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占い2

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そんなわけで、俺は商店街にいた。

「ウソでしょ..... 」

商店街にあるクリスマスケーキは全て売り切れてしまっていた。
予約をしておかないとダメだったらしい。
落ち着かないと。
混乱している頭を振る。

「や、まだケーキ屋あるし、そこに行けば」

「坊や」

俺は辺りを見回した。
占い師さんが手招きをしている。
綺麗なヒトだな。
俺が近付いていくと、彼女は笑った。

「なにか困っているようだね?
あたしが当ててあげようか?」

「え」

占い師さんは水晶玉に手をかざしはじめる。
なにがわかるんだろう?

「ふーん、あんた、好きなひとがいるんだね?」

「な、なんでそれを?」

「そりゃあわかるさ。
あたしは一流の占い師だからね!
クリスマスをその人と過ごすのかい?」

なんでわかるんだろう?
怖いんですけど。

「あ、そうデス」

一応答えると、占い師さんは更に水晶玉に手をかざして視はじめた。

「ふむ、その人のためにケーキが欲しいのかい?」

「なんでわかるんですか?」

「街外れのケーキ屋に行ってみな。
坊やの欲しいのがきっとあるよ」

「あ、どうも」

占い師さんに頭を下げて、俺はそのケーキ屋に向かった。
お金よかったのかな?
今度ちゃんと占ってもらおう。
そのケーキ屋に入るとショーケースにケーキがひとつだけあった。
でも先客がいるようだ。遅かったか。
あれ?

「センセ?」

ショーケースの前にいたのはセンセだった。

「紗輝くん、すまない!今年から商店街のケーキが予約分しかないのを忘れていたんだ!
買えたら連絡しようと思っててな」

「そうだったんだ。
でも残っててよかった」

あの占い師さんに言われてなかったらここに来てないわけで。
やっぱり怖いんですけど。

「荷物、重たかったろう?」

帰り道、センセはケーキを、俺はシャンパンと食べ物を持って歩いていた。

「大丈夫デス。
あ、そういえば占い師さんに声をかけられて」

俺は事の顛末てんまつを話した。
センセは笑い出す。

「紗輝くん、彼女には誰も敵わないぞ」

え?どういうこと?

「本物の力だからな」

センセが言うにはあの占い師さんには超能力が備わっているらしい。
なんだか納得してしまう。
絶対今度占ってもらおう。

「なぁ、紗輝くん、昨日の話なんだが」

「ん?」

どうしたんだろ?
センセの顔が赤い。

「来年も頼む」

「あ、当たり前でしょ!」

俺も顔が熱くなってくる。
センセを諦めるなんていう選択肢はないし。

「帰ったらいっぱいのんで食べような!」

「だね」

ちら、と白いものが舞ってきたので、空を見上げた。

「雪だ」

「道理で寒いわけだ」

メリークリスマス!

(占い 完)
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