俺のステータス『軟弱 虚弱 脆弱 惰弱 貧弱 ※時折頑強』

辛いだけ

「「シオ！！」さんッ！！」
ツイとメアトの声が真っ直ぐ飛んだ時にはもう俺の体からこれでもかという程血が噴き出していた。
残りのＨＰは五十パーセントを切った。
「若造、まだ諦める気にはならないか？」
長は傷つき地面に這いつくばった俺を覗き込むようにして見ながらそう言う。

「諦める……訳ないだろ……！」

一瞬会話に集中し気が逸れた長の隙を利用して俺は木の棒を広い顔面を狙って投げると、木の棒は狙い通りの軌道を辿る。
「笑止！」
ただ本気の長には一切の意味を成さなかった。
真顔のまま木の棒を叩き落とし、気が付けば俺の懐に入り込み、腹部へ拳を撃ち込んだ。
「うぐっ……あ゛あ゛あ゛あ゛！！！」
先程抉られた傷が痛みに更に追い打ちをかける。
お、起き上がれない。
痛みに全身が震え、これ以上の戦闘を拒んでいるかの様だ。
「これ以上続けて何が変わる？……やはり何も変わってないではないか。まだ、努力を続けることだな」
「い……や…だ、ね……」
俺は気力を振り絞って無理矢理体を起こす。

「何故……」


「なんで……」
遠目で二人の戦いを見ている最中、メアトは辛そうな顔を浮かべながらぽつりと小さく呟いた。