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こんな時に・・①
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◆こんな時に・・
映画が終わっても、まだ夏の昼間だ。アーケードの中とはいえ、暑い。
「加藤、お茶でも飲んでいこうか」
そんなお決まりの誘いしか出来ない僕に加藤は快く、「そうだね」と応えた。
だが、現実は映画よりも遥かに厳しいものらしい。
そして、様々な試練を与える。
三宮のセンター街を並んで歩く。よく歩く道なのに、時間が長く感じられる。
「どこの喫茶店でもかまわないよな?」
「どこでもいいよ。鈴木の行きたい所で」と加藤は言った。
そんな加藤の言葉で、僕は改めて気づいたことがある。
今日の加藤は、圧倒的に口数が少ない。
どうしてなんだ?
相手は、この僕だぞ。この存在感のない鈴木道雄だ。
教室の中で目立たない僕は、活発で健康的なスポーツ女子の加藤にとって、目に留まらない存在のはずだ。
そんな加藤に、いつも「鈴木、鈴木」と呼び捨てられ、
ふいに喫茶店に呼び出されたかと思うと、あの佐藤に彼女がいないかどうかを訊かれ、
水沢さんと共に水族館にダブルデートすることになった。そんな仲だ。
あの日、佐藤にないがしろにされた加藤は泣いていた。
そんな加藤が、今日は口数が少ない。
あの水族館の時でさえ、加藤はみんなとしゃべっていた。
僕は思う。
加藤が口数が少ないのは、あまりしゃべらないのは、僕のせいだ。
その理由は、
今回のデートを僕の方から申し込んだとはいえ、僕は加藤が好きでもなんでもないからだ。ただ僕は、石山純子に見栄を張りたい一心で、衝動的に「デートしよう」と言い出したに過ぎない。
だったら僕は結果的に、
佐藤と同じことをしているんじゃないだろうか?
佐藤は自分に告白してきた加藤の気持ちを知りながら、加藤の前で、速水さんや水沢さんの話ばかりをしていたらしい。
僕は、そんな佐藤のように、純粋な加藤の心をもて遊び、傷つけているだけなのではないだろうか。
そして、加藤はそのことに気づいている。
僕が加藤にその気がないことも、デートを衝動的に申し込んだことも知っている。
「なあ、加藤。今日はいつもより大人しいよな」
僕はそう訊ねた。
すると、加藤は「えっ、そうかな」と言って、しばらく間を置き、
「いつもと一緒だけど」と答えた。
そんな加藤に、「そうかな? さっきの映画館だって、全然、加藤は話さなかったし」と言いかけると、
加藤は笑って「映画館の中で、話したりするものじゃないじゃん」と言った。
それもそうだな。僕の考えすぎか。
少し気を取り直し、センター街を通り過ぎていく人の波を見ていると、
加藤はいきなり立ち止まり、
「ね、鈴木」と言って僕の腕をくいと引いた。
「な、なんだ?」
「先に、本屋さんに行かない。喫茶店に寄る前に」
「本屋? 今、デート中なんじゃないのか?」
僕はそう言うと、加藤は「ぷっ」と吹き出し、「デート中に本屋さんに行ったら、ダメっていう決まりでもあるの?」と返した。
「それもそうだな」
本屋は目の前にある。アーケードのあるセンター街のど真ん中にある三宮で一番巨大な大型書店。つい先日、青山先輩と共に訪れたばかりだ。
本屋に足を運びながら、加藤は、「やっぱり、図書館で借りるんじゃ、読まないんだよね」と妹のナミのような口調で言った。
僕が「出費すると、どうしても読まなければと思うからな」と言うと、加藤は「そうそう、そうだよねぇ」と同調して笑った。
文庫が所狭しと並ぶ書架の間を歩いていると、
「ねえ、文芸部の今度の読書会の本って何?」と加藤は訊ねた。
「読書会って、本気で読書会に参加する気なのか?」
僕が訊ねると、
「そのつもりなんだけど」加藤はあっさりと言った。
加藤が読書会に参加するって・・面白そうな、迷惑のような、複雑な気持ちだ。
だが、陸上に挫折している加藤の気持ちは、大事にしてあげなければいけない。
「次の読書会用の本なら、新潮文庫のコーナーにあるよ。そんなに高くない」
秋の読書会は、合宿で出来なかった梶井基次郎の「檸檬」と川端康成の「雪国」だ。
加藤は書架から薄い文庫本二冊を手にすると、
「自分で買うから」と言って、買う気満々でレジに向かった。
そして、本を買って戻ってくるのかと思っていたら、
「ねえ、鈴木!」と、加藤はレジから大きな声で僕を呼んだ。
なんだよ、一体? と僕が寄ると、
「文庫本にカバーって、かけるものなの?」と加藤は言った。店員に訊かれて迷っているようだ。
なんだよ、それ。加藤は本を買うのが初めてなのかよ。
「それは、加藤が決めるものだ」と僕はすかさず返した。
すると、加藤は「鈴木が決めてよ」と甘えるように言うので、「加藤は、読書初心者だから、付けてもらえ」と言った。
僕がそう言うと加藤は店員に「カバー、付けてください」と言った。
レジから戻ってくると加藤は、
「読書初心者って、面白い言葉だよねぇ」と笑顔で言った。「なんかいい感じ」
本屋さんを出ると、胸に本を抱えた加藤は上機嫌の顔を見せ、
「さ、これから、お茶を飲みながら、鈴木に本の内容を教えてもらおうっと」と元気一杯の声を出した。
ま、加藤とそんな会話もいいか、と思っていると、
突然、僕のぶらつく手の動きが封じられた。
手を握られたのだ。もちろん、加藤に。だが、その加藤の顔を正視できない。前しか見ることが出来ない。
男女で意識的に手を繋ぐ行為。それは初めての体験だった。
脚をかばうように歩く加藤のリズムが、繋いでいる手を通して伝わってくる。
そんな手を、まさか振り払うわけにもいかない。かといって握り返す勇気もない。
胸の鼓動が高まる。落ち着け、落ち着くんだ。
手の力加減、どれくらいがいいんだ?
そうだ。この手を妹のナミと思えばいい。小さい頃、よく手を繋いで歩いた。けれど今は、そんな状況は考えられない。更に気持ちが高ぶってくる。
加藤の手は汗ばみ、更に僕の手も汗ばんでいる。
だが、次第にイヤな感じがしなくなってきた。むしろ、爽やかな感じさえした。相手が加藤だからだろうか。 加藤が気兼ねない存在だからだろうか?
いったい僕の気持ちはどこに向かっていくのだろう。
映画が終わっても、まだ夏の昼間だ。アーケードの中とはいえ、暑い。
「加藤、お茶でも飲んでいこうか」
そんなお決まりの誘いしか出来ない僕に加藤は快く、「そうだね」と応えた。
だが、現実は映画よりも遥かに厳しいものらしい。
そして、様々な試練を与える。
三宮のセンター街を並んで歩く。よく歩く道なのに、時間が長く感じられる。
「どこの喫茶店でもかまわないよな?」
「どこでもいいよ。鈴木の行きたい所で」と加藤は言った。
そんな加藤の言葉で、僕は改めて気づいたことがある。
今日の加藤は、圧倒的に口数が少ない。
どうしてなんだ?
相手は、この僕だぞ。この存在感のない鈴木道雄だ。
教室の中で目立たない僕は、活発で健康的なスポーツ女子の加藤にとって、目に留まらない存在のはずだ。
そんな加藤に、いつも「鈴木、鈴木」と呼び捨てられ、
ふいに喫茶店に呼び出されたかと思うと、あの佐藤に彼女がいないかどうかを訊かれ、
水沢さんと共に水族館にダブルデートすることになった。そんな仲だ。
あの日、佐藤にないがしろにされた加藤は泣いていた。
そんな加藤が、今日は口数が少ない。
あの水族館の時でさえ、加藤はみんなとしゃべっていた。
僕は思う。
加藤が口数が少ないのは、あまりしゃべらないのは、僕のせいだ。
その理由は、
今回のデートを僕の方から申し込んだとはいえ、僕は加藤が好きでもなんでもないからだ。ただ僕は、石山純子に見栄を張りたい一心で、衝動的に「デートしよう」と言い出したに過ぎない。
だったら僕は結果的に、
佐藤と同じことをしているんじゃないだろうか?
佐藤は自分に告白してきた加藤の気持ちを知りながら、加藤の前で、速水さんや水沢さんの話ばかりをしていたらしい。
僕は、そんな佐藤のように、純粋な加藤の心をもて遊び、傷つけているだけなのではないだろうか。
そして、加藤はそのことに気づいている。
僕が加藤にその気がないことも、デートを衝動的に申し込んだことも知っている。
「なあ、加藤。今日はいつもより大人しいよな」
僕はそう訊ねた。
すると、加藤は「えっ、そうかな」と言って、しばらく間を置き、
「いつもと一緒だけど」と答えた。
そんな加藤に、「そうかな? さっきの映画館だって、全然、加藤は話さなかったし」と言いかけると、
加藤は笑って「映画館の中で、話したりするものじゃないじゃん」と言った。
それもそうだな。僕の考えすぎか。
少し気を取り直し、センター街を通り過ぎていく人の波を見ていると、
加藤はいきなり立ち止まり、
「ね、鈴木」と言って僕の腕をくいと引いた。
「な、なんだ?」
「先に、本屋さんに行かない。喫茶店に寄る前に」
「本屋? 今、デート中なんじゃないのか?」
僕はそう言うと、加藤は「ぷっ」と吹き出し、「デート中に本屋さんに行ったら、ダメっていう決まりでもあるの?」と返した。
「それもそうだな」
本屋は目の前にある。アーケードのあるセンター街のど真ん中にある三宮で一番巨大な大型書店。つい先日、青山先輩と共に訪れたばかりだ。
本屋に足を運びながら、加藤は、「やっぱり、図書館で借りるんじゃ、読まないんだよね」と妹のナミのような口調で言った。
僕が「出費すると、どうしても読まなければと思うからな」と言うと、加藤は「そうそう、そうだよねぇ」と同調して笑った。
文庫が所狭しと並ぶ書架の間を歩いていると、
「ねえ、文芸部の今度の読書会の本って何?」と加藤は訊ねた。
「読書会って、本気で読書会に参加する気なのか?」
僕が訊ねると、
「そのつもりなんだけど」加藤はあっさりと言った。
加藤が読書会に参加するって・・面白そうな、迷惑のような、複雑な気持ちだ。
だが、陸上に挫折している加藤の気持ちは、大事にしてあげなければいけない。
「次の読書会用の本なら、新潮文庫のコーナーにあるよ。そんなに高くない」
秋の読書会は、合宿で出来なかった梶井基次郎の「檸檬」と川端康成の「雪国」だ。
加藤は書架から薄い文庫本二冊を手にすると、
「自分で買うから」と言って、買う気満々でレジに向かった。
そして、本を買って戻ってくるのかと思っていたら、
「ねえ、鈴木!」と、加藤はレジから大きな声で僕を呼んだ。
なんだよ、一体? と僕が寄ると、
「文庫本にカバーって、かけるものなの?」と加藤は言った。店員に訊かれて迷っているようだ。
なんだよ、それ。加藤は本を買うのが初めてなのかよ。
「それは、加藤が決めるものだ」と僕はすかさず返した。
すると、加藤は「鈴木が決めてよ」と甘えるように言うので、「加藤は、読書初心者だから、付けてもらえ」と言った。
僕がそう言うと加藤は店員に「カバー、付けてください」と言った。
レジから戻ってくると加藤は、
「読書初心者って、面白い言葉だよねぇ」と笑顔で言った。「なんかいい感じ」
本屋さんを出ると、胸に本を抱えた加藤は上機嫌の顔を見せ、
「さ、これから、お茶を飲みながら、鈴木に本の内容を教えてもらおうっと」と元気一杯の声を出した。
ま、加藤とそんな会話もいいか、と思っていると、
突然、僕のぶらつく手の動きが封じられた。
手を握られたのだ。もちろん、加藤に。だが、その加藤の顔を正視できない。前しか見ることが出来ない。
男女で意識的に手を繋ぐ行為。それは初めての体験だった。
脚をかばうように歩く加藤のリズムが、繋いでいる手を通して伝わってくる。
そんな手を、まさか振り払うわけにもいかない。かといって握り返す勇気もない。
胸の鼓動が高まる。落ち着け、落ち着くんだ。
手の力加減、どれくらいがいいんだ?
そうだ。この手を妹のナミと思えばいい。小さい頃、よく手を繋いで歩いた。けれど今は、そんな状況は考えられない。更に気持ちが高ぶってくる。
加藤の手は汗ばみ、更に僕の手も汗ばんでいる。
だが、次第にイヤな感じがしなくなってきた。むしろ、爽やかな感じさえした。相手が加藤だからだろうか。 加藤が気兼ねない存在だからだろうか?
いったい僕の気持ちはどこに向かっていくのだろう。
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