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イシマチを抜けてしばらく進むと、荒野が広がっていた。ん?向こうに煙が見えるな。もしかして、狼煙?
「ルネ、あの煙は?見える?」
ルネに尋ねると彼は可愛らしく首を傾げた。そして遠くをじっくり観察している。
「んー、いるのは普通のモンスターに見える。でも何か、旗を揚げているよ」
旗?俺からは流石に見えない。ルネがぽむ、と手を打った。
「ショーゴ、近寄ってみようよ!向こうからも多分僕たちが見えているし」
確かにこの辺りに遮蔽物はないし、見晴らしはいい。攻撃を仕掛けてこないということは何か理由があるはずだ。ハクも行こうというように俺の袖口を口で掴んで引いた。
俺たちは先へ進んだ。そこにいたのは緑色のゴブリンたちである。その中からいかにもお年寄りと行った風体のゴブリンがやってきた。
「あなた様がショーゴ様ですね。我々はレジスタンスの一団ですじゃ。あなた様の力を借りればきっと、魔王も倒せるでしょう」
え?今なんて?俺は慎重に言葉を選んだ。
「えーと、勇者が召喚されたようなんですが…」
「なんと、ショーゴ様はご存知ない?」
え、なんのことだろう。確かにピンフィーネさんの反応は不自然だったよな?勇者が召喚されたのにあまり嬉しそうじゃなかったような。
「あの、詳しく教えて頂けませんか?」
ゴブリンたちが目を丸くして俺を見ている。なんかすごくびっくりされてる気がする。
「ショーゴ様に教えを請われるとは」
「村長、よかったですね!」
村長と呼ばれたおじいさんゴブリンが涙を流している。え、俺が泣かせちゃったの?
「あ、あの…何か非礼があったなら」
「ショーゴ様、これは嬉し泣きですじゃ。あなた様は龍姫様に選ばれし存在。それから、あなたは相当な実力を誇っていると聞いております」
俺はフリーズするしかなかった。
ナニソレ…。
俺が強くなったのは、ルネがいたからで。困ってルネを見つめると、ルネが何かを決意したように言った。
「おじいちゃん!ショーゴは確かに強いよ!僕に選ばれたとか関係ないんだ!!」
「龍姫様…」
ゴブリンたちが不思議そうな顔でルネを見つめている。
「ショーゴは自分の危険も顧みず僕を助けてくれたんだよ。本当に優しいひとなの。僕の大好きなヒト」
オオォー!とゴブリンさんたちがはしゃいでいる。
「龍姫さまの愛の告白!この爺、しかと聞きましたぞ!!」
ルネも顔を赤らめている。なんのこっちゃってこういう場面で使うんですね。ハクがどんまい、と言うように俺の肩に頭をぶつけてきた。
「ショーゴ!」
ん?この凛とした声は。
「ようやく追い付いたぞ!!」
「団長!!」
振り返ると泥まみれのピンフィーネさん含む騎士団の皆さんだった。こうして、その日の夜は宴になってしまったのだ。
俺はピンフィーネさんに呼ばれていた。ルネ、ハクも一緒だった。皆の賑やかな声がこちらにも響いてくる。楽しそうだ。
「お前たちには事実を伝えておかねばな」
ピンフィーネさんが険しい面持ちで指を鳴らすと、フィーナさんの映像が端末から現れた。何かを抱えている?まさか。
ピンフィーネさんは表情を緩めない。
「勇者の召喚には確かに成功した。だが、赤ん坊だったのだ」
「赤ちゃん?!」
ルネが小さく叫ぶ。だからみんな、勇者に関して口が重たかったのか。
「あぁ、こんな小さな子供に世界の命運は預けられぬ。我々でなんとかせねば。魔王の動きは見られないようだが、奴が生み出すモンスターが増えているのは間違いない。それに乗じて悪さをする輩も増えている。世界存続の一刻を争う事態だ」
「俺はどうすれば…」
言われなくても分かっていた。
「貴殿も私たちと共に魔王討伐を命じる!
