11 / 18
10
しおりを挟む
学生時代に通い詰めていた映画館は、就職したと同時に潰れてしまった。映画を観る人がそれだけいなかった。
「あの時潰れた映画館、更地になったみたい」
「そうか。あそこにも随分行ったよな」
「懐かしいね」
慎吾がウインカーを出し、左折する。間もなく目的地である映画館だ。町中にある小さな映画館だが、シアターが7つある。慎吾は駐車場に車を停めた。
「何を観る?拓海」
拓海は今日の上映スケジュールを眺めた。
「この歴史モノは?コメディだしまったり観られそう」
「お、いいな」
二人はカウンターでチケットを買い、飲み物も購入した。シアターは階段を登った先にあるという。2人が向かうと席はあまり埋まっていなかった。映画のジャンルにも寄るだろう。アニメやゲームが主題の映画ならまだ子どもたちがいる。しばらくして映画の予告が始まった。どれも面白そうだなという作品ばかりだ。
いよいよ映画が始まる。姫が意中の相手を見つけるため、変装をして城から抜け出すところから始まる。登場人物ひとりひとりが、ユーモアがあり面白く、拓海も慎吾も思わず笑ってしまった。
「あぁ、面白かった」
「あぁ、明るい良い映画だったな」
慎吾がニコニコしてくれているのが拓海は嬉しい。
「ね、慎吾。もうお昼だね、どうする?」
慎吾が腕時計を確認している。
「本当だな。たまに回転寿司でも行ってみるか」
「賢くん、知ったら行きたがるんだろうなぁ」
「また行けばいいじゃないか」
確かに慎吾の言う通りである。2人はチェーン店の回転寿司に車で向かった。ここのサラダ軍艦が美味しいと県内では有名だ。もちろん拓海も大好物である。もちろん賢もだ。店内に入り、注文するとすぐに寿司がやって来た。慎吾は早速ラーメンを啜っている。
「ポテトが無性に食べたいんだけど、いい?」
「拓海、完全に賢の影響受けてるな」
賢は回転寿司に来ると寿司よりフライドポテトを食べる。拓海も一緒に食べているうちにいつの間にか好きになっていた。
「だって美味しいんだもん」
「俺も食う」
「慎吾だって好きなんじゃん」
2人は笑い合った。デートと言われると、何を今更と照れるが、たまにならいいかもしれないと拓海は思ってきている。
「ね、慎吾?」
「ん?」
「またこういうデート、してくれる?」
「当たり前だろ。むしろしない理由がないじゃないか」
慎吾の言い分は最もだ。
「そうだよね、ありがとう」
「ほら、ポテト来たぞ」
2人前頼んだせいか、ものすごい量のポテトがやって来た。拓海も慎吾もそれを必死になって食べたのだった。
「あの時潰れた映画館、更地になったみたい」
「そうか。あそこにも随分行ったよな」
「懐かしいね」
慎吾がウインカーを出し、左折する。間もなく目的地である映画館だ。町中にある小さな映画館だが、シアターが7つある。慎吾は駐車場に車を停めた。
「何を観る?拓海」
拓海は今日の上映スケジュールを眺めた。
「この歴史モノは?コメディだしまったり観られそう」
「お、いいな」
二人はカウンターでチケットを買い、飲み物も購入した。シアターは階段を登った先にあるという。2人が向かうと席はあまり埋まっていなかった。映画のジャンルにも寄るだろう。アニメやゲームが主題の映画ならまだ子どもたちがいる。しばらくして映画の予告が始まった。どれも面白そうだなという作品ばかりだ。
いよいよ映画が始まる。姫が意中の相手を見つけるため、変装をして城から抜け出すところから始まる。登場人物ひとりひとりが、ユーモアがあり面白く、拓海も慎吾も思わず笑ってしまった。
「あぁ、面白かった」
「あぁ、明るい良い映画だったな」
慎吾がニコニコしてくれているのが拓海は嬉しい。
「ね、慎吾。もうお昼だね、どうする?」
慎吾が腕時計を確認している。
「本当だな。たまに回転寿司でも行ってみるか」
「賢くん、知ったら行きたがるんだろうなぁ」
「また行けばいいじゃないか」
確かに慎吾の言う通りである。2人はチェーン店の回転寿司に車で向かった。ここのサラダ軍艦が美味しいと県内では有名だ。もちろん拓海も大好物である。もちろん賢もだ。店内に入り、注文するとすぐに寿司がやって来た。慎吾は早速ラーメンを啜っている。
「ポテトが無性に食べたいんだけど、いい?」
「拓海、完全に賢の影響受けてるな」
賢は回転寿司に来ると寿司よりフライドポテトを食べる。拓海も一緒に食べているうちにいつの間にか好きになっていた。
「だって美味しいんだもん」
「俺も食う」
「慎吾だって好きなんじゃん」
2人は笑い合った。デートと言われると、何を今更と照れるが、たまにならいいかもしれないと拓海は思ってきている。
「ね、慎吾?」
「ん?」
「またこういうデート、してくれる?」
「当たり前だろ。むしろしない理由がないじゃないか」
慎吾の言い分は最もだ。
「そうだよね、ありがとう」
「ほら、ポテト来たぞ」
2人前頼んだせいか、ものすごい量のポテトがやって来た。拓海も慎吾もそれを必死になって食べたのだった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる