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女友達②
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姉に対する美への憎しみ。
妹の瑠璃子に対する性的欲望。
伊澄さんのお姉さんがどれほど美しかったのかは知らない。目の前の伊澄瑠璃子も十分に美しい。彼女以上に美しかったお姉さんはどれほどのものだったのだろうか?
もっと分からないのは、目の前の女子高生の伊澄さんの幼少期。
どれほど可愛く、魅力に溢れ返っていたのか、想像できないが、そんな無垢な少女に対して欲望の歯を研ぐ男たちの神経も理解できない。
そんな理解のできない人々の欲望や妬みの中、事件は起きた。
事件は起きるべくして起きた。
周囲の人間たちの邪心は、防ぎようのない圧倒的なエネルギーを持っていた。
「姉が、唯一無二の親友だと思っていた女性は、欲望をたぎらせた男のうちの一人と知り合いだったのです」
伊澄瑠璃子はそう言った。
そして、その男は理性の欠片もないような男。つまり獣のような男だったと補足した。
そんな男を、伊澄さんの姉の美貌を妬む女は利用した。
「その女性は、そんな男に、私が『山の中で待っている』そう言ったそうです。そして、姉には『大事な話がある。裏の山で待っていて』と約束を取り付けました」
時間は夕刻、街灯もない山の中、顔もよく見えなかったと推測される。
すると、渡辺さんが急に、
「伊澄さん、その山って。この町の裏山のことなのか?」と言い出した。
神城が「でも、伊澄さんって、転校生よね?」と言った。
伊澄さんは、他の町から、ここに越して来たんじゃないのか?
・・何かが、おかしい。
この話の裏に何かある。そう思えてならない。
伊澄さんは、少しも動じず、「そうです」と言って、
「山は、この町の裏の山だし、私は転校生です」どちらも正しい、そう言った。
そして、
「私は、この町に戻ってきた。それだけのことです」と微笑みを浮かべた。
切れ長の瞳が更に鋭くなったように見えた。
伊澄瑠璃子は、以前この町に住んでいたのか? だからあの屋敷とも繋がりがある。そういうことか。
では、その姉は、どこにいるんだ? 両親はいるのか?
「君は、この町に帰って来たんだな」
そう声を上げたのは渡辺さんだった。なぜか納得したような表情だ。
それた話を元に戻すように伊澄さんは話を続けた。
「純粋な姉、人を信じ、疑うことも知らない姉は、迷うことなく山の中に出向いていったそうです」
「あんな山に?」君島さんは言った。
そんな君島さんに、伊澄瑠璃子は「そうですね、君島さんのような上品な女性には、とても理解できないでしょうね」と言った。「それほど、姉にとっては、その女友達の方が大切だったのです」そう強く言った。
伊澄瑠璃子は、姉の事件を痛ましく感じているようにも思えたが、
薄らと微笑んでいるようにも見えた。それは何故だ?
彼女はこの話を、心のどこかで楽しんでいるようにも見えた。いや、話の内容ではなく、僕たちに話すことを楽しんでいる。そう感じた。
「姉と、姉が友人だと信じていた人は、周囲の目から見ても、仲が良さそうな二人に見えたそうです。家が隣同士だった二人は互いの家を行き来し、遊んでいたそうです。当時、友達のいなかった私には、羨ましい光景でした」
家が隣同士・・
「けれど、今思えば、その友人は、姉と近しくなることで、自己の存在を周囲にアピールしていたのですね。『自分には、こんな綺麗な友達がいるのよ』とでも言いたかったのでしょう」
妹の瑠璃子に対する性的欲望。
伊澄さんのお姉さんがどれほど美しかったのかは知らない。目の前の伊澄瑠璃子も十分に美しい。彼女以上に美しかったお姉さんはどれほどのものだったのだろうか?
もっと分からないのは、目の前の女子高生の伊澄さんの幼少期。
どれほど可愛く、魅力に溢れ返っていたのか、想像できないが、そんな無垢な少女に対して欲望の歯を研ぐ男たちの神経も理解できない。
そんな理解のできない人々の欲望や妬みの中、事件は起きた。
事件は起きるべくして起きた。
周囲の人間たちの邪心は、防ぎようのない圧倒的なエネルギーを持っていた。
「姉が、唯一無二の親友だと思っていた女性は、欲望をたぎらせた男のうちの一人と知り合いだったのです」
伊澄瑠璃子はそう言った。
そして、その男は理性の欠片もないような男。つまり獣のような男だったと補足した。
そんな男を、伊澄さんの姉の美貌を妬む女は利用した。
「その女性は、そんな男に、私が『山の中で待っている』そう言ったそうです。そして、姉には『大事な話がある。裏の山で待っていて』と約束を取り付けました」
時間は夕刻、街灯もない山の中、顔もよく見えなかったと推測される。
すると、渡辺さんが急に、
「伊澄さん、その山って。この町の裏山のことなのか?」と言い出した。
神城が「でも、伊澄さんって、転校生よね?」と言った。
伊澄さんは、他の町から、ここに越して来たんじゃないのか?
・・何かが、おかしい。
この話の裏に何かある。そう思えてならない。
伊澄さんは、少しも動じず、「そうです」と言って、
「山は、この町の裏の山だし、私は転校生です」どちらも正しい、そう言った。
そして、
「私は、この町に戻ってきた。それだけのことです」と微笑みを浮かべた。
切れ長の瞳が更に鋭くなったように見えた。
伊澄瑠璃子は、以前この町に住んでいたのか? だからあの屋敷とも繋がりがある。そういうことか。
では、その姉は、どこにいるんだ? 両親はいるのか?
「君は、この町に帰って来たんだな」
そう声を上げたのは渡辺さんだった。なぜか納得したような表情だ。
それた話を元に戻すように伊澄さんは話を続けた。
「純粋な姉、人を信じ、疑うことも知らない姉は、迷うことなく山の中に出向いていったそうです」
「あんな山に?」君島さんは言った。
そんな君島さんに、伊澄瑠璃子は「そうですね、君島さんのような上品な女性には、とても理解できないでしょうね」と言った。「それほど、姉にとっては、その女友達の方が大切だったのです」そう強く言った。
伊澄瑠璃子は、姉の事件を痛ましく感じているようにも思えたが、
薄らと微笑んでいるようにも見えた。それは何故だ?
彼女はこの話を、心のどこかで楽しんでいるようにも見えた。いや、話の内容ではなく、僕たちに話すことを楽しんでいる。そう感じた。
「姉と、姉が友人だと信じていた人は、周囲の目から見ても、仲が良さそうな二人に見えたそうです。家が隣同士だった二人は互いの家を行き来し、遊んでいたそうです。当時、友達のいなかった私には、羨ましい光景でした」
家が隣同士・・
「けれど、今思えば、その友人は、姉と近しくなることで、自己の存在を周囲にアピールしていたのですね。『自分には、こんな綺麗な友達がいるのよ』とでも言いたかったのでしょう」
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