俺のステータス『軟弱 虚弱 脆弱 惰弱 貧弱 ※時折頑強』

ぐりーなー

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無意味

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「ツイ、一旦一階層に戻してくれ」
「え?まだどこも回ってませんよ」
「ごめん、今はそれどころじゃないんだ」
「それどころじゃないって……、まずその子は誰です?誰との隠し子ですが?」
少女は俺の服の裾を掴んでキョロキョロと周りに怯える。
「変なこと言うな!!」
「じゃあ何ですか。誰の隠し子ですか?」
「隠し子って言う設定をまずやめろ。この子は呪いの装備だよ」
「え……、ええええ!?」
ツイは大声で驚愕した。
「で、でも呪いの装備って、買ったんですか?ちょま、え?」
「動揺が目に見えるな。取り敢えず一階層に戻してくれ、時間もない、修行しながらまた話すよ」
「は、はあ……」
困惑をしながらも一瞬でライビット達の巣へと場所を戻す。
「ちゃ、ちゃんと説明お願いしますね」
「ああ」

かくかくしかじか。

「ほお……、つまりお人よしさんですね?」
「店主さんにもそう言われたよ」
全てを打ち明けるとツイはふむふむと納得した。
「まあ、やはりライビットの長を倒すために修行以外の方法はありませんね!!」
ツイはおもむろに立ち上がり闘志を燃やす。
「そのつもりなんだが……」
「え?なんですか?不満でした?」
「やり方が、な……」
「持久力アップは基礎ですよ?」
「三日でその基礎が完璧に出来ればいいんだが……」
「確かにシオさんの場合だと五年はかかりますもんね」
「おっとどういう意味だそれは」
「深い意味はないですよ」
「余計傷つくわ」
「あ、じゃあ」
「ん?」
「実戦練習はどうです?ライビットさん達に手を借りて。何か掴めるかもしれませんよ」
「まあ、一理あるかな」
「よし!そうと決まれば!!」
ツイは俺の背中を押してライビットたちの前へと差し出した。
「ちょ……おい……」
ライビットたちはその姿を無表情で眺める。
怖えよ。でも。
「ち、力を貸してくれないか?」

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
と、ライビット達は立ち上がり士気を上げた。そして、不器用に手でグッジョブをつくった。
これはこれで怖い。
快諾するライビットたちは既にやる気満々であり、何かを悟ったのか何匹かが攻撃を開始する。
「ちょっと待って!俺の心の準備不足!!」
しかし、聞く耳を持たない。攻撃は繰り替えし繰り出される。
俺は回避を出来ずに諸に攻撃を喰らう。
ふ、普通に痛い。
ライビットたちに容赦はない様だ。
三匹同時に動く。右に左に真ん中に、どのタイミングで動いてくる……?
最初は右のライビットか!!既に拳を討つモーションをしていた。だが、避けられるか?体は雑魚いし、受けてから、反撃に……。
体の傷くらいいくつでも受け入れてやる……!!
俺は避けずにライビットの拳を一つ腹部へと喰らう。
左から足払いをしにもう一匹のライビット。
っく、しまった!!
痛みを一瞬我慢出来ず、気がそっちにいってしまった。その隙に足払いをくらい、最後に俺の顔面を正面からぶん殴る。
「あがっ」
脳が揺れる、思考が回らない。
でも、ここで負けたら長を倒すなんて夢のまた夢。

『努力の方向性を間違えるな』

頭にその言葉がリフレインした。
俺は何か間違ったことをしてるのか?
ふと我に返ると、その言葉の意味を脳内が探り始める。
他に何を言ってたっけ。
自分を傷つけるな、とか……、自分を驕るな、とも言ってたっけ。
自分を傷つけるな、って……、戦い方の事か?攻撃を喰らう覚悟で挑むなって、でもそうしなきゃ俺なんて。

「……な、なんで、よ、避けないんでしょう」

ふと少女がぽつりと言葉をこぼした。
「え?」
「あ、え、えっと…………、なんでも、ないです」
聞き間違い、か?
    
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