78 / 118
揺れ動く心
しおりを挟む
◆揺れ動く心
このまま家に帰ることなんてできない。
ファミレスで景子さんを見かけただけなら、それでいい。だが、景子さんはあの吸血鬼学生といたのだ。
二人がどういう関係なのかはわからないが、景子さんは催眠にかけられている可能性がある。
あの学生は、松村が君島さんを催眠状態にして、屋敷に連れ込んだのと同じようなことをするかもしれない。
血を吸って、仲間を増やすのかもしれない。
そして、あの男の体内にいる小さな「あれ」よりも数段大きい化物のようなものに血を捧げるのかもしれない。
そう思うと、いてもたってもいられない。体が再びファミレスに向かっていた。
「屑木くん!」
君島さんが、僕の手を引いた。
「戻るの?」君島さんは僕の強い意志を確認するように訊いた。
「ああ」僕はそう答えた。そして、
「あの人は、大事な人なんだ」
僕がそう答えると君島さんは「さっきの女の人のこと?」と言った。
君島さんの目が真剣だ。君島さんは僕の手を離さない。
「私と、どっちが大事?」
つき合っている男女のような会話だ。
「大事さ」のレベルが違い過ぎる。
それはどうしてだか、僕にもわからない。君島さんと比較のしようがない。それが神城や佐々木であっても同じだ。
「比べられない・・」と僕は答えた。
「え・・」君島さんは困惑した表情を浮かべた。
僕は君島さんとつき合っているわけでもないし、たぶん僕には恋心もない。けれど、身近に血を吸える存在は君島さんしかいない。そういう意味では大事だ。
けれど、君島さんの方は違うのだろう。
血を吸われた者は、吸った人間に惹かれるようになる。
そんな現象のせいで、君島さんは僕に疑似恋愛のようなものを抱いている。それは僕の方も同じかもしれない。
だが、そんな関係を超えて、僕は景子さんのことを慕っている。
景子さんは、僕の永遠の憧れの女性だ。
すると、しばらく何か考えていたような君島さんは手を離して、こう言った。
「屑木くん、男らしくないわね」
そう言った君島さんは優しい目をしていた。
「え?」君島さんの言った意味、意図が掴めない。
「男だったら、早く、さっきの人のところに行きなさいよ!」
怒っているような声だが、その声には暖かいものが感じられた。
「わかった」
僕は君島さんに背を向け、通りに出た。そんな僕のあとに君島さんはついてきていた。
「放っとけないのよ」君島さんはそう言った。
だが、ファミレスに戻るまでもなく、
景子さんと学生は連れだって店を出てきたところだった。
景子さんは僕の姿を認めると、その場に立ち止まり、
「和也くん」と言った。当然、その表情は笑顔だ。
「景子さん」僕もそう言った。
すると男が、「小山さん、知り合いかい?」と景子さんに尋ねた。訊かれた景子さんは「ええ、そう」と答えた。
男の顔には、穴が空いているように見える。それは景子さんには見えないのか?
「和也くん、どうしたの?」
景子さんは僕の傍の君島さんを見て、「そちらの人。ひょっとして、和也くんの彼女?」と微笑んだ。
僕は即座に「違う」と強く否定した。即座に君島さんが「屑木くん、それ、ひどいわ」と反応した。
すると、男が僕と君島さんの顔を見比べ、
「ん?・・君たちには、どこかで会ったかな?」と言った。
こいつ、忘れているのか。いくら暗がりだったとはいえ、熾烈な戦いだったと思うが。
「シンドウくん。知っているの?」
景子さんが男に言った。「シンドウ」と言うのか。
訊かれた男は「いや、気のせいだ」と返した。嘘なのか本当なのかわからない。
それよりも景子さんを止めないと、この男から景子さんを引き離さないと。
「景子さん、これから、どこへ行くの?」
僕は必死の思いで尋ねると、景子さんは「え?」と言って、
「家に帰るところだけど」と微笑み、
「和也くん、何かあったの?」と訊いた。
思われていることの嬉しさが込み上げてくる。
けれど僕は「何もないよ」と答えた。景子さんは「そう・・」と安堵するような息を吐いた。
景子さんの澄んだ瞳が僕の目を射抜く。僕は嘘を見破られるのが怖くて目を伏せた。
けれど、言いたい。
景子さん、その男は吸血鬼だ。僕なんかとはレベルが違う。
すると、僕を援護するように、君島さんが口を開いた。
「そこの男。顔に穴が空いているわよ」
男の表情が変わった。
景子さんは、「え?」と戸惑いの表情を見せ、男の顔を見た。
だが、景子さんはすぐに顔を戻し、「何のこと?」と君島さんに言った。
「変なことを言う彼女さんね」景子さんは優しく微笑んだ。
当惑したのは君島さんの方だ。すぐ僕に、
「あの女の人には見えないのかしら?」と言った。
