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俺の妹は今日も可愛い!③(完結)

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「んまぁっ!」

その日の夕方、カヤとフウさんが釣ってきた魚を俺達はもぐもぐ食べていた。
塩をかけてじっくり焼くだけで、こんなに美味いとは知らなかった。

「もう、お姉ちゃん。よく噛んで食べてよね?」

カヤが呆れたように言う。

「美味しイ!」

フウさん達も魚にかぶりついている。
カヤも食べ始めた。
うん、世界が平和ってやっぱりいいな。
明日にはもう帰らなくちゃいけないのか。
楽しい時間はあっという間だなぁ。

「見テ」

フウさんが空を指差す。
真上には星空が広がっている。

「綺麗」

カヤが言う。

「素敵ですねえ!星なんてじっくり見たのは初めてかもしれません」

とサランさん。
フウさんとサランさんは今までずっと戦いに身を投じてきたわけだし、それがどれだけ大変なことだったか少し分かる気がする。
これからは自分の人生をめいっぱい楽しんでほしいな。

魚を食べ終わってお茶を飲んでいたら、カヤが四角い包みを取り出した。
なんだろう。甘い匂いだ。
ずっと火のそばに置かれていたよな?

「今日出掛ける前に作ってきたの」

カヤがニコニコしながら言う。
カヤが包みを開けると湯気が立ち上った。これは。

「蒸しパンなの。リヴァさんから教わったのよ。軽く温めたから柔らかいと思うんだけど」

カヤとリヴァさんはいつの間にかとても仲良しになっている。
二人共お料理が好きだし、お互いにレシピを教えあっているようだ。

蒸しパンを千切って口に入れると、ほわぁと甘みが広がった。

「わぁ…うまっ」

「お姉ちゃんはなんでも美味しいって言うんだから」

カヤがため息をついている。

「え?だって美味しいもん」

サランさんがくすくす笑い始める。
俺達は驚いて彼を見つめた。

「本当に…楽しいですね」

「これから、いっぱい楽しいことがありますよ」

「うん、私もそう思います」

俺の言葉にカヤが同調してくれた。

「はい。そうなれるよう努力します」

「サラン。俺タチ、恵まれテルネ」

「本当に」

まだ時間が早かったけれど、俺達は早々に眠ることにした。
今日は朝も早かったし、慣れないことをしたせいかもうヘトヘトだ。

俺とカヤが同じテント。サランさんとフウさんはそれぞれ別のテントに泊まる。

「カヤー、おやすみ」

「おやすみなさい、お姉ちゃん」

俺は耐えきれなくなって、目を閉じた。

✣✣✣

ふと気が付くと声が聞こえた。
誰の声だろう?耳を済ませると、カヤの声だと分かる。
そしてもう一人。フウさんだった。
俺はそうっとテントの入り口を開けた


二人は夜空の下で楽しそうに話している。何を話しているかまではわからない。でもきっと幸せな内容なんだろう。
なんかいいな、こういうの。
すごく温かい気持ちになるんだ。
二人の笑顔、嬉しいな。

(どうかこの世界のみんなが
もっと幸せになりますように)

俺はそれを願っている。

おわり
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