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日が暮れると少し涼しくなる。ここが山の麓だからでもあるだろう。四人はバーベキューを楽しむべくコテージから少し離れた広場に来ている。そこには巨大なテントが設営されている。中はまるで焼肉屋のような設備だ。テーブルに鉄板が設置されている。ここで食材を焼くらしい。案内されたテーブルに一行は座った。端末がテーブルに置いてあったので、千晶はそれを操作し始めた。もしかしたら美味しいスイーツがあるかもしれないという期待感からだ。
「あ、先に飲み物頼みましょうか」
うっかりしていた、と千晶は自戒してドリンクを注文した。
「美味しそうなスイーツあった?」
加那太がにやにやしながら聞いてくる。千晶の行動は全て筒抜けだったらしい。
「このさつまいもアイスが気になってます」
千晶は端末を加那太の方に向けた。焼き芋の上にバニラアイスが載っている甘党にはたまらないメニューである。
「わ、これは美味しそう。さつまいもって牛乳と合うもんねー」
「千晶は毎年、秋になると色んな品種の焼き芋を食べ比べをするんだ」
真司に暴露され、千晶は顔を赤らめた。
「焼き芋、最近流行ってるし僕も大好きだよ。
千尋が干しいも作ってくれるの」
「え?それってすごく手間がかかるんじゃ…」
千晶の言葉に千尋が笑う。
「一緒に干し柿作ってるからあんまり変わらないよ。母さんたちが畑借りてるのは言ったよな?ついにさつまいもの栽培まで始めたみたいで。今度干しいも送るよ」
「えええ、いいんですか?」
何を隠そう、千晶は干しいもが大好きである。
「うちだけじゃ食べ切れないんだ」
千尋の表情は至って深刻である。食材を無駄にするのは千晶も嫌いなので、彼の気持ちはよく分かる。
「楽しみにしてますね」
そんなことを言っている間に肉と野菜が運ばれてきた。ドリンクもやって来る。
「さー、食べるぞー!」
昼間、加那太は海鮮丼の大盛りを平らげているが、それはすっかり忘れているらしい。肉を焼き始めた。
「加那、野菜も焼いてくれ」
「はーい。さすがベジファースト徹底してるだけあるな」
「俺は血糖値を急激に上げたくないんだ」
加那太と千尋のやり取りが毎回面白いなと千晶はついそちらに集中してしまう。
「あき、肉焼けてるぞ」
千晶はそこでハッとなった。二人の会話を聞き取るのに夢中になり過ぎていたらしい。
「どうした?もしかして暑いか?」
鉄板の熱か?と千尋が首を傾げたので、千晶は慌てて大丈夫だと返した。
肉は美味しかった。塩でも食べられるというこだわりようである。そろそろ腹が満たされる頃、ドン、とサーロインステーキがやってきた。しかもかなり大きい。
「えーと、あき?これはさすがにでか過ぎないか?」
「大丈夫です、余裕ですよ」
千晶も実のところ自信はなかったが、こちらには加那太がいる。千尋が肉をハサミで切りながら焼き始める。
「うん、まだまだ食べられそう」
「かなさんはすごいな。そろそろ飲み物頼もうか」
真司が端末を操り飲み物を頼む。
今日は皆ソフトドリンクを頼んでいる。明日二日酔いで体調が悪いなんて嫌だったからだ。
「このお肉すっごく美味しい」
加那太が一口頬張って目を輝かせる。
夕飯を楽しんだ一行だった。
「あ、先に飲み物頼みましょうか」
うっかりしていた、と千晶は自戒してドリンクを注文した。
「美味しそうなスイーツあった?」
加那太がにやにやしながら聞いてくる。千晶の行動は全て筒抜けだったらしい。
「このさつまいもアイスが気になってます」
千晶は端末を加那太の方に向けた。焼き芋の上にバニラアイスが載っている甘党にはたまらないメニューである。
「わ、これは美味しそう。さつまいもって牛乳と合うもんねー」
「千晶は毎年、秋になると色んな品種の焼き芋を食べ比べをするんだ」
真司に暴露され、千晶は顔を赤らめた。
「焼き芋、最近流行ってるし僕も大好きだよ。
千尋が干しいも作ってくれるの」
「え?それってすごく手間がかかるんじゃ…」
千晶の言葉に千尋が笑う。
「一緒に干し柿作ってるからあんまり変わらないよ。母さんたちが畑借りてるのは言ったよな?ついにさつまいもの栽培まで始めたみたいで。今度干しいも送るよ」
「えええ、いいんですか?」
何を隠そう、千晶は干しいもが大好きである。
「うちだけじゃ食べ切れないんだ」
千尋の表情は至って深刻である。食材を無駄にするのは千晶も嫌いなので、彼の気持ちはよく分かる。
「楽しみにしてますね」
そんなことを言っている間に肉と野菜が運ばれてきた。ドリンクもやって来る。
「さー、食べるぞー!」
昼間、加那太は海鮮丼の大盛りを平らげているが、それはすっかり忘れているらしい。肉を焼き始めた。
「加那、野菜も焼いてくれ」
「はーい。さすがベジファースト徹底してるだけあるな」
「俺は血糖値を急激に上げたくないんだ」
加那太と千尋のやり取りが毎回面白いなと千晶はついそちらに集中してしまう。
「あき、肉焼けてるぞ」
千晶はそこでハッとなった。二人の会話を聞き取るのに夢中になり過ぎていたらしい。
「どうした?もしかして暑いか?」
鉄板の熱か?と千尋が首を傾げたので、千晶は慌てて大丈夫だと返した。
肉は美味しかった。塩でも食べられるというこだわりようである。そろそろ腹が満たされる頃、ドン、とサーロインステーキがやってきた。しかもかなり大きい。
「えーと、あき?これはさすがにでか過ぎないか?」
「大丈夫です、余裕ですよ」
千晶も実のところ自信はなかったが、こちらには加那太がいる。千尋が肉をハサミで切りながら焼き始める。
「うん、まだまだ食べられそう」
「かなさんはすごいな。そろそろ飲み物頼もうか」
真司が端末を操り飲み物を頼む。
今日は皆ソフトドリンクを頼んでいる。明日二日酔いで体調が悪いなんて嫌だったからだ。
「このお肉すっごく美味しい」
加那太が一口頬張って目を輝かせる。
夕飯を楽しんだ一行だった。
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