68 / 68
おまけ
シャナととびすけの冒険
しおりを挟む
「シャナお兄ちゃん!大変だよ!!」
いつもの東屋でシャナは自分の剣を手入れしていた。女の子たちは他の場所で遊んでいるらしく、ここにはいない。とびすけは興奮しているのかいつもより早口だ。
「どうした?とびすけ」
「宝の地図だよ!エンオウおじさまの家にあったんだって!」
「宝の地図…か」
シャナはとびすけから、それを受け取り眺めた。地図はそんなに大きくない。二人で身を寄せ合って見る。紙は古びて茶色く変色している。破れている箇所もあった。
「ねえ、宝を探しに行こうよ」
「まあ待て、とびすけ。こういうのは情報収集が大事だ。まずこの地図がどこを示してるのか、それを探らないとな」
確かにその通りだと、とびすけはシャナを見つめた。兄はいつも冷静でカッコいい。
「シャナお兄ちゃんはすごいなぁ」
心の声が思わず声に出ていた。シャナがそれに笑う。
「俺を褒めてもなんも出んぞ」
とびすけはそれに笑った。こんな兄が大好きだ。血の繋がりはないが、信頼できる優しい兄である。
「とりあえずかあさんに聞いてみよう。何か知っているかもしれない」
「うん!」
二人は地図を片手に屋敷に戻った。屋敷に戻ると、ルネシアは書き物をしていた。占いをしていたのだろう。
「母さま…」
とびすけが声を掛けると、ルネシアが振り返って笑った。
「どうしたの?二人共。おいで」
とびすけは嬉しくなってルネシアに駆け寄って抱き着いた。シャナが変わらず冷静に言う。
「エンオウおじさんがこの地図を持ってきたって」
「あぁ。それ竹やぶの地図なんだよ」
竹やぶというのは、龍の里の一番上の階層にある。龍の里で唯一、ヒトの手が加えられていない場所だった。
「わぁ、それなら絶対にお宝があるね!」
とびすけが顔を輝かせる。ルネシアは「ん?」と思ったが、子どもたちに任せてみることにした。
「二人共、竹やぶに行くの?ならお遣いもお願いしていい?」
「うん!」
「姉さんに占いの結果を渡してほしいの。無くさないようにね」
ルネシアは占いの結果が書かれた紙を封筒に入れた。それをシャナに渡す。
「分かった。確実にルアナ様に渡すよ」
「お願いね」
「行こう!お兄ちゃん!!」
「あぁ!」
二人はすぐさま駆け出していく。それをルネシアは見送った。一人呟く。
「宝ってなんのことだろ?」
✢✢✢
二人は一番上の階層に向かうため、石造りの階段をひたすら登っていた。この階段はいつ通ってもきつい。
全部で1299段ある。
「お兄ちゃ…はぁ、はあ、疲れた」
「とびすけ、ゆっくりでいいぞ」
いつもとびすけは全速力で階段を駆け上がろうとするので、必ず息が切れて途中で失速する。シャナはそんなとびすけをいつも励ます。とびすけもそれに応えるべく毎回必死だ。
「あと10段」
ゼイゼイ言いながらとびすけは階段を登りきった。世の中にはこの階段を息を切らさず登るヒトがいるのだと父親から聞いている。とびすけははじめ聞いた時、信じられなかったが、エンオウからも同じような話を聞き、信じた。
シャナがとびすけの手を優しく握る。
「行くぞ」
「うん」
二人はルアナの屋敷に向かった。
ルアナの屋敷は特別大きい。龍の里のデータが全てここで管理されているのだ。二人は玄関の引き戸を開けて中に入った。本来なら子供がここに立ち入るのは許されていない。だが、ルネシアと翔吾の子供たちはお遣いの時だけ入ることを許されている。
「こんにちは、お邪魔します!」
とびすけが声を掛けると中の者が返事をした。
「坊っちゃんたちでしたか。ルアナ様がお待ちですよ」
え、ととびすけは驚いた。いつもならここでお遣いは終わりである。まさか自分たちが中に入れるなんてと、とびすけは少し誇らしい気持ちになった。
二人は靴を脱いで中に入る。奥の間にルアナはいた。シャナととびすけは彼女の前できちんと正座する。
「シャナ、とびすけ。占いの結果を運んでくれてありがとう」
ルアナが笑う。彼女の笑顔は滅多に見られるものではない。とびすけはそれにドキドキした。ちらりと隣を見るとシャナはいつも通りに見える。やはり彼はいつも冷静でカッコいい。とびすけはちらちらと兄を見つめた。
「二人にお菓子をあげましょう」
ルアナがくれたのは金色の飴玉だった。口に放ると甘い。
「ふぁ、美味しい」
飴玉をころころ口の中で転がすのが楽しい。飴は少しずつ小さくなっていく。いよいよなくなってしまう。出してもらった茶を飲み干し、二人はルアナに頭を下げた。
「ごちそうさまでした!」
屋敷を出て、二人は目的地である竹やぶに入った。
竹やぶには不思議な伝説がいくつも残っている。光る竹の中に女の子がいた、だとか、竹やぶに入ったきりその人が戻ってこないだとか、不思議なモンスターを見ただとか、挙げればキリがない。シャナは地図を見ている。竹やぶの真ん中に赤いバツ印が書かれている。おそらく宝はこれだろう。
「こっちだ、おいで。とびすけ」
「うん!」
二人は竹やぶの奥に足を踏み入れた。途中でシャナが竹に傷を入れている。帰り道を間違えないようにだ。
それだけ竹やぶは広い。しばらく歩いたが景色は変わらない。とびすけはだんだん怖くなってきていた。空模様が怪しい。
「シャナお兄ちゃん、雨が降りそうだよ」
「ああ。もう少し行けば小屋があるみたいだ。急ごう」
二人が更に歩くと、シャナの言った通り、古びた小屋があった。中に入ると、ぎいと床が軋む。今にも抜け落ちてしまいそうだ。雨が降ってきた。バラバラと小屋の屋根に叩きつけるような音がする。
「お兄ちゃん、怖いよ」
「大丈夫だ。ただの雨だよ」
「うん」
シャナにとびすけが抱き着くと背中を撫でられる。いつまでそうしていたか分からない。とびすけはハッと目を覚ました。いつの間にか眠ってしまっていた。
「起きたか?」
「ごめん、寝てた」
「俺もさっき起きた。雨もやんだし行こう」
二人は小屋を出て竹やぶの中心地に向かった。だが、そこにあるのはただの井戸だ。
「あれー?宝は?」
とびすけはキョロキョロしたが、宝らしきものは見当たらない。
「多分、この井戸が宝なんだろうな」
「え?!」
シャナが地図を示す。そこには掠れているが文字が書かれている。その文章には、とびすけがまだ知らない単語が使われている。シャナが噛み砕いて説明してくれた。
「この井戸は雨が降らなかった場合に備えて昔の人が作ったらしい。この井戸から汲み上げられる地下水っていう有限資源は宝なんだよ」
とびすけにはなんのことだかさっぱりだった。
「お水って宝なの?」
「あぁ。そうだぞ、水はどこにでも絶対にあるわけじゃないからな」
「そうなんだ」
「とびすけー!シャナー!」
翔吾の声がする。心配して探しに来てくれたのだろう。
「とうさーん、おーい!」
シャナの声に気が付いた翔吾が駆け寄ってくる。
「良かった、二人共」
「父さま!僕たちお宝見つけたよ!」
「とっておきのだ」
とびすけとシャナはそう父に報告したのだった。
おわり
いつもの東屋でシャナは自分の剣を手入れしていた。女の子たちは他の場所で遊んでいるらしく、ここにはいない。とびすけは興奮しているのかいつもより早口だ。
「どうした?とびすけ」
「宝の地図だよ!エンオウおじさまの家にあったんだって!」
「宝の地図…か」
シャナはとびすけから、それを受け取り眺めた。地図はそんなに大きくない。二人で身を寄せ合って見る。紙は古びて茶色く変色している。破れている箇所もあった。
「ねえ、宝を探しに行こうよ」
「まあ待て、とびすけ。こういうのは情報収集が大事だ。まずこの地図がどこを示してるのか、それを探らないとな」
確かにその通りだと、とびすけはシャナを見つめた。兄はいつも冷静でカッコいい。
「シャナお兄ちゃんはすごいなぁ」
心の声が思わず声に出ていた。シャナがそれに笑う。
「俺を褒めてもなんも出んぞ」
とびすけはそれに笑った。こんな兄が大好きだ。血の繋がりはないが、信頼できる優しい兄である。
「とりあえずかあさんに聞いてみよう。何か知っているかもしれない」
「うん!」
二人は地図を片手に屋敷に戻った。屋敷に戻ると、ルネシアは書き物をしていた。占いをしていたのだろう。
「母さま…」
とびすけが声を掛けると、ルネシアが振り返って笑った。
「どうしたの?二人共。おいで」
とびすけは嬉しくなってルネシアに駆け寄って抱き着いた。シャナが変わらず冷静に言う。
「エンオウおじさんがこの地図を持ってきたって」
「あぁ。それ竹やぶの地図なんだよ」
竹やぶというのは、龍の里の一番上の階層にある。龍の里で唯一、ヒトの手が加えられていない場所だった。
「わぁ、それなら絶対にお宝があるね!」
とびすけが顔を輝かせる。ルネシアは「ん?」と思ったが、子どもたちに任せてみることにした。
「二人共、竹やぶに行くの?ならお遣いもお願いしていい?」
「うん!」
「姉さんに占いの結果を渡してほしいの。無くさないようにね」
ルネシアは占いの結果が書かれた紙を封筒に入れた。それをシャナに渡す。
「分かった。確実にルアナ様に渡すよ」
「お願いね」
「行こう!お兄ちゃん!!」
「あぁ!」
二人はすぐさま駆け出していく。それをルネシアは見送った。一人呟く。
「宝ってなんのことだろ?」
✢✢✢
二人は一番上の階層に向かうため、石造りの階段をひたすら登っていた。この階段はいつ通ってもきつい。
全部で1299段ある。
「お兄ちゃ…はぁ、はあ、疲れた」
「とびすけ、ゆっくりでいいぞ」
いつもとびすけは全速力で階段を駆け上がろうとするので、必ず息が切れて途中で失速する。シャナはそんなとびすけをいつも励ます。とびすけもそれに応えるべく毎回必死だ。
「あと10段」
ゼイゼイ言いながらとびすけは階段を登りきった。世の中にはこの階段を息を切らさず登るヒトがいるのだと父親から聞いている。とびすけははじめ聞いた時、信じられなかったが、エンオウからも同じような話を聞き、信じた。
シャナがとびすけの手を優しく握る。
「行くぞ」
「うん」
二人はルアナの屋敷に向かった。
ルアナの屋敷は特別大きい。龍の里のデータが全てここで管理されているのだ。二人は玄関の引き戸を開けて中に入った。本来なら子供がここに立ち入るのは許されていない。だが、ルネシアと翔吾の子供たちはお遣いの時だけ入ることを許されている。
「こんにちは、お邪魔します!」
とびすけが声を掛けると中の者が返事をした。
「坊っちゃんたちでしたか。ルアナ様がお待ちですよ」
え、ととびすけは驚いた。いつもならここでお遣いは終わりである。まさか自分たちが中に入れるなんてと、とびすけは少し誇らしい気持ちになった。
二人は靴を脱いで中に入る。奥の間にルアナはいた。シャナととびすけは彼女の前できちんと正座する。
「シャナ、とびすけ。占いの結果を運んでくれてありがとう」
ルアナが笑う。彼女の笑顔は滅多に見られるものではない。とびすけはそれにドキドキした。ちらりと隣を見るとシャナはいつも通りに見える。やはり彼はいつも冷静でカッコいい。とびすけはちらちらと兄を見つめた。
「二人にお菓子をあげましょう」
ルアナがくれたのは金色の飴玉だった。口に放ると甘い。
「ふぁ、美味しい」
飴玉をころころ口の中で転がすのが楽しい。飴は少しずつ小さくなっていく。いよいよなくなってしまう。出してもらった茶を飲み干し、二人はルアナに頭を下げた。
「ごちそうさまでした!」
屋敷を出て、二人は目的地である竹やぶに入った。
竹やぶには不思議な伝説がいくつも残っている。光る竹の中に女の子がいた、だとか、竹やぶに入ったきりその人が戻ってこないだとか、不思議なモンスターを見ただとか、挙げればキリがない。シャナは地図を見ている。竹やぶの真ん中に赤いバツ印が書かれている。おそらく宝はこれだろう。
「こっちだ、おいで。とびすけ」
「うん!」
二人は竹やぶの奥に足を踏み入れた。途中でシャナが竹に傷を入れている。帰り道を間違えないようにだ。
それだけ竹やぶは広い。しばらく歩いたが景色は変わらない。とびすけはだんだん怖くなってきていた。空模様が怪しい。
「シャナお兄ちゃん、雨が降りそうだよ」
「ああ。もう少し行けば小屋があるみたいだ。急ごう」
二人が更に歩くと、シャナの言った通り、古びた小屋があった。中に入ると、ぎいと床が軋む。今にも抜け落ちてしまいそうだ。雨が降ってきた。バラバラと小屋の屋根に叩きつけるような音がする。
「お兄ちゃん、怖いよ」
「大丈夫だ。ただの雨だよ」
「うん」
シャナにとびすけが抱き着くと背中を撫でられる。いつまでそうしていたか分からない。とびすけはハッと目を覚ました。いつの間にか眠ってしまっていた。
「起きたか?」
「ごめん、寝てた」
「俺もさっき起きた。雨もやんだし行こう」
二人は小屋を出て竹やぶの中心地に向かった。だが、そこにあるのはただの井戸だ。
「あれー?宝は?」
とびすけはキョロキョロしたが、宝らしきものは見当たらない。
「多分、この井戸が宝なんだろうな」
「え?!」
シャナが地図を示す。そこには掠れているが文字が書かれている。その文章には、とびすけがまだ知らない単語が使われている。シャナが噛み砕いて説明してくれた。
「この井戸は雨が降らなかった場合に備えて昔の人が作ったらしい。この井戸から汲み上げられる地下水っていう有限資源は宝なんだよ」
とびすけにはなんのことだかさっぱりだった。
「お水って宝なの?」
「あぁ。そうだぞ、水はどこにでも絶対にあるわけじゃないからな」
「そうなんだ」
「とびすけー!シャナー!」
翔吾の声がする。心配して探しに来てくれたのだろう。
「とうさーん、おーい!」
シャナの声に気が付いた翔吾が駆け寄ってくる。
「良かった、二人共」
「父さま!僕たちお宝見つけたよ!」
「とっておきのだ」
とびすけとシャナはそう父に報告したのだった。
おわり
11
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結】テルの異世界転換紀?!転がり落ちたら世界が変わっていた。
カヨワイさつき
BL
小学生の頃両親が蒸発、その後親戚中をたらいまわしにされ住むところも失った田辺輝(たなべ てる)は毎日切り詰めた生活をしていた。複数のバイトしていたある日、コスプレ?した男と出会った。
異世界ファンタジー、そしてちょっぴりすれ違いの恋愛。
ドワーフ族に助けられ家族として過ごす"テル"。本当の両親は……。
そして、コスプレと思っていた男性は……。
【完結】父を探して異世界転生したら男なのに歌姫になってしまったっぽい
御堂あゆこ
BL
超人気芸能人として活躍していた男主人公が、痴情のもつれで、女性に刺され、死んでしまう。
生前の行いから、地獄行き確定と思われたが、閻魔様の気まぐれで、異世界転生することになる。
地獄行き回避の条件は、同じ世界に転生した父親を探し出し、罪を償うことだった。
転生した主人公は、仲間の助けを得ながら、父を探して旅をし、成長していく。
※含まれる要素
異世界転生、男主人公、ファンタジー、ブロマンス、BL的な表現、恋愛
※小説家になろうに重複投稿しています
悪の策士のうまくいかなかった計画
迷路を跳ぶ狐
BL
いつか必ず返り咲く。それだけを目標に、俺はこの学園に戻ってきた。過去に、破壊と使役の魔法を研究したとして、退学になったこの学園に。
今こそ、復活の時だ。俺を切り捨てた者たちに目に物見せ、研究所を再興する。
そのために、王子と伯爵の息子を利用することを考えた俺は、長く温めた策を決行し、学園に潜り込んだ。
これから俺を陥れた連中を、騙して嵌めて蹂躙するっ! ……はず、だった……のに??
王子は跪き、俺に向かって言った。
「あなたの破壊の魔法をどうか教えてください。教えるまでこの部屋から出しません」と。
そして、伯爵の息子は俺の手をとって言った。
「ずっと好きだった」と。
…………どうなってるんだ?
小悪魔系世界征服計画 ~ちょっと美少年に生まれただけだと思っていたら、異世界の救世主でした~
朱童章絵
BL
「僕はリスでもウサギでもないし、ましてやプリンセスなんかじゃ絶対にない!」
普通よりちょっと可愛くて、人に好かれやすいという以外、まったく普通の男子高校生・瑠佳(ルカ)には、秘密がある。小さな頃からずっと、別な世界で日々を送り、成長していく夢を見続けているのだ。
史上最強の呼び声も高い、大魔法使いである祖母・ベリンダ。
その弟子であり、物腰柔らか、ルカのトラウマを刺激しまくる、超絶美形・ユージーン。
外見も内面も、強くて男らしくて頼りになる、寡黙で優しい、薬屋の跡取り・ジェイク。
いつも笑顔で温厚だけど、ルカ以外にまったく価値を見出さない、ヤンデレ系神父・ネイト。
領主の息子なのに気さくで誠実、親友のイケメン貴公子・フィンレー。
彼らの過剰なスキンシップに狼狽えながらも、ルカは日々を楽しく過ごしていたが、ある時を境に、現実世界での急激な体力の衰えを感じ始める。夢から覚めるたびに強まる倦怠感に加えて、祖母や仲間達の言動にも不可解な点が。更には魔王の復活も重なって、瑠佳は次第に世界全体に疑問を感じるようになっていく。
やがて現実の自分の不調の原因が夢にあるのではないかと考えた瑠佳は、「夢の世界」そのものを否定するようになるが――。
無自覚小悪魔ちゃん、総受系愛され主人公による、保護者同伴RPG(?)。
(この作品は、小説家になろう、カクヨムにも掲載しています)
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
マリオネットが、糸を断つ時。
せんぷう
BL
異世界に転生したが、かなり不遇な第二の人生待ったなし。
オレの前世は地球は日本国、先進国の裕福な場所に産まれたおかげで何不自由なく育った。確かその終わりは何かの事故だった気がするが、よく覚えていない。若くして死んだはずが……気付けばそこはビックリ、異世界だった。
第二生は前世とは正反対。魔法というとんでもない歴史によって構築され、貧富の差がアホみたいに激しい世界。オレを産んだせいで母は体調を崩して亡くなったらしくその後は孤児院にいたが、あまりに酷い暮らしに嫌気がさして逃亡。スラムで前世では絶対やらなかったような悪さもしながら、なんとか生きていた。
そんな暮らしの終わりは、とある富裕層らしき連中の騒ぎに関わってしまったこと。不敬罪でとっ捕まらないために背を向けて逃げ出したオレに、彼はこう叫んだ。
『待て、そこの下民っ!! そうだ、そこの少し小綺麗な黒い容姿の、お前だお前!』
金髪縦ロールにド派手な紫色の服。装飾品をジャラジャラと身に付け、靴なんて全然汚れてないし擦り減ってもいない。まさにお貴族様……そう、貴族やら王族がこの世界にも存在した。
『貴様のような虫ケラ、本来なら僕に背を向けるなどと斬首ものだ。しかし、僕は寛大だ!!
許す。喜べ、貴様を今日から王族である僕の傍に置いてやろう!』
そいつはバカだった。しかし、なんと王族でもあった。
王族という権力を振り翳し、盾にするヤバい奴。嫌味ったらしい口調に人をすぐにバカにする。気に入らない奴は全員斬首。
『ぼ、僕に向かってなんたる失礼な態度っ……!! 今すぐ首をっ』
『殿下ったら大変です、向こうで殿下のお好きな竜種が飛んでいた気がします。すぐに外に出て見に行きませんとー』
『なにっ!? 本当か、タタラ! こうしては居られぬ、すぐに連れて行け!』
しかし、オレは彼に拾われた。
どんなに嫌な奴でも、どんなに周りに嫌われていっても、彼はどうしようもない恩人だった。だからせめて多少の恩を返してから逃げ出そうと思っていたのに、事態はどんどん最悪な展開を迎えて行く。
気に入らなければ即断罪。意中の騎士に全く好かれずよく暴走するバカ王子。果ては王都にまで及ぶ危険。命の危機など日常的に!
しかし、一緒にいればいるほど惹かれてしまう気持ちは……ただの忠誠心なのか?
スラム出身、第十一王子の守護魔導師。
これは運命によってもたらされた出会い。唯一の魔法を駆使しながら、タタラは今日も今日とてワガママ王子の手綱を引きながら平凡な生活に焦がれている。
※BL作品
恋愛要素は前半皆無。戦闘描写等多数。健全すぎる、健全すぎて怪しいけどこれはBLです。
.
動物アレルギーのSS級治療師は、竜神と恋をする
葉空
BL
SS級治療師、ルカ。それが今世の俺だ。
前世では、野犬に噛まれたことで狂犬病に感染し、死んでしまった。次に目が覚めると、異世界に転生していた。しかも、森に住んでるのは獣人で人間は俺1人?!しかも、俺は動物アレルギー持ち…
でも、彼らの怪我を治療出来る力を持つのは治癒魔法が使える自分だけ…
優しい彼が、唯一触れられる竜神に溺愛されて生活するお話。
【8話完結】いじめられっ子だった俺が、覚醒したら騎士団長に求愛されました
キノア9g
BL
いじめられ続けた僕は、ある日突然、異世界に転移した。
けれど、勇者として歓迎されたのは、僕を苦しめてきた“あいつ”の方。僕は無能と決めつけられ、誰からも相手にされなかった。
そんな僕に手を差し伸べてくれたのは、冷酷と恐れられる騎士団長・ジグルドだった。
なのに、あいつの命令で、僕は彼に嘘の告白をしてしまう――「ジグルドさんのことが、好きなんです」
それが、すべての始まりだった。
あの日から彼は、僕だけをまっすぐ見つめてくる。
僕を守る手は、やさしく、強くて、どこまでも真剣だった。
だけど僕には、まだ知られていない“力”がある。
過去の傷も、偽りの言葉も超えて、彼の隣にいてもいいのだろうか。
これは、いじめられっ子の僕が“愛されること”を知っていく、嘘と覚醒の物語。
全8話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる