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13話 アステリア・ニア・サーラス(sideイブリス)
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俺の名は、イブリス・デア・サーラス。
サーラス帝国、皇帝の息子である俺には皇太子の兄上がいて、俺は生まれながら兄上の臣下になることがきまっていた。
オルフェウスの時代から続く由緒正しい帝国だ。
オルフェウスの脅威から帝国を守り切った初代皇帝の作った軍隊を持つ超軍事国家である。
その軍事力は今も健在であり、大陸一、いや、世界一といっても過言ではない。
長期休暇の時、俺は故郷のサーラス帝国に帰ってきていた。
俺は門をくぐり、蒼狼宮と呼ばれる美しい城の城内に入る。
「兄様!」
城内に入れば、緩くウェーブのかかった美しい金髪を揺らし、俺より2個年下である14歳の異母兄弟、第四皇子のヴェルレス・デア・サーラスが出迎えてくれた。
王立セルシア学園に入学し、特別寮に入ったことで会う頻度が少なくなったため、久しぶりに会えると聞いてはしゃいだのだろう。
美しい民族衣装はしっとりと汗に濡れていた。
「兄様、学園のお話を聞かせてください!」
キラキラとした海のような蒼の瞳で俺を見るヴェルレスに、俺は苦笑しながら頷いた。
「僕のお部屋でお茶しながらでも、聞かせてくれますか?お茶菓子を用意してるんです。」
そう言って、ヴェルレスと俺はヴェルレスの部屋へと向かう。
そのとき。
廊下にいた侍女たちがひそひそと話しているのが見えた。
侍女たちの視線の先には、ヴェールを頭から被る男の姿が見える。
「叔父様、叔父様も兄様のお迎えですか?」
ヴェルレスがそう彼、父上の弟であるアステリア・ニア・サーラスに問えば、アステリア・ニア・サーラス…叔父上はこくり、と頷いた。
獣…狼の耳と尾を持つ叔父上は父上に疎まれている。
故に城内では、よほどのことがない限りしゃべらない。
また、しゃべることがあっても、叔父上が幼少期に言葉に触れる機会が少なかったせいか、少したどたどしくしゃべる。
父上にはそのことが気味悪いようだった。
面と面を向って罵倒される叔父上は、その時表情は一切変わらないのだ。
叔父上と関わる皇族は、俺とヴェルレス、妹のメアリスのみ。
俺の二人の兄は、叔父上に近寄りもしない。
「叔父様、叔父様もお茶をしませんか?兄様のお話を聞くんです。」
そうヴェルレスが聞けば、叔父上はこくり、と頷いた。
叔父上と合流し、ヴェルレスの部屋へと移動する。
叔父上が参加する茶会と呼べるかどうかもわからないもののお茶を淹れる役目はヴェルレスである。
それは、侍女たちが叔父上を気味悪がり、お茶を淹れてくれないからだ。
ヴェルレスは何故か茶を淹れるのが上手い。
侍女よりも。
それを知るのは、ヴェルレスの母君とメアリス、俺と叔父上のみだ。
ヴェルレスが茶を淹れる場面が限られているせいもある、というのは誰もが知っていた。
「兄様、学園ではどうですか?」
「なかなか楽しいぜ。オルフェウスの鱗を継承した奴がいるって言っただろ?そいつはギルファ・オルザードって言ってな、この前貰った魔剣を抜いたんだよ。」
俺はそうヴェルレスに言って、ヴェルレスの淹れてくれた茶を啜った。
うん、うまい。
俺の言葉に叔父上の耳がぴくりと動いた。
なにか、気になっているようだが、何を気になっているのか分からない。
叔父上って表情に感情が出ないから、何考えてるか分からないんだよな。
忌み子じゃなかったら、いい為政者になってただろう。
「そうなんですか?じゃあ、叔父様の予言が当たったんですね。」
ヴェルレスはそう俺に言った。
「叔父上は、何故あの剣が抜かれると分かったんですか?」
俺がそう聞けば、叔父上の尾がファサファサと揺れる。
尾が揺れるのは初めての反応だ。
「……あの剣は、竜の剣。命を象る、死を運ぶ剣。魔剣は、主を選び、魂を繋ぐ。魔剣の、魂の共鳴を、聞き取るのは、この耳を持つ、自分には容易い。」
そう叔父上は言った。
よくわかんねぇな……。
「叔父様の耳はそんなことも聞き取れるんですねぇ。」
ヴェルレスは素直に関心した。
言葉通りに受け取れるっていいな。
この察しの良い弟だから、もしかするとそう見せているだけかもしれない。
やっぱ、腹芸は得意じゃないな。
「この耳は、神狼の耳。神狼の耳は、あらゆる嘘、真実を聞き分け、神狼の目は、この世の、すべてを見通す。」
「え?叔父上の獣の体は耳と尾だけじゃないんですか?」
「違う。自分の、体はすべて、神狼のもの。耳も、尾も、歯も、目も、爪も、腕も、足も、すべて。」
その言葉に俺は首を傾げた。
意味が分からない。
「………自分は、ただの、人間じゃない。」
それは知ってる。
人間は、獣の耳も尾も持っていないのだ。
「そして、サーラスも。サーラスは、神狼のもの。神狼の血を、引くが故に、神狼の、特徴を、持つ子が、生まれる。」
その言葉に、俺の頭は真っ白になった。
父上は……そのことを知って、叔父上を虐げているのか……?
「父様はそのことを知っているんですか?」
ヴェルレスはのんびりと聞く。
「知らない……はず。」
はあっ!?
父上が知らないなら、なんで叔父上は知ってるんだよ!?
「な、なんで叔父上は知ってるんですか!?」
「神狼が、教えた。これは、口伝。百年前の、火事で、口伝は、途絶えた。今、皇帝に、伝わる、口伝は、ない。」
俺が慌てて問えば、ゆっくりと答えてくれる。
途絶えた口伝を、父上に伝えることはしないようだった。
コン、コン。
部屋のドアがノックされる。
まずい、聞かれたか?
ドアを開けたのは、側室の娘でヴェルレスの弟であるメアリス・メル・サーラスだ。
「お兄様、ご機嫌よう。お変わりないようで安心しましたわ。先ほどのお話、お聞かせ願えませんか、叔父様?」
メアリスは10歳とは思えない、大人びた様子で挨拶をし、そう叔父上へと問う。
「…許す。座るといい。」
「失礼いたします、お兄様方。」
叔父上の許可のもと、メアリスは余りの席へと座った。
侍女が仕事をしない以上、誰が座ってもよいように、席は余分に用意してある。
叔父上と仲が良いのは、俺とヴェルレス、メアリスの他にヴェルレスとメアリスの母、セレーネ様のみだ。
父上はセレーネ様が、叔父上に近づくことを許さないので、内密に会っているようだった。
叔父上は、大胆である。
「……口伝は、もともと、自分と同じ、神狼の、相を、持つ者が、伝え始めた。それは、初代皇帝、エルドランテ。エルドランテは、子孫に、数個の、口伝を、残した。サーラスの、民は、神狼の血を、持つこと。皇帝は、今の、公爵家、アウローラの、血を持つ、宝石を、受け継いだ、長女とは、婚姻を、結ばないこと。結ぶ場合は、側妃に、すること。時折、先祖返りが、生まれること。この帝国を、異種族の、住みやすい地に、すること。…オルフェウスの、伝承も、神狼の、伝承も、この世界の、いずれ、起こる、変化も……すべて、口伝にあった。」
そう叔父上は零す。
口伝を語る、叔父上は。
悲しそう…だった。
「……オルフェウスの伝承も?今に伝わらなかった伝承もあるんですか!?」
俺がそう大きな声で問えば、うるさかったらしく、耳を伏せながらも叔父上はコクリ、と頷いた。
「……オルフェウスは、半竜の、子。初代皇帝、エルドランテの、子。冥王竜の、血を継いだ、帝国の、皇太子。」
その言葉に俺は、大きく目を見開く。
驚き過ぎて、声も出なかった。
オルフェウスが帝国の皇太子だったと、誰が予想できただろう。
きっと、ルナリアも知らない事実。
帝国が、他国を侵略しない国であった理由。
帝国の皇帝が、賢帝であった理由。
それは。
オルフェウスの二の舞にならないためだったのだ。
そして、オルフェウス相手に帝国が生き残れた理由。
それは、オルフェウスが祖国を愛する者だったから。
きっと初代皇帝エルドランテは。
帝国の次期皇帝、皇太子がオルフェウスだった事実を隠蔽し、皇帝のみが知れるようにした。
帝国の、さらなる安寧と栄光のために。
サーラス帝国、皇帝の息子である俺には皇太子の兄上がいて、俺は生まれながら兄上の臣下になることがきまっていた。
オルフェウスの時代から続く由緒正しい帝国だ。
オルフェウスの脅威から帝国を守り切った初代皇帝の作った軍隊を持つ超軍事国家である。
その軍事力は今も健在であり、大陸一、いや、世界一といっても過言ではない。
長期休暇の時、俺は故郷のサーラス帝国に帰ってきていた。
俺は門をくぐり、蒼狼宮と呼ばれる美しい城の城内に入る。
「兄様!」
城内に入れば、緩くウェーブのかかった美しい金髪を揺らし、俺より2個年下である14歳の異母兄弟、第四皇子のヴェルレス・デア・サーラスが出迎えてくれた。
王立セルシア学園に入学し、特別寮に入ったことで会う頻度が少なくなったため、久しぶりに会えると聞いてはしゃいだのだろう。
美しい民族衣装はしっとりと汗に濡れていた。
「兄様、学園のお話を聞かせてください!」
キラキラとした海のような蒼の瞳で俺を見るヴェルレスに、俺は苦笑しながら頷いた。
「僕のお部屋でお茶しながらでも、聞かせてくれますか?お茶菓子を用意してるんです。」
そう言って、ヴェルレスと俺はヴェルレスの部屋へと向かう。
そのとき。
廊下にいた侍女たちがひそひそと話しているのが見えた。
侍女たちの視線の先には、ヴェールを頭から被る男の姿が見える。
「叔父様、叔父様も兄様のお迎えですか?」
ヴェルレスがそう彼、父上の弟であるアステリア・ニア・サーラスに問えば、アステリア・ニア・サーラス…叔父上はこくり、と頷いた。
獣…狼の耳と尾を持つ叔父上は父上に疎まれている。
故に城内では、よほどのことがない限りしゃべらない。
また、しゃべることがあっても、叔父上が幼少期に言葉に触れる機会が少なかったせいか、少したどたどしくしゃべる。
父上にはそのことが気味悪いようだった。
面と面を向って罵倒される叔父上は、その時表情は一切変わらないのだ。
叔父上と関わる皇族は、俺とヴェルレス、妹のメアリスのみ。
俺の二人の兄は、叔父上に近寄りもしない。
「叔父様、叔父様もお茶をしませんか?兄様のお話を聞くんです。」
そうヴェルレスが聞けば、叔父上はこくり、と頷いた。
叔父上と合流し、ヴェルレスの部屋へと移動する。
叔父上が参加する茶会と呼べるかどうかもわからないもののお茶を淹れる役目はヴェルレスである。
それは、侍女たちが叔父上を気味悪がり、お茶を淹れてくれないからだ。
ヴェルレスは何故か茶を淹れるのが上手い。
侍女よりも。
それを知るのは、ヴェルレスの母君とメアリス、俺と叔父上のみだ。
ヴェルレスが茶を淹れる場面が限られているせいもある、というのは誰もが知っていた。
「兄様、学園ではどうですか?」
「なかなか楽しいぜ。オルフェウスの鱗を継承した奴がいるって言っただろ?そいつはギルファ・オルザードって言ってな、この前貰った魔剣を抜いたんだよ。」
俺はそうヴェルレスに言って、ヴェルレスの淹れてくれた茶を啜った。
うん、うまい。
俺の言葉に叔父上の耳がぴくりと動いた。
なにか、気になっているようだが、何を気になっているのか分からない。
叔父上って表情に感情が出ないから、何考えてるか分からないんだよな。
忌み子じゃなかったら、いい為政者になってただろう。
「そうなんですか?じゃあ、叔父様の予言が当たったんですね。」
ヴェルレスはそう俺に言った。
「叔父上は、何故あの剣が抜かれると分かったんですか?」
俺がそう聞けば、叔父上の尾がファサファサと揺れる。
尾が揺れるのは初めての反応だ。
「……あの剣は、竜の剣。命を象る、死を運ぶ剣。魔剣は、主を選び、魂を繋ぐ。魔剣の、魂の共鳴を、聞き取るのは、この耳を持つ、自分には容易い。」
そう叔父上は言った。
よくわかんねぇな……。
「叔父様の耳はそんなことも聞き取れるんですねぇ。」
ヴェルレスは素直に関心した。
言葉通りに受け取れるっていいな。
この察しの良い弟だから、もしかするとそう見せているだけかもしれない。
やっぱ、腹芸は得意じゃないな。
「この耳は、神狼の耳。神狼の耳は、あらゆる嘘、真実を聞き分け、神狼の目は、この世の、すべてを見通す。」
「え?叔父上の獣の体は耳と尾だけじゃないんですか?」
「違う。自分の、体はすべて、神狼のもの。耳も、尾も、歯も、目も、爪も、腕も、足も、すべて。」
その言葉に俺は首を傾げた。
意味が分からない。
「………自分は、ただの、人間じゃない。」
それは知ってる。
人間は、獣の耳も尾も持っていないのだ。
「そして、サーラスも。サーラスは、神狼のもの。神狼の血を、引くが故に、神狼の、特徴を、持つ子が、生まれる。」
その言葉に、俺の頭は真っ白になった。
父上は……そのことを知って、叔父上を虐げているのか……?
「父様はそのことを知っているんですか?」
ヴェルレスはのんびりと聞く。
「知らない……はず。」
はあっ!?
父上が知らないなら、なんで叔父上は知ってるんだよ!?
「な、なんで叔父上は知ってるんですか!?」
「神狼が、教えた。これは、口伝。百年前の、火事で、口伝は、途絶えた。今、皇帝に、伝わる、口伝は、ない。」
俺が慌てて問えば、ゆっくりと答えてくれる。
途絶えた口伝を、父上に伝えることはしないようだった。
コン、コン。
部屋のドアがノックされる。
まずい、聞かれたか?
ドアを開けたのは、側室の娘でヴェルレスの弟であるメアリス・メル・サーラスだ。
「お兄様、ご機嫌よう。お変わりないようで安心しましたわ。先ほどのお話、お聞かせ願えませんか、叔父様?」
メアリスは10歳とは思えない、大人びた様子で挨拶をし、そう叔父上へと問う。
「…許す。座るといい。」
「失礼いたします、お兄様方。」
叔父上の許可のもと、メアリスは余りの席へと座った。
侍女が仕事をしない以上、誰が座ってもよいように、席は余分に用意してある。
叔父上と仲が良いのは、俺とヴェルレス、メアリスの他にヴェルレスとメアリスの母、セレーネ様のみだ。
父上はセレーネ様が、叔父上に近づくことを許さないので、内密に会っているようだった。
叔父上は、大胆である。
「……口伝は、もともと、自分と同じ、神狼の、相を、持つ者が、伝え始めた。それは、初代皇帝、エルドランテ。エルドランテは、子孫に、数個の、口伝を、残した。サーラスの、民は、神狼の血を、持つこと。皇帝は、今の、公爵家、アウローラの、血を持つ、宝石を、受け継いだ、長女とは、婚姻を、結ばないこと。結ぶ場合は、側妃に、すること。時折、先祖返りが、生まれること。この帝国を、異種族の、住みやすい地に、すること。…オルフェウスの、伝承も、神狼の、伝承も、この世界の、いずれ、起こる、変化も……すべて、口伝にあった。」
そう叔父上は零す。
口伝を語る、叔父上は。
悲しそう…だった。
「……オルフェウスの伝承も?今に伝わらなかった伝承もあるんですか!?」
俺がそう大きな声で問えば、うるさかったらしく、耳を伏せながらも叔父上はコクリ、と頷いた。
「……オルフェウスは、半竜の、子。初代皇帝、エルドランテの、子。冥王竜の、血を継いだ、帝国の、皇太子。」
その言葉に俺は、大きく目を見開く。
驚き過ぎて、声も出なかった。
オルフェウスが帝国の皇太子だったと、誰が予想できただろう。
きっと、ルナリアも知らない事実。
帝国が、他国を侵略しない国であった理由。
帝国の皇帝が、賢帝であった理由。
それは。
オルフェウスの二の舞にならないためだったのだ。
そして、オルフェウス相手に帝国が生き残れた理由。
それは、オルフェウスが祖国を愛する者だったから。
きっと初代皇帝エルドランテは。
帝国の次期皇帝、皇太子がオルフェウスだった事実を隠蔽し、皇帝のみが知れるようにした。
帝国の、さらなる安寧と栄光のために。
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