上 下
13 / 17

9.なぎさ対ナーガの劣化種

しおりを挟む
ナーガの劣化種と対峙した私は周りの新人冒険者逃げるよう呼びかける。
ただ、何人かの人は逃げることが出来ずにナーガの劣化種に胴を引きちぎられ、こと切れている。
「………ナーガの劣化種ってこういうものなの………?」私は納得できずにそう呟いた。
『ああ。ナーガは多少知性があるから、共存することも出来るが、ナーガの劣化種になると知性もなにもないただの魔物だからな。』ロディアスは私の呟きにそう答えてくれる。
ナーガの劣化種が私の目の前にいる少女を黄色の目で射抜いた。
少女は怖れと恐怖で動けないようだった。
私はナーガの劣化種から少女をかばうように立った。
ナーガの劣化種は私を好奇心の覗く瞳で見ている。
ロディアスは私の肩から飛び降りて、体を馬ほど大きくして鱗を逆立てな唸った。
「ロディアス、彼女を守っていて。私がケリを着けるわ。」私はロディアスに言うと、『ッ!?何故だ?俺はお前以外守る気はないのに。』ロディアスは少女を気にせず言う。
少女はロディアスほど小さい竜が馬ぐらいになって、喋ったことで驚いている。
「ナーガの劣化種を私の力だけで倒したら、私の冒険者ランクに泊が付くでしょう?」私は、ロディアスに言った。
ロディアスは私の瞳をじっと見つめて私の真意を探っているようだった。
『………俺は怖い。俺はまた大事な人を失ってしまうかもしれないということが。』ロディアスはそう私に言った。
確かにロディアスの瞳の奥には恐怖の光がある。
「………また?」私はそうロディアスに聞くが、ロディアスは答えることなく、ナーガの劣化種に目をやった。
ナーガの劣化種は、痺れを切らして私に襲いかかる。
『行ってくるがいい。遠距離魔法で支援するだけにとどめておく。』ロディアスはため息を吐くと、首を弓なりにしならせ、口をガッと開くと首を思いっきり伸ばして口から炎のブレスを放った。
ナーガの劣化種の全体にかかったブレスは高熱であり、ナーガの劣化種の肉をじわじわと焼いた。
ーーーキシャァァァァァァァァ!!
ナーガの劣化種は、高熱の炎に焼かれ悲痛な鳴き声を上げた。
『なぎさッ、今だッ!』ロディアスはそう吠えるように叫んだ。
私は、ロディアスの言葉でナーガの劣化種の前に飛び出した。
ナーガの劣化種は突然飛び出した私に驚いたようだったが、くわりと口を開けて私の体に牙をさし込もうとしている。
私は、それをするりと避ける。
牙の攻撃を避けられたナーガの劣化種は私を威嚇して、尾を高速で振りかざしてくる。
それをジャンプで避けると、私はナーガの劣化種の尾を二本の刀をクロスにして止めた。
ーーーキシャァァァァァァ!!
ナーガの劣化種は、私が尾を止めたことが気に食わないというように鳴いた。
ーーーグルルルルルルルル、ガルルルルゥゥ!!
ロディアスはそう大きくナーガの劣化種に吠えた。
そして、口から再び炎のブレスを放った。
ナーガの劣化種は、再び高熱の炎に焼かれ、悲鳴をあげる。
その隙に私はナーガの劣化種の首を切りつけた。
首を刀で切りつけるとナーガの劣化種は胴から首を切り離され、傷から血を噴出させながら地面に横たわった。
辺りに血だまりができる。
私はナーガの劣化種の討伐を終えたのだった。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

神聖国 ―竜の名を冠する者―

あらかわ
ファンタジー
アステラ公国、そこは貴族が治める竜の伝説が残る世界。 無作為に村や街を襲撃し、虐殺を繰り返す《アノニマス》と呼ばれる魔法を扱う集団に家族と左目を奪われた少年は、戦う道を選ぶ。 対抗組織《クエレブレ》の新リーダーを務めることとなった心優しい少年テイトは、自分と同じく魔法強化の刺青を入れた 《竜の子》であり記憶喪失の美しい少女、レンリ 元研究者であり強力な魔道士、シン 二人と出会い、《アノニマス》との戦いを終わらせるべく奔走する。 新たな出会いと別れを繰り返し、それぞれの想いは交錯して、成長していく。 これは、守るために戦うことを選んだ者達の物語。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

無貌の男~千変万化のスキルの力で無双する。

きゅうとす
ファンタジー
化粧師の男は異世界に転移したことでスキルとして力を得てその特異な力を使って村人から商人、そして冒険者や傭兵となる。男を巡って女が集まり、様々な思惑が男を巻き込んでいく。

「これは貴女が主人公の物語だろ?」幼馴染みの聖女の付き人になってしまった…

ke-go
ファンタジー
転生者のロイ。 新しい世界でスローライフを満喫する 隠れ勇者だ。 15歳の時に教会で職業を掲示される。 幼馴染みのアイラは聖女【光女帝】 可哀想に5年もかかる帝都への旅を告げられている。 泣きながら抱きついてくるアイラだが… 俺にはどうしてあげる事も出来ない。 そして最後に俺の職業が提示された は? 聖女【光女帝】の付き人だと! 女神に願い手に入れた異世界スローライフが 一気に崩れる! 隠れ勇者で聖女の付き人。 俺は彼女を守りながら帝都を目指す! 違う!俺はただの付き人だ! これは貴女が主人公の物語だ! ※こちらの作品は、小説家になろう様でも投稿しています。

その世界に竜騎士団ができるまで

悠誠(ハルカマコト)
ファンタジー
 神様の頼みを聞いて異世界へと転生することになった主人公。  世界で主人公一人しか使えない魔法――『翻訳』を使って、第二の人生を謳歌する。  まるで戦闘に向かない翻訳魔法が、ファンタジー世界での地位を確立するまでの物語。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

彼女の幸福

豆狸
恋愛
私の首は体に繋がっています。今は、まだ。

美人すぎる女神様と結婚しちゃいました

夜月連
ファンタジー
感想文お待ちしております Twitter @Yozsuki_Renリプ多め @Yozsuki_Renbot

処理中です...