12 / 16
3
紗輝の長い1日
しおりを挟む
今日は水曜日。整体院がお休みの日。
だから俺も必然的に休みになる。
せっかくなので、センセを誘って近くの水族館に行くことにした。
今度こそ二人きりだ!!
わくわくしながら腕時計を見る。
「紗輝ちゃん、なにしてんの?」
ん?この声は?
俺が振り返ると目の前には黒いフリルのついた日傘。
「久しぶり、紗輝ちゃん」
ばぁ、と日傘をずらして現れたのはゴスロリの女の子だった。
え、誰?
「なにー?あたしのこと忘れちゃった?」
「え、えーと」
「紗輝くん!すまない!
遅くなってしまって!」
「センセ!!」
「真ちゃんだー!!」
センセは俺と謎の女の子を見比べて、首を傾げた。
「まりんちゃんじゃないか。
紗輝くんとデートか?」
「へ?」
まりんちゃん?デート?
え?
「そうなの、真ちゃんはー?」
「ちが!違うからね!センセ!!」
まりんちゃんって言ってたよね?
もしかして?
「え、佐伯さんの娘さんのまりんちゃん?」
彼女は悪戯っぽく笑って見せた。
佐伯さんはこの前スノードームをくれた常連の女性だ。
時々娘さんのまりんちゃんを連れてきていたけど、こんなに大きくなってるなんて。
「まりんちゃん、いくつになったの?」
「12歳だよ!」
12歳ってこんなに大人っぽいんだ。
まりんちゃんは化粧もしているみたいだし、なおさらかもしれない、
「二人ともどこに行くの?
まりんも一緒に行きたいな!
ね、いいでしょ?」
素直にお願いされると弱いよなぁ。
センセもうなずいている。
「お母さんに連絡するならいいよ」
「キャー!やったぁ!」
まりんちゃんは黒いリボンのついた鞄からスマホを取り出して電話をかけ始めた。
二人きりは無理でもまだラブラブデートはできるはずだ!
頑張れ、俺!
つづく。
だから俺も必然的に休みになる。
せっかくなので、センセを誘って近くの水族館に行くことにした。
今度こそ二人きりだ!!
わくわくしながら腕時計を見る。
「紗輝ちゃん、なにしてんの?」
ん?この声は?
俺が振り返ると目の前には黒いフリルのついた日傘。
「久しぶり、紗輝ちゃん」
ばぁ、と日傘をずらして現れたのはゴスロリの女の子だった。
え、誰?
「なにー?あたしのこと忘れちゃった?」
「え、えーと」
「紗輝くん!すまない!
遅くなってしまって!」
「センセ!!」
「真ちゃんだー!!」
センセは俺と謎の女の子を見比べて、首を傾げた。
「まりんちゃんじゃないか。
紗輝くんとデートか?」
「へ?」
まりんちゃん?デート?
え?
「そうなの、真ちゃんはー?」
「ちが!違うからね!センセ!!」
まりんちゃんって言ってたよね?
もしかして?
「え、佐伯さんの娘さんのまりんちゃん?」
彼女は悪戯っぽく笑って見せた。
佐伯さんはこの前スノードームをくれた常連の女性だ。
時々娘さんのまりんちゃんを連れてきていたけど、こんなに大きくなってるなんて。
「まりんちゃん、いくつになったの?」
「12歳だよ!」
12歳ってこんなに大人っぽいんだ。
まりんちゃんは化粧もしているみたいだし、なおさらかもしれない、
「二人ともどこに行くの?
まりんも一緒に行きたいな!
ね、いいでしょ?」
素直にお願いされると弱いよなぁ。
センセもうなずいている。
「お母さんに連絡するならいいよ」
「キャー!やったぁ!」
まりんちゃんは黒いリボンのついた鞄からスマホを取り出して電話をかけ始めた。
二人きりは無理でもまだラブラブデートはできるはずだ!
頑張れ、俺!
つづく。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
初恋はおしまい
佐治尚実
BL
高校生の朝好にとって卒業までの二年間は奇跡に満ちていた。クラスで目立たず、一人の時間を大事にする日々。そんな朝好に、クラスの頂点に君臨する修司の視線が絡んでくるのが不思議でならなかった。人気者の彼の一方的で執拗な気配に朝好の気持ちは高ぶり、ついには卒業式の日に修司を呼び止める所までいく。それも修司に無神経な言葉をぶつけられてショックを受ける。彼への思いを知った朝好は成人式で修司との再会を望んだ。
高校時代の初恋をこじらせた二人が、成人式で再会する話です。珍しく攻めがツンツンしています。
※以前投稿した『初恋はおしまい』を大幅に加筆修正して再投稿しました。現在非公開の『初恋はおしまい』にお気に入りや♡をくださりありがとうございました!こちらを読んでいただけると幸いです。
今作は個人サイト、各投稿サイトにて掲載しています。
解放
papiko
BL
過去にCommandされ、名前を忘れた白銀の髪を持つ青年。年齢も分からず、前のDomさえ分からない。瞳は暗く影が落ち、黒ずんで何も映さない。
偶々、甘やかしたいタイプのアルベルに拾われ名前を貰った白銀の青年、ロイハルト。
アルベルが何十という数のDomに頼み込んで、ロイハルトをDropから救い出そうとした。
――――そして、アルベル苦渋の決断の末、選ばれたアルベルの唯一無二の親友ヴァイス。
これは、白銀の青年が解放される話。
〘本編完結済み〙
※ダイナミクスの設定を理解してる上で進めています。一応、説明じみたものはあります。
※ダイナミクスのオリジナル要素あります。
※3Pのつもりですが全くやってません。
※番外編、書けたら書こうと思います。
【リクエストがあれば執筆します。】
私立明進学園
おまめ
BL
私立明進学園(メイシン)。
そこは初等部から大学部まで存在し
中等部と高等部は全寮制なひとつの学園都市。
そんな世間とは少し隔絶された学園の中の
姿を見守る短編小説。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
学園での彼らの恋愛を短編で描きます!
王道学園設定に近いけど
生徒たち、特に生徒会は王道生徒会とは離れてる人もいます
平和が好きなので転校生も良い子で書きたいと思ってます
1組目¦副会長×可愛いふわふわ男子
2組目¦構想中…
目覚ましに先輩の声を使ってたらバレた話
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
サッカー部の先輩・ハヤトの声が密かに大好きなミノル。
彼を誘い家に泊まってもらった翌朝、目覚ましが鳴った。
……あ。
音声アラームを先輩の声にしているのがバレた。
しかもボイスレコーダーでこっそり録音していたことも白状することに。
やばい、どうしよう。
咳が苦しくておしっこが言えなかった同居人
こじらせた処女
BL
過労が祟った菖(あやめ)は、風邪をひいてしまった。症状の中で咳が最もひどく、夜も寝苦しくて起きてしまうほど。
それなのに、元々がリモートワークだったこともあってか、休むことはせず、ベッドの上でパソコンを叩いていた。それに怒った同居人の楓(かえで)はその日一日有給を取り、菖を監視する。咳が止まらない菖にホットレモンを作ったり、背中をさすったりと献身的な世話のお陰で一度長い眠りにつくことができた。
しかし、1時間ほどで目を覚ましてしまう。それは水分をたくさんとったことによる尿意なのだが、咳のせいでなかなか言うことが出来ず、限界に近づいていき…?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる