27 / 36
思い思い
しおりを挟む
正直、頭をいくら働かせて、打開策を考えても可能性が微塵も感じられない。
くそったれ、自分の雑魚さにマジで嫌気が差すわ。
「なんだ、来ないのか?」
にんまり不敵な笑みを浮かべる長の顔が悪魔にしか見えない。
「二階層へ上がるんだろう?攻撃して我を倒したらどうだ?」
「……」
「ふむ、攻め手が無いと?後手に回るのが得意だものな、貴殿は……」
あれ?この兎なんかめっちゃ性格悪くない?
先程から図星をブスブスと何度も突き刺して、俺の顔色が不快になるのを楽しんでいるかの様だ。
「……」
くそう、長は攻めてくる気配がない。このままだとこの状態で三日経つぞ。
さあ、来いよ、と挑発を繰り返す長だが、長の云う通り俺に攻め手はない。
どしよ。
「暇だな。会話でもしようか」
緊張感ゼロかよ。
「何故そこまで二階層に行き急ぐ?」
「二日後に亡くなる命を救うためだ」
「……お前もか」
?
「つまり……呪いか」
「ああ」
なんだ?何か気持ち悪い……。
「「解呪の花」だろ」
!?
俺の声に被せたその声は耳元に吐息と同時に入り込み、ゾクッと背筋が凍らせた。
「諦めろ!!……お前に……まだ……」
そして気づけば長の声が遠ざかっていく。
な、何が起きた?
豹変した長の雰囲気と、自分の身に起きた現象に理解が出来ず俺は目を泳がす。と……、
「がはっ!!」
い、息がッ……。
背中に凄まじい衝撃が走り、やっと俺は投げ飛ばされ巨木に体が衝突したことを理解した。
「すまんな、そこに行くというのなら我は本気を出さねばならん」
「……!!」
衝撃を受け仰向けに落下する俺の目線の先には鋭利に尖った爪。そして爪を俺の体に振り下ろす長の姿。
それは鮮明に。
くそったれ、自分の雑魚さにマジで嫌気が差すわ。
「なんだ、来ないのか?」
にんまり不敵な笑みを浮かべる長の顔が悪魔にしか見えない。
「二階層へ上がるんだろう?攻撃して我を倒したらどうだ?」
「……」
「ふむ、攻め手が無いと?後手に回るのが得意だものな、貴殿は……」
あれ?この兎なんかめっちゃ性格悪くない?
先程から図星をブスブスと何度も突き刺して、俺の顔色が不快になるのを楽しんでいるかの様だ。
「……」
くそう、長は攻めてくる気配がない。このままだとこの状態で三日経つぞ。
さあ、来いよ、と挑発を繰り返す長だが、長の云う通り俺に攻め手はない。
どしよ。
「暇だな。会話でもしようか」
緊張感ゼロかよ。
「何故そこまで二階層に行き急ぐ?」
「二日後に亡くなる命を救うためだ」
「……お前もか」
?
「つまり……呪いか」
「ああ」
なんだ?何か気持ち悪い……。
「「解呪の花」だろ」
!?
俺の声に被せたその声は耳元に吐息と同時に入り込み、ゾクッと背筋が凍らせた。
「諦めろ!!……お前に……まだ……」
そして気づけば長の声が遠ざかっていく。
な、何が起きた?
豹変した長の雰囲気と、自分の身に起きた現象に理解が出来ず俺は目を泳がす。と……、
「がはっ!!」
い、息がッ……。
背中に凄まじい衝撃が走り、やっと俺は投げ飛ばされ巨木に体が衝突したことを理解した。
「すまんな、そこに行くというのなら我は本気を出さねばならん」
「……!!」
衝撃を受け仰向けに落下する俺の目線の先には鋭利に尖った爪。そして爪を俺の体に振り下ろす長の姿。
それは鮮明に。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

ゲームの中に転生したのに、森に捨てられてしまいました
竹桜
ファンタジー
いつもと変わらない日常を過ごしていたが、通り魔に刺され、異世界に転生したのだ。
だが、転生したのはゲームの主人公ではなく、ゲームの舞台となる隣国の伯爵家の長男だった。
そのことを前向きに考えていたが、森に捨てられてしまったのだ。
これは異世界に転生した主人公が生きるために成長する物語だ。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる