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10・花嫁になる日
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ユウイは眼の前の人に見惚れていた。そう、タキシード姿のグレイだ。自分でデザインしたタキシードだったが、グレイは思った以上に着こなしている。どこかの王子と言われても信じてしまうだろう。
「素敵です…グレイ様」
ほう、とつい心の中の声を思い切り漏らしていたユウイである。それにグレイが笑った。
「ユウイ殿…いや、ユウイさんも素敵ですよ」
ユウイさん、と親しげに呼ばれてユウイは真っ赤になった。ユウイももちろんウエディングドレスを着ている。白い細身のパンツの腰周りにスカートのような膨らみがあるデザインだ。
「行きましょうか」
「は、はい」
グレイの手をそっと握る。二人は観衆の前に姿を現した。歓声が上がる。結婚式は滞りなく終わった。
(俺、本当に花嫁さんになったんだ…)
ユウイはいつもの服に着替えている。先程まで着飾っていたのが不思議な感じだった。鏡の中の自分はいつもより幸せそうな顔をしている。
「ユウイさん、これはどこに置きましょうか?」
ふと声を掛けられてユウイは振り向いた。眼の前にいたのは積み重なった箱である。
「え?グレイ様の声がしたのに箱がある…?」
ユウイは一瞬キョトンとして、ハッと気が付いた。慌てて箱の一部を受け取る。
「良かった、グレイ様だった」
ホッとしていると、グレイが笑う。
「贈り物を沢山頂きましたね。またお返しをせねば」
「わ、俺も選びたいです」
「もちろん、一緒に行きましょう」
今日は城で作られた食事を二人は貰ってきていた。ユウイはふと左手を見る。薬指に輝くのはもちろんマリッジリングだ。いつの間にかグレイが用意してくれていた。
「グレイ様?指輪高かったんじゃ…」
先程のペンダントといい、色々な物を貰いすぎているような気がしてユウイは思わず尋ねていた。
「私にはユウイさんが一番ですから」
「グレイ様、好き♡」
もうグレイには心の声がだだ漏れでも構わないとユウイは思っている。
「ユウイさん、何か食べましょう。腹が減りました」
「そうですよね。食べましょう」
貰って来た食事は沢山ある。魚料理に始まり、肉料理、副菜の春雨サラダや芋を揚げたものもなんかもある。とにかく美味しくて二人は夢中になって食べた。
「美味しい。幸せ」
「ユウイさんは美味しそうに食べますね」
「グレイ様も負けてないです」
「それは一本取られました」
二人で笑い合う。
食事を摂り終えて、ユウイは片づけと明日の食事の仕込みをしていた。グレイは風呂に入っている。またドレスを作って欲しいと数件依頼が来ている。明日からまたばりばり働こうとユウイは決意を新たにしていた。お金が全てではないが、やはり生きるのには欠かせないものだ。ユウイは野菜を切り酢に浸けた。ピクルスである。ちょいちょい摘まむにはちょうどいいのだ。
「ユウイさん」
既視感を覚える状況にユウイはどきりとした。グレイに後ろから抱きしめられている。
「ユウイさん、あなたが欲しい」
「グレイ様」
ユウイは振り返って彼に抱き着いた。
「俺で良ければ上げます」
***
グレイの部屋のベッドは大きい。ユウイは寝間着姿でベッドのへりに座っていた。ユウイも風呂に入り体を清めている。
「ユウイさん、怖いですか?」
隣に座るグレイに肩を抱き寄せられ、ユウイは彼にもたれかかった。
「グレイ様のこと信じてます。だから大丈夫です」
「今日も美味しそうですね」
ユウイはあっという間もなくベッドに組み敷かれている。ますます既視感だ。
「ユウイさん、今日はやめられませんよ。お覚悟を」
少し怖くなってきたユウイだがグレイに任せようという気持ちで頷いた。
グレイに唇を塞がれて味わわれる。
「ん、っつ・・ぐれい様♡」
するりと寝間着の中にグレイのごつごつした手が中に入って来る。
ユウイはどきっとして身を固めた。
「大丈夫ですよ、深呼吸をして」
グレイに優しく促されユウイはふっと息を吐いた。グレイの手がユウイの胸に回る。
今までろくに運動してきてないせいかユウイの体は薄い。
「っあ」
グレイに胸の突起を探られてユウイは悲鳴を上げた。何度となく繰り返した刺激はいつの間にかたまらなく快感になっている。
「好き、グレイ様、それ好き♡」
「今日はこっちも見せてください」
「あ」
ユウイは羞恥心で戸惑いの声を上げた。裸を見られるのは初めてではないが、こういう情事で肌を晒すのはなんだか恥ずかしい。
「や、見ないで」
「ユウイさん、綺麗ですよ」
「あ・・・」
グレイにそう言われてユウイは赤くなった。下着を脱がされて性器が露になる。
すでに立ち上がり始めているそれをユウイは手で隠そうとした。
「隠さないで。全て俺に見せて」
「グレイ様、でも」
ユウイはどうしようもなくて泣いてしまった。
「ユウイさん、大丈夫。あなたは俺が守ります」
涙を指で拭われてユウイはグレイに頷いた。
***
「ああっ、あっ、アン」
グレイはユウイと繋がろうと解し始めたがもちろんいきなりではうまくいかない。なんとかグレイの指一本を受け入れることが出来た。苦しくて快感は分からないがなんだか射精しそうな感覚を覚える。
「ユウイさん、苦しいですね」
グレイはどこまでも優しい。
「あ、グレイ様」
グレイが指を引き抜くとユウイはくったりしてしまった。
グレイの下半身に目が留まる。そのすごさにユウイは喉を鳴らしてしまった。
「一緒に気持ちよくなりましょう」
ユウイを軽々と抱き上げてグレイは自身の性器ごとユウイの性器を握りこむ。それだけでぞくりと快感が走る。
「あ、あん、っつ」
擦られるだけで腰が震える。グレイの手が二人の性器を同時に擦り上げてユウイは耐えられそうになかった。
「あ、も、駄目」
「ユウイさん、頑張って」
ふーふーとユウイは落ち着こうと深く息を吐いた。グレイの怒張はますますすごくなっている。
グレイが興奮してくれて嬉しい。
「も、大丈夫です」
よしよしとグレイに頭を撫でられてユウイは笑った。再び性器を擦り上げられる。とうとう二人は達した。
「っ!―」
目の前がチカチカする。ユウイはグレイの胸にもたれている。眠たくて仕方がない。
「ユウイさん」
グレイに横抱きに抱えられている。
「グレイ様、好きです」
「俺もですよ」
永遠の愛を二人は改めて誓った。
おわり
「素敵です…グレイ様」
ほう、とつい心の中の声を思い切り漏らしていたユウイである。それにグレイが笑った。
「ユウイ殿…いや、ユウイさんも素敵ですよ」
ユウイさん、と親しげに呼ばれてユウイは真っ赤になった。ユウイももちろんウエディングドレスを着ている。白い細身のパンツの腰周りにスカートのような膨らみがあるデザインだ。
「行きましょうか」
「は、はい」
グレイの手をそっと握る。二人は観衆の前に姿を現した。歓声が上がる。結婚式は滞りなく終わった。
(俺、本当に花嫁さんになったんだ…)
ユウイはいつもの服に着替えている。先程まで着飾っていたのが不思議な感じだった。鏡の中の自分はいつもより幸せそうな顔をしている。
「ユウイさん、これはどこに置きましょうか?」
ふと声を掛けられてユウイは振り向いた。眼の前にいたのは積み重なった箱である。
「え?グレイ様の声がしたのに箱がある…?」
ユウイは一瞬キョトンとして、ハッと気が付いた。慌てて箱の一部を受け取る。
「良かった、グレイ様だった」
ホッとしていると、グレイが笑う。
「贈り物を沢山頂きましたね。またお返しをせねば」
「わ、俺も選びたいです」
「もちろん、一緒に行きましょう」
今日は城で作られた食事を二人は貰ってきていた。ユウイはふと左手を見る。薬指に輝くのはもちろんマリッジリングだ。いつの間にかグレイが用意してくれていた。
「グレイ様?指輪高かったんじゃ…」
先程のペンダントといい、色々な物を貰いすぎているような気がしてユウイは思わず尋ねていた。
「私にはユウイさんが一番ですから」
「グレイ様、好き♡」
もうグレイには心の声がだだ漏れでも構わないとユウイは思っている。
「ユウイさん、何か食べましょう。腹が減りました」
「そうですよね。食べましょう」
貰って来た食事は沢山ある。魚料理に始まり、肉料理、副菜の春雨サラダや芋を揚げたものもなんかもある。とにかく美味しくて二人は夢中になって食べた。
「美味しい。幸せ」
「ユウイさんは美味しそうに食べますね」
「グレイ様も負けてないです」
「それは一本取られました」
二人で笑い合う。
食事を摂り終えて、ユウイは片づけと明日の食事の仕込みをしていた。グレイは風呂に入っている。またドレスを作って欲しいと数件依頼が来ている。明日からまたばりばり働こうとユウイは決意を新たにしていた。お金が全てではないが、やはり生きるのには欠かせないものだ。ユウイは野菜を切り酢に浸けた。ピクルスである。ちょいちょい摘まむにはちょうどいいのだ。
「ユウイさん」
既視感を覚える状況にユウイはどきりとした。グレイに後ろから抱きしめられている。
「ユウイさん、あなたが欲しい」
「グレイ様」
ユウイは振り返って彼に抱き着いた。
「俺で良ければ上げます」
***
グレイの部屋のベッドは大きい。ユウイは寝間着姿でベッドのへりに座っていた。ユウイも風呂に入り体を清めている。
「ユウイさん、怖いですか?」
隣に座るグレイに肩を抱き寄せられ、ユウイは彼にもたれかかった。
「グレイ様のこと信じてます。だから大丈夫です」
「今日も美味しそうですね」
ユウイはあっという間もなくベッドに組み敷かれている。ますます既視感だ。
「ユウイさん、今日はやめられませんよ。お覚悟を」
少し怖くなってきたユウイだがグレイに任せようという気持ちで頷いた。
グレイに唇を塞がれて味わわれる。
「ん、っつ・・ぐれい様♡」
するりと寝間着の中にグレイのごつごつした手が中に入って来る。
ユウイはどきっとして身を固めた。
「大丈夫ですよ、深呼吸をして」
グレイに優しく促されユウイはふっと息を吐いた。グレイの手がユウイの胸に回る。
今までろくに運動してきてないせいかユウイの体は薄い。
「っあ」
グレイに胸の突起を探られてユウイは悲鳴を上げた。何度となく繰り返した刺激はいつの間にかたまらなく快感になっている。
「好き、グレイ様、それ好き♡」
「今日はこっちも見せてください」
「あ」
ユウイは羞恥心で戸惑いの声を上げた。裸を見られるのは初めてではないが、こういう情事で肌を晒すのはなんだか恥ずかしい。
「や、見ないで」
「ユウイさん、綺麗ですよ」
「あ・・・」
グレイにそう言われてユウイは赤くなった。下着を脱がされて性器が露になる。
すでに立ち上がり始めているそれをユウイは手で隠そうとした。
「隠さないで。全て俺に見せて」
「グレイ様、でも」
ユウイはどうしようもなくて泣いてしまった。
「ユウイさん、大丈夫。あなたは俺が守ります」
涙を指で拭われてユウイはグレイに頷いた。
***
「ああっ、あっ、アン」
グレイはユウイと繋がろうと解し始めたがもちろんいきなりではうまくいかない。なんとかグレイの指一本を受け入れることが出来た。苦しくて快感は分からないがなんだか射精しそうな感覚を覚える。
「ユウイさん、苦しいですね」
グレイはどこまでも優しい。
「あ、グレイ様」
グレイが指を引き抜くとユウイはくったりしてしまった。
グレイの下半身に目が留まる。そのすごさにユウイは喉を鳴らしてしまった。
「一緒に気持ちよくなりましょう」
ユウイを軽々と抱き上げてグレイは自身の性器ごとユウイの性器を握りこむ。それだけでぞくりと快感が走る。
「あ、あん、っつ」
擦られるだけで腰が震える。グレイの手が二人の性器を同時に擦り上げてユウイは耐えられそうになかった。
「あ、も、駄目」
「ユウイさん、頑張って」
ふーふーとユウイは落ち着こうと深く息を吐いた。グレイの怒張はますますすごくなっている。
グレイが興奮してくれて嬉しい。
「も、大丈夫です」
よしよしとグレイに頭を撫でられてユウイは笑った。再び性器を擦り上げられる。とうとう二人は達した。
「っ!―」
目の前がチカチカする。ユウイはグレイの胸にもたれている。眠たくて仕方がない。
「ユウイさん」
グレイに横抱きに抱えられている。
「グレイ様、好きです」
「俺もですよ」
永遠の愛を二人は改めて誓った。
おわり
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