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ローズとの対話②
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そう言った僕の言葉に、ローズは「うふっ」と人間の女のような微笑を浮かべ、
「ワタシは、あなたの家の住所も知っているのよ」ローズはそう言った。
「そうみたいだな。如月カオリが、あの秘書ドールのエレナさんを使って、僕の家まで来てイズミをさらっていったんだから、ローズが僕の家を知っていても不思議じゃない」
そう言った僕に、
「あなた、怖くはないの?」と強く訊いた。
「何がだ?」
「家を知られているのよ。ワタシ達はまたあの幼女ドールをさらいに行くかもしれないわよ」挑発するようにローズは言った。
そういうことか。
「別に怖くはないさ」と僕は返した。「今は、イズミ以外にドールがもう一人いるし、僕にも仲間がいる」と言って、「それより、その『幼女ドール』という言い方をやめろ、ローズと同じように、僕のドールにはイズミという名がある」と抗議した。
そう言った僕にローズは「ボクのドール」とイズミのように復唱し微笑んだ。馬鹿にしているのか。
この機会だ。ついでに訊いてやれ。
「なあ、ローズに教える気があるのなら教えて欲しんだが、ローズの所有者はいったい誰なんだ? 如月カオリの 所有者が山田課長であるように、ローズにも持ち主がいるんだろ?」
「あら、このワタシに興味があるの?」
ローズは僕から目を離さず言った。「それともワタシの体の方かしら? 少なくともあの幼女よりは大人の体をしているつもりよ」
ローズはそう言って、ここがロビーであるにも関わらず、妖しげに品を作った。
「そんなわけないだろ!」思わず声を荒げた。向こうのソファーの男がこちらを見る。
AIドールに欲情するわけがない。しかもローズは恐るべきパワーレディだ。
だが、そう言われ、更に見つめられると、目を反らすことができなくなる。
ローズの顔、そして、そのセクシーな体全体に目を這わせる結果になってしまい、思わず生唾を呑み込んでしまった。男とはそんな情けない生き物だ。
だが、ドールの肌、肉は所詮、シリコンか何かの人間の柔肉のまがい物だ。そう頭に刻みつける。
それにしても、ローズがAIの移動、つまり脳ごと移動させた体は、以前の体に比べて、女性らしく熟れきった体となっているようだ。
あの女エージェントのような如月カオリが女豹なら、このお色気ローズは女トカゲのイメージだろうか。
だが、今はそんなことを考えている場合じゃない。
「別にローズ自体に興味があるわけじゃない。A型ドール全般に興味があるだけだ」
僕はA型に限らず、サツキさんのような元B型ドールにも興味があるし、植村のお母さんドールにも好奇心がわく。そして、外製のイズミの事をもっと知りたい。
そして同時に、イズミやサツキさんを大事に思っている。
「あら、残念。ワタシの勘違いだったみたいね」
そう言ってローズはソファーの手すりで頬杖をついた。それは人間の仕草と大差ない。
ローズは傾けた顔で、
「少なくともあのトウヘンボク課長の山田ではないことは確かよ」と言った。
「唐変木とはずいぶんな言い方だな。山田課長は、あんたが神と崇める如月カオリの所有者なのだろう?」
山田課長は如月カオリの所有者だ。山田課長が買ったフィギュアプリンタ―で新たに創ったドールだ。ローズがカオリを神と崇めても、所詮は人間の創ったものに過ぎない。
・・AIドールは人間の下位に位置する。その考えは変わらない。
そんな意味合いのことを言うと、
「あら、あなたは、本当にそう思っているの?」
ローズの大きな瞳が見開かれる。僕の思想を全否定するような表情だ。
「ああ、そう思っているよ。これでも、これまでに色々なことを学んだつもりだ」
そんな僕の自信を打ち砕こうとするようにローズは、
「けれど、あなたが、あの幼女ドールと出会ったのも、もう一人の情けないB型ドールの女と出会うようになったのも、ネットがあってこそよね」と言った。
「だから、幼女じゃないし、サツキさんは情けなくはない! 今では優しいS型ドールだ」
僕の猛抗議にローズは、「あら、失礼」と言って、「あの二人は、あなたの大事なドールだったわね」と皮肉たっぷりに言った。
