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「ご飯美味しい」
会議が行われたホールを後にした俺たちは宿で食事を摂っていた。ルネも無事復活したようだし、よかったな。あの会議は確かにきつかった。発言が全然ないのもよくないけれど、あっても議題について話が前に進まないのは余計よくない。上手く話が進んでいても、前例がないからやっぱり無理なんじゃないかなんて、そんな事を言っていたら、いくら時間があっても足りない。会議だけで一年は過ぎちまう。やれやれだった、本当に。
結局あの会議はどうなるんだろう?俺たちはそんなに偉い人と伝があるわけでもないしな。どうしても他の人頼りになっちゃうんだよな。まあ休めって言われているし休もうか。
「明日はハクと遊ぼうか」
「うん!お休み嬉しいね!そうだ、フィーナさんの所にも行こうよ。赤ちゃんたちと時々お散歩してるんだって」
休みの予定を決めるのは本当に楽しいな。ルネはもりもりカレーライスを食べている。俺も同じものを頼んでいた。カレーライスの隣に葉物野菜の千切りとトマトらしき赤い実がスライスされて載っている。ドレッシングとマヨネーズ、両方から好きなものを選べるのが素晴らしい。
シャワーを借りて今日も寝る支度をする。部屋に戻るとルネはもう寝息を立てていた。一昨日の発情しているルネはなんだかいつもより綺麗でドキドキした。あんな状態のルネは他の誰にも見せたくないな。
もしあんな状態で誰かに無理に抱かれてたら…そう思うだけで怖くなる。ルネは小柄だし、みんなが敬愛する龍姫だ。俺が守らなくちゃ。俺はルネの隣に寝そべった。ルネの髪の毛を梳くように撫でる。すうすう、とルネは気持ちよさそうだ。駄目だ、俺も疲れてる。寝よう。
部屋の照明を落として、俺は眠ったのだった。
✢✢✢
「ちゅー」
俺は白雪姫よろしくルネの熱烈なキスで目が覚めた。
「お目覚めですか?ショーゴ姫」
ふふんと得意そうな顔に俺は噴き出してしまった。
「ルネの方が…よっぽど…ふふっ…姫なのに」
頑張って笑いを堪えたけど、もちろん無理だった。ルネが頬を膨らませている。可愛いな。
「もぉー、ショーゴってば!そんなに笑わないでよね!」
「だってルネが毎度寝ている俺に襲い掛かってくるんじゃないか」
「確かに!」
いや、確かにじゃなくてだな。もうさすがにどうでも良くなって二人で笑った。
「ショーゴ、朝ごはん食べたらハクのとこ行くんだよね!」
「あぁ、行こうか」
✢✢✢
「ブルル」
宿から出てすぐの場所に厩舎はある。ここに泊まる客が馬を使うこともあるからだ。ハクは一時的に借りたことになっていたけれど、馬番の人から連絡が来て、貰い受けることが出来た。ハクがなかなか人間に心を許さなかったからという理由もあるらしい。多分彼女は、誰よりも誇り高いのだ。自分の背に乗せるものを彼女は自分で選ぶ。それがたまたま俺たちだった。嬉しいことだな。
「ハク、久しぶり」
ハクが俺に顔を擦り付けてくる。
「よしよし」
「ハク、僕のこと忘れてないよね?」
ルネの必死さがハクは可笑しかったのか笑うように鼻を鳴らした。
「よかった、覚えていてくれたんだ」
ぎゅー、とルネがハクの首に抱きつく。厩舎から出してやり、ハクはルネを乗せたまま、軽くフィールドを走り回った。いいな、こういうの。俺もハクと一緒に駆けた。まるで子供の頃に戻ったみたいだ。ふと空を見上げると、前のような厚い雲はない。柔らかな日差しが俺たちを照らしている。地面からはわずかに緑が覗いている。この世界は確かに変わったんだ。魔王という存在がいなくなって、凶暴だったモンスターもいなくなりつつあるらしい。知性を持つモンスターたちはますます知恵を持ち、自分たちの村を作っているようだ。
散々走り回ってハクも疲れたらしい。俺たちも汗びっしょりになった。
厩舎に戻って、ハクの体を洗ってやる。するとブルっとハクが身震いした。お陰で俺たちもびしょびょになった。なんとかハクを綺麗にして、俺たちも宿のシャワーを浴びて着替えた。
「あー、さっぱりした」
ルネが着ているのは俺がここに来た時に着ていたワイシャツだ。小柄なルネが着ると太ももまで隠れる…けども。
「ルネ!君、パンツ履いてる?!」
ルネがペラっとワイシャツを捲ろうとしたので必死に止めた。心臓に悪すぎる。
「もー、やだな。ショーゴってば」
ルネが悪戯っぽく笑う。ちょっとルネの顔が赤いのがね、こうやって童貞からかって楽しいんですか?
