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合同読書会②ー5
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更に小清水さんは顔を赤くしながら、
「さっき鈴木くんが言った言葉・・」と小さく言った。
速水部長が「沙希さん、鈴木くんの言葉がどうかしたの?」と促した。
僕が「消えてしまった彼女にこだわって何が悪い!」と言ったことについてだ。小清水さんと同じく、僕も赤面した。思い出すのもはずかしい。
小清水さんは、言葉を選ぶようにして、
「鈴木くんが言った言葉は、作者フィッツジェラルトの心の叫びのように聞こえました」と言った。和田くんが続いて「僕もそんな気がする」と言った。
僕の場にそぐわない発言は小清水さんがカバーしてくれた形となった。
暫くの沈黙の後、真山さんは、「私の深読みかもしれないが、私も似たようなことを感じたよ」と前置きし、
「仮に、主人公からジュディの記憶が消えてしまえば、それはもう彼ではなくなる。そう思うんだ。それに作品として面白くない、と言うか、成り立たない」と言った。
真山さんがそう言うと、速水部長が「真山さんらしい言葉ね。私もそう思うわ」と意見を合わせた。
すると、それまで黙っていた女の子が手を挙げた。
「本には、色んな読み方があっていいと思います!」
そう言ったのは、本日初めて意見らしい意見を述べた大人しい感じの女の子だった。少し小清水さんに近いイメージの小川さんだ。
小川さんは続けて、「読者が、非合理的だと思うのも一つの感想と受け取るべきだと思います」と小さく言った。
彼女に続いて茶髪の榊原さんが「私もそう思うよ」と合わせた。
欠伸男よ、彼女たちに救われたな。相手の文芸部は女性の方がまとものようだな。
「そうね、それが読書会の醍醐味かもしれないわね」
速水さんは彼女の言葉を機に、読書会を締め括るように、
「同じ本を読んでも、これだけの人が集まると、それぞれの感受性がぶつかって面白いわね。合同で読書会をした意義もあるというものだわ」と当たり障りのない言葉を述べた。
そうかあ? と僕は思った。気分を悪くしただけだと思ったが、速水部長の言う通り、そう締め括らないと終わるに終われない。
速水部長にギロリと睨まれた気がしたが、後でお叱りを受けても仕方ない。
合同読書会・・心配された小清水さんの多重人格のヒカルかミズキのどちらかが登場することを危惧していたが、何事もなかった。僕が少し取り乱しただけに終わった。
サークル部員たちは大満足の様子だ。青山先輩は速水部長と何やら話し込んでいるし、小清水さんには笑顔が溢れている。和田くんも小清水さんの騎士的役割を果たせて良かった。
「さっき鈴木くんが言った言葉・・」と小さく言った。
速水部長が「沙希さん、鈴木くんの言葉がどうかしたの?」と促した。
僕が「消えてしまった彼女にこだわって何が悪い!」と言ったことについてだ。小清水さんと同じく、僕も赤面した。思い出すのもはずかしい。
小清水さんは、言葉を選ぶようにして、
「鈴木くんが言った言葉は、作者フィッツジェラルトの心の叫びのように聞こえました」と言った。和田くんが続いて「僕もそんな気がする」と言った。
僕の場にそぐわない発言は小清水さんがカバーしてくれた形となった。
暫くの沈黙の後、真山さんは、「私の深読みかもしれないが、私も似たようなことを感じたよ」と前置きし、
「仮に、主人公からジュディの記憶が消えてしまえば、それはもう彼ではなくなる。そう思うんだ。それに作品として面白くない、と言うか、成り立たない」と言った。
真山さんがそう言うと、速水部長が「真山さんらしい言葉ね。私もそう思うわ」と意見を合わせた。
すると、それまで黙っていた女の子が手を挙げた。
「本には、色んな読み方があっていいと思います!」
そう言ったのは、本日初めて意見らしい意見を述べた大人しい感じの女の子だった。少し小清水さんに近いイメージの小川さんだ。
小川さんは続けて、「読者が、非合理的だと思うのも一つの感想と受け取るべきだと思います」と小さく言った。
彼女に続いて茶髪の榊原さんが「私もそう思うよ」と合わせた。
欠伸男よ、彼女たちに救われたな。相手の文芸部は女性の方がまとものようだな。
「そうね、それが読書会の醍醐味かもしれないわね」
速水さんは彼女の言葉を機に、読書会を締め括るように、
「同じ本を読んでも、これだけの人が集まると、それぞれの感受性がぶつかって面白いわね。合同で読書会をした意義もあるというものだわ」と当たり障りのない言葉を述べた。
そうかあ? と僕は思った。気分を悪くしただけだと思ったが、速水部長の言う通り、そう締め括らないと終わるに終われない。
速水部長にギロリと睨まれた気がしたが、後でお叱りを受けても仕方ない。
合同読書会・・心配された小清水さんの多重人格のヒカルかミズキのどちらかが登場することを危惧していたが、何事もなかった。僕が少し取り乱しただけに終わった。
サークル部員たちは大満足の様子だ。青山先輩は速水部長と何やら話し込んでいるし、小清水さんには笑顔が溢れている。和田くんも小清水さんの騎士的役割を果たせて良かった。
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