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あれ?
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顔面もろに一撃喰らうとはどういう事なのか。はい、お察し、もう立ち上がれないだろう。
俺は無意味にも最低限、何とか可動した皮と骨しかない雑魚い腕で顔面を覆う。
「うっ」
最後に目を瞑り覚悟を決めた。
ここで負けるのか……。でもまだ諦めた訳じゃない。絶対にメアトのばあさんを助けるんだ。
今日はここまで。何が駄目だった。何で負けた。考えろ、負けた事を後悔しても仕様がないんだ、先に進むために。
………………………………………………………ん?
…………待って?気絶するまで長くね?いや流石にもうこれ以上なんか恥ずかしいよ?言葉発するの……。
何秒間か時が進めど俺の腕がへし折れる事はない。
流石にだろ……。
切迫した状況はどこへやら、強張っていた体の力みを取り、腕を顔から剥がしてから普通に目を開いた。
「ぐうッ……!!」
お前が痛がってるんかい。
何で?長が流血した拳を抑えている姿を視認した。
「は……?」
目を瞑ってる間に怪奇現象でも起きた?……ん?
謎が勝手に増殖する中、自分の肩の方にも何か違和感を感じた。
ずっしりとした重みを感じる。気のせいか体全体が重くなった様にも思う。
俺は違和感の方へゆっくりと顔を持っていった。
え?
「え?えええええええええ!?やべぇ、人間辞めた!?くっそ上がるんだけど!!嬉しっ、うわ!嬉しっ!」
「人間を辞めた事への歓喜が凄い。シオさんのテンションと語彙力がやべぇですよ。最近の煩い女子高生かよ。ってなんで私こんなにツッコミ入れてるんですか」俺の怖いほど上がったテンションに引きながらもツッコミを入れるツイの図は珍しい。
俺がこうなったのもこれを見れば頷けるのではないだろうか。
単刀直入に言うと俺の右肩に翼が生えた。ごめん、言い過ぎた。俺の腕に沿って連動し稼働する鋭利な銀色の羽を持つ翼だ。
そう、び?なんだろうか。
翼は俺の背から右腕の外側を覆い浮遊する。
これが俺を守ってくれたのか……。多分。
予想するに顔を被せた腕の動きに連動して翼は俺の顔を覆ったのだろう。そしてそれを攻撃した長の拳がダメージを受けた……。
やっと俺にも、運が回ってきたと言っていいのか、な。
俺は無意味にも最低限、何とか可動した皮と骨しかない雑魚い腕で顔面を覆う。
「うっ」
最後に目を瞑り覚悟を決めた。
ここで負けるのか……。でもまだ諦めた訳じゃない。絶対にメアトのばあさんを助けるんだ。
今日はここまで。何が駄目だった。何で負けた。考えろ、負けた事を後悔しても仕様がないんだ、先に進むために。
………………………………………………………ん?
…………待って?気絶するまで長くね?いや流石にもうこれ以上なんか恥ずかしいよ?言葉発するの……。
何秒間か時が進めど俺の腕がへし折れる事はない。
流石にだろ……。
切迫した状況はどこへやら、強張っていた体の力みを取り、腕を顔から剥がしてから普通に目を開いた。
「ぐうッ……!!」
お前が痛がってるんかい。
何で?長が流血した拳を抑えている姿を視認した。
「は……?」
目を瞑ってる間に怪奇現象でも起きた?……ん?
謎が勝手に増殖する中、自分の肩の方にも何か違和感を感じた。
ずっしりとした重みを感じる。気のせいか体全体が重くなった様にも思う。
俺は違和感の方へゆっくりと顔を持っていった。
え?
「え?えええええええええ!?やべぇ、人間辞めた!?くっそ上がるんだけど!!嬉しっ、うわ!嬉しっ!」
「人間を辞めた事への歓喜が凄い。シオさんのテンションと語彙力がやべぇですよ。最近の煩い女子高生かよ。ってなんで私こんなにツッコミ入れてるんですか」俺の怖いほど上がったテンションに引きながらもツッコミを入れるツイの図は珍しい。
俺がこうなったのもこれを見れば頷けるのではないだろうか。
単刀直入に言うと俺の右肩に翼が生えた。ごめん、言い過ぎた。俺の腕に沿って連動し稼働する鋭利な銀色の羽を持つ翼だ。
そう、び?なんだろうか。
翼は俺の背から右腕の外側を覆い浮遊する。
これが俺を守ってくれたのか……。多分。
予想するに顔を被せた腕の動きに連動して翼は俺の顔を覆ったのだろう。そしてそれを攻撃した長の拳がダメージを受けた……。
やっと俺にも、運が回ってきたと言っていいのか、な。
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