「いや、今本気で捲ろうとしたよね?他の人の前では絶対にやめてね!」
「しないよ、ショーゴのことは…その…信じてるから」
可愛い。駄目だ、ルネの色気には俺なんかじゃ敵わない。
ハクが見ていたら『なにやってるんだ、こいつら』って思うんだろうな。俺もそう思うぞ。
ルネにショートパンツを履くように言った。そうじゃなきゃ部屋から出さないぞ。
ルネは俺の言う通り、黒いショートパンツを履いた。ショートパンツから覗く白い足につい目が行く。俺はもう、駄目みたいだ。みんな、俺は先に逝くからな。
「ショーゴ、なんで死にそうなの?」
ルネが本当に分からないっていう顔をしている。その方が好都合だ。言わないでおくか。
「なんでもない…」
「あー!僕に隠し事は禁止だよ!」
うぅう…。ルネにじーっと見つめられて、俺もさすがに気まずくなった。もう…この際だ、言う。
「ルネが可愛いから見惚れてたの!」
「っ??!!」
ルネが顔を真っ赤にしている。俺も更に顔が熱くなった。だから言いたくなかったんだ。
「ショーゴ、そうゆうとこ可愛いよね…」
「う…うるさいな」
ルネが抱きついて来たから抱き締めた。
「フィーナさんのとこ、行こうか」
「うん」
俺たちは手を繋いでギルドに向かったのだった。
会議が行われたホールを後にした俺たちは宿で食事を摂っていた。ルネも無事復活したようだし、よかったな。あの会議は確かにきつかった。発言が全然ないのもよくないけれど、あっても議題について話が前に進まないのは余計よくない。上手く話が進んでいても、前例がないからやっぱり無理なんじゃないかなんて、そんな事を言っていたら、いくら時間があっても足りない。会議だけで一年は過ぎちまう。やれやれだった、本当に。
結局あの会議はどうなるんだろう?俺たちはそんなに偉い人と伝があるわけでもないしな。どうしても他の人頼りになっちゃうんだよな。まあ休めって言われているし休もうか。
「明日はハクと遊ぼうか」
「うん!お休み嬉しいね!そうだ、フィーナさんの所にも行こうよ。赤ちゃんたちと時々お散歩してるんだって」
休みの予定を決めるのは本当に楽しいな。ルネはもりもりカレーライスを食べている。俺も同じものを頼んでいた。カレーライスの隣に葉物野菜の千切りとトマトらしき赤い実がスライスされて載っている。ドレッシングとマヨネーズ、両方から好きなものを選べるのが素晴らしい。
シャワーを借りて今日も寝る支度をする。部屋に戻るとルネはもう寝息を立てていた。一昨日の発情しているルネはなんだかいつもより綺麗でドキドキした。あんな状態のルネは他の誰にも見せたくないな。
もしあんな状態で誰かに無理に抱かれてたら…そう思うだけで怖くなる。ルネは小柄だし、みんなが敬愛する龍姫だ。俺が守らなくちゃ。俺はルネの隣に寝そべった。ルネの髪の毛を梳くように撫でる。すうすう、とルネは気持ちよさそうだ。駄目だ、俺も疲れてる。寝よう。
部屋の照明を落として、俺は眠ったのだった。
✢✢✢
「ちゅー」
俺は白雪姫よろしくルネの熱烈なキスで目が覚めた。
「お目覚めですか?ショーゴ姫」
ふふんと得意そうな顔に俺は噴き出してしまった。
「ルネの方が…よっぽど…ふふっ…姫なのに」
頑張って笑いを堪えたけど、もちろん無理だった。ルネが頬を膨らませている。可愛いな。
「もぉー、ショーゴってば!そんなに笑わないでよね!」
「だってルネが毎度寝ている俺に襲い掛かってくるんじゃないか」
「確かに!」
いや、確かにじゃなくてだな。もうさすがにどうでも良くなって二人で笑った。
「ショーゴ、朝ごはん食べたらハクのとこ行くんだよね!」
「あぁ、行こうか」
✢✢✢
「ブルル」
宿から出てすぐの場所に厩舎はある。ここに泊まる客が馬を使うこともあるからだ。ハクは一時的に借りたことになっていたけれど、馬番の人から連絡が来て、貰い受けることが出来た。ハクがなかなか人間に心を許さなかったからという理由もあるらしい。多分彼女は、誰よりも誇り高いのだ。自分の背に乗せるものを彼女は自分で選ぶ。それがたまたま俺たちだった。嬉しいことだな。
「ハク、久しぶり」
ハクが俺に顔を擦り付けてくる。
「よしよし」
「ハク、僕のこと忘れてないよね?」
ルネの必死さがハクは可笑しかったのか笑うように鼻を鳴らした。
「よかった、覚えていてくれたんだ」
ぎゅー、とルネがハクの首に抱きつく。厩舎から出してやり、ハクはルネを乗せたまま、軽くフィールドを走り回った。いいな、こういうの。俺もハクと一緒に駆けた。まるで子供の頃に戻ったみたいだ。ふと空を見上げると、前のような厚い雲はない。柔らかな日差しが俺たちを照らしている。地面からはわずかに緑が覗いている。この世界は確かに変わったんだ。魔王という存在がいなくなって、凶暴だったモンスターもいなくなりつつあるらしい。知性を持つモンスターたちはますます知恵を持ち、自分たちの村を作っているようだ。
散々走り回ってハクも疲れたらしい。俺たちも汗びっしょりになった。
厩舎に戻って、ハクの体を洗ってやる。するとブルっとハクが身震いした。お陰で俺たちもびしょびょになった。なんとかハクを綺麗にして、俺たちも宿のシャワーを浴びて着替えた。
「あー、さっぱりした」
ルネが着ているのは俺がここに来た時に着ていたワイシャツだ。小柄なルネが着ると太ももまで隠れる…けども。
「ルネ!君、パンツ履いてる?!」
ルネがペラっとワイシャツを捲ろうとしたので必死に止めた。心臓に悪すぎる。
「もー、やだな。ショーゴってば」
ルネが悪戯っぽく笑う。ちょっとルネの顔が赤いのがね、こうやって童貞からかって楽しいんですか?
「いや、今本気で捲ろうとしたよね?他の人の前では絶対にやめてね!」
「しないよ、ショーゴのことは…その…信じてるから」
可愛い。駄目だ、ルネの色気には俺なんかじゃ敵わない。
ハクが見ていたら『なにやってるんだ、こいつら』って思うんだろうな。俺もそう思うぞ。
ルネにショートパンツを履くように言った。そうじゃなきゃ部屋から出さないぞ。
ルネは俺の言う通り、黒いショートパンツを履いた。ショートパンツから覗く白い足につい目が行く。俺はもう、駄目みたいだ。みんな、俺は先に逝くからな。
「ショーゴ、なんで死にそうなの?」
ルネが本当に分からないっていう顔をしている。その方が好都合だ。言わないでおくか。
「なんでもない…」
「あー!僕に隠し事は禁止だよ!」
うぅう…。ルネにじーっと見つめられて、俺もさすがに気まずくなった。もう…この際だ、言う。
「ルネが可愛いから見惚れてたの!」
「っ??!!」
ルネが顔を真っ赤にしている。俺も更に顔が熱くなった。だから言いたくなかったんだ。
「ショーゴ、そうゆうとこ可愛いよね…」
「う…うるさいな」
ルネが抱きついて来たから抱き締めた。
「フィーナさんのとこ、行こうか」
「うん」
俺たちは手を繋いでギルドに向かったのだった。
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