24 / 26
2
2・最終日
しおりを挟む
「翔也、お昼は冷蔵庫に入ってるからね」
「ん…ありがとう、お母さん」
俺は絶賛寝ぼけ最中だ。昨日も早くに眠ったはずなのに、どうしてこんなに眠いんだろう。
「翔也、もし出掛けるなら、転ばないようにしてね」
「うん、気を付ける」
あまりに俺がよろよろしていたからか、お母さんに心配されてしまった。
とりあえず朝ご飯を食べなくちゃ。今日で夏休みもおしまいなんだし、明日の始業式には絶対に登校したい。
「わ、ホットサンドだ!」
食卓に並べられていたのはこんがり焼けたホットサンドたちだった。チーズがとろけてて美味しそうだな。ハムも挟まっていて美味しいのは間違いなく確定。食べてみたら期待を裏切らない味だった。
「翔也、お母さん出掛けるわね」
「はーい。行ってらっしゃい」
お母さんがいなくなると、急に静かになる。
カラカラとメノウさんが回し車で遊び始める。
「わふ!」
ボスが足元に座って尻尾を振った。可愛い。
「ボスも秘密基地行く?」
「ばう!」
「しょうやー!おはよー!」
マオ君はいつも通り元気いっぱいだ。
「二人もホットサンド食べなよ。お母さん作り過ぎたって困ってたし」
「しょうやはお腹空いてないの?」
「俺もうお腹いっぱい。スープとサラダもあったし」
「翔也のお母さん、料理上手だもんな」
ふ、とレオ君が笑って食卓に着いた。あ、なにか飲み物がいるよね。俺は棚からグラスを2つ取り出した。
「ねー、二人共ー、ミックスジュースでいい?」
冷蔵庫を開けたら真っ先に目に飛び込んできた。
「しょうやが飲むなら飲むー」
マオ君もこう言ってるし飲んでみよう。俺はワクワクしながらミックスジュースをグラスに注いだ。
「美味しい!」
バナナの甘味やパイナップルの酸味を感じて俺は嬉しくなった。ついこの間まで食べているものの味が分からなかったからだ。今は毎日ご飯が美味しい。それがたまらなく幸せだ。
「あのさ、秘密基地ってどんなとこ?」
俺は一番聞きたかったことを聞いた。
「うーん、異次元世界っていうのが正しいかな」
「異次元?!」
マオ君の口から聞き慣れない単語が出てきて驚いた。
「そうだよ。時空と時空の間にお父様が作ってくれたの」
なんだか頭が痛くなってきた。
「まぁ行ってみれば分かる」
「うん…」
不安がなかったわけじゃない。でも、行ってみたいっていう気持ちが強かった。
「何か持って行ったほうがいいの?」
「うーん、あそこには色々あるからなあ」
「宝探ししようよ!」
なんだそれ、めちゃくちゃ楽しそう。
「よし、しょうや、鍵を出して!」
マオ君に言われて俺は鍵を取り出した。空間に鍵穴が見える。俺はそれに鍵を差し込んで回した。
「ん…ありがとう、お母さん」
俺は絶賛寝ぼけ最中だ。昨日も早くに眠ったはずなのに、どうしてこんなに眠いんだろう。
「翔也、もし出掛けるなら、転ばないようにしてね」
「うん、気を付ける」
あまりに俺がよろよろしていたからか、お母さんに心配されてしまった。
とりあえず朝ご飯を食べなくちゃ。今日で夏休みもおしまいなんだし、明日の始業式には絶対に登校したい。
「わ、ホットサンドだ!」
食卓に並べられていたのはこんがり焼けたホットサンドたちだった。チーズがとろけてて美味しそうだな。ハムも挟まっていて美味しいのは間違いなく確定。食べてみたら期待を裏切らない味だった。
「翔也、お母さん出掛けるわね」
「はーい。行ってらっしゃい」
お母さんがいなくなると、急に静かになる。
カラカラとメノウさんが回し車で遊び始める。
「わふ!」
ボスが足元に座って尻尾を振った。可愛い。
「ボスも秘密基地行く?」
「ばう!」
「しょうやー!おはよー!」
マオ君はいつも通り元気いっぱいだ。
「二人もホットサンド食べなよ。お母さん作り過ぎたって困ってたし」
「しょうやはお腹空いてないの?」
「俺もうお腹いっぱい。スープとサラダもあったし」
「翔也のお母さん、料理上手だもんな」
ふ、とレオ君が笑って食卓に着いた。あ、なにか飲み物がいるよね。俺は棚からグラスを2つ取り出した。
「ねー、二人共ー、ミックスジュースでいい?」
冷蔵庫を開けたら真っ先に目に飛び込んできた。
「しょうやが飲むなら飲むー」
マオ君もこう言ってるし飲んでみよう。俺はワクワクしながらミックスジュースをグラスに注いだ。
「美味しい!」
バナナの甘味やパイナップルの酸味を感じて俺は嬉しくなった。ついこの間まで食べているものの味が分からなかったからだ。今は毎日ご飯が美味しい。それがたまらなく幸せだ。
「あのさ、秘密基地ってどんなとこ?」
俺は一番聞きたかったことを聞いた。
「うーん、異次元世界っていうのが正しいかな」
「異次元?!」
マオ君の口から聞き慣れない単語が出てきて驚いた。
「そうだよ。時空と時空の間にお父様が作ってくれたの」
なんだか頭が痛くなってきた。
「まぁ行ってみれば分かる」
「うん…」
不安がなかったわけじゃない。でも、行ってみたいっていう気持ちが強かった。
「何か持って行ったほうがいいの?」
「うーん、あそこには色々あるからなあ」
「宝探ししようよ!」
なんだそれ、めちゃくちゃ楽しそう。
「よし、しょうや、鍵を出して!」
マオ君に言われて俺は鍵を取り出した。空間に鍵穴が見える。俺はそれに鍵を差し込んで回した。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。
みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・
わたくし悪役令嬢になりますわ! ですので、お兄様は皇帝になってくださいませ!
ふみきり
ファンタジー
アリツェは、まんまと逃げおおせたと思った――。
しかし、目の前には黒いローブを着た少女が、アリツェたちを邪教徒と罵りつつ、行く手を阻むように立ち塞がっている。
少女の背後には、父配下の多数の領兵が控えていた。
――作戦が、漏れていた!?
まさか、内通者が出るとは思わなかった。逃亡作戦は失敗だ。
アリツェは考える。この場をどう切り抜けるべきかと。
背後には泣き震える孤児院の子供たち。眼前には下卑た笑いを浮かべる少女と、剣を構えてにじり寄るあまたの領兵。
アリツェは覚悟を決めた。今、精霊術でこの場を切り抜けなければ、子供たちの命はない。
苦楽を共にしてきた家族同然の子供たちを、見捨てるなんてできやしない!
アリツェはナイフを握り締め、自らの霊素を練り始めた――。
★ ☆ ★ ☆ ★
これは、ひょんなことから異世界の少年悠太の人格をその身に宿した、貴族の少女アリツェの一代記……。
アリツェは飄々とした悠太の態度に手を焼くも、時には協力し合い、時には喧嘩をしつつ、二重人格を受け入れていく。
悠太の記憶とともに覚醒した世界最強の精霊術は、幼く無力だったアリツェに父と戦う術を与えた。
はたしてアリツェは、命をつけ狙う父の魔の手を振り払い、無事に街から逃げのびられるのだろうか。
そして、自らの出生の秘密を、解き明かすことができるのだろうか――。
◇★◇★◇
●完結済みです
●表紙イラストはアメユジ様に描いていただきました。
【アメユジ様 @ameyuji22 (twitterアカウント) https://ameyuji22.tumblr.com/ (ポートフォリオサイト)】
●スピンオフ『精練を失敗しすぎてギルドを追放になったけれど、私だけの精霊武器を作って見返してやるんだからっ!』も公開中です。
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/598460848/814210883】
【小説家になろう、カクヨム、ノベルアッププラスにも掲載中です】
異世界TS転生で新たな人生「俺が聖女になるなんて聞いてないよ!」
マロエ
ファンタジー
普通のサラリーマンだった三十歳の男性が、いつも通り残業をこなし帰宅途中に、異世界に転生してしまう。
目を覚ますと、何故か森の中に立っていて、身体も何か違うことに気づく。
近くの水面で姿を確認すると、男性の姿が20代前半~10代後半の美しい女性へと変わっていた。
さらに、異世界の住人たちから「聖女」と呼ばれる存在になってしまい、大混乱。
新たな人生に期待と不安が入り混じりながら、男性は女性として、しかも聖女として異世界を歩み始める。
※表紙、挿絵はAIで作成したイラストを使用しています。
※R15の章には☆マークを入れてます。
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?
悠
ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。
それは——男子は女子より立場が弱い
学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。
拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。
「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」
協力者の鹿波だけは知っている。
大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。
勝利200%ラブコメ!?
既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
クズな少年は新しい世界で元魔獣の美少女たちを従えて、聖者と呼ばれるようになる。
くろねこ教授
ファンタジー
翔馬に言わせるとこうなる。
「ぼくは引きこもりじゃないよ
だって週に一回コンビニに出かけてる
自分で決めたんだ。火曜の深夜コンビニに行くって。
スケジュールを決めて、実行するってスゴイ事だと思わない?
まさに偉業だよね」
さて彼の物語はどんな物語になるのか。
男の願望 多めでお送りします。
イラスト:イラスト:illustACより沢音千尋様の画を利用させて戴きました
『なろう』様で12万PV、『カクヨム』様で4万PV獲得した作品です。
『アルファポリス』様に向けて、多少アレンジして転載しています。
退屈な人生を歩んでいたおっさんが異世界に飛ばされるも無自覚チートで無双しながらネットショッピングしたり奴隷を買ったりする話
菊池 快晴
ファンタジー
無難に生きて、真面目に勉強して、最悪なブラック企業に就職した男、君内志賀(45歳)。
そんな人生を歩んできたおっさんだったが、異世界に転生してチートを授かる。
超成熟、四大魔法、召喚術、剣術、魔力、どれをとっても異世界最高峰。
極めつけは異世界にいながら元の世界の『ネットショッピング』まで。
生真面目で不器用、そんなおっさんが、奴隷幼女を即購入!?
これは、無自覚チートで無双する真面目なおっさんが、元の世界のネットショッピングを楽しみつつ、奴隷少女と異世界をマイペースに旅するほんわか物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる