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「ルネシア、これが赤ん坊だ」
「ふええ…」
ルネがぎゅううと俺の服の裾にしがみついて目をぎゅっと閉じている。超音波でお腹の中の様子を見ているだけなんだけどな。モニターには動くものが確かに映っている。
「ルネシア、怖いのか?」
先生の言葉にルネが呻く。
「だって、内臓見るなんて気持ち悪いんだもん!」
ルネは医者になれないタイプか。
「女の子だ」
「え?」
先生(名前はダンといった)の言葉にルネが薄目を開けてモニタをちらりと見る。
「これが頭、心臓も問題ない。あとはお前がよく食べてよく動くことだ。あと、菓子を食べ過ぎるな」
「分かってますよー」
看護師さんにお腹に付いたジェルを拭き取ってもらって、ルネは起き上がった。身だしなみを整えながら聞いている。
「あとどのくらいで生まれるの?」
「あと二ヶ月もかからないだろうな。また一月後検診に来いよ」
「はぁーい」
「そういえば聞いたか?」
「?」
✢✢✢
「ねえ、ショーゴ。なんでこうなったのかな?」
「んー」
俺たちはルネがかつて住んでいたお屋敷にいた。ちょっと見ただけだけど、すごく広くて立派なお屋敷だ。俺たちはそこで大勢の人の手を借りて着替えさせられている。
「良かったわ、ルネシアが帰ってきてくれて」
「母様、僕たち急いでるのに」
「あら、神殿なら逃げやしないんだし1日くらいいいじゃないの」
「むぐ…」
母強しってこういう事を言うんだな。ルネもいずれこうなるのかな?そう思うとちょっと怖い。
俺たちが着せられている衣装はいわゆる婚礼の儀のものらしい。つまりこれから手っ取り早く、結婚式をしようということだ。結婚式っていうとなんだか重みがあるな。衣装もめちゃくちゃ重たい。結婚式をこんなに急にして大丈夫なのか?
「皆、ルネシアの妊娠を喜んでるのよ。一言皆に挨拶すれば終わるし、ご馳走だって沢山出るんだから」
「せ、背に腹は代えられない」
ルネは食いしん坊だからなぁ。俺もそうだけど。
「ショーゴさん、ルネシアを好きになってくれてありがとうね。ほら、この子甘えん坊だしわがままじゃない?大変だろうけどお願いね」
「母様!余計なこと言わないで!」
「ルネは素敵なヒトです。俺の方こそ好きになってもらえて嬉しいし、光栄です」
「あらあらまぁまぁ。ショーゴさんみたいなヒト、なかなかいないわよ。ルネシア、大事にしなさいね」
「分かってますー」
龍の里に来てから、ルネがどれだけ周りのヒトに思われているかがよく分かったな。皆、ルネをすごく大切に思ってくれているんだ。俺も負けないくらいルネを大事にしよう。
婚礼の儀は正直ぐったぐだだった。手順がいくつもある、堅苦しい儀式のやり方を一度で覚えられるはずもなく、しかも緊張と慣れない服装で更にゴタゴタした。うん、本当に恥ずかしかった。大学の時の就職活動くらいぐだついたからな。俺たちは何をやってるんだろう、本当に。
初めて知ったけど、結婚するって難易度高すぎない?でもなんだかんだ、豪華な衣装を脱いで、ルネの家族を含む近親の皆で食事会になった。オレ以外みんな龍人さんだった。俺が人間だと分かっても卑下するヒトがいなかったことにホッとした。ちょっと辛かったからな。
「そうかぁ、ルネシアにもついに旦那がなぁ」
お酒をちびちび飲みながら丸顔のおじさんが言う。
「ショーゴさんの為にも元気な赤ちゃん生むのよ!」
ルネにさりげなくプレッシャーを掛けたおばさんもいたな。こうしてみると人間社会とあまり変わらないなと思って、なんだか安心した。ルネはさっきからローストビーフを食べまくっている。牛肉が好きなんだろうと最近知った。ルネもそれには気が付いていなかったらしい。指摘したら本当だ!と驚いていた。
「ショーゴくん、君、下戸なんだって?でもなんか君とは酒がなくても話しやすいな」
そう言ってくれたのはルネのお父さんだ。まさに『娘さんをください』ならぬ、『息子さん頂きます』である。事後報告にも程があるな。はっきり言って、できちゃった婚だし、さすがにお父さんに怒られるかもと若干ビクついていたので、お咎めがなかったのはよかった。
「ルネシアを頼むよ。ショーゴくん」
「はい」
この「はい」は言うのが重たかった。ルネの一生を俺は預かったんだ。大事に大事にしなきゃいけない。
「父様、ショーゴにプレッシャーかけないの」
「ルネシアは今日も美人さんだなぁ」
「もー、からかわないでよね!」
ルネシアのお父さんが笑いながら席を移動する。ルネが俺の隣りに座った。手には、リンゴジュースの瓶。
「ショーゴ、リンゴジュース飲む?」
「あぁ、ありがとう」
俺はグラスを差し出した。ルネがとくとくとリンゴジュースを注いでくれる。俺が一口飲むと、ルネが肩にもたれかかってきた。
「ね、ショーゴ。なんか不思議なの」
「なにかあった?」
「この赤ちゃん、心臓二つあるの」
「はい?」
「明日、もう一度先生に診てもらおうと思って、僕…怖くて」
俺はルネの頭を撫でた。ただでさえ初めてなんだから怖いことだらけだろう。だって自分の体に命が宿っているわけなんだしな。
怖くないはずないじゃないか。食事会は夕方にお開きになった。
✢✢✢
俺はルネの屋敷の縁側にいる。欠けた月が見えた。
さっきまで風呂に入って温まったせいか、体が火照っている。夜風に当たるのは気持ちいいな。
そこに巨大な龍が急に現れたからびっくりした。
ルアナさんだ。龍がヒトの姿に変わる。何度見ても不思議だよな。
「ショーゴさん、里にようこそ。楽しんでいただけましたか?」
「はい、皆さんに良くしてもらえて」
「食事会に参加できず失礼致しました」
ルアナさんはお仕事だったろうしな。
「いやそんな。今は大丈夫なんですか?」
ルアナさん、視線を反らしたぞ。大丈夫じゃないけどここに来たらしいな。
「ショーゴさん、ルネシアをお願い致します。私も出来る限り尽力致します」
ルアナさんはこれが言いたかったのだと気が付いた時には、彼女は龍になっていた。翼を広げてふわり、と浮く。ルアナさんは本当に忙しいようだな。何かお手伝い出来たらな。
「ショーゴ、いたー!もー、風邪引くよー!」
「ルネ…」
ルネがキョトン、とする。
「幸せにする、約束する。だから俺の隣りにいて」
ルネは顔を真っ赤にしていた。
「え、プロポーズ、ここでするの?」
「駄目だった?」
ルネはぶんぶん首を横に振った。
「嬉しいよ。っていうか幸せにするじゃないよね?幸せになろうねでしょ?」
「そっか。じゃあ幸せになろう」
「うん」
ルネが抱き着いてきた。ずっと一緒に。
「ふええ…」
ルネがぎゅううと俺の服の裾にしがみついて目をぎゅっと閉じている。超音波でお腹の中の様子を見ているだけなんだけどな。モニターには動くものが確かに映っている。
「ルネシア、怖いのか?」
先生の言葉にルネが呻く。
「だって、内臓見るなんて気持ち悪いんだもん!」
ルネは医者になれないタイプか。
「女の子だ」
「え?」
先生(名前はダンといった)の言葉にルネが薄目を開けてモニタをちらりと見る。
「これが頭、心臓も問題ない。あとはお前がよく食べてよく動くことだ。あと、菓子を食べ過ぎるな」
「分かってますよー」
看護師さんにお腹に付いたジェルを拭き取ってもらって、ルネは起き上がった。身だしなみを整えながら聞いている。
「あとどのくらいで生まれるの?」
「あと二ヶ月もかからないだろうな。また一月後検診に来いよ」
「はぁーい」
「そういえば聞いたか?」
「?」
✢✢✢
「ねえ、ショーゴ。なんでこうなったのかな?」
「んー」
俺たちはルネがかつて住んでいたお屋敷にいた。ちょっと見ただけだけど、すごく広くて立派なお屋敷だ。俺たちはそこで大勢の人の手を借りて着替えさせられている。
「良かったわ、ルネシアが帰ってきてくれて」
「母様、僕たち急いでるのに」
「あら、神殿なら逃げやしないんだし1日くらいいいじゃないの」
「むぐ…」
母強しってこういう事を言うんだな。ルネもいずれこうなるのかな?そう思うとちょっと怖い。
俺たちが着せられている衣装はいわゆる婚礼の儀のものらしい。つまりこれから手っ取り早く、結婚式をしようということだ。結婚式っていうとなんだか重みがあるな。衣装もめちゃくちゃ重たい。結婚式をこんなに急にして大丈夫なのか?
「皆、ルネシアの妊娠を喜んでるのよ。一言皆に挨拶すれば終わるし、ご馳走だって沢山出るんだから」
「せ、背に腹は代えられない」
ルネは食いしん坊だからなぁ。俺もそうだけど。
「ショーゴさん、ルネシアを好きになってくれてありがとうね。ほら、この子甘えん坊だしわがままじゃない?大変だろうけどお願いね」
「母様!余計なこと言わないで!」
「ルネは素敵なヒトです。俺の方こそ好きになってもらえて嬉しいし、光栄です」
「あらあらまぁまぁ。ショーゴさんみたいなヒト、なかなかいないわよ。ルネシア、大事にしなさいね」
「分かってますー」
龍の里に来てから、ルネがどれだけ周りのヒトに思われているかがよく分かったな。皆、ルネをすごく大切に思ってくれているんだ。俺も負けないくらいルネを大事にしよう。
婚礼の儀は正直ぐったぐだだった。手順がいくつもある、堅苦しい儀式のやり方を一度で覚えられるはずもなく、しかも緊張と慣れない服装で更にゴタゴタした。うん、本当に恥ずかしかった。大学の時の就職活動くらいぐだついたからな。俺たちは何をやってるんだろう、本当に。
初めて知ったけど、結婚するって難易度高すぎない?でもなんだかんだ、豪華な衣装を脱いで、ルネの家族を含む近親の皆で食事会になった。オレ以外みんな龍人さんだった。俺が人間だと分かっても卑下するヒトがいなかったことにホッとした。ちょっと辛かったからな。
「そうかぁ、ルネシアにもついに旦那がなぁ」
お酒をちびちび飲みながら丸顔のおじさんが言う。
「ショーゴさんの為にも元気な赤ちゃん生むのよ!」
ルネにさりげなくプレッシャーを掛けたおばさんもいたな。こうしてみると人間社会とあまり変わらないなと思って、なんだか安心した。ルネはさっきからローストビーフを食べまくっている。牛肉が好きなんだろうと最近知った。ルネもそれには気が付いていなかったらしい。指摘したら本当だ!と驚いていた。
「ショーゴくん、君、下戸なんだって?でもなんか君とは酒がなくても話しやすいな」
そう言ってくれたのはルネのお父さんだ。まさに『娘さんをください』ならぬ、『息子さん頂きます』である。事後報告にも程があるな。はっきり言って、できちゃった婚だし、さすがにお父さんに怒られるかもと若干ビクついていたので、お咎めがなかったのはよかった。
「ルネシアを頼むよ。ショーゴくん」
「はい」
この「はい」は言うのが重たかった。ルネの一生を俺は預かったんだ。大事に大事にしなきゃいけない。
「父様、ショーゴにプレッシャーかけないの」
「ルネシアは今日も美人さんだなぁ」
「もー、からかわないでよね!」
ルネシアのお父さんが笑いながら席を移動する。ルネが俺の隣りに座った。手には、リンゴジュースの瓶。
「ショーゴ、リンゴジュース飲む?」
「あぁ、ありがとう」
俺はグラスを差し出した。ルネがとくとくとリンゴジュースを注いでくれる。俺が一口飲むと、ルネが肩にもたれかかってきた。
「ね、ショーゴ。なんか不思議なの」
「なにかあった?」
「この赤ちゃん、心臓二つあるの」
「はい?」
「明日、もう一度先生に診てもらおうと思って、僕…怖くて」
俺はルネの頭を撫でた。ただでさえ初めてなんだから怖いことだらけだろう。だって自分の体に命が宿っているわけなんだしな。
怖くないはずないじゃないか。食事会は夕方にお開きになった。
✢✢✢
俺はルネの屋敷の縁側にいる。欠けた月が見えた。
さっきまで風呂に入って温まったせいか、体が火照っている。夜風に当たるのは気持ちいいな。
そこに巨大な龍が急に現れたからびっくりした。
ルアナさんだ。龍がヒトの姿に変わる。何度見ても不思議だよな。
「ショーゴさん、里にようこそ。楽しんでいただけましたか?」
「はい、皆さんに良くしてもらえて」
「食事会に参加できず失礼致しました」
ルアナさんはお仕事だったろうしな。
「いやそんな。今は大丈夫なんですか?」
ルアナさん、視線を反らしたぞ。大丈夫じゃないけどここに来たらしいな。
「ショーゴさん、ルネシアをお願い致します。私も出来る限り尽力致します」
ルアナさんはこれが言いたかったのだと気が付いた時には、彼女は龍になっていた。翼を広げてふわり、と浮く。ルアナさんは本当に忙しいようだな。何かお手伝い出来たらな。
「ショーゴ、いたー!もー、風邪引くよー!」
「ルネ…」
ルネがキョトン、とする。
「幸せにする、約束する。だから俺の隣りにいて」
ルネは顔を真っ赤にしていた。
「え、プロポーズ、ここでするの?」
「駄目だった?」
ルネはぶんぶん首を横に振った。
「嬉しいよ。っていうか幸せにするじゃないよね?幸せになろうねでしょ?」
「そっか。じゃあ幸せになろう」
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