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2.世界の裏側の竜
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私、アゲハは世界の裏側《破鏡ノ世》に迷い込んだらしかった。
「……あなたは誰?」私はここが《破鏡ノ世》と教えてくれた男の人に聞く。
「ああ、俺は灰島 無限。この《破鏡ノ世》の研究をしている。君は?」そう男の人改め、灰島さんは聞いてくる。
「……私は、龍宮 彩葉。家の鏡からこちらの世界に迷い込んでしまって。出る方法を教えてほしいのだけど。」私はそう灰島さんに言ってみると、
「わかった。出る方法は、入って来たところから出るのが1番早い。だが……」そう灰島さんは答えて表情を曇らせた。
私にも、灰島さんが表情を曇らせた理由がわかってしまった。
「……ええ。私が入って来たところは、上だものね。それ以外にはないのかしら?」私は灰島さんに聞いてみると、
「あることにはあるんだがなぁ。」と灰島さんはなんだか煮え切らない答え方をした。
「教えてもらうだけは出来ない?」私が灰島さんに聞くと、灰島さんは頷いた。
「ここには、鏡破竜 スペクエルという支配者がいるんだが、そのスペクエルが表と裏の世界に自由行き来することが出来る。スペクエルに表の世界に連れて帰らせてもらえば帰ることが出来るかもしれないが、それは無理に近いだろうな。普通、スペクエルは、侵入者を嫌う。見つければ、すぐに攻撃してくる。」そう灰島さんは言った。
ーーーーキュイィィィィン、キュアァァァァァ!!
そういう鳴き声が聞こえてきたかと思えば、空中に巨大な龍が浮いていた。
黒曜石のような漆黒の鱗に覆われた体躯、サファイアやアクアマリンの石のような青模様の鱗は宝石で作られた龍の置物のように美しかった。
青い宝石の原石が鱗のあちこちに生えている。
そして、深紅の瞳はルビーのように輝いており、心でも見透かしそうにとても澄んでいた。
とても小さく、飛べなさそうなコウモリの皮膜がついた鱗だらけの二対四翼の翼をゆっくりと上下させて、こちらを睥睨している。
この龍が鏡天竜 スペクエル…………。
名前に恥じない威圧的な龍だった。
「……あなたは誰?」私はここが《破鏡ノ世》と教えてくれた男の人に聞く。
「ああ、俺は灰島 無限。この《破鏡ノ世》の研究をしている。君は?」そう男の人改め、灰島さんは聞いてくる。
「……私は、龍宮 彩葉。家の鏡からこちらの世界に迷い込んでしまって。出る方法を教えてほしいのだけど。」私はそう灰島さんに言ってみると、
「わかった。出る方法は、入って来たところから出るのが1番早い。だが……」そう灰島さんは答えて表情を曇らせた。
私にも、灰島さんが表情を曇らせた理由がわかってしまった。
「……ええ。私が入って来たところは、上だものね。それ以外にはないのかしら?」私は灰島さんに聞いてみると、
「あることにはあるんだがなぁ。」と灰島さんはなんだか煮え切らない答え方をした。
「教えてもらうだけは出来ない?」私が灰島さんに聞くと、灰島さんは頷いた。
「ここには、鏡破竜 スペクエルという支配者がいるんだが、そのスペクエルが表と裏の世界に自由行き来することが出来る。スペクエルに表の世界に連れて帰らせてもらえば帰ることが出来るかもしれないが、それは無理に近いだろうな。普通、スペクエルは、侵入者を嫌う。見つければ、すぐに攻撃してくる。」そう灰島さんは言った。
ーーーーキュイィィィィン、キュアァァァァァ!!
そういう鳴き声が聞こえてきたかと思えば、空中に巨大な龍が浮いていた。
黒曜石のような漆黒の鱗に覆われた体躯、サファイアやアクアマリンの石のような青模様の鱗は宝石で作られた龍の置物のように美しかった。
青い宝石の原石が鱗のあちこちに生えている。
そして、深紅の瞳はルビーのように輝いており、心でも見透かしそうにとても澄んでいた。
とても小さく、飛べなさそうなコウモリの皮膜がついた鱗だらけの二対四翼の翼をゆっくりと上下させて、こちらを睥睨している。
この龍が鏡天竜 スペクエル…………。
名前に恥じない威圧的な龍だった。
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