見えませんが……」
「うう……僕の存在に説得力がなかったら、みんなに信じてもらえないかもしれないっ。由々しき問題だよ!!」
「……そうですね」
「こうなったら、せめて服装だけでも悪い王子にしないと。いつものリボンやフリルがついてる服じゃダメなんだよ。もっと、こう……いかにも悪役な、横暴な雰囲気のやつがいいの!!」
「……かしこまりました。できるだけ暗いお色味で、装飾が少ないお召し物を手配しておきましょう」
「うんうんっ! よろしく頼むね!」
横暴な雰囲気の服……? と思いながら準備を進めている侍従が目に浮かびますね!
AIイラストの服装を見ていると、こんなやりとりがありそうだなぁと……。
めちゃくちゃ可愛い服装で横暴な態度をしていても、それはそれで我儘王子っぽくていいですけど、きっとテオドールは、クールな悪役を目指して、シックにキメたかったのでしょうね!
当局職員や各ギルドの職人はもちろんのこと、高位の貴族から個人商店の使いの者まで。
商業都市の特色を現すかのように、あらゆる身分の人間が、へだてなく行き交っている。
そんな忙しない会館の中。玄関ホールに一番近い応接間の扉が、大きな音をたてながら開いた。
常にない勢いに周囲の者たちが視線を向けると、部屋の中から、冷たい表情をした第三王子が、騎士と侍従をつれて姿を現した。
「殿下っ。どうか……どうか、もう一度ご再考を……っ」
王子の背中に追いすがるように、室内から切迫した声がする。
足早に去ろうとしていた王子が面倒そうにふり返ると、廊下へ一人の男が飛び出してきた。
ソレル商会ラオネス支店長のリヴィオ・ソレル。
彼の王子に対する尋常ならざる様子に、辺りが静まり返った。
「……しつこいのは嫌いだって言ったよね? 何度言われても、僕は撤回するつもりはないよ」
「弟は……マリウスはボネリーで、どれだけ辛い思いをしていることか……。兄として、簡単に引き下がるわけにはまいりません」
切実に訴えかけるリヴィオに、王子は苛立ちを隠さずにため息をつく。
「ボネリー行き程度ですませてあげたんだから、感謝してほしいぐらいだけどね」
「かの地が、地上の地獄と呼ばれていることは、ご存知でいらっしゃるはずです。マリウスは誠心誠意、殿下にお仕えしておりました。第三王子殿下は三国一の素晴らしい御方だと心酔して、それは懸命に……。それなのに、このような仕打ちは――」
「兵士の分際で、僕のすることに、あれこれ口出しするのが誠意ある行動なの? 思い出しただけでも不愉快だ」
王子は表情を険しくする。
「だいたい、商家出身の身分で、僕の護衛になれたことだけでも幸運だと思わない? ボネリーで上手くいけば騎士になれるんだし、文句を言われる筋合いはないよ」
「マリウスが望んで、かの地へ向かったのであれば、こちらとて何も申しません。しかし――」
「うるっさいなぁ! 再考なんてしないって言ってるの!」
どんどん怒りをあらわにしていく王子に、周囲の者たちは気をもみながら視線を向けている。
最悪なことになる前に仲裁をするべきかと思いつつも、王子の前に出ていく勇気も身分もなく。
誰もが不安な面持ちで見ていることしかできなかった。
「先のご視察の件では、荷崩れを起こした子供とその家族を、不問になさったと耳にしております……」
「それは、彼らに悪意はないからだよ。当然でしょ」
「マリウスには、悪意があったとおっしゃるのですかっ」
リヴィオが声を荒くしながら王子と距離を詰めようとすると、厳しい表情を浮かべた専属騎士が、二人の間に立ちはだかる。
騎士に威嚇され、商人は怯んで足を引いた。
「兵士が王子に対して分をわきまえないって、悪だと思わない?」
「そこまでマリウスを拒絶なさるのならば、なぜ高位の接遇教育を受けていない平民を、重用なさったのですかっ!」
血のにじむような声が玄関ホールに響いたと同時に、場の雰囲気が一瞬にして変化した。
「テオ? そんなところで何をしてるの?」
外出先から帰ってきた領主のクロードが、廊下で揉めている弟に声をかけながらホールを横断する。
ラオネスで第三王子を抑えることのできる唯一の人物の登場に、周囲の空気がわずかに緩む。
「兄上~!」
ふり返って、兄の姿を見るやいなや、弟王子は表情を一変させた。
「聞いてくださいよ~」
