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このサジェスト共めがっ!
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「はい!そこで右ですっ!ああー!もう違う!この豚ッ!いえ、豚さんでももっと早く動きますよ!?」
どんだけ辛辣だよ。何に目覚めたんだよ。
「ツイ楽しんでんだろ!!」
「もちろん!」
くっそ!!こっちは必死なのに……。
サングラスにレザージャケット来てムチを持った兎達に一時間鬼ごっこ……。
理解し難いこの状況!
「こんなんじゃまたライビットさんの長に負けますよ!!」
「分かってるよ!!」
だからと言ってこれをこなせば勝て確証なんてないんだよな!!
あれから二日が経ち、俺は頭をフル回転させ考えていた。
ライビットつまりはこいつら、電気を纏ったサジェスト変態兎の長に敗北し言われた言葉が引っかかる。
『努力の方向性を間違えるな。何を必死になっている。自らを驕るな』
そりゃ必死になるだろ、頑張んなきゃいけないんだから……。守るために……。自分の体を削ってでも勝たなきゃいけないんだから…………何も間違ってないよな?
二日前、ミュンタルが去った後。
「着きましたね!!」
「そう……だな……」
「あれ?何故体がフラフラ?戦ってもないのに。もー、女の子じゃないんですからー」
「お前がモンスターなんだよ!五時間も走ったら体壊れるからっ!」
「またまたぁ。女子でも十時間は無呼吸で宇宙空間に居られるのに」
「種族違くない?」
「ま、シオさんの冗談はさておいて」
こいつマジか。
俺はツイにナビゲートされるまま第一階層へ到着した。
第二階層も悲惨だったが、こちらは方向性を変えてもっと悲惨だった。
木々が人々の生活を破壊している姿が目に映る。家を貫き、人を貫き、ほぼ森だ。
「初めの塔は木迷の森。つまりは自然を司る竜の巣舞う場所です」
「ここの一階層がここまで荒れてるのはその木迷の塔にいる竜が原因ってわけだな」
「です。この道をあと五十メートル進めば目的地ですよ」
「もう随分前から見えてるよ」
前方、上を見上げれば天高く伸びる巨木が視界全体を覆う。恐らくこれが塔なのだろう。
そうこうしてやっとこさ塔の入口まで来た。
思いのほかすんなりと来れてしまった。
入口へ来たからと言ってこれと言ったトラップがある訳ではなく、否、寧ろ何もなかった。木々さえもその周辺にはない。
危険を察知して全てが寄り付かない?
それとは裏腹に入口の先には深い深い広域の闇の世界があり、看板はなくともデンジャーと言う言葉を塔自身が物語っていた。
よし。と覚悟を決めて一歩を踏み出し闇へ。
「Wao!!」
ネイティブアメリカン並みの発音で驚いてしまった。
ゲームでよくある感じだ。入口は暗闇に覆われている、しかし入れば全く別の異空間、みたいな。
現状視認出来るのは、俺よりも数倍高身長の生い茂った雑草や大樹達、木々の隙間から降り注ぐ謎の光くらいだ。周りを見渡してもデカい木に視界が持っていかれる。言ってしまえば外と何ら変わりはない。変わったことと言えば……。
「モンスターだ!」
はっ。流石に目を輝かせて声を上げてしまった。
モンスターが目の前にいるという事だ。
「おお!早速ですねー」
どんだけ辛辣だよ。何に目覚めたんだよ。
「ツイ楽しんでんだろ!!」
「もちろん!」
くっそ!!こっちは必死なのに……。
サングラスにレザージャケット来てムチを持った兎達に一時間鬼ごっこ……。
理解し難いこの状況!
「こんなんじゃまたライビットさんの長に負けますよ!!」
「分かってるよ!!」
だからと言ってこれをこなせば勝て確証なんてないんだよな!!
あれから二日が経ち、俺は頭をフル回転させ考えていた。
ライビットつまりはこいつら、電気を纏ったサジェスト変態兎の長に敗北し言われた言葉が引っかかる。
『努力の方向性を間違えるな。何を必死になっている。自らを驕るな』
そりゃ必死になるだろ、頑張んなきゃいけないんだから……。守るために……。自分の体を削ってでも勝たなきゃいけないんだから…………何も間違ってないよな?
二日前、ミュンタルが去った後。
「着きましたね!!」
「そう……だな……」
「あれ?何故体がフラフラ?戦ってもないのに。もー、女の子じゃないんですからー」
「お前がモンスターなんだよ!五時間も走ったら体壊れるからっ!」
「またまたぁ。女子でも十時間は無呼吸で宇宙空間に居られるのに」
「種族違くない?」
「ま、シオさんの冗談はさておいて」
こいつマジか。
俺はツイにナビゲートされるまま第一階層へ到着した。
第二階層も悲惨だったが、こちらは方向性を変えてもっと悲惨だった。
木々が人々の生活を破壊している姿が目に映る。家を貫き、人を貫き、ほぼ森だ。
「初めの塔は木迷の森。つまりは自然を司る竜の巣舞う場所です」
「ここの一階層がここまで荒れてるのはその木迷の塔にいる竜が原因ってわけだな」
「です。この道をあと五十メートル進めば目的地ですよ」
「もう随分前から見えてるよ」
前方、上を見上げれば天高く伸びる巨木が視界全体を覆う。恐らくこれが塔なのだろう。
そうこうしてやっとこさ塔の入口まで来た。
思いのほかすんなりと来れてしまった。
入口へ来たからと言ってこれと言ったトラップがある訳ではなく、否、寧ろ何もなかった。木々さえもその周辺にはない。
危険を察知して全てが寄り付かない?
それとは裏腹に入口の先には深い深い広域の闇の世界があり、看板はなくともデンジャーと言う言葉を塔自身が物語っていた。
よし。と覚悟を決めて一歩を踏み出し闇へ。
「Wao!!」
ネイティブアメリカン並みの発音で驚いてしまった。
ゲームでよくある感じだ。入口は暗闇に覆われている、しかし入れば全く別の異空間、みたいな。
現状視認出来るのは、俺よりも数倍高身長の生い茂った雑草や大樹達、木々の隙間から降り注ぐ謎の光くらいだ。周りを見渡してもデカい木に視界が持っていかれる。言ってしまえば外と何ら変わりはない。変わったことと言えば……。
「モンスターだ!」
はっ。流石に目を輝かせて声を上げてしまった。
モンスターが目の前にいるという事だ。
「おお!早速ですねー」
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