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次の日になっている。いつものように賢の課題を終えて、拓海、慎吾、賢の三人は出掛けた。
「書き初め終わったな。賢」
「ん。宿題、あと日記だねえ」
「もう宿題もそれだけかあ、よかったね」
いつものことだが、賢が綿密に計画を立てて行った結果である。賢は計画通りに動くことに関しては誰よりも正確である。だが、臨機応変な行動や急なスケジュール変更は苦手だ。今日も何度も日程を確認しようやく出掛けられた。
「ラーメン、楽しみだねえ」
「もうすぐ着くからね」
賢はいつもの通り、もふくんを抱きしめて手で優しく撫でている。車の移動時や外出時はいつもこうだ。
学校には小さなマスコットを持っていっている。先生からも許可が出ている。賢が安心出来るならと。
「お、さすが三が日。ラーメン屋も混んでるな」
「本当だ。店の外まで並んでるじゃない」
「とりあえず中の様子見てくる」
慎吾が車を停め、店の中に消えた。しばらくすると戻って来る。
「1時間待ちだってさ。先におもちゃ屋行くか。名前は書いてきたし、事情も話してきた」
「ありがとう、慎吾」
「おもちゃ屋さん、行くの?」
賢が目をキラキラさせている。
「あぁ。行こうな、賢」
車は郊外にあるおもちゃ屋を目指している。この辺りでは一番大きな店舗だ。駐車場に車を停め中に入ると、色々な商品が並んでいる。
「賢くんの欲しいやつあるかなー」
拓海が賢の手を引いて歩いていると、賢が小さく声を上げた。
「あった」
「本当だ。確か、これだったっけ?」
商品を手に取り賢はしげしげと見つめている。
「眞人せんせいの絵」
「賢くんが一番好きな絵の先生なんだね」
「ん」
「賢、レジは向こうだぞ」
「行こうか」
拓海が賢を促すと賢が頷く。買い物をする練習を今、賢はしている。将来大人になった時、誰かに頼れるかと言うと難しいものがある。そのため、日常生活を自分で送れるようになるというのは大事だ。レジには沢山、子供連れの親子が並んでいた。大きな箱のおもちゃを買っている。早速お年玉を使う子もいるのだろう。
「お願いします」
いよいよ賢の番になり、賢は無事にカードを買うことが出来た。おもちゃ屋からラーメン屋に戻ると、先程の行列がなくなっていた。3人が店に入ると、ちょうど呼ばれる前だった。
「よかった」
「新年早々ついてるな!」
「宝くじでも買う?」
拓海が噴き出しながら言うと、それも悪くないなと慎吾が乗っかってくる。
「3名でお待ちの小山内様ー」
拓海たちは席に案内され、美味しいラーメンと餃子を堪能したのだった。
「書き初め終わったな。賢」
「ん。宿題、あと日記だねえ」
「もう宿題もそれだけかあ、よかったね」
いつものことだが、賢が綿密に計画を立てて行った結果である。賢は計画通りに動くことに関しては誰よりも正確である。だが、臨機応変な行動や急なスケジュール変更は苦手だ。今日も何度も日程を確認しようやく出掛けられた。
「ラーメン、楽しみだねえ」
「もうすぐ着くからね」
賢はいつもの通り、もふくんを抱きしめて手で優しく撫でている。車の移動時や外出時はいつもこうだ。
学校には小さなマスコットを持っていっている。先生からも許可が出ている。賢が安心出来るならと。
「お、さすが三が日。ラーメン屋も混んでるな」
「本当だ。店の外まで並んでるじゃない」
「とりあえず中の様子見てくる」
慎吾が車を停め、店の中に消えた。しばらくすると戻って来る。
「1時間待ちだってさ。先におもちゃ屋行くか。名前は書いてきたし、事情も話してきた」
「ありがとう、慎吾」
「おもちゃ屋さん、行くの?」
賢が目をキラキラさせている。
「あぁ。行こうな、賢」
車は郊外にあるおもちゃ屋を目指している。この辺りでは一番大きな店舗だ。駐車場に車を停め中に入ると、色々な商品が並んでいる。
「賢くんの欲しいやつあるかなー」
拓海が賢の手を引いて歩いていると、賢が小さく声を上げた。
「あった」
「本当だ。確か、これだったっけ?」
商品を手に取り賢はしげしげと見つめている。
「眞人せんせいの絵」
「賢くんが一番好きな絵の先生なんだね」
「ん」
「賢、レジは向こうだぞ」
「行こうか」
拓海が賢を促すと賢が頷く。買い物をする練習を今、賢はしている。将来大人になった時、誰かに頼れるかと言うと難しいものがある。そのため、日常生活を自分で送れるようになるというのは大事だ。レジには沢山、子供連れの親子が並んでいた。大きな箱のおもちゃを買っている。早速お年玉を使う子もいるのだろう。
「お願いします」
いよいよ賢の番になり、賢は無事にカードを買うことが出来た。おもちゃ屋からラーメン屋に戻ると、先程の行列がなくなっていた。3人が店に入ると、ちょうど呼ばれる前だった。
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「新年早々ついてるな!」
「宝くじでも買う?」
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