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尽きない飴ちゃん?①(グレイ✕ユウイ)

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「グレイ様、おはようございます」

朝起きると、ユウイが必ず食事を作ってくれている。騎士の訓練があるのでかなり早い時間なのだが、ユウイは楽しそうにせっせと手を動かしている。グレイはそっと後ろから近付き、ユウイを抱き締めていた。ユウイが驚いたのかカチコチに固まっている。

「グレイ様、えっと、危ないのでその」

体温が急に上がったユウイからグレイはそっと離れた。

「すみません、ユウイさん」

グレイが謝るとユウイがこちらを向いてぶんぶん首を横に振っている。

「グレイ様にぎゅってされるの大好きです!」

そう言われてグレイも瞬間的に顔が熱くなった。ユウイは素直な人だ。嘘を吐くような人でもない。きっと本当のことなのだろう。

「あの、ご飯すぐ支度しますのでお茶を飲んでいてください」

ユウイはてきぱきとお茶を淹れてくれている。そしてユウイ特製の漬物も皿にこんもり載せていた。この漬物がなんとも美味い。グレイはこれがすっかりお気に入りだ。グレイは食卓に着き漬物を食べ始めた。今日もユウイの漬けた漬物は美味い。

「美味いです、ユウイさん」

「よかった」

しばらくして食事の準備が整ったのか、ユウイは食事を運んできた。今日は魚料理らしい。見たところ煮魚だ。ホカホカと湯気が立っている。

「今日は久しぶりにお米を炊いてみたんです」

「珍しいですね」

土鍋からユウイは白米を器にこんもりと盛り付ける。ツヤツヤで美味そうだ。

「ふふ、お米が主食の国もあるくらいですし、そういう国のお米はもっと美味しいんでしょうね」

二人は食事を食べ始めた。

「ユウイさんの今日の予定は?」

「はい、子供たちのお世話をしに街へ出かけます」

ユウイはドレス作りの依頼をこなしながら、城下町にある保育園の手伝いをしている。子供たちからすでに大人気なユウイである。

「大変ではないですか?」

「全然。むしろ俺が元気になっちゃうくらいで」

「それなら良かったです。夕方迎えに行きます」

「わぁ…グレイ様が来てくださったら子供たちも喜びます」

ユウイがニコニコしている。そんなユウイがグレイには愛おしい。

「では行って来ます」

「行ってらっしゃい」

二人はそっと唇を重ね合った。新婚ほやほやというのもあるが、二人はラブラブである。
グレイはいつもの通り、訓練をしている修練場に向かった。

「隊長、おはようございます」

「おはよう、トーマス」

「おはようございます、隊長!」

騎士たちはグレイを見るなりパッと顔を輝かせる。グレイはやれやれと苦笑いした。

「奥様は?」

騎士たちの狙いは外でもないユウイである。少しの間、ユウイが練習を毎日見に来ていたので、なんだ?あの美人は?としばらく話題になったのだ。

「今日は保育園でお手伝いだそうだ」

「保育園…」

騎士たちがなんとか保育園に行く口実がないかと考え始めたのを見て、グレイは苦笑してしまう。

「お前たち、保育園には行くなよ。子供たちが怖がるからな」

「えー、でも隊長はユウイ様をお迎えに行くんですよね?」

そんなのずるい!と騎士たちがごね始める。こうなるともうグレイの手には負えない。グレイはため息を吐いた。

「分かった。今日の訓練で一番頑張ったやつを連れて行く」

これで騎士たちの士気が上がるのなら仕方がない。グレイは心の中でユウイに謝った。

✢✢✢

「ユウイ様!見て!トンネルがもうすぐ開通するよぉ!」

子供たちが砂場で遊んでいる。ユウイは笑ってその場にしゃがんだ。大きな山が出来ている。その山にはトンネルが掘られている。

「本当だね。どうすれば上手く開通出来るかな?」

ユウイの問に子供たちが考え始める。

「んー、何かで固めればどうかな?」

「何で固めるの?」

「お水じゃない?」

その中のひとりが言う。

そうか!と子供たちは水瓶に貯まった水をバケツで掬い持ってきた。水が重たかったのか足取りはよたよたしているが楽しそうだ。

「ユウイ様、手伝って!」

「うん」

子供たちから指示をもらいユウイはトンネルを掘り進めた。そしてとうとう開通した。

「やったぁ!!」

「みんなー、お茶の時間ですよー」

保育士が呼びに来たのでユウイは子供たちを促したのだった。
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