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三章・具材ゴロゴロミートソーススパゲティ

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「カルマ!すごかったぞ!!」

ステージから舞台袖に引っ込むと、炎さんに抱き締められた。マモリさん、見ていてくれたかな。ちょっと心配だけど、信じよう。ハムサムさんが結っていた髪の毛を解きながらやってくる。金髪が煌めいた。

「マモリから電話だ」

ハムサムさんからスマートフォンを受け取って耳に当てる。

「マモリさん?」

「カルマくん、まさか、僕のレシピを使ってくれるなんて」

「僕、マモリさんのミートソーススパゲティ、ずっと大好きなんですよ。お母さんにも沢山作ってもらいました」

「ありがとう」

マモリさんとまた会う約束をして、僕は通話を切った。ハムサムさんにスマートフォンを返す。

「君は特級になりたいんだったね。君になら出来そうな気がするよ」

「ハムサムさん…」

「国王に私から推薦状を書こう。
君は特級にふさわしい人間だと」

「え?!」

ハムサムさんから推薦状を書いてもらえる?僕は嬉しくて固まってしまった。

「君のことをみんなが認めてくれる日が来ることを私は願っている。カルマくん、また戦おう」

ハムサムさんのすらっとした後ろ姿を見送る。やっと現実に戻って来られた気がした。

「カルマ、帰ろうか」

「うん!」

✣✣✣

今日も炎さんが沢山美味しそうなご飯を作ってくれた。
わー。ピザがある!ずっと食べたかったやつ!
早速一切れ千切って食べるとチーズがトロトロだった。これを美味いと言わずして、何だと言うのか。

「美味いか?俺もピザはまだ上手く出来ないな」

炎さんもピザに齧り付きながら言う。

「え、こんなに美味しいのに?」

びっくりして尋ねたら炎さんに頭をわしわしされた。

「ハムサムのピザを食ったら、きっとお前はひっくり返るぞ」

「そんなに?」

それだけハムサムさんのピザが美味しいんだ。今の僕とハムサムさんのレベルは遥かに違う。違いすぎて笑ってしまうくらいだろう。

「僕、勝ちをもらって良かった?」

炎さんは笑った。

「あいつなりの挑戦状なのさ。お前が実力を付けてまた戦いにくるのを願ってる」

「そっか、僕強くならなきゃね!」

「日本食大国はなかなか広いぞ!お前がどこまで行けるか楽しみだな」

「頑張るよ!」

それから僕たちは今日の勝利を祝った。
明日、僕はこの町を出る。母さんに電話したら、応援された。嬉しいな。
父さんからも励ましのメールをもらった。
僕は特級になるぞ!いや、なれたらいいな。
沢山あった料理を僕はすっかり平らげた。満腹すぎる。炎さんと一緒に洗い物をして片付けた。
このお家ともしばらくサヨナラかー。
寂しいなぁ。

「カルマ、一緒に風呂に入ろうか」

「うん!」

僕は嬉しくなった。
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