だが、僕がイズミとサツキさんを大事であることを主張すればするほど、敵に僕の弱みを露呈させているような気がする。不安だ。
「ワタシは、あなたの家の住所も知っているのよ」ローズはそう言った。
「そうみたいだな。如月カオリが、あの秘書ドールのエレナさんを使って、僕の家まで来てイズミをさらっていったんだから、ローズが僕の家を知っていても不思議じゃない」
そう言った僕に、
「あなた、怖くはないの?」と強く訊いた。
「何がだ?」
「家を知られているのよ。ワタシ達はまたあの幼女ドールをさらいに行くかもしれないわよ」挑発するようにローズは言った。
そういうことか。
「別に怖くはないさ」と僕は返した。「今は、イズミ以外にドールがもう一人いるし、僕にも仲間がいる」と言って、「それより、その『幼女ドール』という言い方をやめろ、ローズと同じように、僕のドールにはイズミという名がある」と抗議した。
そう言った僕にローズは「ボクのドール」とイズミのように復唱し微笑んだ。馬鹿にしているのか。
この機会だ。ついでに訊いてやれ。
「なあ、ローズに教える気があるのなら教えて欲しんだが、ローズの所有者はいったい誰なんだ? 如月カオリの 所有者が山田課長であるように、ローズにも持ち主がいるんだろ?」
「あら、このワタシに興味があるの?」
ローズは僕から目を離さず言った。「それともワタシの体の方かしら? 少なくともあの幼女よりは大人の体をしているつもりよ」
ローズはそう言って、ここがロビーであるにも関わらず、妖しげに品を作った。
「そんなわけないだろ!」思わず声を荒げた。向こうのソファーの男がこちらを見る。
AIドールに欲情するわけがない。しかもローズは恐るべきパワーレディだ。
だが、そう言われ、更に見つめられると、目を反らすことができなくなる。
ローズの顔、そして、そのセクシーな体全体に目を這わせる結果になってしまい、思わず生唾を呑み込んでしまった。男とはそんな情けない生き物だ。
だが、ドールの肌、肉は所詮、シリコンか何かの人間の柔肉のまがい物だ。そう頭に刻みつける。
それにしても、ローズがAIの移動、つまり脳ごと移動させた体は、以前の体に比べて、女性らしく熟れきった体となっているようだ。
あの女エージェントのような如月カオリが女豹なら、このお色気ローズは女トカゲのイメージだろうか。
だが、今はそんなことを考えている場合じゃない。
「別にローズ自体に興味があるわけじゃない。A型ドール全般に興味があるだけだ」
僕はA型に限らず、サツキさんのような元B型ドールにも興味があるし、植村のお母さんドールにも好奇心がわく。そして、外製のイズミの事をもっと知りたい。
そして同時に、イズミやサツキさんを大事に思っている。
「あら、残念。ワタシの勘違いだったみたいね」
そう言ってローズはソファーの手すりで頬杖をついた。それは人間の仕草と大差ない。
ローズは傾けた顔で、
「少なくともあのトウヘンボク課長の山田ではないことは確かよ」と言った。
「唐変木とはずいぶんな言い方だな。山田課長は、あんたが神と崇める如月カオリの所有者なのだろう?」
山田課長は如月カオリの所有者だ。山田課長が買ったフィギュアプリンタ―で新たに創ったドールだ。ローズがカオリを神と崇めても、所詮は人間の創ったものに過ぎない。
・・AIドールは人間の下位に位置する。その考えは変わらない。
そんな意味合いのことを言うと、
「あら、あなたは、本当にそう思っているの?」
ローズの大きな瞳が見開かれる。僕の思想を全否定するような表情だ。
「ああ、そう思っているよ。これでも、これまでに色々なことを学んだつもりだ」
そんな僕の自信を打ち砕こうとするようにローズは、
「けれど、あなたが、あの幼女ドールと出会ったのも、もう一人の情けないB型ドールの女と出会うようになったのも、ネットがあってこそよね」と言った。
「だから、幼女じゃないし、サツキさんは情けなくはない! 今では優しいS型ドールだ」
僕の猛抗議にローズは、「あら、失礼」と言って、「あの二人は、あなたの大事なドールだったわね」と皮肉たっぷりに言った。
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