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110・段取り
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「結論から言うと、ここでの保護猫の預かりは可能みたいだ」
「よかった」
イブはこの間、茜が視察してきた保護猫施設に連絡を入れてくれたらしい。助かると感謝されたそうだ。それほどまでに行く宛のない猫がいるのは悲しい現実である。
「で、こっちもフロアの準備があるから、猫を呼べるまで一ヶ月時間をくれって頼んだんだ。茜もまた手伝ってくれ」
「うん。ケージづくりもキャットタワーも組み立てられるよ」
「で、猫カフェの規模を大きくするってのも可能だ」
「出来るの?」
「それはむしろウチの専売特許だぞ。あと、改装するより新しい店舗を作った方が安上がりだし、また間取りを考えて欲しい」
思っていたより、トントンと話が進んで茜は嬉しくなった。
「うん!楽しみだね!」
「うん。お、フルーツタルト美味いな」
イブがタルトを食べ始めた。茜はイブを見上げる。
「なんだ?まだお願いがあるのか?」
「よく分かったね。実は…新しいスタッフさんが欲しいの。預かりをお願い出来る人」
「おぉ、確かにそうだな。ならまたサイトで募集を掛けてみよう」
「ありがとう、イブ」
茜はホッとした。だが、まだどんな人が来るか分からない。猫たちもだ。
「茜、大丈夫だ。上手くいくように皆で頑張ろう」
「うん」
「ダヌキ、お前には悪いが、引き続き茜のサポートも兼任してくれ」
「は!」
「え、ダヌキさんって俺専用だったの?」
「今決めた」
イブが悪戯っぽく笑ってみせる。
「フルーツタルト美味かった。ダヌキ、ご馳走様」
「お粗末様です」
イブは社員を見送ってくると言って部屋を出ていった。
「茜様、少し気になることが…」
ダヌキにこそっと話し掛けられ茜は首を傾げた。ダヌキが茜の脈を取り始める。そして腹をそっと触った。
「うーん」
「ダヌキさん?」
「茜様、明日の午前中は健診を入れておきますね」
「え、血を採るの?」
「はい。尿も出来れば」
どうやら本格的な検査のようだと茜は腹をくくった。
「分かった。朝起きたら採るね」
「はい」
ダヌキがにっこり笑う。
「今日はなるべく早めに休んでくださいね」
「そうだよね、検査って気合い要るしね!」
ふんす、と拳を握ったらそうですねと頷かれた。
「茜様、俺は今日部屋の前にいるので何かあったら呼んでくださいね」
え、と茜は疑問に思ったが深く考えずに頷いた。
「ありがとうね、ダヌキさん」
「いいえ、とんでもありません」
ダヌキが食器を片付けるのを手伝い、茜はパジャマに着替えた。もこもこの暖かいやつだ。
(ダヌキさん、夜中に話し相手になってくれるのかな?)
だが早めに休めと言われてしまっている。茜は渋々ベッドに潜り込んだ。
「よかった」
イブはこの間、茜が視察してきた保護猫施設に連絡を入れてくれたらしい。助かると感謝されたそうだ。それほどまでに行く宛のない猫がいるのは悲しい現実である。
「で、こっちもフロアの準備があるから、猫を呼べるまで一ヶ月時間をくれって頼んだんだ。茜もまた手伝ってくれ」
「うん。ケージづくりもキャットタワーも組み立てられるよ」
「で、猫カフェの規模を大きくするってのも可能だ」
「出来るの?」
「それはむしろウチの専売特許だぞ。あと、改装するより新しい店舗を作った方が安上がりだし、また間取りを考えて欲しい」
思っていたより、トントンと話が進んで茜は嬉しくなった。
「うん!楽しみだね!」
「うん。お、フルーツタルト美味いな」
イブがタルトを食べ始めた。茜はイブを見上げる。
「なんだ?まだお願いがあるのか?」
「よく分かったね。実は…新しいスタッフさんが欲しいの。預かりをお願い出来る人」
「おぉ、確かにそうだな。ならまたサイトで募集を掛けてみよう」
「ありがとう、イブ」
茜はホッとした。だが、まだどんな人が来るか分からない。猫たちもだ。
「茜、大丈夫だ。上手くいくように皆で頑張ろう」
「うん」
「ダヌキ、お前には悪いが、引き続き茜のサポートも兼任してくれ」
「は!」
「え、ダヌキさんって俺専用だったの?」
「今決めた」
イブが悪戯っぽく笑ってみせる。
「フルーツタルト美味かった。ダヌキ、ご馳走様」
「お粗末様です」
イブは社員を見送ってくると言って部屋を出ていった。
「茜様、少し気になることが…」
ダヌキにこそっと話し掛けられ茜は首を傾げた。ダヌキが茜の脈を取り始める。そして腹をそっと触った。
「うーん」
「ダヌキさん?」
「茜様、明日の午前中は健診を入れておきますね」
「え、血を採るの?」
「はい。尿も出来れば」
どうやら本格的な検査のようだと茜は腹をくくった。
「分かった。朝起きたら採るね」
「はい」
ダヌキがにっこり笑う。
「今日はなるべく早めに休んでくださいね」
「そうだよね、検査って気合い要るしね!」
ふんす、と拳を握ったらそうですねと頷かれた。
「茜様、俺は今日部屋の前にいるので何かあったら呼んでくださいね」
え、と茜は疑問に思ったが深く考えずに頷いた。
「ありがとうね、ダヌキさん」
「いいえ、とんでもありません」
ダヌキが食器を片付けるのを手伝い、茜はパジャマに着替えた。もこもこの暖かいやつだ。
(ダヌキさん、夜中に話し相手になってくれるのかな?)
だが早めに休めと言われてしまっている。茜は渋々ベッドに潜り込んだ。
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