25 / 26
2
3・秘密基地
しおりを挟む
ぶわあと風が吹いて、俺の髪の毛が揺れた。ここが異次元世界。広いなあ。
「すごい」
思ったままを言ったらレオ君とマオ君が笑った。
「ね、すごいでしょう?そうだ、しょうやにここの案内するね」
「え?…わあ!」
急に俺の手を掴んでマオ君が走り出す。ここ、なんかすごく気持ちがいい。風が吹いていて涼しいし、空気もなんだか美味しい気がする。マオ君は足が速い。正直ついていくのでやっとだ。しばらく走るとお城が見えて来た。夢の国にあるような西洋のやつ。
「え、あれ、本物のお城?」
「そうだよ。しょうやのお城」
「お、俺の?」
どういうことかと思ったけどなんとなく見覚えがある気がする。
「中に入ってみよう」
「うん」
お城の中は真っ白だった。飾られている花まで白いのだ。
「ここも広いなあ」
キョロキョロしていたらマオ君が笑う。
「しょうや、ここで自由に遊んでいいんだよ」
「ええ、すごいなあ」
俺の部屋と言ってマオ君が連れて来てくれた部屋はすごく可愛かった。程よく暖かいし、居心地が良さそうだ。
「しょうや、他のところも見に行ってみよう」
お城の中を一通り見て、外に出る。さらに進むと森が現れた。
「森なんて初めて来るよ」
俺は林間学校にすら行けなかった。
「森林浴も気持ちいいぞ」
レオ君が笑って言った。迷わないか不安だったけど、森の中は思っていたより明るくてホッとした。看板も立っているし安心だ。
しばらく歩くと木の上に家がある。俺はドキッとして上を見上げた。
「あれもしかしてツリーハウスってやつ?」
「そうだよ。僕とレオのお家。そうだ、お菓子食べよ」
あそこまでどうやって登るのかと思ったらエレベーターがあった。
木登りなんてしたことがなかったから有難い。
ツリーハウスの中はすっきり片付いて良い感じだった。
「今お茶を淹れるからな」
レオ君がてきぱきとお茶を淹れてくれている。嬉しい。
マオ君が取り出したのは大きな包みだった。
「お菓子これでいい?美味しいよ」
それはよく近所のスーパーに売っているスナック菓子だった。
「やっぱりお金のことを思うと、日本で買う方が楽なんだよね」
それはそうだろうな。
俺たちはお茶を飲みながらお菓子をつまんだ。美味しい。
「さて、秘密基地に翔也が来たわけだし、宝探しを本格的にしたいよな」
そうだった。俺たちはここに宝探しに来たんだった。
「どんなお宝?」
「お、翔也もやる気満々か。それなら宝の地図をまずは復元しないとな」
「え?地図があるの?」
「ああ」
レオ君が差し出してきたのは地図の切れ端だ。これを集めなくちゃいけないのか。
どこにあるんだろう。
「しょうや、大丈夫。皆で手分けして探そう」
マオ君がそう言うんだから大丈夫かな?
「わふわふ」
聞き覚えのある声に俺はツリーハウスを飛び出した。
「ボス!」
ボスが何かを咥えている。もしかして地図?
「ボス、ありがとう」
ボスを抱きしめるとボスが顔を舐めて来る。
そうだ。俺はもう一人じゃないんだ。
「すごい」
思ったままを言ったらレオ君とマオ君が笑った。
「ね、すごいでしょう?そうだ、しょうやにここの案内するね」
「え?…わあ!」
急に俺の手を掴んでマオ君が走り出す。ここ、なんかすごく気持ちがいい。風が吹いていて涼しいし、空気もなんだか美味しい気がする。マオ君は足が速い。正直ついていくのでやっとだ。しばらく走るとお城が見えて来た。夢の国にあるような西洋のやつ。
「え、あれ、本物のお城?」
「そうだよ。しょうやのお城」
「お、俺の?」
どういうことかと思ったけどなんとなく見覚えがある気がする。
「中に入ってみよう」
「うん」
お城の中は真っ白だった。飾られている花まで白いのだ。
「ここも広いなあ」
キョロキョロしていたらマオ君が笑う。
「しょうや、ここで自由に遊んでいいんだよ」
「ええ、すごいなあ」
俺の部屋と言ってマオ君が連れて来てくれた部屋はすごく可愛かった。程よく暖かいし、居心地が良さそうだ。
「しょうや、他のところも見に行ってみよう」
お城の中を一通り見て、外に出る。さらに進むと森が現れた。
「森なんて初めて来るよ」
俺は林間学校にすら行けなかった。
「森林浴も気持ちいいぞ」
レオ君が笑って言った。迷わないか不安だったけど、森の中は思っていたより明るくてホッとした。看板も立っているし安心だ。
しばらく歩くと木の上に家がある。俺はドキッとして上を見上げた。
「あれもしかしてツリーハウスってやつ?」
「そうだよ。僕とレオのお家。そうだ、お菓子食べよ」
あそこまでどうやって登るのかと思ったらエレベーターがあった。
木登りなんてしたことがなかったから有難い。
ツリーハウスの中はすっきり片付いて良い感じだった。
「今お茶を淹れるからな」
レオ君がてきぱきとお茶を淹れてくれている。嬉しい。
マオ君が取り出したのは大きな包みだった。
「お菓子これでいい?美味しいよ」
それはよく近所のスーパーに売っているスナック菓子だった。
「やっぱりお金のことを思うと、日本で買う方が楽なんだよね」
それはそうだろうな。
俺たちはお茶を飲みながらお菓子をつまんだ。美味しい。
「さて、秘密基地に翔也が来たわけだし、宝探しを本格的にしたいよな」
そうだった。俺たちはここに宝探しに来たんだった。
「どんなお宝?」
「お、翔也もやる気満々か。それなら宝の地図をまずは復元しないとな」
「え?地図があるの?」
「ああ」
レオ君が差し出してきたのは地図の切れ端だ。これを集めなくちゃいけないのか。
どこにあるんだろう。
「しょうや、大丈夫。皆で手分けして探そう」
マオ君がそう言うんだから大丈夫かな?
「わふわふ」
聞き覚えのある声に俺はツリーハウスを飛び出した。
「ボス!」
ボスが何かを咥えている。もしかして地図?
「ボス、ありがとう」
ボスを抱きしめるとボスが顔を舐めて来る。
そうだ。俺はもう一人じゃないんだ。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
白と黒
更科灰音
ファンタジー
目を覚ますと少女だった。
今までの日常と同じようで何かが違う。
のんびり平穏な暮らしたがしたいだけなのに・・・
だいたい週1くらいの投稿を予定しています。
「白と黒」シリーズは
小説家になろう:神様が作った世界
カクヨム:リーゼロッテが作った世界
アルファポリス:神様の住む世界
で展開しています。
アストルムクロニカ-箱庭幻想譚-(挿し絵有り)
くまのこ
ファンタジー
これは、此処ではない場所と今ではない時代の御伽話。
滅びゆく世界から逃れてきた放浪者たちと、楽園に住む者たち。
二つの異なる世界が混じり合い新しい世界が生まれた。
そこで起きる、数多の国や文明の興亡と、それを眺める者たちの物語。
「彼」が目覚めたのは見知らぬ村の老夫婦の家だった。
過去の記憶を持たぬ「彼」は「フェリクス」と名付けられた。
優しい老夫婦から息子同然に可愛がられ、彼は村で平穏な生活を送っていた。
しかし、身に覚えのない罪を着せられたことを切っ掛けに村を出たフェリクスを待っていたのは、想像もしていなかった悲しみと、苦難の道だった。
自らが何者かを探るフェリクスが、信頼できる仲間と愛する人を得て、真実に辿り着くまで。
完結済み。ハッピーエンドです。
※7話以降でサブタイトルに「◆」が付いているものは、主人公以外のキャラクター視点のエピソードです※
※詳細なバトル描写などが出てくる可能性がある為、保険としてR-15設定しました※
※昔から脳内で温めていた世界観を形にしてみることにしました※
※あくまで御伽話です※
※固有名詞や人名などは、現代日本でも分かりやすいように翻訳したものもありますので御了承ください※
※この作品は「ノベルアッププラス」様、「カクヨム」様、「小説家になろう」様でも掲載しています※
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
若奥様は緑の手 ~ お世話した花壇が聖域化してました。嫁入り先でめいっぱい役立てます!
古森真朝
恋愛
意地悪な遠縁のおばの邸で暮らすユーフェミアは、ある日いきなり『明後日に輿入れが決まったから荷物をまとめろ』と言い渡される。いろいろ思うところはありつつ、これは邸から出て自立するチャンス!と大急ぎで支度して出立することに。嫁入り道具兼手土産として、唯一の財産でもある裏庭の花壇(四畳サイズ)を『持参』したのだが――実はこのプチ庭園、長年手塩にかけた彼女の魔力によって、神域霊域レベルのレア植物生息地となっていた。
そうとは知らないまま、輿入れ初日にボロボロになって帰ってきた結婚相手・クライヴを救ったのを皮切りに、彼の実家エヴァンス邸、勤め先である王城、さらにお世話になっている賢者様が司る大神殿と、次々に起こる事件を『あ、それならありますよ!』とプチ庭園でしれっと解決していくユーフェミア。果たして嫁ぎ先で平穏を手に入れられるのか。そして根っから世話好きで、何くれとなく構ってくれるクライヴVS自立したい甘えベタの若奥様の勝負の行方は?
*カクヨム様で先行掲載しております
転生リンゴは破滅のフラグを退ける
古森真朝
ファンタジー
ある日突然事故死してしまった高校生・千夏。しかし、たまたまその場面を見ていた超お人好しの女神・イズーナに『命の林檎』をもらい、半精霊ティナとして異世界で人生を再スタートさせることになった。
今度こそは平和に長生きして、自分の好きなこといっぱいするんだ! ――と、心に誓ってスローライフを満喫していたのだが。ツノの生えたウサギを見つけたのを皮切りに、それを追ってきたエルフ族、そのエルフと張り合うレンジャー、さらに北の王国で囁かれる妙なウワサと、身の回りではトラブルがひっきりなし。
何とか事態を軟着陸させ、平穏な暮らしを取り戻すべく――ティナの『フラグ粉砕作戦』がスタートする!
※ちょっとだけタイトルを変更しました(元:転生リンゴは破滅フラグを遠ざける)
※更新頑張り中ですが展開はゆっくり目です。のんびり見守っていただければ幸いです^^
※ただいまファンタジー小説大賞エントリー中&だいたい毎日更新中です。ぜひとも応援してやってくださいませ!!
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
結婚を控えた公爵令嬢は、お伽噺の“救世の神獣”と一心同体!? ~王太子殿下、わたしが人間じゃなくても婚約を続けてくださいますか?~
柳生潤兵衛
ファンタジー
【魔術も呪術もお伽噺の中のことだと思われていた世界で、公爵令嬢のオリヴィアがワンちゃんの姿で活躍し、世界を救うお話】
毎日6:10、18:10に投稿。
―あらすじ―
お酒を被ったり飲んだりするとワンちゃんに変身してしまう現象に悩まされていた公爵令嬢のオリヴィアは、一年後に結婚を控えてマリッジブルーな上に、その秘密をお相手であるエドワード王太子に言えずにいた。
そんな中開催された夜会で、エドワードもお酒でワンちゃんに変身してしまうことが判明。
その場はオリヴィアの機転で切り抜けられ、さらにオリヴィアの前向きな性格で両家を巻き込み原因の究明に乗り出す。
この理解不能な現象には、ある男が関わっていると判明し、その男の所在をワンちゃん“ふたり”の嗅覚で調べ上げ、身柄の確保に成功。
しかし、その男は長い間真犯人に囚われ、脅されて呪術を行使させられていただけだった。
真犯人の捜査を進めつつ、男の手によって解呪の儀式をするが、なぜかエドワードだけが成功し、オリヴィアは失敗してしまった。
戸惑ったり落ち込む間もなく、新たな問題が発生する。
天文現象を原因にその男が不気味で巨大な怪物に変身し、災厄を撒き散らしながら逃亡してしまったのだ。
それでもオリヴィアは前向きに解決しようと動く。
そんなオリヴィアに、エドワードも王太子としてよりも、オリヴィアの婚約者として協力して立ち向かっていく。
※本作内に於いて惑星や衛星の巡りの記述がありますが、地球を含む太陽系とは異なります。
また、それらの公転軌道等については緩い設定ですので、フィクションとご理解下されば幸いです。
本作は下記短編を長編化したもので、
第1章部分の中盤以降(結末)を改訂した上で、オリジナル第2章へ続きます。
マリッジブルー令嬢の深刻!?な秘密 ~お酒でワンちゃんになっちゃうご令嬢の、絶対婚約者に知られてはいけない夜会(知られちゃう)~
https://www.alphapolis.co.jp/novel/467203436/87638231
※※ この作品は、「カクヨム」「ノベルアップ+」にも掲載しています。
※※ 「小説家になろう」にも掲載予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる