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くまさんと看病②(大地✕翼)
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翼:side
「熱があるって暇だな」
翼は頭痛を感じていたが、横になっている分には気にならない。だからといって、横になってタブレットを使うのはなかなか難しそうだ。翼は一眠りしようと目を閉じた。体が疲れているのは間違いない。まずは体力の回復が先決だ。翼はすぐ寝入ってしまった。
「あ…」
パチっと目を開けると、大地が氷枕の位置を直してくれているところだった。
「翼さん、大丈夫?苦しくない?」
至れり尽くせりだなと翼は思って、笑いそうになってしまった。
「苦しくないよ、大丈夫」
「翼さんの寝顔、本当可愛いよね」
「写真撮った?」
「勝手には撮らないよ」
大地のスマートさは、他の男性にはなかなか真似できないだろうと翼は思っている。そんな彼が女性にモテないわけがない。
「大地君はやっぱりモテるよね」
「随分話が飛躍したよねえ」
翼の言葉に大地が噴き出している。
「だって大地君はかっこいいし、優しいもん」
「えー、それだけ?」
大地が甘えるように言ってくる。こういう所も翼は好きだった。
「あ、あと…えぇと、エッチが上手いし?」
「はは。それは嬉しいな」
大地が笑ってくれているのが翼には嬉しい。
「翼さん、随分元気になったみたい。でも油断しないでね。まだ菌はいるからさ」
「大地君にうつしたくない」
「それは大丈夫。翼さんも普段だったら平気だったと思うし」
確かに最近立て続けに仕事が入り、休みらしきものがなかった。
「仕事があるのって有り難い話なんだけどね」
「まあ、それはそれ、かな。とりあえずお粥作ったから食べてね。もし食べられそうならアイスもあるし」
「アイス?!」
「翼さんの好きなやつ買ってきたよ」
「ありがとう」
そろそろ休憩が終わるからと大地は職場に戻って行った。翼はいそいそと台所に向かう。眠ったおかげか、頭痛もない。
「わあ、ミカンのアイス!」
冷凍庫にはこれでもかと何種類ものアイスが入っていた。しばらくおやつには困らないだろう。とりあえず先にお粥を食べようと翼は鍋を見た。
お粥に、たまごとしらす干しが入っている。ガスレンジで温めて器に盛り付けた。
「いっぱいたーべよ」
体調もすっかり良くなっている。翼の食欲はいつもとほぼ変らなかった。
「喉痛くなくて良かった」
アイスクリームを冷凍庫から取り出して、口に頬張る。
「うーん、これこれ」
翼はアイスクリームもぺろっと完食し、ベッドへ戻った。
「あー、お腹いっぱい。幸せ」
翼は再びウトウトしている。それがものすごく気持ちがいい。
「あ…」
気が付くと西日が射し込んでいる。翼は起き上がって洗濯物を取り込んだ。
「うん、もう元気だ」
疲れもどこかへ消えている。
「ただいま!」
大地が慌てた様子で戻ってきた。
「翼さん、大丈夫なの!?」
「もう元気だよ、ありがとう。大地君」
「尊い」
今日1日はキスはやめとこう。そう決めた翼なのだった。
おわり
「熱があるって暇だな」
翼は頭痛を感じていたが、横になっている分には気にならない。だからといって、横になってタブレットを使うのはなかなか難しそうだ。翼は一眠りしようと目を閉じた。体が疲れているのは間違いない。まずは体力の回復が先決だ。翼はすぐ寝入ってしまった。
「あ…」
パチっと目を開けると、大地が氷枕の位置を直してくれているところだった。
「翼さん、大丈夫?苦しくない?」
至れり尽くせりだなと翼は思って、笑いそうになってしまった。
「苦しくないよ、大丈夫」
「翼さんの寝顔、本当可愛いよね」
「写真撮った?」
「勝手には撮らないよ」
大地のスマートさは、他の男性にはなかなか真似できないだろうと翼は思っている。そんな彼が女性にモテないわけがない。
「大地君はやっぱりモテるよね」
「随分話が飛躍したよねえ」
翼の言葉に大地が噴き出している。
「だって大地君はかっこいいし、優しいもん」
「えー、それだけ?」
大地が甘えるように言ってくる。こういう所も翼は好きだった。
「あ、あと…えぇと、エッチが上手いし?」
「はは。それは嬉しいな」
大地が笑ってくれているのが翼には嬉しい。
「翼さん、随分元気になったみたい。でも油断しないでね。まだ菌はいるからさ」
「大地君にうつしたくない」
「それは大丈夫。翼さんも普段だったら平気だったと思うし」
確かに最近立て続けに仕事が入り、休みらしきものがなかった。
「仕事があるのって有り難い話なんだけどね」
「まあ、それはそれ、かな。とりあえずお粥作ったから食べてね。もし食べられそうならアイスもあるし」
「アイス?!」
「翼さんの好きなやつ買ってきたよ」
「ありがとう」
そろそろ休憩が終わるからと大地は職場に戻って行った。翼はいそいそと台所に向かう。眠ったおかげか、頭痛もない。
「わあ、ミカンのアイス!」
冷凍庫にはこれでもかと何種類ものアイスが入っていた。しばらくおやつには困らないだろう。とりあえず先にお粥を食べようと翼は鍋を見た。
お粥に、たまごとしらす干しが入っている。ガスレンジで温めて器に盛り付けた。
「いっぱいたーべよ」
体調もすっかり良くなっている。翼の食欲はいつもとほぼ変らなかった。
「喉痛くなくて良かった」
アイスクリームを冷凍庫から取り出して、口に頬張る。
「うーん、これこれ」
翼はアイスクリームもぺろっと完食し、ベッドへ戻った。
「あー、お腹いっぱい。幸せ」
翼は再びウトウトしている。それがものすごく気持ちがいい。
「あ…」
気が付くと西日が射し込んでいる。翼は起き上がって洗濯物を取り込んだ。
「うん、もう元気だ」
疲れもどこかへ消えている。
「ただいま!」
大地が慌てた様子で戻ってきた。
「翼さん、大丈夫なの!?」
「もう元気だよ、ありがとう。大地君」
「尊い」
今日1日はキスはやめとこう。そう決めた翼なのだった。
おわり
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