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調査開始!
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「キャハハ、たかーい!」
ビャクヤがヘリコプターの窓から下を見ている。
楽しそうだな。さすがに僕は怖くて無理だった。
「僕達はこれからどこに行くんですか?」
ラッセさんが答えてくれる。
「あぁ、軍が吹き飛ばした都市に行く」
フォゼットの都市はやっぱり一つ吹き飛ばされていたんだ。じゃあ小麦粉と表記されていたのはやっぱり爆薬だったんだろう。怖い。
「一体なんで吹き飛ばすことに?手段が荒すぎるでしょう?」
キリトの言葉に、ラッセさんは頷いた。
「都市を吹き飛ばした軍からの報告に新しいウイルスを発見したっていうものがある」
「新しいウイルス…」
「そうだ。それが蔓延するのを防ぐために、罹患患者ごと爆薬で吹き飛ばしたそうだ」
なんてひどい。
「罹患患者は人間としての意識を保っていなかったらしい。患者は他の側にいた人間に襲いかかったそうだ。そうするだけで、簡単にそのウイルスに感染してしまう」
怖すぎるな。
「俺と姉さんはそのウイルスを作り出したのがロゼ・コーポレーションだったんじゃないかと当たりをつけている。
その証拠を探すために俺達はそこに行く。
くっそ。
ロゼ・コーポレーションがフォゼットに二つもあるなんて全然知らなかった!悔しい!!
これじゃあ上の言いなりじゃないか!」
そりゃあ、ロゼ・コーポレーションのことを、ラッセさん達に知らせるわけにはいかないよなあ。彼女達は情報のプロなわけだし。
ラッセさんがギリギリと歯を食いしばってる。
それにしても、なんだか途方もない話になってきた。
つまりその爆破された都市にもロゼ・コーポレーションの会社があって、変なウイルスを作り出していたってことになる。
なんの為か、それはあまり考えたくない。
「でもよ、なにかそこに残っているのか?爆薬で全部吹き飛ばしちまったんだろ?」
アカツキさんの言葉にラッセさんが笑った。
「俺達はデータの復元も得意だからな。そういうのも管轄内なんだ」
「そうか。頼むぞ、ラッセ」
「任せろ」
ヘリコプターは街の真ん中に降り立った。
あるのは瓦礫だらけだ。建物の形が残っているものもあったけれど、窓という窓のガラスが割れて、壁は黒く焼け焦げてしまっている。
ここにいた人たちは無事じゃ済まなかっただろうな。
「ひでえな」
周りを見渡しながら僕達は歩いていた。
「ここだ」
ラッセさんが比較的大きな建物の前で立ち止まる。ここだけ、なんだか爆発を逃れたように綺麗に建物が残っている。なんで?
ラッセさんが建物を指で撫でて、僕達の方に向けた。指先が青白く光っている。
「見ろ、あの城で使われていた塗料だ。防水もできる上に防火も出来るみたいだな。これだけでも大発明だ。多分、技術をあの城から丸事奪い取ったんだろうな」
確かに。
この間キリト達が城で倒したあの黒い影は元々は人間だったんだ。
そして『あの方』という人のためにあんな城まで作り上げてしまった。
その城に二人で住むつもりだったのかな。
それはもう、分からない。
中も綺麗に丸々残っていた。
「これなら復元も最小限で済みそうですねぇ」
お姉さんが言う。手間が掛からないのはなによりだ。
「よし、手分けして証拠を探そう!」
キリトの言葉に皆が頷いた。
ビャクヤがヘリコプターの窓から下を見ている。
楽しそうだな。さすがに僕は怖くて無理だった。
「僕達はこれからどこに行くんですか?」
ラッセさんが答えてくれる。
「あぁ、軍が吹き飛ばした都市に行く」
フォゼットの都市はやっぱり一つ吹き飛ばされていたんだ。じゃあ小麦粉と表記されていたのはやっぱり爆薬だったんだろう。怖い。
「一体なんで吹き飛ばすことに?手段が荒すぎるでしょう?」
キリトの言葉に、ラッセさんは頷いた。
「都市を吹き飛ばした軍からの報告に新しいウイルスを発見したっていうものがある」
「新しいウイルス…」
「そうだ。それが蔓延するのを防ぐために、罹患患者ごと爆薬で吹き飛ばしたそうだ」
なんてひどい。
「罹患患者は人間としての意識を保っていなかったらしい。患者は他の側にいた人間に襲いかかったそうだ。そうするだけで、簡単にそのウイルスに感染してしまう」
怖すぎるな。
「俺と姉さんはそのウイルスを作り出したのがロゼ・コーポレーションだったんじゃないかと当たりをつけている。
その証拠を探すために俺達はそこに行く。
くっそ。
ロゼ・コーポレーションがフォゼットに二つもあるなんて全然知らなかった!悔しい!!
これじゃあ上の言いなりじゃないか!」
そりゃあ、ロゼ・コーポレーションのことを、ラッセさん達に知らせるわけにはいかないよなあ。彼女達は情報のプロなわけだし。
ラッセさんがギリギリと歯を食いしばってる。
それにしても、なんだか途方もない話になってきた。
つまりその爆破された都市にもロゼ・コーポレーションの会社があって、変なウイルスを作り出していたってことになる。
なんの為か、それはあまり考えたくない。
「でもよ、なにかそこに残っているのか?爆薬で全部吹き飛ばしちまったんだろ?」
アカツキさんの言葉にラッセさんが笑った。
「俺達はデータの復元も得意だからな。そういうのも管轄内なんだ」
「そうか。頼むぞ、ラッセ」
「任せろ」
ヘリコプターは街の真ん中に降り立った。
あるのは瓦礫だらけだ。建物の形が残っているものもあったけれど、窓という窓のガラスが割れて、壁は黒く焼け焦げてしまっている。
ここにいた人たちは無事じゃ済まなかっただろうな。
「ひでえな」
周りを見渡しながら僕達は歩いていた。
「ここだ」
ラッセさんが比較的大きな建物の前で立ち止まる。ここだけ、なんだか爆発を逃れたように綺麗に建物が残っている。なんで?
ラッセさんが建物を指で撫でて、僕達の方に向けた。指先が青白く光っている。
「見ろ、あの城で使われていた塗料だ。防水もできる上に防火も出来るみたいだな。これだけでも大発明だ。多分、技術をあの城から丸事奪い取ったんだろうな」
確かに。
この間キリト達が城で倒したあの黒い影は元々は人間だったんだ。
そして『あの方』という人のためにあんな城まで作り上げてしまった。
その城に二人で住むつもりだったのかな。
それはもう、分からない。
中も綺麗に丸々残っていた。
「これなら復元も最小限で済みそうですねぇ」
お姉さんが言う。手間が掛からないのはなによりだ。
「よし、手分けして証拠を探そう!」
キリトの言葉に皆が頷いた。
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