僕は「いや、おそらく催眠のせいだ。景子さんには見えない」と答えた。
この男は、穴が空いている顔を見られても、景子さんに分からないように、催眠をかけている。
景子さんには見えない。そもそも誰が顔に穴の空いた人間とファミレスに行くだろうか。
そんなやり取りを見ていた男が、
「じゃ、小山さん。ここで」と景子さんに告げ、去っていった。
取り敢えずの難は逃れたが、男は僕たちが現れなかったら、景子さんをどこかに連れていったかもしれない。行き先は、あの屋敷だったかもしれない。
結果的にこれで良かったのだろうか? いずれにしろ、ほっとした。
景子さんは、男が去るとは思っていなかった、そんな顔を見せた後、「和也くん、じゃあね」と手を振って、家の方角に向かった。
景子さんの後姿をぼうっと眺めていた僕に、
「好きなのね。あの人が」と君島さんが言った。
「いや、あの人はね。僕のお隣のお姉さんだ。好きとか、そんなんじゃない」
けれど、大切な人なんだ。そう君島さんに言った。
「でも、同じ血の匂いがする」君島さんは、さっきの店内で言ったのと同じセリフを繰り返した。
少しだけど、僕はあの人の血を飲んだ。僕の体の中には、あの人の血がある。そのせいだろう。そんな意味のことを言うと、
君島さんは「それだけじゃないわ」と言って、
「もっと強いもの・・何かの繋がりを感じるの」と強く言った。
そして、
「屑木くんが、あの人を大事に思うのはかまわないけれど・・」と言って、
「私は、屑木くんがあの人の所に行かないように、何かをするかもしれない」と続けた。
「それ、どういう意味だよ」
「全力で、あなたたちの仲を邪魔するかもしれないわ」
君島さんは何かを決断するように言った。
その言葉を聞いた時、夕暮れの光がさっと、僕たちの間に落ちてきたような気がした。
このまま家に帰ることなんてできない。
ファミレスで景子さんを見かけただけなら、それでいい。だが、景子さんはあの吸血鬼学生といたのだ。
二人がどういう関係なのかはわからないが、景子さんは催眠にかけられている可能性がある。
あの学生は、松村が君島さんを催眠状態にして、屋敷に連れ込んだのと同じようなことをするかもしれない。
血を吸って、仲間を増やすのかもしれない。
そして、あの男の体内にいる小さな「あれ」よりも数段大きい化物のようなものに血を捧げるのかもしれない。
そう思うと、いてもたってもいられない。体が再びファミレスに向かっていた。
「屑木くん!」
君島さんが、僕の手を引いた。
「戻るの?」君島さんは僕の強い意志を確認するように訊いた。
「ああ」僕はそう答えた。そして、
「あの人は、大事な人なんだ」
僕がそう答えると君島さんは「さっきの女の人のこと?」と言った。
君島さんの目が真剣だ。君島さんは僕の手を離さない。
「私と、どっちが大事?」
つき合っている男女のような会話だ。
「大事さ」のレベルが違い過ぎる。
それはどうしてだか、僕にもわからない。君島さんと比較のしようがない。それが神城や佐々木であっても同じだ。
「比べられない・・」と僕は答えた。
「え・・」君島さんは困惑した表情を浮かべた。
僕は君島さんとつき合っているわけでもないし、たぶん僕には恋心もない。けれど、身近に血を吸える存在は君島さんしかいない。そういう意味では大事だ。
けれど、君島さんの方は違うのだろう。
血を吸われた者は、吸った人間に惹かれるようになる。
そんな現象のせいで、君島さんは僕に疑似恋愛のようなものを抱いている。それは僕の方も同じかもしれない。
だが、そんな関係を超えて、僕は景子さんのことを慕っている。
景子さんは、僕の永遠の憧れの女性だ。
すると、しばらく何か考えていたような君島さんは手を離して、こう言った。
「屑木くん、男らしくないわね」
そう言った君島さんは優しい目をしていた。
「え?」君島さんの言った意味、意図が掴めない。
「男だったら、早く、さっきの人のところに行きなさいよ!」
怒っているような声だが、その声には暖かいものが感じられた。
「わかった」
僕は君島さんに背を向け、通りに出た。そんな僕のあとに君島さんはついてきていた。
「放っとけないのよ」君島さんはそう言った。
だが、ファミレスに戻るまでもなく、
景子さんと学生は連れだって店を出てきたところだった。
景子さんは僕の姿を認めると、その場に立ち止まり、
「和也くん」と言った。当然、その表情は笑顔だ。
「景子さん」僕もそう言った。
すると男が、「小山さん、知り合いかい?」と景子さんに尋ねた。訊かれた景子さんは「ええ、そう」と答えた。
男の顔には、穴が空いているように見える。それは景子さんには見えないのか?
「和也くん、どうしたの?」
景子さんは僕の傍の君島さんを見て、「そちらの人。ひょっとして、和也くんの彼女?」と微笑んだ。
僕は即座に「違う」と強く否定した。即座に君島さんが「屑木くん、それ、ひどいわ」と反応した。
すると、男が僕と君島さんの顔を見比べ、
「ん?・・君たちには、どこかで会ったかな?」と言った。
こいつ、忘れているのか。いくら暗がりだったとはいえ、熾烈な戦いだったと思うが。
「シンドウくん。知っているの?」
景子さんが男に言った。「シンドウ」と言うのか。
訊かれた男は「いや、気のせいだ」と返した。嘘なのか本当なのかわからない。
それよりも景子さんを止めないと、この男から景子さんを引き離さないと。
「景子さん、これから、どこへ行くの?」
僕は必死の思いで尋ねると、景子さんは「え?」と言って、
「家に帰るところだけど」と微笑み、
「和也くん、何かあったの?」と訊いた。
思われていることの嬉しさが込み上げてくる。
けれど僕は「何もないよ」と答えた。景子さんは「そう・・」と安堵するような息を吐いた。
景子さんの澄んだ瞳が僕の目を射抜く。僕は嘘を見破られるのが怖くて目を伏せた。
けれど、言いたい。
景子さん、その男は吸血鬼だ。僕なんかとはレベルが違う。
すると、僕を援護するように、君島さんが口を開いた。
「そこの男。顔に穴が空いているわよ」
男の表情が変わった。
景子さんは、「え?」と戸惑いの表情を見せ、男の顔を見た。
だが、景子さんはすぐに顔を戻し、「何のこと?」と君島さんに言った。
「変なことを言う彼女さんね」景子さんは優しく微笑んだ。
当惑したのは君島さんの方だ。すぐ僕に、
「あの女の人には見えないのかしら?」と言った。
僕は「いや、おそらく催眠のせいだ。景子さんには見えない」と答えた。
この男は、穴が空いている顔を見られても、景子さんに分からないように、催眠をかけている。
景子さんには見えない。そもそも誰が顔に穴の空いた人間とファミレスに行くだろうか。
そんなやり取りを見ていた男が、
「じゃ、小山さん。ここで」と景子さんに告げ、去っていった。
取り敢えずの難は逃れたが、男は僕たちが現れなかったら、景子さんをどこかに連れていったかもしれない。行き先は、あの屋敷だったかもしれない。
結果的にこれで良かったのだろうか? いずれにしろ、ほっとした。
景子さんは、男が去るとは思っていなかった、そんな顔を見せた後、「和也くん、じゃあね」と手を振って、家の方角に向かった。
景子さんの後姿をぼうっと眺めていた僕に、
「好きなのね。あの人が」と君島さんが言った。
「いや、あの人はね。僕のお隣のお姉さんだ。好きとか、そんなんじゃない」
けれど、大切な人なんだ。そう君島さんに言った。
「でも、同じ血の匂いがする」君島さんは、さっきの店内で言ったのと同じセリフを繰り返した。
少しだけど、僕はあの人の血を飲んだ。僕の体の中には、あの人の血がある。そのせいだろう。そんな意味のことを言うと、
君島さんは「それだけじゃないわ」と言って、
「もっと強いもの・・何かの繋がりを感じるの」と強く言った。
そして、
「屑木くんが、あの人を大事に思うのはかまわないけれど・・」と言って、
「私は、屑木くんがあの人の所に行かないように、何かをするかもしれない」と続けた。
「それ、どういう意味だよ」
「全力で、あなたたちの仲を邪魔するかもしれないわ」
君島さんは何かを決断するように言った。
その言葉を聞いた時、夕暮れの光がさっと、僕たちの間に落ちてきたような気がした。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ゾンビ発生が台風並みの扱いで報道される中、ニートの俺は普通にゾンビ倒して普通に生活する
黄札
ホラー
朝、何気なくテレビを付けると流れる天気予報。お馴染みの花粉や紫外線情報も流してくれるのはありがたいことだが……ゾンビ発生注意報?……いやいや、それも普通よ。いつものこと。
だが、お気に入りのアニメを見ようとしたところ、母親から買い物に行ってくれという電話がかかってきた。
どうする俺? 今、ゾンビ発生してるんですけど? 注意報、発令されてるんですけど??
ニートである立場上、断れずしぶしぶ重い腰を上げ外へ出る事に──
家でアニメを見ていても、同人誌を売りに行っても、バイトへ出ても、ゾンビに襲われる主人公。
何で俺ばかりこんな目に……嘆きつつもだんだん耐性ができてくる。
しまいには、サバゲーフィールドにゾンビを放って遊んだり、ゾンビ災害ボランティアにまで参加する始末。
友人はゾンビをペットにし、効率よくゾンビを倒すためエアガンを改造する。
ゾンビのいることが日常となった世界で、当たり前のようにゾンビと戦う日常的ゾンビアクション。ノベルアッププラス、ツギクル、小説家になろうでも公開中。
表紙絵は姫嶋ヤシコさんからいただきました、
©2020黄札
ネットで出会った最強ゲーマーは人見知りなコミュ障で俺だけに懐いてくる美少女でした
黒足袋
青春
インターネット上で†吸血鬼†を自称する最強ゲーマー・ヴァンピィ。
日向太陽はそんなヴァンピィとネット越しに交流する日々を楽しみながら、いつかリアルで会ってみたいと思っていた。
ある日彼はヴァンピィの正体が引きこもり不登校のクラスメイトの少女・月詠夜宵だと知ることになる。
人気コンシューマーゲームである魔法人形(マドール)の実力者として君臨し、ネットの世界で称賛されていた夜宵だが、リアルでは友達もおらず初対面の相手とまともに喋れない人見知りのコミュ障だった。
そんな夜宵はネット上で仲の良かった太陽にだけは心を開き、外の世界へ一緒に出かけようという彼の誘いを受け、不器用ながら交流を始めていく。
太陽も世間知らずで危なっかしい夜宵を守りながら二人の距離は徐々に近づいていく。
青春インターネットラブコメ! ここに開幕!
※表紙イラストは佐倉ツバメ様(@sakura_tsubame)に描いていただきました。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
幽子さんの謎解きレポート~しんいち君と霊感少女幽子さんの実話を元にした本格心霊ミステリー~
しんいち
キャラ文芸
オカルト好きの少年、「しんいち」は、小学生の時、彼が通う合気道の道場でお婆さんにつれられてきた不思議な少女と出会う。
のちに「幽子」と呼ばれる事になる少女との始めての出会いだった。
彼女には「霊感」と言われる、人の目には見えない物を感じ取る能力を秘めていた。しんいちはそんな彼女と友達になることを決意する。
そして高校生になった二人は、様々な怪奇でミステリアスな事件に関わっていくことになる。 事件を通じて出会う人々や経験は、彼らの成長を促し、友情を深めていく。
しかし、幽子にはしんいちにも秘密にしている一つの「想い」があった。
その想いとは一体何なのか?物語が進むにつれて、彼女の心の奥に秘められた真実が明らかになっていく。
友情と成長、そして幽子の隠された想いが交錯するミステリアスな物語。あなたも、しんいちと幽子の冒険に心を躍らせてみませんか?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
可愛すぎるクラスメイトがやたら俺の部屋を訪れる件 ~事故から助けたボクっ娘が存在感空気な俺に熱い視線を送ってきている~
蒼田
青春
人よりも十倍以上存在感が薄い高校一年生、宇治原簾 (うじはられん)は、ある日買い物へ行く。
目的のプリンを買った夜の帰り道、簾はクラスメイトの人気者、重原愛莉 (えはらあいり)を見つける。
しかしいつも教室でみる活発な表情はなくどんよりとしていた。只事ではないと目線で追っていると彼女が信号に差し掛かり、トラックに引かれそうな所を簾が助ける。
事故から助けることで始まる活発少女との関係。
愛莉が簾の家にあがり看病したり、勉強したり、時には二人でデートに行ったりと。
愛莉は簾の事が好きで、廉も愛莉のことを気にし始める。
故障で陸上が出来なくなった愛莉は目標新たにし、簾はそんな彼女を補佐し自分の目標を見つけるお話。
*本作はフィクションです。実在する人物・団体・組織名等とは関係ございません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる