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第三章 美しすぎる海と湖
霧の摩周湖?
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摩周湖と言えば「霧の摩周湖」といわれるくらい、湖面が霧で覆われていることが多い湖なのは有名。私たちも霧の摩周湖を期待して向かった。しかし、空は晴天。これで霧が出ているのだろうか。摩周湖は高いところにあるので、きっと霧が出ているに違いないと信じて向かった。摩周湖が見渡せる展望所に着いて湖を見ると見事に水面のすべてが目える。つまり、霧は皆無。カムイシュ(小島)もはっきりと目える。摩周湖のカムイシュには以下のような逸話があるらしい。
宗谷のコタン(アイヌの集落)同士がイヨマンテ(熊祭)の夜に争い、一方のコタンは敗れほとんどが殺されてしまう。敗れたコタンの老婆とその孫は命からがら逃げるが、逃げる道中で孫がはぐれてしまう。老婆は孫を探しながらさまようが見つからず、カムイトー(摩周湖)付近までたどり着く。老婆はカムイヌプリ(摩周岳)に一夜の休息を請い、許される。が、悲嘆にくれ疲労困憊した老婆はそこから動けず来る日も来る日もそこで孫を待ち続け、とうとうカムイシュ島になってしまった。いまでも、摩周湖に誰かが近付くと老婆は孫が現れたかと喜び、うれし涙を流す。この涙が雨であり霧であり吹雪なのである。(ウィキより)
と言うことは、カムイシュは私たちが来たことを喜んでくれなかったと言うことなのだろう。しかし、カムイシュが見られたのはラッキーといえよう。
その後、硫黄が山肌を覆う硫黄山や阿寒湖を見て回り、気づけばこの日もすでに3時過ぎている。今夜の宿をどうしようかと考えていたところ、突然「牧場に泊まって見ませんか」という看板が目に入った。「牧場だって」というと「行ってみたい」と紫野が言うので、早速その牧場に行って泊まれるか聞いてみるとOKだった。しかも、採乳体験もさせてくれるという。食材もすべて牧場で作った物だけだという。こんなラッキーなことはなかなかない。私たちの他にもたくさんの若者たちが来ていた。ほとんどが女子の二人旅だったので、紫野も仲間に入って楽しそうだった。それにしても紫野は賢い。半日一緒にいても私たちが親子でないことに気づかれない。周りは完全に私たちを親子だと信じこんでいるのだ。まあ、私にすればどっちでも良かったが。
夕飯の支度を全員でして、片付けもみんなでやり、食事のあとはホールで自己紹介、その後ゲームをしたりして楽しく過ごした。もちろん私が最年長だったが、気持ちは20才なので何も問題なかった。そんな私を見て紫野は可笑しくて仕方がなかったようだ。
翌朝はみんなで乳搾り、自分で採乳した牛乳を飲んだ。とても美味しい牛乳だった。朝食を済ませて牧場でみんなと別れた私たちは知床を目指した。
宗谷のコタン(アイヌの集落)同士がイヨマンテ(熊祭)の夜に争い、一方のコタンは敗れほとんどが殺されてしまう。敗れたコタンの老婆とその孫は命からがら逃げるが、逃げる道中で孫がはぐれてしまう。老婆は孫を探しながらさまようが見つからず、カムイトー(摩周湖)付近までたどり着く。老婆はカムイヌプリ(摩周岳)に一夜の休息を請い、許される。が、悲嘆にくれ疲労困憊した老婆はそこから動けず来る日も来る日もそこで孫を待ち続け、とうとうカムイシュ島になってしまった。いまでも、摩周湖に誰かが近付くと老婆は孫が現れたかと喜び、うれし涙を流す。この涙が雨であり霧であり吹雪なのである。(ウィキより)
と言うことは、カムイシュは私たちが来たことを喜んでくれなかったと言うことなのだろう。しかし、カムイシュが見られたのはラッキーといえよう。
その後、硫黄が山肌を覆う硫黄山や阿寒湖を見て回り、気づけばこの日もすでに3時過ぎている。今夜の宿をどうしようかと考えていたところ、突然「牧場に泊まって見ませんか」という看板が目に入った。「牧場だって」というと「行ってみたい」と紫野が言うので、早速その牧場に行って泊まれるか聞いてみるとOKだった。しかも、採乳体験もさせてくれるという。食材もすべて牧場で作った物だけだという。こんなラッキーなことはなかなかない。私たちの他にもたくさんの若者たちが来ていた。ほとんどが女子の二人旅だったので、紫野も仲間に入って楽しそうだった。それにしても紫野は賢い。半日一緒にいても私たちが親子でないことに気づかれない。周りは完全に私たちを親子だと信じこんでいるのだ。まあ、私にすればどっちでも良かったが。
夕飯の支度を全員でして、片付けもみんなでやり、食事のあとはホールで自己紹介、その後ゲームをしたりして楽しく過ごした。もちろん私が最年長だったが、気持ちは20才なので何も問題なかった。そんな私を見て紫野は可笑しくて仕方がなかったようだ。
翌朝はみんなで乳搾り、自分で採乳した牛乳を飲んだ。とても美味しい牛乳だった。朝食を済ませて牧場でみんなと別れた私たちは知床を目指した。
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