甘えた声で兄に駆けよると、これみよがしに縋りつく。
「この商人が、僕の命令を撤回しろと言ってくるんですよ!」
「命令?」
「王都で専属衛兵が出過ぎたことばかりするので、性根を鍛え直させようと、ボネリー行きを命じたのです。それが不当だと、僕に文句をぶつけてきて」
「文句ではありません。あまりに理不尽な成り行きで、弟が地上の地獄へと送られて――」
「はぁっ!? 理不尽っ!? 僕に対して、よくもそんなことをっ」
「テオ、落ち着いて」
リヴィオに噛みつかんばかりに荒ぶる弟を、兄が抱きよせて落ち着かせる。
「テオは命令を撤回する気は全くないの?」
「ありませんよ。絶対にっ」
弟の即答を聞いて、兄は商人に憐みを含んだ視線を向ける。
「兄弟を思う気持ちは理解できるが、テオドールにその気がないなら、私にも手出しはできない。兵士の身分ならば尚更だ。諦めてくれ」
「しかしっ、弟は――」
「それに、王族が命令を撤回するのは、基本的にありえないことだ」
「そんな……」
領主の最終通告に、リヴィオは力なく膝をつく。
「ソレル殿。どうぞ早急にお帰りください」
希望を絶たれた商人に、侍従が容赦なく言い放つ。
「兄上~。お腹がすきました。一緒に食事をしましょうよっ。僕、ロブスターが食べたいなぁ」
「すぐに手配させようね」
「ふふっ。嬉しい!」
満面の笑みを浮かべた弟王子が、兄王子を引っ張って、会館の奥へと去っていく。
騎士と侍従は、塞ぎ込む商人を冷たく一瞥すると、兄弟王子たちの後に続いていった。
「マリウス……」
周囲の視線を独り占めにしているリヴィオは、小さく弟の名を呟いて、深く深く項垂れるのだった。
それから『第三王子とソレル商会の確執』の話は、瞬く間にラオネス中を駆け巡った。
謹慎中に専属衛兵をしていたソレル家の四男を、第三王子は散々重用しておきながら、些細なことで激怒して、ボネリー送りにしたという。
理不尽な仕打ちに、ソレル商会は何度も異議の申し立てを行ったが、全く相手にされなかった。
そして、すっかり美しくなった弟を溺愛している領主も、ろくに取り合うことはなく。
ソレル家の四男は、今も苦役に等しい鍛錬を強いられているらしい。
なんと非道な話だろうか。
ラオネスの人々は、総じて眉をひそめた。
痩せて大層な美青年になり、性格も穏やかになったと言われている第三王子だが、横暴でわがままな性根は変わっていないのだ。
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王子とはいえ、恩を仇で返すとはこのことか。
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どうやら、兄弟王子の周辺で続く嫌がらせに、便乗しようとしているようだった。
理不尽なわがままに耐えながら懸命に仕えていた弟を、地上の地獄に追いやった憎い王子。
奴の苦しむ姿を見ないと、どうしても気がすまない。
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~おまけ~
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「……決して、そのようには見えませんが……」
「うう……僕の存在に説得力がなかったら、みんなに信じてもらえないかもしれないっ。由々しき問題だよ!!」
「……そうですね」
「こうなったら、せめて服装だけでも悪い王子にしないと。いつものリボンやフリルがついてる服じゃダメなんだよ。もっと、こう……いかにも悪役な、横暴な雰囲気のやつがいいの!!」
「……かしこまりました。できるだけ暗いお色味で、装飾が少ないお召し物を手配しておきましょう」
「うんうんっ! よろしく頼むね!」
横暴な雰囲気の服……? と思いながら準備を進めている侍従が目に浮かびますね!
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めちゃくちゃ可愛い服装で横暴な態度をしていても、それはそれで我儘王子っぽくていいですけど、きっとテオドールは、クールな悪役を目指して、シックにキメたかったのでしょうね!
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