いいか、死ぬなよ!」
「了解しました!!」
ピンフィーネさんが笑う。
「赤ん坊はフィーナが大事に育てる。召喚に関しては本当に身勝手なことだ。ショーゴ、すまなかったな」
「いや、団長が謝ることじゃ!!」
ピンフィーネさんが笑った。
「私達の両親はこの国の王族だ。自分たちはとっとと外へ逃げ出していった。私はそんなやつらを王族だと認めん」
「団長…」
ぐっとピンフィーネさんが拳をきつくにぎりしめる。この人にも色々あるんだ。俺はそれを知ろうともせずにいた。みんな何かを守りながら戦っているんだよな。
「ピンフィーネ…」
ルネがピンフィーネさんを抱きしめている。
「龍姫様?」
「ピンフィーネ。大丈夫、僕たちは魔王を倒せるよ。だってこんなに味方がいるんだもん」
ピンフィーネさんは笑った。そうだ、俺たちはもう誰からもなにも奪わせない。その瞬間、俺を炎が取り巻いた。青い炎だった。
「ショーゴ!!」
ピンフィーネさんが叫ぶ。ルネは優しく彼女を制した。
「ショーゴはようやくリミットを外したんだね」
ルネが言っていることが分かった気がする。俺はこの世界で言うところの最強になっていたらしい。それでもオーラは抑えて、敢えてリミットもかける。
「ショーゴは優しいなあ」
ルネがニコニコしながら言う。
「だって、みんなに怖がられたくない」
「私でも気圧されるレベルだったぞ。このことは皆には言わないでおくか。ショーゴ、お前はお前なのだから」
トントンとピンフィーネさんに肩を叩かれた。どこまでも理解がある人だ。
「ね、僕、お腹空いた!何か食べに行かない?」
「うむ、ショーゴ。行こう」
✢✢✢
早朝、目が覚めてテントから這い出ると、ヴァンがいた。どうやら火の番をしてくれていたらしい。
「ヴァン!おはよう!」
「ショーゴ殿!おはようございます!」
俺たちはお互いの近況を話し合った。昨日のことは黙っていたけど、それは許して欲しい。
「あの、この前、龍姫様が言っておられたペンダントなのですが…」
ヴァンはずっと探してくれていたらしい。
「よく似た物を持っている者がいるという報告が数件ありまして…」
「え?本当?」
ヴァンが頷いた。
「どうやら初老の男性のようなのです。ペンダントを託せる者を探しているとあちこちに触れ込み、散々その者たちをこきつかうのだとか」
「わぁあ、なんか詐欺みたい」
「彼のお眼鏡に適うには相当修練を積まなければならないようですね。そのペンダントは質屋にあったようで、彼が買い取ったようです」
「お金持ち!!!」
「はい。金には困っていないようです。働かせた者たちにはしっかり賃金を払うようですし」
本当にペンダントを託せる人を探してるんだ。もしその人に会ったら事情を話して、ルネのだって言って、返してもらおう。
「あのショーゴ殿?なんだか前よりオーラが…」
それは笑って誤魔化した。
「ルネ、あの煙は?見える?」
ルネに尋ねると彼は可愛らしく首を傾げた。そして遠くをじっくり観察している。
「んー、いるのは普通のモンスターに見える。でも何か、旗を揚げているよ」
旗?俺からは流石に見えない。ルネがぽむ、と手を打った。
「ショーゴ、近寄ってみようよ!向こうからも多分僕たちが見えているし」
確かにこの辺りに遮蔽物はないし、見晴らしはいい。攻撃を仕掛けてこないということは何か理由があるはずだ。ハクも行こうというように俺の袖口を口で掴んで引いた。
俺たちは先へ進んだ。そこにいたのは緑色のゴブリンたちである。その中からいかにもお年寄りと行った風体のゴブリンがやってきた。
「あなた様がショーゴ様ですね。我々はレジスタンスの一団ですじゃ。あなた様の力を借りればきっと、魔王も倒せるでしょう」
え?今なんて?俺は慎重に言葉を選んだ。
「えーと、勇者が召喚されたようなんですが…」
「なんと、ショーゴ様はご存知ない?」
え、なんのことだろう。確かにピンフィーネさんの反応は不自然だったよな?勇者が召喚されたのにあまり嬉しそうじゃなかったような。
「あの、詳しく教えて頂けませんか?」
ゴブリンたちが目を丸くして俺を見ている。なんかすごくびっくりされてる気がする。
「ショーゴ様に教えを請われるとは」
「村長、よかったですね!」
村長と呼ばれたおじいさんゴブリンが涙を流している。え、俺が泣かせちゃったの?
「あ、あの…何か非礼があったなら」
「ショーゴ様、これは嬉し泣きですじゃ。あなた様は龍姫様に選ばれし存在。それから、あなたは相当な実力を誇っていると聞いております」
俺はフリーズするしかなかった。
ナニソレ…。
俺が強くなったのは、ルネがいたからで。困ってルネを見つめると、ルネが何かを決意したように言った。
「おじいちゃん!ショーゴは確かに強いよ!僕に選ばれたとか関係ないんだ!!」
「龍姫様…」
ゴブリンたちが不思議そうな顔でルネを見つめている。
「ショーゴは自分の危険も顧みず僕を助けてくれたんだよ。本当に優しいひとなの。僕の大好きなヒト」
オオォー!とゴブリンさんたちがはしゃいでいる。
「龍姫さまの愛の告白!この爺、しかと聞きましたぞ!!」
ルネも顔を赤らめている。なんのこっちゃってこういう場面で使うんですね。ハクがどんまい、と言うように俺の肩に頭をぶつけてきた。
「ショーゴ!」
ん?この凛とした声は。
「ようやく追い付いたぞ!!」
「団長!!」
振り返ると泥まみれのピンフィーネさん含む騎士団の皆さんだった。こうして、その日の夜は宴になってしまったのだ。
俺はピンフィーネさんに呼ばれていた。ルネ、ハクも一緒だった。皆の賑やかな声がこちらにも響いてくる。楽しそうだ。
「お前たちには事実を伝えておかねばな」
ピンフィーネさんが険しい面持ちで指を鳴らすと、フィーナさんの映像が端末から現れた。何かを抱えている?まさか。
ピンフィーネさんは表情を緩めない。
「勇者の召喚には確かに成功した。だが、赤ん坊だったのだ」
「赤ちゃん?!」
ルネが小さく叫ぶ。だからみんな、勇者に関して口が重たかったのか。
「あぁ、こんな小さな子供に世界の命運は預けられぬ。我々でなんとかせねば。魔王の動きは見られないようだが、奴が生み出すモンスターが増えているのは間違いない。それに乗じて悪さをする輩も増えている。世界存続の一刻を争う事態だ」
「俺はどうすれば…」
言われなくても分かっていた。
「貴殿も私たちと共に魔王討伐を命じる!
いいか、死ぬなよ!」
「了解しました!!」
ピンフィーネさんが笑う。
「赤ん坊はフィーナが大事に育てる。召喚に関しては本当に身勝手なことだ。ショーゴ、すまなかったな」
「いや、団長が謝ることじゃ!!」
ピンフィーネさんが笑った。
「私達の両親はこの国の王族だ。自分たちはとっとと外へ逃げ出していった。私はそんなやつらを王族だと認めん」
「団長…」
ぐっとピンフィーネさんが拳をきつくにぎりしめる。この人にも色々あるんだ。俺はそれを知ろうともせずにいた。みんな何かを守りながら戦っているんだよな。
「ピンフィーネ…」
ルネがピンフィーネさんを抱きしめている。
「龍姫様?」
「ピンフィーネ。大丈夫、僕たちは魔王を倒せるよ。だってこんなに味方がいるんだもん」
ピンフィーネさんは笑った。そうだ、俺たちはもう誰からもなにも奪わせない。その瞬間、俺を炎が取り巻いた。青い炎だった。
「ショーゴ!!」
ピンフィーネさんが叫ぶ。ルネは優しく彼女を制した。
「ショーゴはようやくリミットを外したんだね」
ルネが言っていることが分かった気がする。俺はこの世界で言うところの最強になっていたらしい。それでもオーラは抑えて、敢えてリミットもかける。
「ショーゴは優しいなあ」
ルネがニコニコしながら言う。
「だって、みんなに怖がられたくない」
「私でも気圧されるレベルだったぞ。このことは皆には言わないでおくか。ショーゴ、お前はお前なのだから」
トントンとピンフィーネさんに肩を叩かれた。どこまでも理解がある人だ。
「ね、僕、お腹空いた!何か食べに行かない?」
「うむ、ショーゴ。行こう」
✢✢✢
早朝、目が覚めてテントから這い出ると、ヴァンがいた。どうやら火の番をしてくれていたらしい。
「ヴァン!おはよう!」
「ショーゴ殿!おはようございます!」
俺たちはお互いの近況を話し合った。昨日のことは黙っていたけど、それは許して欲しい。
「あの、この前、龍姫様が言っておられたペンダントなのですが…」
ヴァンはずっと探してくれていたらしい。
「よく似た物を持っている者がいるという報告が数件ありまして…」
「え?本当?」
ヴァンが頷いた。
「どうやら初老の男性のようなのです。ペンダントを託せる者を探しているとあちこちに触れ込み、散々その者たちをこきつかうのだとか」
「わぁあ、なんか詐欺みたい」
「彼のお眼鏡に適うには相当修練を積まなければならないようですね。そのペンダントは質屋にあったようで、彼が買い取ったようです」
「お金持ち!!!」
「はい。金には困っていないようです。働かせた者たちにはしっかり賃金を払うようですし」
本当にペンダントを託せる人を探してるんだ。もしその人に会ったら事情を話して、ルネのだって言って、返してもらおう。
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