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Aグループ

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キリトの提案で、僕達はAグループとBグループに分かれることになった。

Aグループはキリト、ビャクヤ、ラッセさんのお姉さん
Bグループはアカツキさん、ラッセさん、僕だ。

「姉さん、先にここの情報の共有をしよう」

「そうしましょうー!」

しばらく二人は端末を取り出してなにか操作をしていた。よく分からないけれど、共有をしているのだろう。

「よし、行けるぞ」

「準備万端ですよぅー」

僕達は下から、キリト達は上のフロアから探ることになった。この建物は4階まであるようだ。

「気を付けてね」

「ムギ達もね!」

僕達は分かれて早速探査を始めた。

「む。見つけた」

ラッセさんが壁に駆け寄る。それは一階のフロアの地図のようだ。なにかあった時のために非常口の場所が書かれている。
これだけ見ると普通の企業なんだけどな。

ラッセさんはそれを端末についたセンサーでスキャンしていた。
そんなことも出来るのか。

「一階は研究室があったのか。調べ甲斐がありそうだな」

ラッセさんの横から地図を眺めていたアカツキさんが言う。

「資料とか手がかりが残ってるかもしれませんね!」

「なぁ…二人共」

ラッセさんが気まずそうに言う。どうしたんだろう?

「ここに貼ってある館内の地図と、フォゼットの衛星から送られてきた地図データが違うんだ」

見てくれ、とラッセさんが端末を差し出してきたので、僕達は画面を覗き込んだ。
フォゼットって衛星まであるんだ、なんていうのは今更なので触れない。

「なんだ?変な通路がいくつもあるな」

アカツキさんの言う通りだった。
壁だと思っていた場所に通路があったり、部屋があるのだ。

「こりゃなんかない方がおかしいな」

「調べればすぐバレるのにな」

呆れたようにラッセさんが言った。

「ま、とりあえず一つずつ潰していくぞ」

僕達は北側にある部屋から手がかりを探すことにした。
研究室には当然、実験器具や資料が沢山置いてある。これだけの量をすべて見ていたら果てしない。アカツキさんから指示が飛ぶ。

「ツムギ、日誌や実験記録に関する物だけを抜き出せ」

「はい」

僕は言われた通り、資料を抜き出して机の上に置いていった。それにしても膨大すぎる。
どれだけ実験したんだろう。しかも人間で実験していた可能性が高い。

ラッセさんは残った実験器具をスキャンしている。
なにか分かるのかな。
僕はそこで不安になった。

まだウイルスがこの部屋や建物に残っていたりしたら?

「ラッセさん、もうウイルスは大丈夫なんですか?」

一応彼女に尋ねる。

「あぁ。調べたところ、ウイルスは空気に弱いらしいからな。大丈夫だろう」

「よかった」

「資料はこんなもんか」

アカツキさんが本の束をずしり、と机の上に置く。すごい量になったな。

「よし、調べていくか」

気を引き締めなくちゃ。
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