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第一話「ホテルに泊まろう」
二人きり
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「わぁ、ケーキだぁ!」
イヴが歓声を上げる。
先程まで、嫌になるほど食事をしてきたのだが、どうやらデザートは別腹らしい。
部屋に帰ってくるなり、ラウは先程もらってきた紙袋の中身を開けていた。
「これ、バウムクーヘンだったっけ?兄さん」
「あぁ。そうだね。外国の有名なお菓子、だったはずだ」
レイラはバウムクーヘンを見て固まっていた。(もちろん、バウムクーヘンを知っている)
何故ならある一つの可能性を探り当ててしまったからだ。
先程、ラウが言った「お祝い」というワード、そしてこのバウムクーヘンが木の年輪を表していることと合わせると、なんとなく答えが分かる気がする。
(え、これ…。もしかして結婚のお祝い?末永く幸せにってことか?)
問題は、そこではない。
ラウと誰が結婚したかについてだ。
レイラは考えた。
(やっぱり俺とだよな?)
ここでもレイラは女性に間違われている。
それに、少し歯がゆい気持ちになる。
だが、実際違っていることはレイラの性別だけで、ラウは確かにレイラと結婚しているようなものである。
レイラはラウのものになったのだ。しかもレイラに拒否権はない。
(わぁ、改めてお祝いされるの恥ずかしい)
レイラは一人で赤面していた。
「レイラさん?どうされましたか?」
ラウにそう尋ねられて、レイラはますます顔を赤らめた。
この人に自分の一生を託したのだ。
これからずっと、二人で頑張りたい。
「あの、ラウ様。このバウムクーヘン、なんですけど…」
一応真相を話しておこうと思い、レイラは口を開いた。
「わかっていますよ。私達の結婚のお祝いですよね?」
ラウは分かっていたらしい。
「俺とで本当にいいんですか?」
「あなたに拒否権はないはずです」
ラウはあっさり言う。
レイラは言葉を返せなかった。
この人はこんなにも自分を求めてくれる。それが嬉しかった。
***
「わあ、星が綺麗ですよ」
子ども達が自分の部屋に戻ったあと、レイラは窓から空を見上げていた。
ラクサスは星を見るには最適な環境である。
周りに明るいライトもない上に、空気も綺麗だからだ。
しかもこのホテルは山の麓にある。
今日は雲一つなかった。
星を見るための条件が全て揃っている。
「レイラさん」
ぎゅ、と後ろからラウに抱きしめられる。
レイラはラウの腕に自分の手を乗せた。
しばらく二人はそのままでいた。
お互いの体温を感じるのがこんなに心地良い。
「抱いていいですか?」
ラウに耳元で囁かれると、体が反射的に熱くなってしまう。
我ながら単純で嫌になるが、今はそれどころじゃない。
レイラは頷いた。
ラウはレイラを優しく抱き上げるとベッドに寝かせた。
そのままラウが覆い被さってくる。
レイラは彼の背中に手を回した。
「ん、…っ、はぁ…」
激しくキスをされるだけで、レイラは息が上がってしまう。
苦しいが気持ちいい。ラウはレイラがどれくらいなら耐えられるのかを熟知しているようだ。
「あ、はっ」
ラウの口づけが鎖骨まで下がってくると、期待感のせいか下半身が熱くなってくる。
「焦らしちゃヤダ」
レイラは涙目で懇願した。
それを素直に聞いてくれないのがラウである。
攻めて攻めて、レイラの限界ギリギリを探ってくる。
いつ抱き潰されてもおかしくない、レイラは毎回、そんな恐怖と戦っているのだった。
「レイラさんの体は本当に綺麗ですね。
素直で愛らしいです」
「っ…!!!」
ラウに耳元で囁かれて、レイラはびくり、と体を震わせた。
ラウの手がレイラの腰を探っている。
「ここもしましょうか」
「あっ…!」
つん、と指先で突かれたところはラウを受け入れられるように何度も訓練した場所だ。やはりここは、女性のように自力では濡れない。
ラウは大抵レイラの先走りを使って、指を挿れてくる。
今日もそうだった。
「ん、くるしい…っ」
強引に指を押し挿れられてレイラは苦しくて呻いた。体に自然と力が入ってしまう。
「レイラさん、力を抜きましょうか」
「ん、でも…っああ!!」
ラウに性器を触られてレイラは脱力してしまう。その間にラウの指は奥へ飲み込まれていた。
「上手ですよ」
この場合、上手なのはラウの方なのだが、レイラにそんなことを考えている暇はない。
更に奥に指を押し挿れられる。
「んん、っふ、ん」
「レイラさん、可愛い」
指を2本、3本と増やされて、レイラはすっかりとろとろになってしまっていた。
さっきまではあんなに苦しかったのに、今は全く感じない。
それどころか快感でおかしくなりそうだった。
「あ、はぁ、っ…ラウ様、もう」
ラウが指を引き抜く。
そして、代わりに自身をあてがってくる。
(怖い…)
レイラはラウにしがみついた。
恐怖はいつものことだ。
ラウがぐぷりと中に入ってくる。
「あぁあ…」
レイラはぎゅ、とラウのシャツを掴んで耐えた。
「レイラさん、好きです」
「俺も」
ラウがゆっくり動き始める。
レイラも腰を揺する。
「っ…ふっ…」
喘ぎながらレイラは確かにラウを感じていた。この人で本当によかった。
「あ、ラウ様、俺もう…」
「一緒にいきましょうか」
「ん、はい…!」
ラウが更に奥を抉るように突いてくる。
「っあぁ!!」
二人は同時に達した。
行為のあとは体が火照って熱い。
レイラはラウにしがみついた。
ラウも抱き寄せてくれる。
「今日もとても楽しかったです」
そう言うとラウに頭を撫でられた。
「よかったです。私も楽しかった。レイラさん、これからもよろしくお願いします」
「こ、こちらこそ」
改めて言われると照れくさい。
二人はどちらからともなく笑った。
2話へ続く。
イヴが歓声を上げる。
先程まで、嫌になるほど食事をしてきたのだが、どうやらデザートは別腹らしい。
部屋に帰ってくるなり、ラウは先程もらってきた紙袋の中身を開けていた。
「これ、バウムクーヘンだったっけ?兄さん」
「あぁ。そうだね。外国の有名なお菓子、だったはずだ」
レイラはバウムクーヘンを見て固まっていた。(もちろん、バウムクーヘンを知っている)
何故ならある一つの可能性を探り当ててしまったからだ。
先程、ラウが言った「お祝い」というワード、そしてこのバウムクーヘンが木の年輪を表していることと合わせると、なんとなく答えが分かる気がする。
(え、これ…。もしかして結婚のお祝い?末永く幸せにってことか?)
問題は、そこではない。
ラウと誰が結婚したかについてだ。
レイラは考えた。
(やっぱり俺とだよな?)
ここでもレイラは女性に間違われている。
それに、少し歯がゆい気持ちになる。
だが、実際違っていることはレイラの性別だけで、ラウは確かにレイラと結婚しているようなものである。
レイラはラウのものになったのだ。しかもレイラに拒否権はない。
(わぁ、改めてお祝いされるの恥ずかしい)
レイラは一人で赤面していた。
「レイラさん?どうされましたか?」
ラウにそう尋ねられて、レイラはますます顔を赤らめた。
この人に自分の一生を託したのだ。
これからずっと、二人で頑張りたい。
「あの、ラウ様。このバウムクーヘン、なんですけど…」
一応真相を話しておこうと思い、レイラは口を開いた。
「わかっていますよ。私達の結婚のお祝いですよね?」
ラウは分かっていたらしい。
「俺とで本当にいいんですか?」
「あなたに拒否権はないはずです」
ラウはあっさり言う。
レイラは言葉を返せなかった。
この人はこんなにも自分を求めてくれる。それが嬉しかった。
***
「わあ、星が綺麗ですよ」
子ども達が自分の部屋に戻ったあと、レイラは窓から空を見上げていた。
ラクサスは星を見るには最適な環境である。
周りに明るいライトもない上に、空気も綺麗だからだ。
しかもこのホテルは山の麓にある。
今日は雲一つなかった。
星を見るための条件が全て揃っている。
「レイラさん」
ぎゅ、と後ろからラウに抱きしめられる。
レイラはラウの腕に自分の手を乗せた。
しばらく二人はそのままでいた。
お互いの体温を感じるのがこんなに心地良い。
「抱いていいですか?」
ラウに耳元で囁かれると、体が反射的に熱くなってしまう。
我ながら単純で嫌になるが、今はそれどころじゃない。
レイラは頷いた。
ラウはレイラを優しく抱き上げるとベッドに寝かせた。
そのままラウが覆い被さってくる。
レイラは彼の背中に手を回した。
「ん、…っ、はぁ…」
激しくキスをされるだけで、レイラは息が上がってしまう。
苦しいが気持ちいい。ラウはレイラがどれくらいなら耐えられるのかを熟知しているようだ。
「あ、はっ」
ラウの口づけが鎖骨まで下がってくると、期待感のせいか下半身が熱くなってくる。
「焦らしちゃヤダ」
レイラは涙目で懇願した。
それを素直に聞いてくれないのがラウである。
攻めて攻めて、レイラの限界ギリギリを探ってくる。
いつ抱き潰されてもおかしくない、レイラは毎回、そんな恐怖と戦っているのだった。
「レイラさんの体は本当に綺麗ですね。
素直で愛らしいです」
「っ…!!!」
ラウに耳元で囁かれて、レイラはびくり、と体を震わせた。
ラウの手がレイラの腰を探っている。
「ここもしましょうか」
「あっ…!」
つん、と指先で突かれたところはラウを受け入れられるように何度も訓練した場所だ。やはりここは、女性のように自力では濡れない。
ラウは大抵レイラの先走りを使って、指を挿れてくる。
今日もそうだった。
「ん、くるしい…っ」
強引に指を押し挿れられてレイラは苦しくて呻いた。体に自然と力が入ってしまう。
「レイラさん、力を抜きましょうか」
「ん、でも…っああ!!」
ラウに性器を触られてレイラは脱力してしまう。その間にラウの指は奥へ飲み込まれていた。
「上手ですよ」
この場合、上手なのはラウの方なのだが、レイラにそんなことを考えている暇はない。
更に奥に指を押し挿れられる。
「んん、っふ、ん」
「レイラさん、可愛い」
指を2本、3本と増やされて、レイラはすっかりとろとろになってしまっていた。
さっきまではあんなに苦しかったのに、今は全く感じない。
それどころか快感でおかしくなりそうだった。
「あ、はぁ、っ…ラウ様、もう」
ラウが指を引き抜く。
そして、代わりに自身をあてがってくる。
(怖い…)
レイラはラウにしがみついた。
恐怖はいつものことだ。
ラウがぐぷりと中に入ってくる。
「あぁあ…」
レイラはぎゅ、とラウのシャツを掴んで耐えた。
「レイラさん、好きです」
「俺も」
ラウがゆっくり動き始める。
レイラも腰を揺する。
「っ…ふっ…」
喘ぎながらレイラは確かにラウを感じていた。この人で本当によかった。
「あ、ラウ様、俺もう…」
「一緒にいきましょうか」
「ん、はい…!」
ラウが更に奥を抉るように突いてくる。
「っあぁ!!」
二人は同時に達した。
行為のあとは体が火照って熱い。
レイラはラウにしがみついた。
ラウも抱き寄せてくれる。
「今日もとても楽しかったです」
そう言うとラウに頭を撫でられた。
「よかったです。私も楽しかった。レイラさん、これからもよろしくお願いします」
「こ、こちらこそ」
改めて言われると照れくさい。
二人はどちらからともなく笑った。
2話へ続く。
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