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プルガトリオ
暴食者の手は果実に届かない
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グノートス遺跡 第8階層 11:17 a.m.(推定) パラヘルメース
パラヘルメースは硬い石のベッドに横たわって本を読んでいた。ペラペラとページをめくる。彼は既に2度この本を読んでおり、もうこれで3周目である。
同じものを3度も立て続けに読むとさすがに飽きてしまう。むくりと起き上がると何をするでもなく、ただゆらゆらと体をゆすっていた。
パラヘルメースはこの退屈な時間をベアトリーチェと過ごすつもりであった。彼女とただ会話を交わせていられるだけで退屈は吹き飛ぶ。まさに夢のような時間を過ごせるはずだったのだ。
ところが、彼女は戦奴の男と、ラルフの無実を晴らそうと捜査に赴いている。百歩譲って事件解決のため動いてくれるのは分かる。パラヘルメースはラルフが疑わしいという考えは曲げずとも、感情的に推理を働かせてしまったことに反省していたのだ。
しかしなぜゆえに彼女はフランチェスコと行動を共にするのか、パラヘルメースには分からなかった。思い返すと、ベアトリーチェと会話する時はいつもフランチェスコの存在が関わっている気がしてきていた。よもや二人は既に親密な関係を結んでいるのではないか、いやそれならばもっとはっきりと自分の誘いを断っていたはずではないか。
ありもしない事柄にパラヘルメースは頭をひねった。
遠くで何やら会話が聞こえた。パラヘルメースの耳がピクリと動く。本来ならまったく気にしないところだが、その声の主がベアトリーチェと分かるとパラヘルメースは浮足立った。下での調査を終えて帰ってきたのだ。結果を聞くのを口実に彼女に話しかけられるチャンスである。
そう思うとパラヘルメースは居ても立ってもいられず、すぐさま部屋を飛び出した。東通路を縦断し、南通路に出る。
ベアトリーチェはレアンドロの部屋に入るところであった。彼女の肩に手を置くと同時に声をかける。ビクリと彼女は身を震わせて退いた。
「いや、申し訳ありません。そこまで驚かれるとは思わなくて」
「…次はないと思いなさい」
ベアトリーチェは凄んだが、パラヘルメースにはびくびくと怯える小動物のようにひどく可愛らしく見えた。
「捜査の結果をお話しいただけないですか、ノーノさん」
「はあ、仕方ないわね。片手間で説明するから邪魔はしないこと。いいかしら」
彼はにこやかにうなずいた。喜びでベアトリーチェにフランチェスコの口癖がうつっていることに気づかなかった。
「まず致命傷だけど、喉にあった傷であると断定したわ。その他に右側頭部に殴打された痕が発見された」
レアンドロの部屋は荷物が全て移動されており、残されていたのは昨日フランチェスコとベアトリーチェが設置した真っ白なロープと壺のみだった。しゃがむとロープを手に取ってじっと見つめる。
「枯れ井戸に水が湧いたんですか」
「……吐くような塩水だったわ。口をはさむほど飲みたいのならご自由にどうぞ」
「いえ、結構です」
ベアトリーチェはからかうとほくそ笑んだ。弄ぶような態度もパラヘルメースは一層興がそそった。
「喉に出来た傷から凶器を特定できないかと思って該当しそうな武器と比べてみたの。けれどどれも合致しなかったわ。残念ね、あなたラルフがポールアックスで殺害したと推理していたのに」
「なるほど、ラルフ犯人説が薄くなったことは認めましょう。俺が感情でものを云うことは滅多にない。だから今は反省しているんです。推理が食い違ったことはいったん捨て置きましょう。真犯人を見つけるというのなら、俺はノーノさんへの協力は惜しみませんよ」
パラヘルメースは潔く自分が間違っていたことを述べる。それを云い終える前にベアトリーチェははぁと大きなため息をついた。幻滅されたのではないかと思い、彼は表情をひきつらせた。
「反省しているなら、もうしないことね。話を続けるわよ。現状調べた武器はすべて殺人に使われたものではなかった。消去法で殺人に使えそうなものは食事用のナイフだけよ。あなたも覚えていて。昨日の夕食でリュディガーがパンを切っているところを」
ベアトリーチェは手を垂直に上下してジェスチャーをしてみせた。パラヘルメースはほほえむ。
「はい。あれは確か大きめのペティナイフでしたね。刃の大きさは……このぐらいでしたでしょうか」
掌をピンと伸ばして端から端までを計って見せた。ベアトリーチェは「よく覚えているわね」と感嘆の声を漏らす。男は得意げに鼻の下を擦った。
「食料や食器に関してはすべてリュディガーが担っていましたね。無論あのペティナイフも」
「その通りよ。だからフランチェスコには本人へ確認に行ってもらったわ」
「ええ、聞いてきました」
声の方へ振り向くとフランチェスコが部屋の入口に立っていた。彼はパラヘルメースを一瞥した後、そそくさとベアトリーチェの隣に立った。
「パラヘルメース…さん、申し訳ないですが少し席を外していただけませんか」
「断る。俺はラルフ犯人説に自ら異を唱えようと思っていてな。ノーノさんの捜査協力をするならここにいても問題あるまい」
フランチェスコは目を細める。あけすけに警戒するなよ、とパラヘルメースは嘲るように笑った。
「聞き込みの結果はどうだったかしら、助手くん」
ベアトリーチェは変に艶めかしく顎を突き出すように彼を見上げる。フランチェスコは助手という単語に少し戸惑う様子を見せた。
手に持っていた紙の束を彼女に渡すと後ろ手に組んで話し始めた。
「凶器と思われるペティナイフですが、リュディガーのもので間違いありませんでした。昨晩の夕飯で使用して片付けが終わった時にはもう見つからなかったそうです。おそらく持ち出されたのはこのタイミングでしょうけど、正直片付けをしていた僕も無くなっていることにまったく気づきませんでした」
「あなたがどう思うかは今はいいわ。続けて」
ベアトリーチェはきっぱりと云った。
「ナイフを持っているかとも併せて訊きましたが、全員首を振りました。念のため部屋や荷物の中も見せてもらいましたけどこちらもだめ。誰かが今も隠し持っているということはないようです。犯人は何かしらの方法で処理してしまったのかと」
この第8階層を駆けずり回って見つからなかったのだから、この階以外の場所に隠してしまったのだろう。この2人は9階も探していたはずだが、探索が行き届いていない場所があるはずだ。パラヘルメースは推理しながら口元をほころばせた。
「それと、ロミーさんが予備のろうそくを見つけられなかったことも裏が取れました。ああ、あなたは知らないんでしたね」
フランチェスコはパラヘルメースの方を向いてロミーが明かりを落としてしまった事件を説明した。
「まず0時の見回り開始時刻にダミアンさんが5本のろうそくを持参しました。そして1本を見張り開始のタイミングで火をつけたそうです。ろうそくはそのまま燃え続け、ラルフの見回りを始めようとした頃に完全に燃え尽きました。残されたろうそくは階段の一番下の段の陰にあって、ロミーさんは見失っていただけだそうです。僕を含めダミアンさんとラルフさんもその場所にあったことを記憶しています。証言も取れました」
云い終えたところにパラヘルメースは問いかける。
「いくらなんでも4本も置いてあったなら見失うことはないだろう。犯人が犯行のために一時的に持ち去ったんじゃないか」
すかさずフランチェスコは返した。
「僕も最初はその可能性を考えましたとも。ラルフさんが犯人なら持ち去ることが出来たし、何か犯行に利用したんじゃないかって。でも見失うのも仕方なかったかもという結果に落ち着きました」
「それはどうしてだ」
「僕たちは見張りも見回りもするからです」
ベアトリーチェは呆れたように云う。
「何か思いつきがあったならすぐに私に伝えなさい。それで、見張りと見回りをやるとなぜろうそくを見失ってしまうの」
「見張りは階段前にろうそくを灯して明かりを確保していました。交代の時間になると次の見張りを起こしに行くのですが。起こした見張りを連れてきてそれから見回りに行くわけです。この時、明かりを必要とする人が2人に増えます。だから見回りの人は予備のろうそくを1本持って見回りに行っていたんですよ。ダミアンさんは階下の見回りを終えて上がってくると、ろうそくを戻さずそのまま部屋に戻ったから1本減ったわけです。これを僕とラルフさんもやると予備のろうそくは1本。たった1本なら見失っても仕方ないですよ」
パラヘルメースは落胆したように呟く。「つまり見張りの4人の不手際が重なった結果、危うくこの地下遺跡の全ての明かりが消えるところだったわけだ。暖炉に火を焚いていたレアンドロさんに感謝しなくてはな」
時刻が昼をまわったことで3人は昼食にありつくことにした。情報の共有をし終えたこともあり、午後は各々別れて行動してその日の夜を迎えるのだった。
パラヘルメースは硬い石のベッドに横たわって本を読んでいた。ペラペラとページをめくる。彼は既に2度この本を読んでおり、もうこれで3周目である。
同じものを3度も立て続けに読むとさすがに飽きてしまう。むくりと起き上がると何をするでもなく、ただゆらゆらと体をゆすっていた。
パラヘルメースはこの退屈な時間をベアトリーチェと過ごすつもりであった。彼女とただ会話を交わせていられるだけで退屈は吹き飛ぶ。まさに夢のような時間を過ごせるはずだったのだ。
ところが、彼女は戦奴の男と、ラルフの無実を晴らそうと捜査に赴いている。百歩譲って事件解決のため動いてくれるのは分かる。パラヘルメースはラルフが疑わしいという考えは曲げずとも、感情的に推理を働かせてしまったことに反省していたのだ。
しかしなぜゆえに彼女はフランチェスコと行動を共にするのか、パラヘルメースには分からなかった。思い返すと、ベアトリーチェと会話する時はいつもフランチェスコの存在が関わっている気がしてきていた。よもや二人は既に親密な関係を結んでいるのではないか、いやそれならばもっとはっきりと自分の誘いを断っていたはずではないか。
ありもしない事柄にパラヘルメースは頭をひねった。
遠くで何やら会話が聞こえた。パラヘルメースの耳がピクリと動く。本来ならまったく気にしないところだが、その声の主がベアトリーチェと分かるとパラヘルメースは浮足立った。下での調査を終えて帰ってきたのだ。結果を聞くのを口実に彼女に話しかけられるチャンスである。
そう思うとパラヘルメースは居ても立ってもいられず、すぐさま部屋を飛び出した。東通路を縦断し、南通路に出る。
ベアトリーチェはレアンドロの部屋に入るところであった。彼女の肩に手を置くと同時に声をかける。ビクリと彼女は身を震わせて退いた。
「いや、申し訳ありません。そこまで驚かれるとは思わなくて」
「…次はないと思いなさい」
ベアトリーチェは凄んだが、パラヘルメースにはびくびくと怯える小動物のようにひどく可愛らしく見えた。
「捜査の結果をお話しいただけないですか、ノーノさん」
「はあ、仕方ないわね。片手間で説明するから邪魔はしないこと。いいかしら」
彼はにこやかにうなずいた。喜びでベアトリーチェにフランチェスコの口癖がうつっていることに気づかなかった。
「まず致命傷だけど、喉にあった傷であると断定したわ。その他に右側頭部に殴打された痕が発見された」
レアンドロの部屋は荷物が全て移動されており、残されていたのは昨日フランチェスコとベアトリーチェが設置した真っ白なロープと壺のみだった。しゃがむとロープを手に取ってじっと見つめる。
「枯れ井戸に水が湧いたんですか」
「……吐くような塩水だったわ。口をはさむほど飲みたいのならご自由にどうぞ」
「いえ、結構です」
ベアトリーチェはからかうとほくそ笑んだ。弄ぶような態度もパラヘルメースは一層興がそそった。
「喉に出来た傷から凶器を特定できないかと思って該当しそうな武器と比べてみたの。けれどどれも合致しなかったわ。残念ね、あなたラルフがポールアックスで殺害したと推理していたのに」
「なるほど、ラルフ犯人説が薄くなったことは認めましょう。俺が感情でものを云うことは滅多にない。だから今は反省しているんです。推理が食い違ったことはいったん捨て置きましょう。真犯人を見つけるというのなら、俺はノーノさんへの協力は惜しみませんよ」
パラヘルメースは潔く自分が間違っていたことを述べる。それを云い終える前にベアトリーチェははぁと大きなため息をついた。幻滅されたのではないかと思い、彼は表情をひきつらせた。
「反省しているなら、もうしないことね。話を続けるわよ。現状調べた武器はすべて殺人に使われたものではなかった。消去法で殺人に使えそうなものは食事用のナイフだけよ。あなたも覚えていて。昨日の夕食でリュディガーがパンを切っているところを」
ベアトリーチェは手を垂直に上下してジェスチャーをしてみせた。パラヘルメースはほほえむ。
「はい。あれは確か大きめのペティナイフでしたね。刃の大きさは……このぐらいでしたでしょうか」
掌をピンと伸ばして端から端までを計って見せた。ベアトリーチェは「よく覚えているわね」と感嘆の声を漏らす。男は得意げに鼻の下を擦った。
「食料や食器に関してはすべてリュディガーが担っていましたね。無論あのペティナイフも」
「その通りよ。だからフランチェスコには本人へ確認に行ってもらったわ」
「ええ、聞いてきました」
声の方へ振り向くとフランチェスコが部屋の入口に立っていた。彼はパラヘルメースを一瞥した後、そそくさとベアトリーチェの隣に立った。
「パラヘルメース…さん、申し訳ないですが少し席を外していただけませんか」
「断る。俺はラルフ犯人説に自ら異を唱えようと思っていてな。ノーノさんの捜査協力をするならここにいても問題あるまい」
フランチェスコは目を細める。あけすけに警戒するなよ、とパラヘルメースは嘲るように笑った。
「聞き込みの結果はどうだったかしら、助手くん」
ベアトリーチェは変に艶めかしく顎を突き出すように彼を見上げる。フランチェスコは助手という単語に少し戸惑う様子を見せた。
手に持っていた紙の束を彼女に渡すと後ろ手に組んで話し始めた。
「凶器と思われるペティナイフですが、リュディガーのもので間違いありませんでした。昨晩の夕飯で使用して片付けが終わった時にはもう見つからなかったそうです。おそらく持ち出されたのはこのタイミングでしょうけど、正直片付けをしていた僕も無くなっていることにまったく気づきませんでした」
「あなたがどう思うかは今はいいわ。続けて」
ベアトリーチェはきっぱりと云った。
「ナイフを持っているかとも併せて訊きましたが、全員首を振りました。念のため部屋や荷物の中も見せてもらいましたけどこちらもだめ。誰かが今も隠し持っているということはないようです。犯人は何かしらの方法で処理してしまったのかと」
この第8階層を駆けずり回って見つからなかったのだから、この階以外の場所に隠してしまったのだろう。この2人は9階も探していたはずだが、探索が行き届いていない場所があるはずだ。パラヘルメースは推理しながら口元をほころばせた。
「それと、ロミーさんが予備のろうそくを見つけられなかったことも裏が取れました。ああ、あなたは知らないんでしたね」
フランチェスコはパラヘルメースの方を向いてロミーが明かりを落としてしまった事件を説明した。
「まず0時の見回り開始時刻にダミアンさんが5本のろうそくを持参しました。そして1本を見張り開始のタイミングで火をつけたそうです。ろうそくはそのまま燃え続け、ラルフの見回りを始めようとした頃に完全に燃え尽きました。残されたろうそくは階段の一番下の段の陰にあって、ロミーさんは見失っていただけだそうです。僕を含めダミアンさんとラルフさんもその場所にあったことを記憶しています。証言も取れました」
云い終えたところにパラヘルメースは問いかける。
「いくらなんでも4本も置いてあったなら見失うことはないだろう。犯人が犯行のために一時的に持ち去ったんじゃないか」
すかさずフランチェスコは返した。
「僕も最初はその可能性を考えましたとも。ラルフさんが犯人なら持ち去ることが出来たし、何か犯行に利用したんじゃないかって。でも見失うのも仕方なかったかもという結果に落ち着きました」
「それはどうしてだ」
「僕たちは見張りも見回りもするからです」
ベアトリーチェは呆れたように云う。
「何か思いつきがあったならすぐに私に伝えなさい。それで、見張りと見回りをやるとなぜろうそくを見失ってしまうの」
「見張りは階段前にろうそくを灯して明かりを確保していました。交代の時間になると次の見張りを起こしに行くのですが。起こした見張りを連れてきてそれから見回りに行くわけです。この時、明かりを必要とする人が2人に増えます。だから見回りの人は予備のろうそくを1本持って見回りに行っていたんですよ。ダミアンさんは階下の見回りを終えて上がってくると、ろうそくを戻さずそのまま部屋に戻ったから1本減ったわけです。これを僕とラルフさんもやると予備のろうそくは1本。たった1本なら見失っても仕方ないですよ」
パラヘルメースは落胆したように呟く。「つまり見張りの4人の不手際が重なった結果、危うくこの地下遺跡の全ての明かりが消えるところだったわけだ。暖炉に火を焚いていたレアンドロさんに感謝しなくてはな」
時刻が昼をまわったことで3人は昼食にありつくことにした。情報の共有をし終えたこともあり、午後は各々別れて行動してその日の夜を迎えるのだった。
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